ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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21話

sideアスナ

 

「それでは突入前に最後の確認をします」

 

私は突入前の部隊の前に立ち、最後の確認をしていた。

 

「ボスの名前は【Asura the Jack of All Trades】。三面六臂の阿修羅像です。それぞれ片手剣・槍・両手棍を持ち、体力ゲージは6本。最初は素手で叩きつけるだけですが、2本減らすと三体に分かれて、それぞれの武器でソードスキルも使ってきます」

 

私の言葉に続いて今度はミトが話を続ける。

 

「私達は攻撃隊A,B,C隊、タンク隊D,E,F隊、遊撃隊のG,H,I隊の9つの隊に別れています。これらを3つの班に分けて、行動する事を基本とします。片手剣持ちにはA,D,G隊の通称【α班】、槍持ちにはB,E,H隊の通称【β班】、両手棍持ちにはC,F,I隊の通称【γ班】の3班に別れて対応します。それぞれ各班私、アスナ、キリトの指示の元、各個撃破して下さい。団長は全体の取りまとめを行ってもらいます。」

 

「承知した」

 

「何か質問は?」

 

みんなからの質問はなく、沈黙だけが続いた。

 

「みんな質問はないようだね。それでは行こうか諸君」

 

そう言って団員がボス部屋の扉を押し開ける。

そのまま剣を向いて、剣を部屋に向けた。

 

「突撃!」

 

その言葉を受け私達は部屋に突入した。

部屋は真っ暗で何も見えなかった。

全員が入った瞬間突然部屋の松明が火が灯り、部屋が明るくなる。

その部屋の真ん中には巨大な阿修羅像があった。

あまりの大きさに息を飲んでしまう。

 

「各隊!戦闘配置!」

 

団長の声に全員がハッとしたように動き出す。

全員の配置を確認した団長が

 

「行動開始!」

その宣言をした事で、50層フロアボス戦が開始された。

 

「【γ班】!【α班】とスイッチ準備!【β班】は回復させる用意!」

 

団長の指示は従わざるを得ないのという感覚を抱く、これがカリスマの一部かと思う。

それに団長の指示も明確でわかりやすい。

 

「いい調子だな。ここまでは予定通りだな」

 

キリト君が話しかけてくる。

確かに流れは順調だし、このままの勢いで行きたい。

そう考え、全体を見ていると、体力ゲージが2本目を削りきったところだ。

ここからだ。

 

「各班、手筈通りに」

 

そう団長から声掛けがかかる。

全員が配置を着いた瞬間、

 

「は?」

そこには3体の各武器を持った阿修羅像ではなく、先程よりは少し小柄な2体の三面六臂の阿修羅像が、3つの武器を持って襲いかかってきた。

想定外の事態に固まってしまったプレイヤー達の中で、それぞれ1番近くにいたプレイヤーにソードスキルを放つ。

片方は遊撃隊、片方はタンク隊の人でタンク隊の人はギリギリ残りましたが、遊撃隊の方は…一撃で死んでしまった。

 

「一…撃…?」

 

誰が呟いた瞬間、雄叫びをあげる阿修羅達。

その声を聞いて、攻略組は一気に恐慌状態に陥ってしまいました。

 

outside

 

「うわぁー!?逃げろ!?」

 

「一撃だと!?冗談じゃないぞ!?」

 

「落ち着いて!冷静に対処して!」

 

アスナのそんな声は周りの悲鳴にかき消されていた。

恐慌状態になった攻略組は一気に戦線崩壊。

各々が逃げるだけであとはボスの格好の的になるだけだった。

最初より小柄だが、その分素早く、攻撃力はそのままだったのだ。

 

「来るな!助け…ガァ…!?」

 

「ヒィ!?また死んだ!?」

 

「逃げろぉ!!」

 

1人、1人と死んでいく光景を見て、キリトが叫ぶ。

 

「クソ!アスナ!俺達だけでもやるしかないぞ!」

 

「キリト!僕達【月夜の黒猫団】も行くぞ!」

 

「俺達【風林火山】も戦うぜキリの字!」

「ケイタ!クライン!頼む!」

 

攻略組に途中参加する形でキリトとツキノワに追いついたクラインは、【風林火山】というギルドを率いて立派な攻略組の戦力の一翼となっていた。

 

「こっちは俺達が戦うぜ!」

 

「私達も加勢しよう【血盟騎士団】戦闘態勢!」

 

エギル達通称【アニキ軍団】とヒースクリフ率いる【血盟騎士団】がもう一体と戦う。

しかし、相手はクォーターポイントのフロアボス。

幾ら凄腕のプレイヤー達でも、僅か2ギルド分の戦力では抑えきれず、押し負ける。

 

「グアッ!!」

 

「キリト!…クッ!」

 

「キリト!ケイタ!大丈夫かお前ら!?」

 

「団長!ガァッ!?」

 

「ぬ!?いかん!」

 

「あんたら!?大丈夫か!」

 

彼らが隙ついて狙ったのは…他のプレイヤーに落ち着く様声をかけていたアスナとミトだった。

 

「アスナ!ミト!」

 

キリトの声に反応して2人はすぐに散開する。

 

「アスナ!一撃も貰ってはダメよ!」

 

「ミトだって気をつけて!」

 

