ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ 作:ネコ耳パーカー
本年もよろしくお願いします。
sideツキノワ
朝7時、俺はタイマーの音で目を覚ました。
ボンヤリした頭で今日の予定を考え、思い出し途端、一気に目が覚めた。
「今何時だ!?…7:03。約束は…9:00にアルゲートの転移門広場だな」
よし、予定に間違えはないし時間も余裕がある。
俺はまず朝飯を用意しながら、同時並行であるものも用意する。
こういう時、手間がかからないからここは楽だ。まあ、味気なさすぎるのも如何なものかと思うが。
「よし、こっちはOKっと!」
サクッと朝飯を食べて俺は何時もとは違う服に着替える。
黒のブルゾンにモスグリーンのオーバーデザインのトレーナー。
スキニージーンズに茶色のハイカットシューズ。
全体的に飾りっけがないのでいつものネックレスをつけ、髪を結う。
ハーフアップに整えた所で、ストレージ内を確認する。
「よし、準備完了!時間は…8:17か。少し早いけど行くか」
こうして俺は自分の拠点にしてる安宿屋を出た。
何するのかって?
それは…先日付き合うことになったアスナ先輩との初デートである。
「8:32…まあ、流石にいないか」
わざと早めに出た俺は思ったより速く着いたので、ストレージを弄りながら待つことにした。
10分後、
「ツキノワ君!」
アスナ先輩の声のする方へ顔を向けると、走りよってくる彼女の姿を見つけた。
黒のジャケットに薄ピンクのブラウス、白のフワッとした感じのロングスカートと茶色のブーツ。俺が前にあげたネックレスもしてくれている。
滅茶苦茶可愛い。
「おまたせ!ごめんね、待たせちゃった?」
「大丈夫ですよ?さっき来たところですし」
実際に10分ぐらいだから、全く気にしてない。
「あれ?ツキノワ君。髪型変えたんだ」
あ、流石先輩。早速気づきてくれた。
「せっかくなんで、先輩とペアルックにしようかと…似合います?」
「ウンウン!似合うよツキノワ君!じゃあ、今日はよろしくお願いします!」
アスナ先輩からのお願いに俺はまたドキドキする。
それを上手く隠しながら
「うっす!よろしくお願いされました!精一杯エスコートさせて頂きます!」
俺は先輩に手を差し伸べた。
意図に気づいた先輩は顔を赤くしながら、手を差し出して、俺と手を繋ぐ。
もちろん、恋人繋ぎだよ。
「それと今日の先輩、いつも以上に可愛い!よく似合ってます!」
俺はちゃんと女性の服は褒めるし、褒め方にも気をつける。
効果覿面だったのか、褒めた瞬間、顔を真っ赤にする先輩。
こういう所も可愛いんだよな〜、この人。
「あ、ありがとう…!つ、ツキノワ君も…何時もとは違う印象だけど…似合ってて…か、カッコイイよ…!」
ほら動揺しまくってる。
単純に女子高育ちだから男慣れしてないんだろう。
ミトの方がまだ慣れてるかな?
