ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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これにて50層攻略戦は終了です。
それではよろしくお願いします。


23話

sideアスナ

 

「注目してください!ここに回廊結晶があります!これは転移門広場に繋がっています!今から10分以内に体勢を整え、再度出撃します!」

 

私の言葉に誰も答えなかった。

どうして?どうして誰も、何も言わないの?

 

「皆さん…?」

 

「無理だ…」

 

誰が呟いた。

それはまるで、全員の気持ちを代弁するように続けられる。

 

「あんな、無茶苦茶なやつどうやって勝つんだよ!?勝てる訳ねぇだろ!?」

 

「そんな!?それでも勝たないと戻れないんですよ!?」

 

「それでも無理だ!一撃で攻略組を殺すような連中、勝てる訳ねぇだろ!?」

 

そうだ、そうだと続く声。

これが今の攻略組なのかな…。

 

「あいつらだってもう持たない!あんたやあいつらは、規格外の強さだから戦えるんだ!」

 

違う。

そうじゃない。

私達は必死になってるだけなのに…。

戻るために戦っているだけなのに…。

ツキノワ君…ミト…キリト君…私…どうしたら…?

 

「もういいか?お前ら」

 

「ああ、これ以上は聞くに耐えん」

 

心が砕けそうになるその時、クラインさん達【風林火山】の皆さんと、エギルさん達【ツーハンデッド・ビルダーズ】の皆さんが、私を庇うように立っていました。

 

「ど、どういう意味だよ!?」

 

「今よぉ、あそこで戦ってるやつはまだ10代半ばのガキ達だ。アスナもそうだ。俺達大人は本来、こいつらを守ってやらねぇと行けねぇんだぞ!!」

 

「それを寄ってたかって…恥ずかしくないのか?お前らは。俺達はここに立っていることが恥ずかしい」

 

クラインさんとエギルさんがそれぞれ、みんなに語りかけてくれる。

私には無い重みを、感じられた。

 

「確かにこのSAOで年齢なんてほぼあってないようなもんだ。けどよぉ、そういう問題じゃねえだろ!?」

 

「あいつらは強い。俺達よりずっとな。しかし、俺達は大人で、あいつらは子供だ。もし自分の子が産まれた時、お前達は同じ理由で子供達を盾に使うのか?お前達は父親としていられるのか?」

 

「「お前達はこの先、男として、大人として、胸を張って生きていけるのか!?」」

 

2人の怒声が響き渡る。

その言葉を受けて、みんな沈黙したまま、俯いてしまう。

そんな時だった。

 

「…いい訳ねぇだろ…」

 

「え?」

 

「いい訳ねぇだろ!そんなダサいまね、するくらいなら、死んだ方がましだ!」

 

そんな声に少しずつそうだ、そうだ、と声が上がる。

 

「だったらこんなところでグダグダ言ってる場合か!!」

 

「やるって決めたなら支度しやがれ!!」

 

一つ一つの熱が伝播していき、やがて攻略組全体が立ち上がった。

 

「…皆さん…」

思わず泣きそうになる。

必死に涙を堪えているとクラインさん達から声がかかる。

 

「アスナ!早く回廊結晶を!」

 

「は、はい!コリドーオープン!」

 

私は慌てて回廊結晶を使いました。

そしてそこに流れるように攻略組の皆さんが入り込み、アイテムをひたすら買い漁っていました。

 

「アスナ!うちの店の在庫のポーション、全部出すぞ!」

 

「俺達もだ!マサムネ!頼む!」

 

「【青龍連合】も倉庫を開けるぞ!」

 

「今からサチに連絡入れる!」

 

各ギルドがアイテムを持ち寄って物資をかき集めてくれていました。

 

「分かりました!ダイゼンさん!副団長権限でうちも開放します!」

 

「了解です!クラディール!手伝ってくれ!」

 

「しょうがない…」

 

こうして各ギルド必死にアイテムを調達していると

 

「「アスナ!」」

 

「サチ!リズも!」

 

そこには【月夜の黒猫団】のサチと、友人のリズこと【リズベット】がやって来ました。

 

「どうしてここに!?」

 

「ケイタから連絡を受けて、ホームからアイテムを持ってきたの!」

 

「それにボス戦なら武器の耐久値もマズイでしょ!だから簡易キット持って来たのよ!戦えないけど、武器のメンテなら出来るわ!」

 

「2人とも…ありがとう…!」

 

2人の気持ちに思わず泣いてしまいました。

だって…嬉しくって…

 

「あ、アスナ!?泣かないで!?」

 

「ほらもう〜泣かないの!これからでしょ?」

 

こうして約10分後、体勢は整いました。

 

「よし!全員準備できたぜ!」

 

「皆さん…ありがとうございます!行きましょう!」

 

「「「「おう!」」」」

 

私達は再び回廊結晶を使い、ボス部屋に乗り込みました。

そこで見たのは、再び一体に合体した阿修羅像だった。

 

「おいおい…また合体したのか?」

 

「しかし、ゲージはラスト1本。むしろやりやすくていいじゃないか」

 

私はみんなの方を見て、声をかけようとした時、

 

「皆さん!行きま「ミトォ!!!」!」

 

突然、ツキノワ君の声が聞こえてきました。

慌てて振り返ると、ツキノワ君が吹き飛ばされていました。

 

「ツキノワ君!?」

 

一気に加速して体を滑り込ませてギリギリキャッチした私はすぐに回復結晶を使って回復させました。

 

「よかった…。間に合った…!間に合ったよ…!神様…!」

 

「アスナ…先輩?」

 

私はしっかりと抱きしめ、ツキノワ君が生きている事を実感していました。

そして優しく壁に寄りかからせて

 

「後は私達に任せて、休んでて?」

 

そう言って、私はレイピアを抜いて阿修羅像に切っ先を向ける。

後ろにはクラインさんやエギルさん達を始めとする攻略組の全戦力が並んでくれる。

大丈夫、1人じゃない。

みんながいる!

