ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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プロローグは終わりです。長かったですね、すみません。
それでは4話行ってみましょう。


4話

休みなく移動し続けた結果、次の拠点であるホルンカの村に着いたのは、空が暗くなってからだった。

 

「やっと着いたな〜…疲れた」

 

「ああ…だいぶ気張ってたもんな…」

 

やっと一息と言わんばかりの2人の少年、キリトとツキノワ。

道中何度か戦った結果キリトはLv4、ツキノワはLv3になっていた。

 

「どうする?休むか?」

 

ツキノワがそう尋ねると

 

「いや、休む前に片付けたいクエストがある。だから装備とアイテムを揃えよう」

 

答えるキリト。

内心休まないんかい、と思いながら了承するツキノワ。

 

「どんなクエストなんだ?」

 

「【森の秘薬】というクエストだ。クリアすると3層位まで使える片手剣【アニールブレード】が手に入るんだ。クリアに必要なアイテムが中々ドロップしないからレベリングにもなる。ツキノワにはあまり美味しくないクエストだろうけど付き合ってくれ」

 

なるほど、それは欲しい。

確かに経験値と金以外、ツキノワにはメリットはない。

だがついて行くと決めた以上、文句はないし言う気もない。

 

「OK。強くなるためだ。なんでもやるさ」

 

「ありがとう。こっちだ、着いてきてくれ」

 

そう言われついて行くと1つの民家に着いた。

そのまま入っていくキリトについて行くと

 

「ようこそ。旅の剣士様。お水でも飲まれますか?」

 

と中にいたNPCに言われる。

 

「「ありがとう」」

 

そう言って受け取る2人。

すると

 

「ん?あれは?マーク」

 

頭に?マークが出た。

 

「クエストフラグが立ったんだ。質問してみろよ」

 

キリトに促されたので

 

「どうかしたのか?」

 

NPCに聞いてみた。

すると

 

「実は娘の体調が良くなく苦しんでいるのです。【リトルネペントの胚珠】が必要なのです。もしよろしければ代わりに採ってきていただけないでしょうか?」

 

と説明される。

その内容の深さに思わず驚いてしまう。

 

「わかった。俺たちに任せろ」

 

そう返すと?マークが!マークに変わる。

 

「あ。また変わった。これでいいのか?」

 

「バッチリ!これがクエストを受けるまでの流れ。さあ、フィールドに行こう」

 

そうして俺たちのネペント狩りが始まった。

 

 

「お?レベルアップした」

 

「おめでとう。ツキノワ」

 

始めてから1時間ほど。

2人は10体ほど倒してツキノワがLv4になった。

 

「なあ、オススメスキルってなんかあるか?」

 

2つ目のスロットが開放されたため尋ねてみると

 

「俺なら索敵を選ぶ。ネペント相手に隠蔽スキルは効果がないんだ。ただ自分が納得いくものを選んだ方がいい。だから開けたまんまにするのも1つの手だと思うぞ」

 

と返すキリト。

 

「ん〜、わかった。とりあえず空けとくよ」

 

そんな話をしてる時、パチパチパチ、という拍手の音が聞こえてきた。

 

「「!?」」

 

咄嗟に剣を構えるながら音の方を睨む2人。

 

「ま、待って!?驚かせてごめん!?」

 

そんな2人の反応に慌てながら出てくる1人のプレイヤー。

 

「ご、ごめん。Lvアップのファンファーレが聞こえてたから、おめでとうって言おうと思って…」

 

「そうなのか、ごめん。ありがとう、Lvアップしたのは俺だよ」

 

そう謝りながら剣をしまうキリトとツキノワ。

 

「僕は【コペル】。ここにいるってことは君たちも森の秘薬クエストを?」

 

「ああ、そうだ。そういうあんたもだろ?」

 

「もし良かったら一緒にやらないかい?人手が多い方が効率的だと思う」

 

コペルは協力体制を敷かないかと言い出した。

 

「…どうするツキノワ?」

 

キリトに聞かれ、確かに効率を上げたいとは思う。

しかし何故か、何となくだが嫌な予感がした。

したのだがその気持ちには蓋をして

 

「キリトの欲しいアイテムだ。キリトの判断に任せる」

 

そう返事をした。

 

「そうか、ならその提案は受けるよ。そういや名乗ってなかったな、俺はキリト。こっちはツキノワだ。よろしく頼む」

 

結果協力体制を受け入れたキリト。

 

「ありがとう!よろしく頼むよ2人とも」

 

そうして3人で狩りを再開しだした。

 

 

「「「いた(な)(ね)」」」

 

再開30分、やっとお目当てのモンスターが出てきた。

 

「あれが狙いのモンスターか」

 

「ああ、あれが花付きのリトルネペントだ」

 

「ふーん。で、あの奥にいる丸っこいのつけたやつは?」

 

「「え」」

 