彼女らは必死に武器を振るい、戦う。

途中キリト達が合流し、戦いもやはり戦力が足りず、攻めあぐねる。

 

「クソ!あと一手!足りないか!」

 

「やむを得ない、撤退の準備を!」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

ヒースクリフが撤退を宣言し、少しずつ下がろうとした時、突然不可解な挙動をとるボス達。

 

警戒していたのだが予想だにしない行動に出た。

 

「「アァァァァァァァァ!!」」

 

突然の叫び声に全員が耳を塞ぎ、動きを止める。

しかも、最悪な事にスタンがかかる。

僅か3秒だがボス達には十分すぎる時間だった。

ボス達が狙ったのは、1番近くにいたアスナだった。

 

「「「「「アスナ!」」」」」

 

みんながアスナの事を呼ぶ中、アスナはふと

 

(前もこんな感じ…あったなぁ…)

 

2層の時もこんな感じだったかな?

少し違うか。

まあ、何でもいいけど…死ぬかなこれ?嫌だな…

会いたいな…ツキノワ君…怖いよ…だから…

 

「助けて…!ツキノワ君…!」

 

届かない懇願をしていると思っていた。

だから目の前の光景を信じられなかった。

それは周りのプレイヤー達も同様だった。

それは紫色の髪をなびかせ、白い羽織を肩にかけ、真紅の着物、黒い袴を履いた侍だった。

その侍の一撃で2体の阿修羅像は、纏めて吹き飛ばされる。

静かに着地し、アスナを見る赤い瞳。

その姿を見たアスナは、嬉しさから泣いていた。

 

「お待たせしました。アスナ先輩」

 

「ツキノワ君…ッ!!」

 

sideツキノワ

 

「大丈夫ですか?」

 

俺は膝をついて先輩を起こす。

ポーションを取り出して、渡してから敵に目を向けた。

 

「あいつ、情報と違いません?」

 

「ええ、偵察戦の時とは違うの」

 

そんな短時間でパターンが変わるか?

何かフラグがあったのか…?

 

「「ツキノワ!!」」

 

「キリト!ミト!無事か!?」

 

「それはこっちのセリフだ!馬鹿野郎!」

 

「そうよ!どれだけ心配したと思うの!?」

 

ミトとキリトがそれぞれ説教を始めようとした時、エギルさんがそれに待ったをかける。

 

「お前達!説教は後だ!来るぞ!」

 

先程吹き飛ばした阿修羅像達が起き上がってきたか。

さてと、どうするかな。

 

「これ、回廊結晶です。転移門広場に繋いであります。10分間、その間俺が殿を務めます。アスナ先輩たちは攻略組をまとめて、体勢を立て直してください」

 

「ツキノワ君!?何言ってるの!?」

 

「そうだぜツキの字!お前1人なんて無茶だ!」

 

アスナ先輩とクラインが止めてくる。

だが、

 

「この中で1番余裕があるのは俺だ。だから「ならば私も出よう」!?ヒースクリフ!?」

 

突然ヒースクリフが名乗りをあげる。

 

「私が1番頑丈なのでね」

 

「…団長、ご武運を」

 

「俺も残るぜ」

 

次に名乗りをあげたのはキリトだ。

 

「キリト!無茶だ!」

 

「悪いケイタ。ツキノワ、文句は受け付けないぞ」

 

「ハァ…勝手にしろ」

 

…ダメだな。こうなったらこいつは聞かないし。

 

「…ッ!なら、【月夜の黒猫団】のリーダーとして命令する。…絶対に死ぬなよ!サチを泣かしたら許さないからな!」

 

「了解!リーダー!それは死ねないな!」

 

「なら当然、私も残るわ。纏めるのならアスナの方が向いてるし」

 

最後にミトが名乗りを上げた。

正直、ミトは来る予感があった。

 

「ミトまで!?」

 

「アスナ。みんなをよろしく!クライン、エギル!アスナをお願い」

 

「…OK!しっかり俺達が支えてやる」

 

「ミトの嬢ちゃん。無理すんじゃねぇぞ!」

 

「…!ありがとうクライン」

 

おや?ミトの反応が少し、女っぽいぞ…まさか!?

 

「「ミト!?まさか!?」」

 

俺とアスナ先輩が声を揃えてミトに聞く。

ミトは顔を赤くしながらそっぽ向く。

はは〜んなるほどぉ。

 

「じゃあ、先輩。行ってきます!…ミトをいじる為に」

 

「…いってらっしゃい!みんな!絶対に死なないでね!…ミトをいじる為に」

 

「あなた達!何言ってるの!?」

 

ミトの言葉は聞き流して、俺たち以外は回廊結晶を手に部隊へ合流する。

 

「さて、準備はいいかな?」

 

「ここは言い出しっぺが号令かけろよ」

 

「そうね。気合い入るやつよろしく」

 

全員軽いな〜!しょうがない。

 

「総員抜刀!!!行くぞ…戦闘開始!!!!!!」

俺達4人による絶望のボス戦が始まった。

 




ありがとうございました。
2層で言ってたミトの年上好きは発言は、実はこのやりとりの為です。
これはマジの話なのですが、
「ミトとクライン絡みありそうだなー」って思ってた次の日、アリブレで2人のイベントがあってこれは使わな!って思いました。
それでは失礼します。
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