ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ 作:ネコ耳パーカー
とりあえず3層終わる分位は貯めました。
それではよろしくお願いします。
outside
「「もう一度いってもらえるかしら」」
ニッコニコの笑顔、ただし目は笑ってないミトと、苛立ち剥き出しで、睨みつけるアスナ。
纏うドス黒いオーラ以外全く真逆な反応を見せる2人にタジタジのリンドとキバオウ。
そしてその様子を
「…どうすんだよ、あれ」
「…どうしような、あれ」
困った様に呟くキリトとツキノワがいた。
話は少し前に遡る。
お礼がてら、クエストがてらで野営地周りのデカい蜘蛛を狩り尽くした彼らは、アスナとミトの新しい武器である【シバルリック・レイピア】と【シバルリック・サイス】を片手に、全体会議へ参加する為、3層主街区【ズムフト】にやってきた。
そこでキバオウ達から
「パーティを解散して欲しい」
と言われ、2人がブチ切れて冒頭の台詞になる。
「この3層で俺達はようやくギルドを立ち上げた。俺が率いるDKB、キバオウさん率いるALS。今後はこの2大ギルドは互いに切磋琢磨しながら攻略を進めていくと思われる。そこで大事になるのが両ギルドの戦力の均衡だ。そこでだ…4人にはパーティを解散してもらいたい。」
リンドの説明を聞く限り、知った事じゃないと思うツキノワ。
その遠回しの説明に辟易している中、リンドの釈明は続く。
「ミトとツキノワに関しては、実の姉弟という点を考慮してコンビでも構わない。ただ4人の戦力は突出している。全員をまとめて引き入れる事は出来ないんだ…分かってくれ」
リンド達の言い分は決して的外れでは無い。
彼らの実力はかなり高い。
それこそボス戦の勝敗を左右させる程には大きいファクターのだ。
だが、それらは彼らの事情を考慮しない結果の話だ。
そもそも2人のギルドに入る気などない彼らにして見れば、ありがた迷惑もいい所だ。
「それは何か?つまりどっちかに入らないと締め出されるって事かよ?」
「…いや、そういう訳じゃない」
「だったら無所属でいいじゃないか!」
「…ほなおどれは当面の間、ギルドに名を連ねるつもりは無い…そういう事でええんやな?」
「…お、おう…?」
「「「はぁぁぁぁぁ…」」」
何とも気の抜けた返事をするキリト。
それに対して露骨なため息を着く他の3人。
「これだから人族は…」
「アスナ先輩、気持ちは分かるけど貴方も人族ですから…」
アスナの発言に同意しながらも宥めるツキノワ。
「貴方も鈍い、鈍すぎるわキリト。この人達は薮蛇したくないみたいだから、私が翻訳してあげる。ねぇキリト…貴方、ギルド作る気ない?」
「は、はい?…ギルド?…俺が?」
ミトの翻訳にさらにツキノワが続ける。
「そう、DKBでも、ALSでもない。第3のギルド」
「いや、ないない!俺なんかが立ち上げたギルドに入るやつなんて…」
そう言いながら周りを見ると、意外に乗り気な意見がほとんどなので少し焦るキリトは
「…いや、無いな。俺はソロが性にあってる」
ひよって逃げに入った。
(逃げたな)
(逃げたね)
(逃げたわね)
3人揃って同じ感想を抱いてジト目でキリトを見ていると
「つ、ツキノワはどうなんだよ!?第3のギルドならツキノワだって作れるぞ!?」
「はぁ?俺が?ムリムリ!集まっても仲いいヤツしか来ないって!」
キリトはそんな目に耐えきれなかったのか、ツキノワに話を振ったが、ツキノワもあっさりと断った。
「では、アスナさん、ミト。2人はどうだろうか?」
「「嫌よ」」
即答。
あまりの早さにみんな唖然としていた。
sideツキノワ
森に戻って数日後、俺達はとある野営地まで来ていた。
目的はこの
「ここだな」
「よし!やる…!?」
行こうとした俺は突然人の気配がした方へ振り返った。
「キリト!」
「ああ、誰だ!?」
キリト気づいていたらしく、気配の方へ声を張り上げる。
「いや〜すっごいな〜この隠蔽率で看破されたのは初めてですよ〜」
この声、何処がで…まあいい。
「こんな所で何してる?」
「何ってそりゃ、野営地の警備…ってうわぁ!キリトさんじゃないですか!?」
突然キリトを見て興奮しながら詰め寄る不審者。
キリトはかなり困っており、俺もその熱狂ぶりにドン引きしていた。
「それにそちらはツキノワさんッスよね!?」
おっと、俺にも飛び火してきやがった。
これは早々に鎮火しよう。
「なあ、お前は
「別にかまいませんよ?」
「「は?」」
こいつ何言ってんだ?
