ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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話が全然進まない…。
まとめるのと、個人視点が大変で…。
それではよろしくお願いします。


28話

outside

 

「キリト!何がどうなった!?」

 

ヒースクリフと別れたツキノワとミトとアスナは、キリト達の元へと集まった。

そこには顔を真っ青にしたサチの背中をさするキリトと、震えているプルプレートの男の宥める黒猫団の姿があった。

 

「ツキノワ…2人も…」

 

「…キリト。サチは私達が引き受けるわ。ツキノワに事情を説明して」

 

「サチ。大丈夫?私達がいるから」

 

「ミト…アスナ!」

 

そのままサチを優しく抱きしめながら宥めるアスナとミト。

 

「…キリト、説明して」

 

「ああ…」

 

そのまま距離を取り、キリトから事情を聞くツキノワ。

槍の作成者であるグリムロックの事をヨルコに聞いた所、何でもグリムロックと彼女は【黄金林檎】というギルドに所属していたらしい。

ある時、偶然レアアイテムをゲットし、その処遇に揉めたらしく多数決を取った。

その結果、売却する事になり、リーダーの【グリセリダ】が競売屋に行った。

しかし行ったっきり帰ってこず、後になって死んだ事がわかったらしい。

そのままギルドは空中分解したのだ。

 

「…で?あいつは?確か【シュミット】だよな。青龍連合のディフェンダー隊リーダーの」

 

「ああ、彼もギルドのメンバーだったらしい」

 

売却に反対していたのが、ヨルコ、シュミット、そしてカインズだったのだ。

そのヨルコが、シュミットに会いたいと申し出たらしく、話し合いの場を設けた結果

 

「殺されたと…どうやって?」

 

「窓の外からダガーを投げたんだ。あの辺から」

 

キリトが窓の外を指さしたのは、少し離れた場所の屋根だった。

 

「少し遠くないか?」

 

「ああ、中々の上手さだぞ。そっちは?どうだった」

 

「ああ。俺達はヒースクリフと会って…」

 

今度はツキノワがヒースクリフと話した事を説明した。

結局のところ、何も進展はないどころか、余計に事件が増えただけだった。

 

「進展なし…どころじゃないか」

 

「キリト…少しいいか?」

 

突然ツキノワが声を小さくして話しかけてきた。

 

「…どうした?」

 

「ヒースクリフは自分が見聞きした事だけが真実だと言った。その事なんだが、実はカインズが死ぬ直前、何か言ってたんだ。最初は今際の際の言葉だと思ったが…」

 

「なにか裏があると?」

 

ツキノワは頷く。

キリトはその言葉に思案した。

もしヒースクリフの言葉に則るなら、そういう事は大事になると。

 

「生命の碑に行ってみよう」

 

「そうだな。皆!今日は解散してくれ!アスナ先輩とミトはサチをお願い!黒猫団はシュミットを頼む!俺とキリトは一度生命の碑を見てくる!」

 

そう言って2人は飛び出した。

 

 

sideキリト

 

俺達は生命の碑まで来ていた。

 

「カインズはkだよな?」

 

「ああ」

 

ツキノワと確認しながら、kainzを探した。

 

「…あった」

 

俺はその文字を見つけ、死因と時間があってる事を確認した。

 

「キリト、これを見ろ」

 

ツキノワは全く違うところで別の文字を探していた。

 

「ツキノワ?そこはcだろ?」

 

「ああ、念の為な」

 

そう言いながら指を刺したのは

 

「cainz?」

 

cから始まるカインズだった。

 

「そう、kから始まるって聞いてずっと違和感だったんだ。カインズならcからな気がしてな」

 

なるほど、ツキノワは意外に頭回るよな。

 

「今失礼な事考えたろ」

 

「まっさか〜…」

 

勘もいいよな…

 

「まあいい。次はヨルコだな。表記は?」

 

「ローマ字だ」

 

そう言いながら、2人で探すと直ぐに見つけた。

 

「これは…」

 

「何で…?」

 

そのヨルコの文字には線は引かれてなかった。

 

「どういうことだよ…?ヨルコさんはあの時!?」

 

「死んでないって事なんだろうな…。理由は分からんが」

 

俺は訳が分からず、混乱していた。

ツキノワの冷静な言葉が、拍車をかけていた。

 

「ツキノワ?予想してたのか?」

 

「そんな訳あるか。ただ…本当に死んでるか自分の目で確認しに来ただけのつもりだ。…俺もビックリしてる」

 

ツキノワも驚いてるのか、ときどき言葉が詰まっていた。

 

「…この事はアスナ先輩達に共有しておこう」

 

