ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ 作:ネコ耳パーカー
よろしくお願いします。
sideアスナ
「フッ!」
私の目の前にはボーンゴーレムが一体。
ゴーレムが、【ホリゾンタル・スクエア】で攻撃してくる。
1撃目は迎え撃ち、2撃目はバックステップで躱し、3撃目は仰け反って躱し、4撃目は飛んで躱す。
「ハァ!」
私は着地後、直ぐにソードスキルのモーションに入る。
フェイントを挟んでから、まずは3連撃を胴に当てる。
「シッ!」
体勢が崩れたところで、足を狙って2連撃。
「フッ!」
さらに上へ飛んで、がら空きの胸元に2連撃。
「ヤァ!」
トドメの一撃で、盾の上から吹き飛ばす。
8連撃ソードスキル【スター・スプラッシュ】。
この技で、大きく削った私は直ぐにツキノワ君と、スイッチしようとした瞬間、斬撃が飛んできて、私の真横を駆け抜ける。
そのすぐ後ろを、白い羽織をはためかせながら、走り抜けるツキノワ君。
「オラァ!」
斬撃を受け、更にダメージを負ったゴーレムにトドメの一撃に峰打ちを飛ばす。
骨が砕け散り、そのまま、ポリゴン状に砕け散るのを確認して、私達は武器をしまった。
「お疲れ様です、先輩」
「お疲れ様、ツキノワ君」
私達はハイタッチをしながら、お互いの健闘を称えた。
「やっぱり手練が1人いるだけで、だいぶ違いますね」
「…ツキノワ君、うちのギルドに入らない?」
私はツキノワ君に聞く。
団長みたいに、力をって理由ではなく、純粋に心配だから。
最近モンスターのアルゴリズムに、イレギュラー性が増してきている気がする。
ソロの場合、想定外の事態に対応出来ない時もある。
「…先輩には悪いけど、入る気は無いですね。今の立場があるのは、ソロやってるからですし」
そう、今彼が私の護衛でいられるのは、彼がソロだから。
もし何処かのギルド、ないし血盟騎士団になってしまえば、一緒にはいられなくなるだろう。
「そっか…でも、あまり1人で行かないでね?私、ツキノワ君にもし何かあったら…」
「しっ。何が来る」
突然、ツキノワ君が私の口に手を当てる。
その時、索敵スキルに反応が出る。
プレイヤーが…6人?
「結構な速さで来るな…?」
「警戒しましょう」
私達がお互い武器を手に取った時、
「「「「「「ぎゃあァァァァァァァァァァァァ!!!」」」」」」
すごい悲鳴と共に、何やら見覚えのある6人の男女が、一気に駆け抜けて行った。
あまりの速度に、2人揃ってポカーンとしている。
「…ハッ!?今のって…キリトか!?」
「それにサチ達…月夜の黒猫団よね!?」
私達は顔を見合わせながら、皆を追いかける為、来た道をダッシュで戻って行った。
sideツキノワ
「「「「「「アハハ!!!」」」」」」
6人の笑い声が聞こえたのは、安全地帯の中からだった。
俺達は直ぐに入って皆の安否の確認を取った。
「キリト!皆!大丈夫か!?」
「何があったの!?」
でも、6人とも俺達の顔を見て、ポカーンとしてるだけだった。
「…ツキノワ?アスナ?何でここに?」
「何でって…お前達が俺達を、追い抜かして行ったんだろうが!」
「そうよ!すごい悲鳴を上げながらだったから、ビックリしたじゃない!」
「あ、アハハ。実は…」
ケイタが説明を始めた。
俺達より先に進んでいたケイタ達はボス部屋を発見。
顔だけ拝んでいこうと扉を開けた。
そこにいたボスの名は【The Gleam Eyes】。
ヤギの顔に大きな牙、巨体に蛇のしっぽ。
まさに悪魔みたいな見た目をしたボスだったらしい。
「それを見て、ビビって逃げてきたと…」
「あ、あれは本当に怖いんだぞ!見てみろよ!」
「分かった分かった…」
ダッカーが喚くがとりあえず無視。
それより気になるのは
「なんでサチがいるんだ?生産職だろ?」
そう、彼女は戦闘は苦手なはず。
なのに幾らキリト達がいるからって最前線は危ない。
「ん?知らなかったのか?サチは最近一緒に戦ってるんだぞ?」
「え?そうなのか?」
知らなかった。
まあ、あまり前線ではこいつらとは会わないからな〜。
「う、うん…やっぱり皆が戦ってるのにって思って…それに…き、キリトもいてくれるし…///」
最後のは小さく言ったな。
まあ、俺達には聞こえてるが。
「サチ?なんか言った?」
「な、何でもない!!///」
何でよりによってお前が聞いてないんだキリト!
