ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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ツキノワの剣豪スキルで初のボス戦です。
今まであまりソードスキルを使用してこなかったのは
実はこのスキルの適正を得るためです。
それではよろしくお願いします。


22話

outside

 

4人は2体の阿修羅像に突撃する。

まず先手をとったのはツキノワだった。

走りながら斬撃を何発か放ち、牽制する。

それを受けながらも両手棍を構え、振り下ろしてくる。

 

「散開!」

 

ヒースクリフの声にそれぞれ散開する。

だがヒースクリフだけはそれを真正面から受け止める。

鉄と鉄がぶつかる轟音を響かせながら押し勝ったのは

 

「ぬぅん!!」

 

ヒースクリフだった。

そのまま弾き飛ばし、体勢を崩させる。すかさずミトが鎌で追撃する。

 

「いやぁぁぁぁぁ!!」

 

胴を大きく切り裂き、さらに吹き飛ばす。

一方、ツキノワとキリトはもう一体と対峙していた。

槍でソードスキルを使い、2人を貫こうとするもそれを難なく躱すと

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!」

 

キリトがソードスキルでパリィする。

 

「スイッチ!」

 

キリトがツキノワと入れ替わる瞬間、阿修羅像も片手剣持ちにシフトする。

そしてすぐにソードスキルを放ってくる。

 

「っ!?シィ!」

 

至近距離で斬撃を飛ばしながら武器を弾く。

武器を持つ腕を、かちあげられた阿修羅像のがら空きの腹に、

 

「オラァ!!」

 

打撃を飛ばし、吹き飛ばす。

さらにその体に、

 

「おぉぉぉぉぉぉ!!」

 

キリトが追撃する。

さらに攻めようとツキノワが前に出た時、ミトが警告する。

 

「ツキノワ!避けなさい!」

 

その声に慌てて身を翻すと、ミト達が相手をしていた阿修羅像がツキノワを襲い、もう一体を守っていた。

 

「マジか…」

 

「協力プレイしてくるのかよ!?」

 

「それだけじゃない。面を変えることで技後硬直をキャンセルしてるぞ」

 

「団長、どうしますか?」

 

「…何とかして2体を引き離すべきだ。組合わせはさっきの組み合わせでよかろう」

 

作戦会議を終え、改めてツキノワ・キリトのコンビと、ミト・ヒースクリフのコンビに分かれて攻撃を仕掛ける。

まず2体の間に、ツキノワが斬撃を飛ばす。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

避けた隙を突いて、キリトがさらに押し広げる為に攻め立てる。

その後ろに攻撃してくる阿修羅像は、ヒースクリフが防ぐ。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

ミトが攻撃してタゲをとる。狙われるミトをヒースクリフが前に出て守る。

こうしてお互いが少しずつ距離を空けさせる事10mほど来た時だった。

 

「っ!?また行こうとしてるのか!?」

 

キリト達が相手していた、阿修羅像がミト達の方へ合流しようと動き出す。

 

「させねぇよ!」

 

ツキノワが斬撃を、乱れ打ちして足止めを図る。

何発か当てていた時、槍を持っていた顔が割れた。

 

「顔が割れた!?」

 

しかも動きを止め、膝をつく。

 

「!!チャンスだ!!」

 

「畳み掛けるぞ!!」

 

ツキノワとキリトが一気に攻める。

ひたすら攻撃を続ける。

こうしてやっと体力を半分削った所で阿修羅像は立ち上がる。しかし、槍を持っていた顔は割れたままだ。

 

「ミト!ヒースクリフ!顔は割れる!割れればダウン取れるぞ!」

 

「了解!」

 

「承知した」

 

こうしてミト達は堅実に戦い、ヒースクリフが弾いた時、ヒースクリフはミトに肩を貸す。

 

「ミト君!」

 

「お借りします!団長!」

 

そのままヒースクリフの肩を使い、高く飛ぶ。

そのまま、全体重をかけて顔面にソードスキルを放つ。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

こうして両手棍の顔を割ってダウンをとる。

 

「団長!」

 

「ミト君!畳み掛けよう」

 

こうしてミト達は袋叩きする。

それを助けようとする阿修羅像をキリトとツキノワは必死に防ぐ。

 