「分かった。なら戻ろう」

 

ツキノワがメッセージを送りながら、俺達は来た道を引き返した。

 

 

sideツキノワ

 

「メールの件、どういう事!?」

 

合流して開口一番、先輩に問い詰められる。

 

「い、今から話すから!?」

 

「アスナ、落ち着いて」

 

ミトが制止させてくれたおかげでやっと落ち着ける。

 

「俺から説明しするよ」

 

そう言ってグロッキーになった俺の代わりに、キリトが説明してくれる。

 

「ヨルコさんは生きている…」

 

「て事は、えっと…カインズさん?って人も生きてるかもって訳ね」

 

「そういう事。次はどうやってって事だけど…」

 

その時、キリトの腹が鳴った。

 

「腹減った…」

 

「結構盛大に鳴ったな。でも確かにいい時間だしな。俺も腹減った」

 

男2人は腹を抑えながら、空腹を訴えている。

だって食べ盛りだもん。

 

「あんた達2人揃って…もう、しょうがないわね」

 

「じゃあ、ご飯にしよっか!はいツキノワ君!」

 

ミトは呆れながらストレージを漁り、先輩はウキウキでストレージからサンドイッチを出し、俺にに渡してくれた。

 

「おお!あざっす!アスナ先輩!」

 

俺はめっちゃ嬉しくて、思わず大きな声が出る。

 

「ツキノワ君!もう…!」

 

そんな俺を恥ずかしそうにしながら、それ以上に嬉しそうに見てくる先輩。

 

「つ、ツキノワ…」

 

「やらねぇからな!」

 

キリトめ、何を期待してるのか。

俺がアスナ先輩の手作りを譲るわけ…

 

「ね、ねぇ…」

 

「ミトもか!?お前は料理スキル取っとけって言ったろ!?」

 

「だって…」

 

このダメ姉貴…。

本当にクラインオトすきあんのか?

 

「フフ、はいミト」

 

そう言いながら、アスナ先輩がミトにサンドイッチを渡す。

どうやらミトの分はあったらしい。

 

「アスナ〜!ありがとう!」

 

「アスナ!?俺のは!?」

 

「キリト君の分はないに決まってるでしょ!?あとミト!抱きつかないで!食べれない!」

 

「そんな…ん?」

 

見るからに落ち込むキリトが、突然なにかに気づく。

 

「…サチから?」

 

どうやら、サチからなにか来たらしい。

開いてるのを見ると、何やら出てきた。

包みを開けると、中身はおにぎりだった。

 

「お、おお!!」

 

「良かったじゃんキリト。ちゃんと礼言えよ?」

 

「ああ!嬉しい!直ぐに伝える!」

 

そう言いながら意気揚々とメッセ打つキリトを、温かい目で見る俺達3人。

 

「アスナ知ってたの?」

 

「まあね」

 

そんな話をしてるミトと先輩を尻目に、俺はかぶりつく。

 

「ん!美味しい!アスナ先輩美味しいよ!」

 

「ありがとう!落ち着いて食べてね!」

 

俺達はそれぞれの食べ物に舌鼓を打っている時、俺はふと耐久値の気になる食材を思い出し、オブジェクト化して耐久値を見ようとした。

その時、限界だったのか、そのアイテムは砕け散ってしまった。

 

「あ…」

 

「ツキノワ君?どうしたの?」

 

「…」

 

アスナ先輩の心配する声が聞こえるが、俺は思考に没頭する。

 

(今のエフェクト…そっくりだ…。ていうか、今までもそうだったよな。アイテムと人の砕け方はよく似ている。その事に忌避感を覚えてたはず。慣れすぎて忘れた…。いや、それよりもこれは…まさか!?)

 

「ツキノワ君?大丈夫?」

 

「ちょっとどうしちゃったのよ?そんなにショックだったの?」

 

「おーいツキノワ!ラグってるのか?」

 

その時、一気に色んな事が分かった。

全て繋がって、全てが理解出来た。

 

「あ、あぁーーーーーー!!!」

 

「「「うるさっ!?」」」

 

思わずデカい声が出てしまった。

どうやらすぐ側にまで来ていた3人は耳を、一斉に抑えながら距離をとった。

 

「分かった!そういう事だったんだ!!」

 

「うるさい!分かったって何が!?」

 

ミトに怒られるが、今はそれどころでは無い。

 

「この事件のトリックだよ!俺達はまだ何も見えてなかったんだ!!」




名探偵ツキノワ!事件の謎が解けた!
という訳で、次回は謎解きと戦闘です。
それではありがとうございました。

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