ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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遂に2人が…!
それではよろしくお願いします。


閑話休題⑤

sideツキノワ

 

圏内事件から約2ヶ月が経った。

 

『ありがとうございました!』

 

NPCからある物を俺は受け取り、店を出る。

受け取ったそれを見て、

 

「…覚悟を決めろ、男だろ」

 

俺はホームへと帰っていく。

明日はアスナ先輩との久しぶりのデートだ。

今回は、アスナ先輩がエスコートすると言って聞かなかった。

一応色々調べたし、その為の用意もした。

後は…俺の度胸次第だ。

今回のデートスポットは、61層の【セルムブルグ】だ。

この街は全体的にとても綺麗で、住んでみたい街として有名だ。

まあ、その分かなりお高いのだが…。

そんな事を考えながら、明日の用意をして俺は就寝する。

 

「クッソ…!寝過ごした!!」

 

緊張のあまり、少ししか寝れず、気づいたら家を出るギリギリの時間だった。

 

「アスナ先輩!お待たせしました!」

 

俺は待ち合わせ場所に5分前にギリギリ着いた。

あっぶね〜…

 

「ツキノワ君!大丈夫!?すごい汗だよ!?」

 

「全力疾走…して…きました…から…ハァ…ハァ…」

 

「もう…まだ時間間に合ってるのに…!」

 

そう言いながら、俺の汗を拭ってくれるアスナ先輩。

顔近い…!恥ずいって…!///

 

「フフ。ツキノワ君顔真っ赤!珍しいね!」

 

「だ、誰のせいだと!?///」

 

「さあ?誰かしら?」

 

白々しくからかってくるアスナ先輩に、更に恥ずかしくなったため、急かした。

 

「は、早く行きましょう!ほら先輩!」

 

そう言って俺は手を差し出す。

一応、手汗はかいてないのは確認済みだ。

 

「そうだね!今日は私が案内するよ!それじゃあ、レッツゴー!!」

 

そう言って俺の手を引っ張るアスナ先輩。

もしかして…かなりテンション上がってる?

 

 

「本当に綺麗な街ですね」

 

「そうだね〜!ここに住みたくなるのも分かるよ」

 

朝から遊び倒して、既に夕方。

昼には手作り弁当を食べて、凄く美味かった。

俺達はドリンク片手にブラブラしていた。

 

「アスナ先輩、行きたい所あるんですけど、いいですか?」

 

「うん?いいよ。どこ?」

 

「こっちです。少しフィールド歩きますよ」

 

俺はある場所に、先輩を連れていくことにした。

それが俺の調べたこと。

少し街から離れた丘の上。

そこは…

 

「綺麗…」

 

夕焼けと海を一望できる絶景スポットだ。

その幻想的な光景に先輩はウットリしながら見てる。

 

「…先輩」

 

俺の呼び掛けに振り向く先輩。

 

「圏内事件の時、先輩言いましたよね。SAOの結婚って、ロマンチックでプラグマチックだって」

 

「…うん」

 

「俺は…先輩の事が好きです。愛してます。先輩にとっての1番になりたい。ずっと…リアルにいた時から、そう思ってました」

 

「…うん」

 

「そして…ここでも、リアルでも、ずっと一緒に居たい。そう思ってます。だから…結城明日奈さん!!俺と結婚して下さい!!!」

 

そう言ってストレージから、ある物を取り出して渡した。

それは前日に受け取った、婚約指輪だ。

ハート型のピンクゴールドが埋め込まれてる指輪は、かなり前からずっと考え続けて、選んだものだ。

緊張で手が震える。

心臓が張り裂けそう。

まず間違えなく、過去一緊張してる。

 

「…優月君」

 

いきなり本名で呼ばれ顔を上げると、そこには涙を流しながら、左手を差し出すアスナ先輩。

 

「私でよければ、不束者ですがよろしくお願いします」

 

「…アスナ先輩じゃなきゃ嫌ですよ」

 

そう答えて俺は、指輪を左薬指につけてあげる。

 

「…綺麗。一生大事にするね」

 