ゲーセン通いで男ともある程度親交あるし。
「とりあえず朝飯食べて、それから51層の街開き行きませんか?」
俺は直近の予定を発表する。
今回俺が計画を立てた為、先輩は知らないのだ。
「わかった!そうしよっか!」
こうして俺達のデートが始まった。
「流石に凄い人でしたね〜!」
「うん、でもすごく整ってる綺麗な街だね!」
俺とアスナ先輩は朝飯を食べたあとこの51層の主街区に来ていた。
そこで色んな店を見たり、食べ歩きしたりと結構楽しんだ。
多分お互いに攻略の時はこの店使おうとか考えてたんだけど、そこは言わないのが花。
せっかくのデートでそんな事を話したくない。
「そろそろお腹減ったね〜」
「じゃあ、そろそろお昼にしましょうか。こっちです」
そう言って俺が連れてきたのは転移門広場だ。
「転移するの?」
「そうですよ。転移!【フローリア】」
そうして俺達は47層主街区【フローリア】通称【フラワーガーデン】にやってきた。
ここはフロアが一面花畑で、人気のデートスポットなのだ。
「うわぁ!何回みてもここは綺麗だね!」
「そうですね〜。先輩こっちこっち!」
そう言って俺は先輩を圏内ギリギリにある秘密の場所にまで連れていく。
そこには1本の綺麗な桜の木があり、他の花とも相まってすごく美しい場所なのだ。
「…凄い…綺麗」
「実は攻略中に、たまたまこの穴場を見つけたんです」
そう説明しながら俺はストレージを弄り、中からレジャーシートと、朝作ったものを出す。
「それって…まさか、お弁当?」
「そういう事です。今日のお昼はツキノワ特製手作りお弁当です!ジャジャーン!」
そう俺が朝作ってたのは、お弁当だったのだ。
中身は至ってシンプルな唐揚げとか、玉子焼きとか、おにぎりの代わりのサンドイッチだったりとまあ、普通の、どシンプルなお弁当だ。
「ツキノワ君【料理】スキル取ってたの!?」
「知りませんでした?この間コンプしましたよ?」
「コンプ!?」
俺はドヤ顔を決めながら、報告する。
その報告に先輩はすごく驚いていた。
「そういえば、ミトがツキノワ君は料理上手って言ってたっけ…」
「ウチは共働きですしね〜。お手伝いさんとかもいないし、基本俺が作ってミトが片付けとか洗濯とかですね。そういう先輩だってするんですよね?料理。ミトから聞いた事ありますよ?」
先輩も料理するって話聞いて、いつか一緒に作りたいとか思っていたりする。それはまたいつか話してみようかな。
「確かにするけどたまにだからね〜…」
「ま、その話は置いといて、早く食べましょ!」
そのまま俺は木ノ下のレジャーシートを敷き、弁当を広げる。
「うわぁ〜!美味しそう!」
「よし!それじゃあ」
「「いただきます!」」
そうして俺達はサンドイッチから手をつけた。
「!美味しい!しかもこれってマヨネーズ!?」
「お口にあって何よりです。その正体は…これ!」
そう言って俺はあるデータを公開する。
「SAOの味覚エンジンを全部解析して、それぞれの味を解析してあるんすよ!」
それは俺が色んな素材の組み合わせを解析して、リストアップしてあるデータだ。
これ結構骨が折れたんだよね…。
「嘘!?私もやってるんだけど…。中々上手くいかなくて…」
「俺もめっちゃ大変でしたよ。失敗しまくってしまくってやっとって感じですし…はいコレ。舐めてみてください」
俺は先輩の手に少し液を垂らす。
その正体は…
「嘘…これ…醤油!」
「正解です♪」
これ以降も俺達はグダグダと話したり、花見をしながら弁当を食べていた。
「フゥ…ご馳走様でした」
「はい、お粗末さまでした」
どうやら満足して頂けたらしく、ニコニコしている。
「美味しかった〜!今度は私が作るね!」
「楽しみしています!…それにしてもミトには驚きましたね」
「だよね!だよね!まさかクラインさんに惚れてるなんてね!」
このまま話はミトの恋バナに移る。
というのもこの間の打ち上げの時、女性陣+俺の4人に追求されまくった結果、クラインに惚れている事が発覚したのだ。
まあ、年上好きなのは俺にはわかっていた事だしなんて事ないのだが…
「クラインな〜。良い奴なんだけど、クラインな〜」
「心配なの?クラインさんは普段はアレだけどしっかりしてる頼りがいのある大人だよ?」
「だからこそだよ。ミトをそういう風に見れるのかなって、クライン側が」
そう、クラインが意外にしっかりしてる大人なのは知っている。
だからこそ、ミトをそういう風には見ないのでは無いか?、という疑念を抱いてるのだ。
「それにあいつ料理下手だし。クラインは典型的な女性像を想像しちゃってるし」
「ああ〜…そっちの問題もあるんだ…。そういえば何でミトとクラインさんは呼び捨てなの?」
「ミトは親が名前で読んでたからですから。姉系の言葉で読んでたのは昔だけですし、今もたまにしか出てこないですよ?クラインは…多分最初に会ったからそのまんまって感じです」
「ふーん。まあ、ミト次第、クラインさん次第かな〜…ふぁぁ〜…」
ん?随分大きなあくびだな。
「眠いんなら寝ちゃってもいいですよ?ここ圏内ですし」
「でも、せっかくのデートが…」
「気にしない気にしない。ほら、ゆっくりしよ?」
そう言いながら先輩の頭を撫でてると、徐々に瞼が落ちてきてそのまま寝落ちする。
俺は膝枕しながら優しく撫で続けた。
「…おやすみ、先輩」
「ん…。ん?」
あれ、いつの間に寝てたんだ?俺。
何か柔らかいものが、頭の下に…
「あ、起きた?おはようツキノワ君」
上から声がして上を見ると、優しい顔でこっちを見てるアスナ先輩の顔があった。
正確には半分ぐらいはその豊満な…って!?