そう胸に刻み、私は阿修羅像に対し宣戦布告した。

 

「攻略組!!!!出撃!!!!!!」

 

outside

 

「「「「「「「おおーーーーーーー!!!」」」」」」」

 

一気になだれ込んでくる攻略組。

その勢いにキリトとミトは唖然としていた。

 

「何だ、この士気の高さ…?」

 

「みんな、何が…?」

 

思わずつぶやく2人にそれぞれの仲間たちか声をかける。

 

「キリトー!無事だな!【月夜の黒猫団】参戦する!」

 

「ケイタ!ササマル!ダッカー!テツオ!」

 

「外にサチも来てるぜ!」

 

「サチが!?」

 

キリトはサチが来ていることに動揺する。

戦いが苦手な彼女は、今は生産職としてギルドを支えているはずなのだ。

 

「あいつも【月夜の黒猫団】って事だ!」

 

「キリトは下がって休んでくれ!」

 

「そうだぜ!キリの字!ミトの嬢ちゃんもだ!」

 

「「クライン!【風林火山】の皆も!」」

 

「おっと…俺達を忘れてないだろうな?」

 

そこにクライン達とエギル達が合流する。

 

「団長!ミト副団長!ここからは我々【血盟騎士団】も出ます!」

 

さらに【血盟騎士団】がやってくる。

 

「では頼むとしよう」

 

「…すまない!直ぐに戻る!」

 

「みんな聞いて!さっきより攻撃力が高くなってるわ!ソードスキルは基本回避!通常攻撃も必ずタンク3人以上で防いで!」

 

「「「「了解!」」」」

 

キリト達が外に出ると、先に休んでいたツキノワが武器のメンテを行っていた。

 

「キリト!」

 

「サチ!」

 

「ミト!無事?」

 

「リズ。ありがとう」

 

それぞれが再会を喜びあっていると、ツキノワが2人の声をかける。

 

「2人とも無事か?」

 

「「それはこっちのセリフ!」」

 

そして、3人の武器をメンテしてる間、ひたすら説教されるツキノワだった。

 

「さあ!3人とも!終わったわよ!」

 

「キリト、ツキノワ。これ」

 

「「これは?」」

 

サチが2人に渡したのは防具だった。

 

「2人の戦闘スタイルに合わせて、軽くて丈夫な素材を使って作ったの。良かったら使って!」

 

キリトのはチェストプレートで、ツキノワのは鎖帷子だった。

 

「ありがとう!サチ!使わせてもらうよ!」

 

「サンキューサチ!早速装備するよ」

 

お礼を言って早速、装備してステータスを確認する。

防御力が最初より上がっている事を確認し、

 

「「「行ってくる!」」」

 

3人は戦場に飛び出していった。

 

攻略組はしっかりと連携を取り合って、少しずつだが阿修羅像を追い詰めていて、あと一息まで来ていた。

 

「エギルさん!スイッチ!」

 

集団の中を一気に駆け抜けるツキノワは、ちょうど攻撃を行ったエギルとスイッチする。

 

「ぶちかましてやれ!」

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

一気に懐に入り込み、斬撃を何発も放つ。

剣を振るうその姿はまるで舞のように、それでいて一切の隙がなく、まさに【剣豪】の如く美しさがあった。

その隙に力を貯めていたミトが大声を張り上げる。

 

「全員どきなさい!!」

 

その声にみんなが反応すると、ミトが持つ鎌が、強く光輝いていた。

 

「スイッチ!」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

鎌最上位ソードスキル【魔女狩り】を発動する。

HPを吸い上げるほど、攻撃力が上がるその技をミトは最大まで貯めて、放つ。

その絶大な攻撃力を受け、たたらを踏む 阿修羅像にさらにアスナが追撃の為に、全速力で駆け抜ける。

 

「スイッチ!」

 

「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

攻略組トップクラスの速度を上乗せさせた、細剣最上位ソードスキル【フラッシング・ペネトレイター】が、阿修羅像の腹を深く抉る。

悲鳴をあげる阿修羅像に、キリトが走り出す。

 

「スイッチ!」

 

「キリト!俺達に乗れ!」

 

【月夜の黒猫団】を足場代わりに高く飛び、

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

片手剣最上位ソードスキル【ノヴァ・アセンション】で顔を10連撃に切り裂く。

最後の10撃目を食らわせた時、悲鳴をあげながら爆散する阿修羅像。

Congratulation!!の文字とリザルト画面が出てきた事で、

 

「「「「「「勝ったーーーーーーー!!!!!!」」」」」」

 

無事50層のフロアボスを倒し、アインクラッドの半分を踏破したのだと確信したのだった。




ありがとうございました。
完全オリジナル展開になりましたこの50層。
めっちゃくちゃ苦労しました。
ここからしばらく投稿出来ないかもです。
リアルが繁忙期に突入してしまったので…
それでは失礼します。
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