俺達全員聞いてたんだぞ!?
キリトとサチ以外の全員が、頭を抱えながらため息をつく。
「み、皆…どうしたんだよ…?」
「「「「「「「何でもない!!」」」」」」」
「そ、それより!?ご飯にしよっか!?」
サチが話題変えようと、ご飯の用意をしだした。
「待ってました!!!あ、ツキノワ。昨日はありがとうな!」
「そうだった!昨日ありがとう!美味しく頂いたよ!」
「それは何より」
昨日の【ラグー・ラビット】の事だろう。
そう思いながらも、こっちもご飯を待つ。
今日はアスナ先輩の当番なので、楽しみだ。
「はい、おまたせ」
「ありがとうございます!頂きます!」
今日のお昼はバケットサンドだ。
「ん〜!美味い!美味しいです!」
「ふふ、ありがとう」
そう言いながら俺達はゆっくりと食べている。
キリト達は皆でワイワイと食べている。
あの勢いの中では、サチは大変そうだな。
そんな時、団体が入ってくる。
すぐに警戒するも、その集団を見て警戒を解く。
「おお!キリトじゃねぇか!」
「ツキノワ!アスナ!貴方達もいたのね!」
クライン率いる風林火山と、ミトだった。
「よう、クライン。まだ生きてたんだな」
クライン達がキリトに絡みに行ってる隙に
「おっすミト。元気そうじゃん」
「ミト!どうだったの!?」
俺と先輩はミトに問い詰める。
「昨日…ちゃんとクラインを誘ってご飯したわ」
「「それで!?」」
「それで…今日この約束して…」
「「して…?」」
「…終わりよ」
「「終わりかい!?」」
思わず、2人揃ってツッコミを入れてしまう。
「何チキってんだよ!?そこはアタックしろよ!攻めの一手だろ!!」
「自慢の攻撃力はどこ行ったのよ!?私には守る事ばかり意識しすぎって言ってた癖に、自分はガッツリ守ってばかりじゃない!」
俺達はミトに詰め寄りながら、グイグイ行く。
「で、でも…」
「でもじゃねぇよ…」
「ミト〜…勇気出して!」
俺達も思わず、ため息が出てしまう。
この姉貴…どうしよう…
そんな事、幾つかの鎧の音が聞こえてくる。
あのエンブレム…それに深緑を基調とした、あの連中は
「【軍】だと…?」
【アインクラッド解放軍】、通称【ALF】。
25層で壊滅したALSが、【ギルドMTD】に吸収されたものだ。
当時はともかく、今は黒い話しか聞かず、かなり荒れ果てたギルドだ。
確か下層の治安維持と組織力の強化に方針転換したはずが…なんで今更…?
「ギルドの定例会でもあったわ。軍が方針転換したって」
「ええ、でも本当に来てるなんて…」
2人がそんな話をしていた。
なるほど、血盟騎士団は知ってたのか。
「私はアインクラッド解放軍、【ゴーバッツ】中佐だ」
階級まであるんだ…
「キリト、月夜の黒猫団所属」
「ケイタ、月夜の黒猫団リーダーです」
代表してキリトとケイタが、話を聞くらしい。
「君達はこの先までマッピングしているのか?」
「ええ、ボス部屋の前まではしてありますが」
「では、そのマッピングデータを提供してもらいたい」
「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」
俺達に動揺が走った。
こいつ…今何いいやがった!?
「た、タダで提供しろだと!?テメェら、マッピングの大変さ分かってんのかよ!?」
クラインが怒ったように言う。
マッピングするって事は、未知の領域に踏み込むって事だ。
この死と隣合わせの世界で、何があるか分からない場所に行くって言う事が、どれだけ勇気がいる事か。
最前線を張るフロントランナーの俺達だからこそ、わかる恐怖だ。
それと戦いながら、進んできた道をこいつら…!?