そんな事したらクエスト失敗だろうに。
「まあ、ただお通ししたんじゃ面白くないんで…決闘で決めませんか?」
…なるほど。剣で解決しろってことか。
面白い、やってやる。そう思い受けようとした瞬間
「いいね…ベータ時代とは違って【完全決着モード】が出来ないのは、ちょっとヌルいけど」
キリトさんや、何故そんなにノリノリで悪者ムーブしてるんだ。
実はそういうの好きだろお前。
「そういう訳だから…ツキノワ、後は頼む」
「はいよ…無理すんなよ」
俺はキリト達の元を離れ、指定の位置まで移動した。
そこには何時もの2人とキズメル、そしてアルゴだった。
「4人ともおまたせ。こっちは手筈通りにキリトが誘導した」
『よろしい、では参ろう。これより敵本陣への吶喊を開始する!!』
「「「違…ッ!?潜入!」」」
「チッ…DKBの連中か…」
「多いわね…」
陣の中にはDKBが警戒しており、中々動けないでいた。
「キズメル…もし人族との戦闘になったら、お願い。命だけは奪わないで」
ミトがキズメルに懇願する。
確かにそれは避けたいところだ。
この先に行くにはあんな連中とは言え、必要不可欠なのだ。
『異なことを言う。彼の者らへ手を貸すのなら、我らに弓を引いたも同然。ミト、如何にそなたらと同族であっても、それでは道理が通らぬ』
悔しいがそれは正論だ。
極論、味方以外は全て敵。
それらに情けをかける必要は無い。
キズメルの言い分は最もすぎて、俺達は言い返せない。
「そうよね…。それはそちらも一緒だものね…。私達もそのルールに従うべきなのかもしれない…。それでも」
「それでもお願い。上層を目指す私達には彼らの力が必要なの。ここで失う訳には行かない。だから」
「「お願いします」」
そう言ってミトとアスナ先輩は頭を下げた。
その2人を見て、キズメルはため息を着くと、何処か懐かしむように笑いながら言った。
『…昔、狼の群れに襲われた時、妹に子狼の助命をせがまれた事があってな…昔からその目には弱い。分かった、人族との戦闘は極力避けよう』
「「…!ありがとう!」」
こうして俺達4人の潜入任務始まった。
俺達は、俺・アスナ先輩・アルゴ組とキズメル・ミト組の2手に別れて、別々の旗付きの天幕を目指した。
どうやら俺達が当たりを引いたらしく、酒に酔って潰れてる司令官の机の上に置かれていた。
こっそりと盗ろうとした瞬間
「侵入者だー!!!」
外からの声に飛び起きた司令官は指示書を持ったまま外に出てしまった。
『これを取られる訳には…そうであった!鷹使い殿!鷹使い殿はおられるか!?』
鷹使い、だと?
俺とアスナ先輩は目の色を変え外を見た。
その時
『こっちも取り込み中なんですがねぇ…』
その嫌味ったらしい声のした方を向くと
『おおぉぉぉぉ!!!』
キズメル達が天幕の中から戦いながら飛び出してきた。
俺達はすぐに飛び出そうとするが
「ああ!?邪魔も大概にせんとシバくぞワレ!?」
キバオウ達ALSと、リンド達DKBが一触即発状態だった。
「クッソが…こんな時に!」
「これだから人族は…!」
俺達は先にそちらを片付けようとすると
「貴方達はあっちを優先して!」
ミトが走りよってきた。
「私がベータ時代の話をしながら時間を稼ぐわ!その間にあの作戦指示書を奪って!そうすればこの場所に意味はなくなる!アルゴ!貴方は私を手伝って!」
「ああもウ!しょうがなイ!やってやル!」
「ミト!お前は!?」
ミトは俺と違ってあまり精神的にタフでは無い。
恐らく戦うのと一緒くらい、人に悪意を向けられるが怖いはずだ。
「…大丈夫よ。私は姉だもの。たまには姉が後ろを支えてあげるわ」
そう言って俺の頭を優しく撫でる。
その温かさに肩の力が抜けてきて、頭がクリアになってくる。
「…姉貴、頼んだ」
「ミト!行ってくる」
「行ってらっしゃい2人とも。無理はダメよ」
その言葉を受けながら俺達は走り出す。
「先輩!2手に分かれて!俺が先に切るますから、反対からぶっ飛ばしてください!」
「了解!全力でやるわ!」
こうして俺達は隙を伺うため、姿を隠しながら戦場へと向かった。
ありがとうございました。
ミトの武器は適当に名前をつけました。
オリ主1人+ミトの2人入るだけで大変ですね〜。