ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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こっちの更新が久しぶりです。
最近ロクアカにばっかりメンタルが向いてしまう。
今回はアスナより、ミトの方にスポットが当たってます。
それではよろしくお願いします。


31話

sideツキノワ

 

かなり重い空気が会議室を包む。

何時もなら、緊張感はあるものの、情報交換など、しゃべり声が絶えないのに、今日は別だ。

無理もない、今日の会議は

 

「これより、【ラフィン・コフィン】討伐会議を始める!」

 

シュミットが、宣言する。

そう、俺達はこの会議後、殺人ギルド【ラフィン・コフィン】と、正面衝突するのだ。

事の発端は約2週間、突然アルゴに呼び出された俺は、指定の店に来ていた。

 

「で?そっちからなんて珍しいじゃん」

 

「まあナ。まず結婚おめでとウ。おねーさんは嬉しいゾ!」

 

…妙に緊張してる?

珍しいな、アルゴが緊張するなんて。

 

「そりゃあ、どうも。また派手に記事にしやがって…。で?わざわざ、御祝儀って訳じゃないだろ?」

 

「…【ラフィン・コフィン】のアジトのタレコミがあっタ」

 

「…何?本当か!?」

 

思わず、聞き返してしまった。

今まで、構成員とは何回か戦ってきて、牢屋にぶち込んではいるが、アジトは分からずじまいだったのだ。

 

「あア。だから、ツー坊には裏取りを手伝って欲しイ」

 

「分かった。すぐに用意しよう」

 

俺の返事を聞いて、突然顔色を暗くするアルゴ。

 

「すまないナ、ツー坊。本当はアーチャンの為にも、こんな危険な事させたくはないんだガ…」

 

「バカ野郎。アルゴがそんな危険な事を、1人でやる方が心配だ。早く終わらせるぞ」

 

「…そうだナ」

 

こうして1週間かけて、入念に調べた結果、情報は本物だという結論が出た。

そして、俺とアルゴで各ギルドに報告し、有志で討伐隊を募集して1週間、遂に今日突撃するのだ。

奴らのアジトは低層の特殊なダンジョンだ。

そこは索敵スキルが効かず、かなり苦戦した苦い思い出のある場所だった。

 

「…深澄。ごめん、俺…」

 

「分かってるわ、気にしないで。むしろ…私を優先したら、そのケツ蹴り飛ばすわよ、優月」

 

俺は隣を歩くミトに思わず、本名で呼びながら、謝るも、先に止められる。

やはり姉には…敵わないな。

そう苦笑いしてから、俺達はすぐに背中合わせで武器を構える。

 

outside

 

「ミト!来るぞ!!」

 

「分かってるわ!総員、戦闘用意!奇襲よ!!」

 

ツキノワとミトがそう叫んだ途端、上から飛び降りてくるラフコフのメンバー。

ツキノワは直ぐに斬撃を飛ばし、3人の足を纏めて斬り飛ばす。

 

「「ギャァァァア!」」

 

「足がァァァァァ!?」

 

喚いているうちに紐で縛り上げる。

 

「ま、まさか…作戦が…漏れてたのか…!?」

 

愕然としてるシュミットに、ツキノワが叱りつける。

 

「ボサっとすんな!!元々罠の可能性も言っていあっただろ!!それよりシャキッとしろ!!!直ぐに立て直せ!!!」

 

「皆落ち着いて!!目の前の敵を確実に対応して!!!」

 

ミトの鋭い指示が、討伐隊に響く。

その声を受けて、無事建て直した討伐組は確実に捕獲していく。

その時、2人に悪寒が走った。

2人は直ぐに飛び退く。

そこに投げナイフが2本の刺さる。

 

「ヒャッハァァァァァァァ!!!久しぶりだなァ!!狩人ォォォォ!!!」

 

「喧しい!!今度こそ黙らせてやるわよ!!ジョニーブラック!!!」

 

そのまま、ミトがジョニーブラックと戦闘に入る。

その時、いやらしい笑みを浮かべるジョニーブラック。

 

「…!?ミト!後ろだ!!」

 

直ぐに追いかけようとするも、下っ端どもが邪魔する。

 

「…チッ!邪魔だ!」

 