「俺寝てた!?」
ビックリして体を一気に起こす。
「う、うん。私が起きた時船漕いでたから、寝ていいんだよって行ったらそのまま寝落ちしたよ?覚えてない?」
「…何も」
本気で覚えてない。
そんなに寝ぼけてた俺?ていうか、日が傾いてきてる。
「俺、どんなけ寝てました?」
「ん〜2時間くらいかな。私もそれくらいだったし大丈夫だよ!」
そう言われても、エスコートしなくちゃいけないのに寝落ちとかダメだろ…。
よし!プランBに変更!
「先輩、先に夜ご飯食べませんか?」
「夜ご飯?今から?」
「実はここ夜はライトアップされてるんですよ!すごく綺麗なんで良かったら見ませんか?」
これはリサーチしてる時に分かったのだ。
アルゴに詳しい時間を確認とったのでほぼ間違えないと思う。
「ライトアップ!?いいね!見たい!」
「じゃあ、そうしましょう!オススメのレストランがあるんですよ。こっちです!」
sideアスナ
今日は1日中ツキノワ君に、エスコートして貰っちゃったな。
朝ごはんのお店から、【フローリア】の穴場、お昼のお弁当、ライトアップの情報、おすすめのレストランの場所。
全部調べてくれたんだよねきっと。
特にあの穴場なんて、攻略では絶対に行かない場所だもん。
それをわざわざ、嘘ついてまで隠した。
きっと見栄なんだろうけど、いっぱい調べてくれた。
だから私も一つだけ調べた場所がある。
問題はそこにどう誘導するかだけど…ここは勇気を出さないと!
女は度胸だもんね!
sideツキノワ
レストランのご飯も美味しかった。
ライトアップされた夜景もロマンチックで最高だった。
そろそろデートも終わりの時間。
名残惜しいがまた明日からは、お互い攻略だ。
「じゃあ、アスナ先輩。そろそろ帰りましょうか」
「…」
「先輩?」
何で何も言わないのだろうか?
何かあったのだろうか?
そう思っているの先輩が、突然抱きついてきた。
「せ、先輩!?」
「…今夜は…もっと一緒にいたい。離れたくない…」
「先輩…」
アスナ先輩は、耳まで真っ赤にしながら俺に抱きついてきた。
その意味が分からないほど、俺も鈍いつもりは無い。
「…着いてきて」
少し予想外だったのはアスナ先輩が手を引いて、俺をエスコートしてくれたこと。
行き先が俺も一応、調べておいたホテルだったこと。
俺達は無言のまま、チェックインをして、部屋に入った。
そして入ってすぐ、俺達はキスをした。
「…ツキノワ君。優しくしてね?」
「アスナ先輩…頑張ります」
こうして倫理コードを解除した俺達の夜は、さらに続いた。
その夜は今までで最も熱く、激しく、愛おしい夜になった。
さて、かなり甘々な展開でした。
さて、少しずつまたストックを貯めてかないとヤバいです。
頑張っていきますのでよろしくお願いします。