ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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森エルフ戦後半戦に突入です。やっぱりミトが1番難しい…
それではよろしくお願いします。


16話

sideミト

 

「スイッチ!」

 

「ハァァ!」

 

ツキノワの声に私は鎌を思いっきり振り下ろした。

思えばこうしてツキノワと2人で共闘って初めてかも。向こうではアスナとキリトが戦ってる。

あの2人も中々のコンビネーションだけど、私達は実の姉弟。

相性なら負けない。

 

「ツキノワ!どんどん行くわよ!」

 

「OK!あっちに負けられないよな!」

 

どうやらツキノワもあっちの事を意識してるらしく、珍しくノリノリだ。

そんな事はさておき、私は斬りかかってくる敵の剣を防ぐ。

そのまま鎌の内側まで落とさせ、鎌を支えにハイキックを打ち込む。

ふらついた所をすかさず切り上げ

 

「スイッチ!」

 

ツキノワと交代する。

 

「おぉぉぉ!!」

 

ツキノワがソードスキル【ベア・ノック】を放ち吹き飛ばす。

その隙に右から他の森エルフ(フォレスト·エルフ)が襲いかかるのを、鎌を振り回し牽制する。

その振り回しの隙間からツキノワが飛び出し、蹴り飛ばす。

たたらを踏む森エルフ(フォレスト·エルフ)を【リーパー】で斬ると

 

「スイッチ!」

 

こっちに声をかけ、入れ替わる。

 

「ハァァ!!」

 

私もソードスキルでエルフを鎧ごと切り裂き、1人倒す。

するとさっき吹き飛ばされたエルフが戻ってきてツキノワと斬りあっていた。

 

『仲間をよくも!』

 

…やはりNPCにしてはかなり人間味がある、ありすぎると思う。

そう思っている間に、ツキノワが【ファラント・フルムーン】で斬り伏せる。

 

「ミト、終わったぞ…ミト?」

 

「え、えぇ…お疲れ様。強くなったわねツキノワ!」

 

「…何考えてたの?」

 

どうやら筒抜けらしい。

 

「隠すことでもないしね。ただNPCがすごい人間味があるなって思っただけ」

 

「確かに…まるで本物の…いや、そうか彼らにとってここが現実なんだ」

 

…そうか。私達にとってはゲームの世界でも、彼らにとってはこの世界こそが現実世界なんだ。

そう考えれば違和感が無くなってくる。

そう考えてると

 

『貴様の相手はこっちだ!鷹使い!人族の女!邪魔だから下がってろ!』

 

狼使いの声が聞こえ、そっちを向くと鷹使いにしつこく狙われるアスナがいた。

 

「ミト!」

 

「ええ!行くわよツキノワ!」

 

私達はアスナに向かって走り出す。

その時大鷹がアスナに狙いを定め、急降下してくる。

 

「私が行くわ!」

 

私は鷹に向かってソードスキルを放つ。

当たりはしないものの、牽制にはなる。

距離をとろうしたところに狼が襲いかかり、私達を守ろうとする。

 

「あなたもアスナを守ってくれるの?」

 

ワフッと返事するのでアスナと共に頭を撫でてあげてると

 

「邪魔だ!狼使い!」

 

『貴様がどけ!人族!』

 

ツキノワと狼使いが言い争っているという訳分からない自体になっていた。

 

『戦っている最中だと言うのに…余裕ですね〜…!』

 

その隙にアスナを殺そうと動く鷹使いだが、その前に2人が剣を振るい、足を止めさせる。

 

「…まずこいつからだ。お前は後回し」

 

『…そうだな。敵討ちが先だ』

 

どうやら仲直りというか、休戦するらしい。

そのまま斬りかかる2人。

お互いの事をまるで考えてないその動きは、何故か調和がとれており、隙がなかった。

このままだとマズいと思ったのか撤退を宣言しだした鷹使い。

 

『はぁ…やめやめ!犬臭くって興が削がれるったらない…。また今度にしませんか?』

 

『我々が貴様を逃がすとでも?』

 

『そっちはその気でも…ほら、秘鍵は手に入れましたし…ね?』

 

そう言って秘鍵をチラつかせる鷹使い。

 

「ねぇ、あれってなんなの?」

 