ツキノワは纏めて、腹を薙ぎ払い吹き飛ばす。

その内1人が死んだが、今は気にしてる暇はない。

ツキノワは投げナイフを打ち落とそうと、刺突を放つ。

幾つかは落とせたが、全ては無理で、何本かがミトに刺さってしまう。

突然、膝から崩れ落ちるミト。

その隙を3人の下っ端が襲いかかる。

 

「間に合え…!」

 

一気に加速し、ツキノワは前に躍り出る。

 

「フッ!!」

 

纏めて首を切り裂く。

その結果、3人の下っ端の首がハネ飛ばされる。

ポリゴン状になって消える下っ端。

更に俺を追いかけてきた4人を、2人は刺突で纏めて貫き、1人は縦に両断した。残り1人は斬りかかってきたのを、いなして、首を跳ね飛ばす。

 

「優月…」

 

「…俺は…大丈夫だから、ほら」

 

ツキノワは直ぐにミトに解毒ポーションを飲ませて、治療する。

8人を斬ったその刀は、すごく重く感じる。

 

「ヒ、ヒャハ!ヒャハハハハハハハ!!!殺したな!8人も殺したな剣豪!!」

 

「うるせぇぞ。だから何だ?てめぇらだって散々殺ってきただろうが」

 

ジョニーブラックの耳障りな笑い声に、感情を殺したような声で返すツキノワ。

 

「てめぇも、俺らと同類になったってことだよォ!!」

 

何が可笑しいのか、とてつもなく楽しそうに笑うジョニーブラック。

そんな様子を見ても、ミトとツキノワは冷静だった。

 

「…ミト、任せていいか?」

 

「ええ、行きなさい」

 

ツキノワはジョニーブラックを無視して、悲鳴がした方へと、一気に駆け出す。

 

「待ちやがれ!!」

 

「あら、行かせないわよ」

 

追いかけようとするジョニーブラックを、鎌で牽制して止めるミト。

 

「今度は逃がさない。ここであんたを捕まえるわ」

 

「上等だぁ!てめぇから殺してやるよォ!!クソアマァ!!」

 

 

sideミト

 

あの時と同様、私はジョニーと戦っていた。

その戦い方はこの間と一緒で、あいつは常に動いて、私の射程圏外から、チクチク攻撃してくる。

違うのは

 

「あら?殺すんじゃないの?ジョニーブラック」

 

「ああ!?うるせぇ!!」

 

挑発しても、一切乗らないところだ。

前はすぐに乗ったので、割と簡単だったのだが、今は喚きはするが、挑発には乗らない。

少し…厄介ね…。

私は鎌を振って、投げナイフを弾く。

投げ終えた直後に距離を詰めるも、直ぐに次のナイフが飛んでくるので、中々詰めなれない。

 

「おいおい、俺を黙らせるんじゃねぇのかよ、狩人ちゃんよォ!」

 

逆に挑発される始末。

一体幾つナイフ持ってるんのよ。

そろそろ無くなってもいい頃合いでしょうに。

…あれ使ってみるか。

 

「はあぁぁぁぁ!!」

 

私は一気に距離を詰め、ソードスキルを地面に叩きつけて、土煙を起こす。

その隙に、ある仕掛けをする。

その煙が晴れるまでに、奇襲を仕掛ける。

縦横無尽に鎌を振るうけど、上手く躱されて当たらない。

距離を取った瞬間に、私はナイフを投げる。

 

「おわぁ!?危ねぇなおい!?…あん?」

 

ナイフに何か付いてるのに気付いた瞬間、それが爆発する。

 

「ギャアァァァァ!!!?」

 

それは27層で採れる、爆発する石だ。

私は紐でそれを縛り、投げつけたのだ。

それがあいつが弾いた衝撃で、爆発したのだ。

その隙に、私は一気に駆け寄り、鎌で両手両足を切り落とし、落ちてきたところを、紐で縛り上げた。

 

「…ジョニーブラック、捕縛完了」

 

私は今度こそ逃がさないように、しっかりと縛り付け、仲間に預けたのだった。

 

sideツキノワ

 

俺は悲鳴がした方へ走っていく。

そこにはボロ雑巾みたいな格好したやつが、キリトと鍔迫り合っていた。

俺は一気に近づき

 

「シッ!」

 

首を跳ね飛ばした。

 

「大丈夫かキリト?」

 

