ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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漫画版プログレッシブを読み直して見ました。
ここから少し漫画版にはよっていくと思います。…多分
よろしくお願いします


15話

sideツキノワ

 

「樹海?」

 

初めて見る第3層の景色は、一面森林だった。

 

「樹海って…ツキノワ君、もうちょっと何か表現なかった?」

 

「何と言うか、富士樹海思い出したんでつい…そんな事より霧が濃くないですか?」

 

「ツキノワはあそこで迷子になりかけたもんね…ここは【迷い霧の森(フォレスト・オブ・ウェイバリング・ミスト)】と、呼ばれるエリアだから霧が濃いのよ。みんな、出来るだけそれぞれの傍から離れずに、固まって行動して」

 

「今サラッと凄いこと言わなかった!?」

 

「ツキノワって以外と武勇伝多いよな…」

 

「俺のことはいいんだよ!それよりモンスター出たぞ!?」

 

ミトが余計な事を言ったので誤魔化すように戦闘体勢に入る。

 

「【トレント・サプリンク】よ!弱いけど厄介なやつだから気をつけて!」

 

「注意点1!奥に誘い込もうとするから立ち位置には気をつけろ!」

 

「「了解!」」

 

キリトとミトが枝を伐採してタゲをとってる間に、俺と先輩は裏をとって奇襲をしようとする。

 

「「もらった…!!」」

 

「あ、注意点2…前後が入れ替わるから背後は取れないわよ?」

 

「「え…?」」

 

そう言われた瞬間、トレントと目が合う俺達。

 

「「…そういう事は先に言え(言ってよ)!!」」

 

あっさりとトレントを伐採した俺達は先を進んだ。

 

「ところでキリト、さっき言ってた『真のSAOの始まり』ってどういう事だよ?」

 

「ああ、その事か…。実はこの層から人型MOBが出てくるんだよ」

 

ん?人型MOB?

今までも出てたよな?

 

「人型なら今までも出てたじゃない」

 

アスナ先輩も同じ事を思ったらしく、不思議そうに尋ねる。

それに答えたのはミトだった。

 

「コボルト達は亜人種と呼ばれる分類よ。二足歩行だけど人には見えないでしょ?これから出てくる人型は、ソードスキルの使い方も上手いのよ」

 

「つまり強くなるって事か?」

 

「そういう事。今まで以上に気を引き締めないと殺られるわよ」

 

ミトの物騒な物言いを聞いているとキン!キン!という戦闘音が聞こえてきた。

 

「戦闘音だ…。こっちだ!!」

 

「見つけたか!よし、行くぞ!」

 

「キリト、これって…そういう事?」

 

「ああ、そういう事だ!!」

 

「どういう事よ!?」

 

キリトとミトが何やら勝手に納得しているので、当然アスナ先輩は理解していない。

まあ、俺もなのだが。

とりあえず置いておき、音の方に向かうと2人のNPCが戦っていた。

 

「NPC同士が戦ってる?」

 

「選択肢は…変わってないわね」

 

「ああ、そうみたいだな」

 

「何よこれ?どうなってるの?」

 

俺とアスナ先輩は、何が起きてるか訳が分からなかったので、2人に説明を求めた。

 

「これが9層まで続くSAO初の大型キャンペーンクエスト、通称【エルフクエスト】だ。あの2人をよく見てみろ。耳がとんがってるだろ?」

 

…本当だ。

あれはエルフだ。

耳とんがってるし。

 

「ここではあの2人のどっちに味方するかで、話の展開が変わってくるのよ。黒と紫の方が【黒エルフ(ダーク・エルフ)】で、白と緑の方は【森エルフ(フォレスト・エルフ)】よ」

 

「2人はどっちにしたんだ?…いや、キリトはいいや、想像つく」

 

「お前も同じだろ絶対!?」

 

「私は黒よ」

 

「なら黒にしましょう」

 

よし、決まった所で飛び出そうとした瞬間

 

「「ち、ちょっと待て(待ちなさい)!」」

 

突然、俺の襟首掴んでキリトとミトが止める。

 

「ゴヒュッ!?!?」

 

「大丈夫!?」

 

今までで1番、死を覚悟したかも。

マジ危なかった…

 

「ゴホッゴホッ…何すんだよ!?」

 

「す、すまん…慌ててつい…」

 

「考え無しに飛び出そうとするからでしょう…あのエルフは7層のエリートクラス並の強さだから、私達じゃ、勝てないわよ」

 

…勝てない?