アスナが小声で聞いてくる。

 

「秘鍵は文字通り、このクエストのキーアイテムよ。あれをとられると、どうなると分からないわ…」

 

「…つまりあれは黒エルフの物って事?」

 

んー、どうなるのだろう。

少なくとも私達にとってはそうなのだろう、一応肯定しておく。

 

『ここで質問です。これを…こうしたらどうするでしょう?』

 

そう言って鷹に秘鍵を持たせ、飛ばす。

 

『このままですと我々の野営地までひとっ飛びですよ?さあ、私怨か任務か…どちらを優先しますか?』

 

嫌らしい奴…そう思い歯を噛み締めていると

 

「させるもんですか!!」

 

アスナが突然飛び出し、木を登って空高く飛んだ。

 

「「「アスナ(先輩)!?」」」

 

そのままソードスキルで鷹を攻撃し、秘鍵を奪い返すけど

 

「わ、わわ!?」

 

怒った鷹がアスナを掴まえて急降下しだした。

 

「まさか!?地面に叩きつける気か!?」

 

「「アスナ(先輩)!」」

 

私とツキノワは同時に走り出した。

けれども他の森エルフが道を邪魔してくる。

 

「「どけぇぇぇぇ!!」」

 

私がまとめて力技で薙ぎ払う。

そこに出来た道をツキノワが全速力で駆け出し、包囲網を突破する。

更に私達を抜いて狼が駆け抜け、鷹にタックルする。

そしてそのままアスナをスライディングキャッチするツキノワ。

 

「大丈夫ですか!?先輩!」

 

「う、うん…ありが!?ツキノワ君!」

 

その隙を鷹使いが狙い澄ましたかのようにツキノワに斬りかかる。

剣をしまった状態のツキノワには抵抗できず、切られてしまう。

そう思った瞬間、

 

「「…え?」」

 

狼使いが2人を庇って切られていた。

 

sideツキノワ

 

『愚かですねぇ…人族の出しゃばり娘の為に身を呈して庇うなんてねぇ…!』

 

『ぐおぉぉぉぉぉ!!』

 

俺達を庇って切られた狼使いはそのまま鷹使いに斬りかかる。

そしてその後ろから狼が襲いかかるが、更に後ろから鷹が爪を向けていた。

 

「やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

アスナ先輩の悲鳴も虚しく

 

『往生際の悪い…さっさとそこをどきなさい』

 

1人と1匹はそのまま地面に伏してしまった。

 

俺はそれを見てる事しか出来ず、悔しくて堪らなかった。

 

『さて、それを渡してくださいませんかね?人族の女剣士よ』

 

そう言って手を差し出すその男に俺は斬りかかった。

 

『…危ないですね〜。当たったらどうするんですか〜?』

 

腹が立つ言い方をするそいつに、俺は何も答えずただ剣を構えた。

全身を脱力させ、右手は剣を握る最低限の力だけ。

切っ先を下げてただ静かに敵を睨む。

 

『おや…怖いですね〜そんな目をされては!?』

 

お喋りを始める前に逆手に持ち替え、右逆袈裟に斬りあげる。

それは防がれたので、そのまま左袈裟で切り返すも、それも躱される。

だからその勢いのまま、剣を捻りながら水平に構え直し、突きを放つ。

剣で防ごうとしたのでインパクトした瞬間、一気に力んで吹き飛ばす。

ゴロゴロと転がっていく鷹使いを追いかけ、起き上がった所を首めがけて、横に薙ぎ払う。

鍔迫り合っていると後ろからアスナ先輩が、がら空きの腹に【リニアー】を打ち込んでいた。

更に吹き飛ばしたが、その勢いを利用し木の上に飛び乗った。

 

「「アスナ!ツキノワ!」」

 

ミト達が追いついてきて、俺達に並ぶ。

 

『うちの一個分隊が全滅とは…敵ながら見事。

それに比べて…うちの連中はどうしてヘナチョコの役立たず連中なんでしょね!?』

 

突然そう喚き散らしたと思えば、ため息ついて、頭を切り替えたらしい。

 

『ま、仕方ありません。厄介者を1つ片付けただけで良しとしましょう』

 

『待て!このまま終わらせてなるものか!!』

 