「クソ!?こいつ止まらない!」

 

「勘弁してくれよ…ッ!?しまった!?」

 

「ツキノワ!?ミト!ヒースクリフ!逃げろ!」

 

キリトの声を聞きミトは距離をとり、ヒースクリフは盾で防いだ後、距離をとる。

 

「ツキノワ!?大丈夫!?」

 

「大丈夫!問題ない!」

 

「すまない…止められなかった」

 

「気に病むことは無いキリト君。そもそも、この人数で戦おうというのが無茶なのだ」

 

ゆっくりと立ち上がり、体勢を整える2体の阿修羅像。

それを見て、4人も武器を構え直す。

 

「キリト。あいつ…顔は治らないな」

 

「ああ。それに槍は使ってなかったな…まさか!?」

 

「壊れた面の武器は使えないって事!?」

 

「可能性はある。あくまで希望的観測ではあるが」

 

1つの特性を見つけた事で希望が見えてきた。

そう思った時、今度は阿修羅像から攻めてくる。

 

「みんな!!今まで通り!出来るだけ顔を狙って!」

 

「「「了解!」」」

 

戦いが始まって約10分。

今の戦況は

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

「クソ…ゲホッゲホッ…」

 

キリトとミトはスタミナの限界を迎え、動けなくなっていた。

 

「ウォォォォォォォォ!!!」

 

「ぬぅん!!」

 

ツキノワとヒースクリフがそれぞれ1VS1で、戦っていた。

キリト達とツキノワ達の差は、ユニークスキルという規格外を持っているか否か、そこだった。

そのジョーカーを持つ2人はそれぞれ攻撃と防御で、絶対的な実力差を生んでしまい、ツキノワ達にキリト達が追いつけなくなったのだ。

 

「ツキノワ…!団長…!」

 

「クソ…!動け…!動けよ…!」

 

キリト達は必死に動こうとするも、体は震えるばかりで動かせなかった。

 

「2人とも!無理すんな!そんな状態だと死ぬぞ!」

 

「そこでじっとしていたまえ」

 

ツキノワ達は目を離さないまま、こっちのことを心配する。

阿修羅像がそれぞれ、両手棍を振り下ろし、槍を突いてくる。

流石のヒースクリフも2体まとめては防げす、回避を選択する。

ツキノワは逆に前に出て、降ろされる武器を足場に高く飛ぶ。

顔の高さまで飛ぶと、両手棍を持った阿修羅像の顔を飛ぶ斬撃で切り裂き、槍を持った阿修羅像には刺突を飛ばし、顔を貫く。

 

「よし!両方壊れた!」

 

「体力もそれぞれ残り1ゲージだな」

 

着地し、1度体勢を整えるため、距離をとる。

その間に2体の阿修羅像が輝きだし、ひとつになった。

 

sideツキノワ

 

「また…1つに戻った…?」

 

「片手剣だけを持っているな」

 

「2人とも大丈夫か?」

 

「キリト!ミト!まだ休んでないと!」

 

「私達も動けるわ。問題ないわよ」

 

「フッ…では期待しているよ2人とも」

 

それぞれ武器を構えると、目が光りだし、ソードスキルの構えをとる阿修羅像。

 

「私が受け止めよう。各自攻撃の準備を」

 

ヒースクリフが前に出て攻撃を受け止める。

轟音がなった瞬間、ヒースクリフの姿が無くなった。

 

「「「…は?」」」

 

俺達が恐る恐る振り向くと、ヒースクリフが吹き飛ばされており、地面に伏していた。

【神聖剣】のおかげでダメージは少なかったが、普通のタンクでは死にはせずとも、ダメージは少なくないだろう。

軽装の自分たちが当たってしまえば…

 

「〜ッ!!避けろぉ!絶対に当たるなぁ!!」

 

1番最初に正気に戻った俺が、悲鳴じみた声で呼びかける。

その言葉に2人はハッとし、慌てて行動を起こす。俺は切り込んで斬撃を放ちながら進む。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

阿修羅像の攻撃を刀で滑らしながら回転し、遠心力を乗せて斬撃を放つ。

胴体を逆袈裟に斬り、体勢を崩した所で返す刀で袈裟斬りを放つ。

 

「スイッチ!」

 