 

「勝てないってどうするのよ!?」

 

「大丈夫よ。こっちのHPが半分を切ったら、奥の手で助けてくれるわ」

 

奥の手ねぇ…そういう割には

 

「あまり使いたくないって顔してるぞ」

 

「まあ…自爆攻撃だからな…」

 

「そんな…!?」

 

アスナ先輩が悲鳴じみた声を上げる。

確かにあまり気分のいい話ではない。

でもゲームとはそういうものだ。

 

「…先輩。多分これからこの手の話はどんどん増えます。だから割り切った方がいいと思います」

 

その言葉にアスナ先輩は少し黙っていると

 

「…わかった。要するに…私達があいつより強ければいいのね」

 

「「「…え!?」」」

 

逆に開き直った!?このタイミングで!?

ていうかもう飛び出した!?

 

「「「ちょ!?待って!?」」」

 

sideアスナ

 

「割り切った方がいいと思います」

 

確かにそうかもしれない。

でも、やっぱりそんなの嫌だ。

あの時システムに抗って、剣を構えた君みたいに私も抗う。

だから

 

『人族がこの森で何をしている!?』

 

『邪魔立て無用!今すぐ立ち去れ!』

 

「日本語を喋った!?」

 

「アスナ、そこなのね」

 

2人の前に飛び出したら日本語で怒鳴られてビックリした。

 

「ここで敵対するエルフに剣を向けたら、クエスト開始だ」

 

「そう…恨みはないけれど…ごめんなさい」

 

そう声をかけながら森エルフ(フォレスト・エルフ)に切っ先を向ける。

 

『!…愚かな…黒エルフ(ダーク·エルフ)如きに加勢するなど…』

 

『人族にも道理が分かる者がいるという事だ』

 

『…よかろう。ならば全部まとめて、我が剣の錆にしてくれる…!!』

 

突然オーラが変わる森エルフ(フォレスト・エルフ)

さっきまでとは違うプレッシャーに飲まれかけた瞬間、

 

「…!?アスナ!?」

 

目の前に森エルフ(フォレスト・エルフ)の剣が迫っていた。

ミトの声に反射的に避けようとした瞬間、ミトが割って入ってくれて、鎌で受けて止めてくれていた。

 

「ッ!重い…!!アァ!!スイッチ!」

 

強引にはじき飛ばした瞬間、私はミトの後ろから出てリニアーを放つ。

しかし

 

「ヌン!」

 

「ぐっ!?」

 

盾で私を吹き飛ばす森エルフ(フォレスト・エルフ)

想定外の攻撃に体勢を崩され、技後硬直で動けない私を追撃してくる森エルフ(フォレスト・エルフ)

その背後から

 

「「…シッ!!」」

 

ツキノワ君とキリト君が襲いかかる。

しかし驚異的な反応速度で防がれてしまう。

 

「「スイッチ!」」

 

「やぁぁ!!」

 

今度は2人の後ろからミトが鎌を振るう。

鎌の形状から変則的な軌道を描くミトの攻撃を、まともに受けた森エルフ(フォレスト・エルフ)はたたらを踏んで、体勢を崩す。

その隙を

 

『はぁ!!』

 

黒エルフ(ダーク·エルフ)のお姉さんが、3連撃を叩き込んで更にダメージを与える。

それぞれが距離をとって体勢を整えるが、みんな肩で息をしているほど、疲れていた。

 

「強いな…あいつ…」

 

「だから言ったじゃない…」

 

「キリト君、何かヒント…」

 

「…じゃあ…盾は遮蔽物って事…」

 

「「…ああ、なるほど」」

 

「あれで分かるのね…2人とも…」

 

作戦会議が終わった所で、全員の準備が整った。

さあ、ラウンド2の開始よ。

 

私とキリト君が駆け出す。

こちらに気づいた森エルフ(フォレスト・エルフ)はキリト君のフェイクにつられ、盾を構える。

その瞬間私は盾の影に隠れて、背後を取る。

そのまま思いっきりレイピアで貫くけど

 

「…ッ!硬ぁ!?」

 

森エルフ(フォレスト・エルフ)はこちらを睨みつけ剣を振り下ろしてくる。

それをキリト君がソードスキルで相殺してくれる。

 

「ハァ!!スイッチ!」

 

「やぁぁ!!」

 

次にミトが斬りかかるけど、盾で全て防がれて、反撃を受ける。

 

「…くぅ…!?」

 

辛うじて防いではいるが、遂に弾かれて隙が出来てしまう。その時、ミトは笑っていた。

 

『終わりだ!人族の女鎌使い!!』

 

「ええ…あなたがね!!」

 

『「ハァァ!!」』

 

『グッガァァァ!?』

 

トドメを刺そうとする森エルフ(フォレスト・エルフ)の後ろから、ツキノワ君と黒エルフ(ダーク·エルフ)のお姉さんが十文字に切り裂く。

 

『キッサマラァァァァ!!』

 

「…ぬるい」

 

森エルフ(フォレスト・エルフ)の苦し紛れの一撃を、ツキノワ君が鮮やかにいなして

 

『フッ!』

 

黒エルフ(ダーク·エルフ)のお姉さんが貫く。

そこをツキノワ君が思いっきり振りかぶって

 

「オラァ!」

 

全力で殴り飛ばす。

あと一息。

ツキノワ君が私達に檄を飛ばす。

 

「みんな!このまま押し切るぞ!!」

 

「「「了解!」」」

 

『ふっ…やるな人族のつがい達よ!!』

 

「「「「…つがいじゃない!!!」」」」

 

この人、突然何言い出すのよ!?