『もちろん、秘鍵は頂戴致しますよ?ですが仇討ちごっこに付き合う気はありません。…なにせ、私は貴女方に興味はありませんので』

 

そう言って鷹に飛び乗って去っていく鷹使い。

黒エルフ(ダーク·エルフ)の慟哭だけがこの場に響き渡った。

 

sideキリト

 

俺達は狼使いの最期を看取っていた。

 

『義姉さん…』

 

『安心しろ…秘鍵は取り返したぞ。そして奴は必ず私がこの手で仕留める。だから…』

 

『今度は…』

 

そうして狼使いは何故かアスナを見ながら

 

『今度は…間に合いましたよ…義姉さん…』

 

そう言った。

何故アスナを見ながらかは分からなかったが、狼使いはアスナ越しに誰かを見ている気がした。

 

『…そうだな…胸を張って逢いに逝け…』

 

そう言って狼使いは息を引き取った。

 

(これがNPCなのか?確かに前もって設定しておけば、リアルな感情表現が可能とはいえ、余りにもリアルすぎる…これは一体なんなんだ?)

 

そう思いながらミトを見ると、ミトも困惑していた。

彼女も重度のゲーマーだ。

だからこそ、このNPCのリアルさに戸惑っているのだろう。

 

『叶うならそなた達も覚えていて欲しい…私の無二の戦友であり、我々(リュースラ)随一の狼使い、そして…亡き妹の最愛の男だった』

 

そんな主人を弔うように狼が遠吠えをした。

その声は森中に響き渡った。

 

『秘鍵を…その包みを渡してくれないだろうか』

 

「は、はい!」

 

アスナが黒エルフ(ダーク·エルフ)に秘鍵を渡す。

 

『ありがとう。おかげで秘鍵は守られた。司令から褒賞があるだろう。すまないが野営地まで着いてきて貰えないだろうか』

 

(クエストは問題なく進むらしいが…)

 

俺はアスナとツキノワを見る。

2人ともかなりキてるだろう。

このまま進んでいいのだろうか…

 

「キリト、まさか降りるとか言わないよな」

 

突然ツキノワが話しかけてきた。

その目は強く、引かないだろうというのが、目に見えて分かるくらいだった。

 

「私も降りないわよ」

 

アスナも続いて強く宣言する。

 

「アスナ…ツキノワも…大丈夫?」

 

「ありがとうミト。でも大丈夫だよ」

 

「当然。全然行けるぞ」

 

ミトも2人が心配だったのか不安そうに聞くも、2人ともしっかり返事を返す。

 

「それじゃ、お言葉に甘えます」

 

『結構。野営地はこの森を南に抜けた先だ。着いてこられよ。』

 

その後ろ姿は肩を落としてるように見える。

こうして俺たちは黒エルフ(ダーク·エルフ)の野営地に向かった。

 

outside

 

野営地に着いた5人はそのまま司令官に会い、褒賞を受け取った。

 

『…考えてみればまだ名前を聞いてなかったな』

 

「ああ、俺はキリト。」

 

「ツキノワだ。よろしく」

 

「ミトよ。よろしく」

 

「アスナです。よろしくお願いします」

 

それぞれ名乗ったところで、黒エルフ(ダーク·エルフ)は改めて彼らの名前を呼び、発音を合わせた。

発音調整シークエンスと呼ばれるものだ。

 

『人族の名前は複雑だな…よろしい。』

 

そう言いながら両踵を合わせ、心臓のある部分を拳で叩いた。彼らの敬礼である。

 

『私の名は【キズメル】。リュースラ王国近衛騎士団が1つ、【エンジュ騎士団】の末席に名を連ねるものだ。以後、よろしく頼む』

 

あまりの高貴さに4人は反射的に

 

「「「「よろしくお願いします!」」」」

 

敬語で頭を下げていた。

 

『ふむ。まずは天幕に案内しよう。4人だと手狭だろうが余裕がなくてな』

 

「「あ、ありがとう…!?」」

 

「「4人一緒!?」」




ツキノワ君、実はあまりソードスキルを使っていません。
一気に力むとか、出来るだけ力を抜くとかどこの消力かと…バキ、ぶっ飛び具合が結構好きです。
それではありがとうございました。
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