今度はミトが飛び出して、力ずくで鎌を薙ぎ払う。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

胴を切られるのを、たたらを踏んで耐えた阿修羅像は、そのままミトにソードスキルを放つ。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

技後硬直で動けないミトを庇うようにキリトと俺がそれぞれ、ソードスキルと飛ぶ打撃を発動し、受け止める。

 

「「ぐぅぅぅぅぅ!?」」

 

「2人とも!はぁぁぁ!!」

 

しかしその重さに押し負けそうになる。

技後硬直の解けたミトが参戦した事で一瞬浮いた隙に、それぞれ、散開して避ける。

キリトと俺は体力を確認すると

 

「「は?」」

 

キリトは残り5割、俺が4割だった。

 

「いなして防いだだけだぞ…」

 

「マジで一撃も受けられないな…」

 

「3人とも。すまない」

 

「団長!無事ですか!?」

 

ヒースクリフが復活し、戦線に参加する。

 

「さて、ヒースクリフの防御力も当てにならないとなるとどうするか」

 

「すまない、タンク失格かな」

 

「いや、【神聖剣】が吹き飛ばされるなんて、想像してなかったしな」

 

「でも、私達にできるのは避けるだけよ…。せめて何か弱点でも見つけないと…」

 

俺が作戦会議をしていると、走って俺達を追いかける阿修羅像。

 

「「「走れるの(かよ)!?」」」

 

「それほど速くはないがね」

 

慌てて俺達は戦闘用意をし、それぞれ避ける。

阿修羅像が狙いをつけたのは俺だった。

 

「こんの!!しつこい!」

 

俺は刺突を飛ばし、目を潰そうとする。

しかしそれは防がれ、そのままソードスキルが発動する。

舌打ちしながら横に飛んで躱す。

阿修羅像は、地面に突き刺さる剣を、そのまま横に引いてくる。

 

「嘘だろ!?」

 

慌てて転がって避けて、振り返るのと同時に、斬撃を飛ばし攻撃する。

 

「こっち向け!」

 

「がら空きよ!」

 

「フッ!!」

 

3人がソードスキルを発動するも、意に返さず俺を狙い続ける。

そうする事数分がたった頃、阿修羅像がまたもやソードスキルを発動する。

 

「全員、散開!」

 

それぞれの方向に散開した後、次に狙われたのはミトだった。ミトもそれに気づき躱そうとした瞬間、なにかに足を取られた。

 

「え?」

 

「ミト!?」

 

「ミト君!?」

 

ミトが足を取られたのは、この戦いで生じた地形の変化、窪みだ。

 

「ミトォ!!!」

 

俺は全力走ってそのままタックルした。

 

「ツキノワ!?」

 

俺はその攻撃に対し、斬撃を何回も放ち、最後に打撃を発動した。

それでも止められず、クリーンヒットは免れたが、掠めてしまい吹き飛ばされてしまった。

 

「「ツキノワァ!!!」」

 

キリトとミトが走ってくるのが見えた。

あぁ…俺ってよく飛ばされるなぁ…。

ていうかヤバいな。ただでさえ、体力回復しきってないのに…。

これ叩きつけられたら死ぬな。

受け身取ろうにも体が動かねぇし、間に合わない…。

キリト、ミト…アスナ先輩。

ごめん、後はよろしく。

俺が全てを諦めかけたその時何が俺の下に入ってクッション代わりになってくれる。

それにより体力が数ドット残った。

 

「ヒール!ツキノワ!」

 

直後、体力が結晶により全回復する。

 

「良かった…。間に合った…!間に合ったよ…!神様…!」

 

「アスナ…先輩?」

 

そう、俺を受け止めてくれたのは、アスナ先輩だった。

先輩は泣きながら俺を抱きしめてくれる。

 

「後は私達に任せて、休んでて?」

 

そう言って、レイピアを抜いて阿修羅像に切っ先を向ける。

後ろにはクラインやエギルさん達を始めとする攻略組の全戦力が並ぶ。

そして堂々と言い放つ。

 

「攻略組!!!!出撃!!!!!!」




このボス最初はIFと同じにしようかと悩みました。
でも、せっかくだからオリジナルボス戦を書いてみようと思いこうなりました。
それではありがとうございました。

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