夕焼けに照らされながら、それを掲げて見る姿は、凄く綺麗で神々しさすら感じた。

我慢できず俺は

 

「明日奈先輩」

 

先輩にキスした。

先輩はビックリしてたけど、そのまま俺を受け入れてくれた。

何秒、何分しただろう、俺達はそっと離れた。

 

「…先輩。一緒に暮らしませんか?」

 

「…喜んで」

 

そうして俺達は街まで降りて、内見をしてから、住む部屋を決めた。

こんな時間でも、内見できるのはゲーム様々だな。

とりあせず、リフォームは明日以降にし、俺達は熱い夜を過ごしたのだった。

 

 

sideアスナ

 

私は自分の左手を眺める。

そこには、数日前にツキノワ君がくれた、指輪がしてある。

それをじっと見ていると、

 

「アスナ…ニヤニヤしすぎ。もうすぐ定例会よ」

 

「に、ニヤニヤしてない!!」

 

ミトから突っ込まれる。

ミトには後日報告したが、やっとかと呆れられただけだった。

 

「あの子もやっと覚悟決めたみたいだし…ま、末永く爆発しなさい」

 

「褒め言葉として受け取っておくわ」

 

そんな雑談をしていると、団長が入ってきて、場が引き締まる。

 

「それでは、定例会を始めよう。まずは…アスナ君、君から報告があるようだね」

 

「はい。…この度、私アスナは、かねてからお付き合いしているツキノワ君と、結婚しました。それと同時に同棲も始めてます。事後報告ではありますが、よろしくお願いします」

 

淡々とただ事実のみを報告する。

一部を除き、皆祝福してくれた。

 

「うむ、この難しい状況の中、このようなめでたい話は純粋に嬉しく思うよ。アスナ君、結婚おめでとう。後で御祝儀があるから、部屋に来てくれ」

 

団長から…御祝儀!?

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「うむ…さて、次の話だが、今日より、幹部には護衛をつけることになった。その人選を発表する」

 

そう、前回の定例会で幹部には護衛を付けることになった。

必要ないと言ったのだが、多数決で押し切られてしまった。

 

「ミト君には【セン】君、君に頼もう」

 

「はい!よろしくお願いしますミト副団長!」

 

「ええ、よろしく、セン」

 

センちゃんは数少ない同年代の女性プレイヤーで、きっとミトへの配慮だろう。

 

「さて…最後だかアスナ君。君にはある人物に依頼した。入って来てくれたまえ」

 

「依頼?」

 

一体誰だろう?

奥のドアから出てきた人物に私は、ビックリした後、嬉しくて笑みがこぼれてしまう。

その人は真紅の着物に黒い袴、白い羽織を纏った紫の髪に赤い目をした少年だった。

 

「それでは、アスナ君の護衛頼むよ。ツキノワ君」

 

「分かってる。他の奴には任せない」

 

そう、私の護衛はツキノワ君だったのだ。

 

outside

 

「ちょっと待って下さい!団長!」

 

黒い髪をした細い男が、ヒースクリフに声をかける。

 

「何かな【クラディール】君」

 

「私はこの人事は反対です!そもそもそいつはうちのギルドの者ではないでしょう!そんな奴にアスナ様を任せるなんて、出来ません!」

 

クラディールはヒースクリフの決定に不服なのか、怒ったように反対意見を述べる。

 

「先程も述べた通りだが、アスナ君は彼と結婚している。そんな彼女に他の者をつけるなど、流石にどうかと思うがね」

 

「…!!そもそも、アスナ様!このような何処の馬の骨ともしれない輩と付き合い、ましてや結婚など、何を考えておられるのですか!?」

 

「「…は?」」

 

今度はアスナに矛先を向けるクラディールだが、その瞬間、アスナとミトがブチ切れた。

 

「何処の馬の骨って、私の実の弟よ。それを何よあんた。ここで初めて知り合った程度の男に、この子のことをとやかく言われる筋合いはないわ。口には気をつけなさい」

 

「彼と私は付き合ったのは、こっちに来てからですが、知り合ったのはリアルからです。何処の馬の骨は、私はよく知っています。貴方の事よりも、何倍も私は彼の事を知ってるわ」