 

outside

 

「はぁ…はぁ…」

 

「へ…どんなもんだよ…」

 

「すげぇ…本当に倒しちまった…」

 

「…でも…ここからは…」

 

「ああ、何が起こるか俺達にも分からないぞ」

 

「…何よ…少しは喜びなさいよ」

 

「そうだぞ、ゲーマーコンビ。血が騒ぐだろ」

 

「いや、こんなにデタラメなベータ破りは初めてだからな…」

 

「…まあ、血が騒ぐのは否定しないわ」

 

4人がそんな会話をしていると、死にかけていた森エルフ(フォレスト・エルフ)が訳分からない事を話し出した。

 

『実に…無念だ…』

 

『!?それは!?』

 

懐から何か取り出した。

それを見た黒エルフは走ってそれを盗ろうとするも、その前に突如現れた大鷹がそれを奪っていく。

 

『貴様なんぞに…功を…譲ることになるとはな…!』

 

『やれやれ。どうして騎士というのはこう、気位だけは高いのでしょう…。ですが、この通り秘鍵は私が預かりましたので、ご安心あれ』

 

こちらもいつから居たのか、突如現れた森エルフ(フォレスト・エルフ)の元に届けてしまった。

 

「あいつは…!!」

 

「【鷹使いの森エルフ(フォレストエルブン・ファルコナー)】!」

 

新手の強敵が現れた。

 

しかも多数の部下を率いており、頭数を一気に覆させられる。

どうするかとツキノワが悩んでいた時

 

『そうか…貴様か【鷹使い】』

 

黒エルフ(ダーク·エルフ)から放たれる尋常じゃない殺気に思考が止まりかける。

キリトが呆然と呟く。

 

「殺気…?NPCが…?」

 

そんな殺気に当てられても当の鷹使いは飄々と

 

『はて?何処かでお会いしましたかね?敵方とは言え、これ程の美人を忘れるはずないんですが…。そういえば、これを奪った時に殺した薬師があなたに似ていたような…』

 

そう呟いた瞬間、一気に斬り掛かる黒エルフ(ダーク·エルフ)

 

『おっと…すみません。あの時もそうでしたが…まずは1番弱いのからと決めているんです』

 

そう言って鷹と共にアスナに襲いかかる鷹使い。

鷹がアスナを捕まえようとした瞬間、

 

「「シッ!!」」

 

鷹の足を切り裂くミトと、鷹使いに斬りかかるツキノワ。

堪らず距離をとる鷹と、そのまま鍔迫り合いをする鷹使い。

 

「アスナ!大丈夫!?」

 

「ありがとう!!ミト!ツキノワ君!」

 

「…お前、覚悟を出来てるんだよな…」

 

『おやおや、怖い人族ですね…一体なんの事でしょうか?』

 

「なら、その身に教えてやるよ!!!」

 

刀身を滑らせ、ツキノワは下から切り上げ、鷹使いは上から振り下ろそうとした瞬間

ワオォォォォン!!!

犬の遠吠えと共に1人の黒エルフ(ダーク·エルフ)が飛び出す。

 

『喜べ義弟よ…悲願は今日果たされるぞ』

 

『我が妻の仇【鷹使い】!ここで斬る!!!』

 

ツキノワ達の間に入って、森エルフ(フォレスト·エルフ)に襲いかかる。

 

「今度は何なんだよ!?」

 

突然の乱入者に驚きを隠せないツキノワとアスナ。

 

「そうか!鷹使いの森エルフ(フォレストエルブン・ファルコナー)が来ているなら、こっちは!」

 

「【黒エルフの狼使い(ダークエルブン・ウルフハンドラー)】ね!」

 

黒エルフ側の増援は狼使いだった。

そのまま動物同士と使い手同士で戦い中、ツキノワ達と女黒エルフ(ダーク·エルフ)はなし崩し的に、他の森エルフ(フォレスト·エルフ)達と戦う事になった。

 

「もう!何がどうなってるの!?」

 

「わかんないですよ!」

 

「諦めろ2人とも!もうとっくに巻き込まれちまったんだ!」

 

「何に!?」

 

「決まってるでしょう!?…彼らの物語によ!!」




さあ、エルフクエスト開始です。
キヅメル綺麗でかっこいいですよね…実は好きなキャラの1人です。
それでは失礼します。ありがとうございました。

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