「ツキノワ…ああ、すまない。俺…」

 

キリトは俺に斬らせた事を気に病んでるのだろう。

 

「今更だ。それよりまだやれるな」

 

「…ああ!こっちは任せろ!」

 

俺とキリトは二手に分かれて、どんどんラフコフメンバーを無力化していく。

斬りかかってくる奴の動きに合わせて、腕を切り飛ばして、思いっきり回し蹴りで蹴り飛ばす。

峰で打撃を飛ばし、纏めて吹き飛ばす。

投げナイフを躱し、突きを飛ばして纏めて貫く。

そんな中、ふと悪寒がして首を捻ると、そこにエストックが通り過ぎた。

 

「…今度コソ…最後マデ…殺シ合オウ…剣豪!!」

 

「…速攻で終わらせてやる、ザザ」

 

俺とザザはまたもや、殺し合いを始めた。

 

「フッ!」

 

「シャ!」

 

俺達は、直ぐに剣戟を始める。

右袈裟は躱され、2連撃の刺突は逸らした。

こっちの刺突はいなされ、後ろから狙われるが、横薙に払って弾き飛ばす。

追いかけるように、斬撃を放つがそれはソードスキルで相殺される。

技後硬直を狙い斬りかかるも、計算されていたように、ちょうど技後硬直が解けて、防がれる。

だが、力技でそれを押し切ろうとするも、その衝撃を利用し、後ろに飛んで距離を取られる。

 

「…やっぱ強ぇなお前は。ラフコフなんて勿体ないぜ」

 

「ソウイウ…お前コソ…流石ダ。ソノ剣技…尊敬ニ値スル」

 

俺達はそれぞれの剣技を褒めつつも、隙は見逃さないように、睨み合う。

そして、俺達はまたぶつかり合う。

俺が縦一文字に切り裂き、ザザが俺の肩を貫く。

今度は毒は塗ってないらしく、一瞬ひやってした。

今度は横一文字に斬ろうとするも、ザザが俺の力が乗る前にソードスキルで、相殺してくる。

 

「チッ!」

 

俺は直ぐに体術【水月】で、ボディに撃ち込む。

 

「グッ!」

 

ふらつくザザを俺は脱力させながら、構える。

それを見てザザも刺突の構えを取る。

 

「「ふん!!」」

 

同時に攻撃して、お互いノーガードで攻撃を受ける。

しかも、インパクトした瞬間、一気に力んでお互いを吹き飛ばす。

 

「ガハッガハッ!!」

 

「フー…フー…」

 

お互いにノーガードだった為、かなりHPが減っており、レッドゾーンに突入しかけていた。

 

「…お互い考える事は一緒かよ…」

 

「極メタ…者ノ…行キ着ク先ガ…同じジ…トイウ事ダロウ…」

 

極みたとか…恥ずいこと言うなよ…。

 

「まあいい、最後まで付き合ってもらうぜ」

 

「望ムトコロ…!」

 

俺達はこの戦いの行く末なんて、頭には無かった。

ただコイツとケリをつける、それだけだった。

そんな事を永遠に続くと思った…その時

 

「ジョニーブラックが捕まったぞー!!」

 

その声を聞いた瞬間、ザザの動きが止まる。

…今だ、俺はエストックを握る腕を切り落とした。

 

「…ガァ!?」

 

「隙ありだぜ」

 

直ぐに、サブウェポンを取り出して対応するが、その程度で止められほど、俺は弱くない。

そのまま、両腕、両足と跳ね飛ばして転がす。

そのまま縛り上げ

 

「ザザ。捕縛完了」

 

ラフコフの幹部2名を確保した俺達だった。

その後、ラフコフは戦線が崩れた。

そのまま烏合の衆と成り下がったこいつらを、捉えるのは容易だった。

しかし、リーダーのPoHはそもそもこの戦場にはおらず、その結果もお世辞にもいいとは言えなかった。

この戦いで、討伐組からは10人近く死人が出た。

ラフコフのメンバーで投降せず、死んだヤツらは20人以上。

そのうち9人を斬ったのは…俺の刀だった。




という訳で、ラフコフ戦でした。
ツキノワ君…容赦なさすぎ。
ですが、これくらいの覚悟ないと、人と斬り合い出来ないと思います。
それでは失礼します。
ありがとうございました。

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