 

「うっ…グッ…!?貴様ァ!?貴様のような雑魚にアスナ様の護衛は務まらん!!さっさと辞退しろォ!!」

 

2人にキレられ、遂には、ツキノワ自身に噛み付く。

その様子にまた怒ろうとするミト達を、ツキノワは軽く止める。

 

「まあまあ、2人とも。俺は別に気にしてないから」

 

「ツキノワ君!?何言ってるの!?」

 

「だってキャンキャン吠えるしかない雑魚なんて、気にかけても仕方ないでしょ?」

 

その発言はクラディールに、ニトロを放り込むだけだった。

さっきまで怒っていたアスナとミトですら、唖然とせざるを得ない事になっている。

誰もが凍りつく中

 

「貴様…本気でいってるのか…?」

 

1周回って冷静になったクラディールが、呟く。

その言葉にツキノワ首を傾げながら言い放った。

 

「は?逆にお前程度で、俺に勝てると思ってるの?」

 

その一言が、クラディールの怒りを頂点にさせた。

 

「き、貴様ァァァァ!!!上等だぁ!!今すぐ下の訓練場に来い!!格の違いを教えてやる!!!」

 

「…ふ〜ん。いいよ、格の違いを教えてあげる」

 

こうしてツキノワVSクラディールの決闘が決まった。

 

sideツキノワ

 

俺はいつも通り、リラックスした状態で始まるのを待っている。

 

「ツキノワ君…ごめんね。こんな事になって」

 

アスナ先輩が泣きそうな顔をしながら、俺に謝ってくる。

 

「別に気にしないで下さい。正直こうなる気はしてたんで」

 

「それはともかく、あんたから挑発してどうするのよ?」

 

今度はミトから呆れたように頭を軽く小突かれる。

 

「ミトだって怒ってたじゃんかよ…あ、準備出来たみたい。じゃあ、行ってくるわ」

 

「「行ってらっしゃい」」

 

背中に声援を受けて、俺はフィールドの中央でクラディールと対峙する。

ルールは勝った方の主張を通す、というもの。

クラディールから決闘申請が来て、俺は初撃決着を選ぶ。

俺達の間にカウントダウンが始まる。

 

「ご覧下さいアスナ様!私以外に護衛が務まる者は居ないことを証明致しますぞ!」

 

ああ、自分がやりたかったんだ…呆れた、分を弁えろよ、お前。

俺はそんな事を思いながら、構えもせずに、無駄に豪華な両手剣を見ていた。

狙いなら…あそこか?

それとあの構えは…あれだな。

そしてカウントがゼロになったと同時に、突進系ソードスキルで攻撃してくるクラディール。

俺はその攻撃を最小限の動きで躱して

 

「シッ!!」

 

両手剣を居合切りで両断した。

【武器破壊(アーム・ディストラクション)】と呼ばれる、高等テクニックだが、俺は力づくでそれを実現させただけ。

 

「馬鹿な…私の剣が…!?」

 

ポリゴン状に砕け散る両手剣を呆然と見つめるクラディール。

 

「…で?何を教えてくれるんだっけ?もう1回言ってくれねぇ?」

 

しっかり煽る事も忘れない俺。

ダガー持ち替えて、襲いかかっくるクラディールを投げ飛ばしてから

 

「フッ!!」

 

一気に刺突を連発する。

【閃光】の2つ名を持つアスナ先輩ほどでは無いが、俺もそれなりに剣速には自信がある。

あっという間に体に風穴を空けさせ、吹き飛ばす。

更に追撃しようとした時

 

「ヒィ!!降参だ!!降参する!!」

 

クラディールが降参を宣言する。

 

「…他に文句ある奴は?」

 

誰も何も言わない。

俺はそれを確認してから、中央ではっきりと宣言する。

 

「改めて、副団長アスナの護衛を依頼されたツキノワだ。よろしく」




という訳で、ツキノワとアスナが結婚しました。
また、74層でのクラディールとの決闘はここでやってもらいました。
ありがとうございました。
それでは失礼します。

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