「我々は一般プレイヤーに、資源や情報を平等に分配し、秩序を維持すると共に、一刻も早くこの世界から、プレイヤー全てを解放するために働いているのだ!故に、 諸君らが我々に協力するのは、当然の義務である!!」
…アホらし、知らんわこんな連中。
「誰がてめぇら何かに頼んだよ、あぁ?」
俺は相手にもしたくないが、イキがられても腹が立つだけだから、仕方ないから相手する。
「君は…【剣豪】か」
「ツキノワ、ソロだ。テメェらみたいなチンピラ崩れのゴロツキに、そんな事頼んだ覚えはねぇよ」
「何…!?貴様!?」
「失せな。ここは本物の戦場だ。テメェら雑魚が出てきていい場所じゃねぇ」
俺は刀の柄に手をかけながら言う。
これ以上は言葉じゃない、と言外に忠告しながら、殺気をぶつける。
その殺気にゴーバッツも、後ろのへばってる連中も震えている。
「…分かりました。マップデータは提供します」
ケイタが突然、そんな事を言い出した。
「元々、街に戻ったら公開する気だったしな。これで金儲けはしない、うちのルールの1つだよ。な?リーダー」
「ああ、そういう事です。クラインさん。だからツキノワもそこまでにしてくれ」
「…チッ」
「全く…人が良すぎるぜお前ら」
持ってるこいつらがいいって言うなら、俺達には何も出来ない。
大人しく下がる事にした。
「…うむ。協力感謝する」
そう言いながら、仲間の元へ向かうゴーバッツ。
「ボスにちょっかい出す気なら辞めた方がいいぞ」
「それは私が判断する」
キリトの警告も無視して、無理やり仲間を立たせて、先へ進んでいってしまった。
「大丈夫かよアイツら…?」
「流石に今からは挑まないと思うけど…」
クラインとミトが心配する中、
「一応、様子だけでも見に行くか…?」
キリトがそんな事を言い出した。
はぁ…本当にお人好しがすぎるぞ、アイツは。
皆も乗り気だし、仕方ない。
「…すまない、ツキノワ。俺のわがままに巻き込んで…」
キリトは俺が乗り気じゃない事に、気付いていたらしい。
「…別に。もし皆に何かあったら嫌だから付いてってるだけ。アイツらの事なんてどうでもいい」
すごくツンデレっぽい発言だが、皆俺の本心を知ってるからか、何も言わず、笑ってるだけだった。
「ツキノワ、アスナ…ちょっといいか」
移動中、突然クラインが俺達に話しかけて来た。
「何ですか?」
「その…ミトの嬢ちゃんの事なんだが…えっとぉ…」
あ〜、なるほど…。
流石にキリトじゃあるまいし、気付くか。
「うん、クラインの思ってる通りだよ。よく気付いたな」
「あ、当たり前だろ…キリの字じゃあるめぇし…」
ここでもキリトはバカにされている。
「…で?クラインはどう思ってるの?俺はそこが大事だと思うよ」
「クラインさん。ミトは…あの子はクールなんじゃなくて、ただ不器用なだけなんです。ただの寂しがり屋なんです」
「アイツは…根はすごく優しくて、誰かの為に泣ける奴なんです。自分が誰も傷つけないように…そうやって自分を犠牲にして、誰かを守れる奴なんです」
あの日、あの時の涙を知っている。
自分のせいだって思い込んで、誰も近づけないようにしてる。
でも本当は寂しがり屋で、友達思いで…そんな優しい人なんだ。
だから
「だから…クラインさん。お願いします。ミトの事、ちゃんと見てあげてください」
「どんな結論でもいい。真剣に向き合ってくれ。姉貴の事を、1人の子供ではなく、1人の女性として、そして1人の大人ではなく、1人の男性として…考えてあげて下さい」
俺達は真剣にクラインに頭を下げた。
クラインがどういう結論を出すかは知らない。
でも願わくば、対等に見てから、決めて欲しい。
「…分かった。俺も腹くくる時って事だな」
そう言って俺達の頭を軽く撫でてから先に進むクライン。
その背中は何時もより、凛々しく、頼りがいがある気がした。
「それにしても…全然見えねぇな…」
「ああ、追いついててもいいのに…」
姿形どころか、影すら見当たらない。
皆諦めかけたその時、ふと何か聞こえてきた。
それは…悲鳴だ。
「…クッソ!!!」
「「「「「ツキノワ(君)!?」」」」」
「急げ!あのバカども、早まりやがった!!」
俺の言葉で、理解したのか。
皆一斉に走り出した。
パラメータ的に、俺と先輩、次にキリトとミトが飛び出した時
「くっそ!こんな時に!?」
後ろでモンスターがリポップしてしまった。
「おめぇらは先に行け!ケイタ!切り抜けるぞ!」
「了解です!サチは下がってて!」
「皆!無理はするなよ!!」
キリトが心配そうにしながらも、走り出す。
「あそこだ!」
そして、俺達がボス部屋に着いた時、そこには
「「「「「ぎゃあァァァァァァァァ!!!?」」」」」
『グルアァァァァァァァァァァァァ!!!』
地獄が広がっていた。
出来るだけ違和感ないように絡ませてみました。
ミト…守りすぎ。
それでは失礼します。
ありがとうございました。