驚くようにさらに奥を見るキリトとコペル。

 

「2人ともあれは実付きだ!」

 

警戒するように言うコペル。

確かに実に見える。

見えるがそれがどうしたのだろうか。

キリトに尋ねようとすると

 

「ツキノワ。あの実付きには絶対攻撃するなよ」

 

先に警告された。

 

「なんで?レアキャラだろ?」

 

「確かにレアキャラだが、あの実を割ると周囲のネペントが一斉に集まってくるんだ。普通のゲームならあえて割ってレベリングっていうのもアリって言えばアリだけどこのSAOではただの自殺行為だ。だから絶対攻撃するなよ」

 

「…わかった。絶対攻撃しない」

 

考えただけで背筋が凍った。

確かに絶対攻撃してはいけない。

そう肝に銘じておく。

 

「僕が実付きのタゲをとる。2人で花付きを倒して」

 

とコペルが囮をかってでてくれる。

 

「え、でもコペルだって」

 

「僕は後でもいいから大丈夫。その代わりちゃんと手伝ってね」

 

困惑するキリトに対しお茶目に返すコペル。

 

「…わかった、ありがたく取らせてもらう。ちゃんと最後まで手伝うさ」

 

「乗りかかった船だしな」

 

そう返すキリトとツキノワ。

 

 

「よし!行こう!」

 

そう言って3人同時に飛びだした。

 

 

攻撃してくるネペントの蔦を切り刻みながら、踏み込むツキノワ。

攻撃しようとした瞬間、変な動きをするネペントに対し、咄嗟に横に飛ぶ。

避けた瞬間、腐敗液を吐き出す。

この腐敗液を浴びると、武具の耐久値がガクッと落ちるのだ。

ここまでの経験で予備動作を見切っていたツキノワは、冷静に避け、逆にその隙をついてソードスキル【リーパー】を放つ。

 

「シッ!」

 

クリーンヒットし、大きく体勢を崩すネペント。

 

「キリト!スイッチ!」

 

それを見てキリトと入れ替わる。

横を駆け抜けるキリトは間合いに入ると【ホリゾンタル】のモーションを取る。

 

「ハァ!」

 

そのまま横薙ぎに一閃。

ペネントを切り倒した。

 

「ふぅ、お疲れキリト。ドロップした?」

 

「ああ、お疲れツキノワ。しっかりドロップしたぜ」

 

お互い拳をぶつけながら健闘を讃える。

 

「コペルの手伝いに行こう」

 

「そうだな」

 

そう言いながらコペルの方を見る。

その時

 

(?目が合った?)

 

コペルと目が合ったのだ。

その目はどこか悲しそうな、覚悟を決めたような、そんな目だった。

そのままコペルはソードスキルのモーションに入った。しかしそのモーションは【ホリゾンタル】じゃなく縦切り技の【バーチカル】だった。

 

「ちょ!?コペル何してる!?」

 

ソードスキルを中断させようと踏み込もうとするツキノワ。

 

「待て!ツキノワ!逃げるぞ!」

 

慌てて止めるキリト。

その2人の行動より早く【バーチカル】が実を割った。

パーーーーン!!!ものすごい音ともに吹き出す煙。

その瞬間、一気に集まり出す。

 

「クッソ!間に合わなかった!」

 

「仕方ない!やるぞ!」

 

そう言って2人で大群に切りかかる。

 

「!?コペルがいない!?」

 

いつの間にかいなくなったコペルに驚くツキノワ。

 

「まさか、隠蔽スキルか!」

 

「隠蔽スキル!?でもこいつらには!?」

 

そう、隠蔽スキルはネペントには効かない。

それを証明するかのように何体かのネペントがあらぬ方に向かっていく。

そして何かの砕ける音が聞こえた。

それがなんの音が理解してしまった2人は

 

「「… ウォォォォォォォォォ!!!!!!」」

 

恐怖を振りほどくように、気合いを込めながら剣を振るう。

振って振って振り続ける。

奇しくもそれはまるで、舞を踊っているかの様な光景だった。

 

 

「「ハァ…ハァ…ハァ…」」

 

どれだけ戦ってきたか分からないくらい戦っていたが、気づいたらネペントは軒並み全滅していた。

それを認識した途端砕け散るツキノワのスモールシミター。

それを感じながらかなりの疲労からか、思わず膝から崩れ落ちた。

 

「…生きてるか、兄弟(ブラザー)

 

「…お互い様だろ、兄弟(ブラザー)

 

お互いの生存を確認し合い肩で息をする2人。

どれだけ戦ってたか分からないが、かなり倒したのだろう。Lvもお互い7になっており、ドロップ品もかなりの数があった。

 

「あ、胚珠が2つある。交換して売るか?」

 

「…いや、弔いとして1個はコペルの分として置いてやろう」

 

キリトはそう言ったが、その事に俺は困惑した。

 

「…なんで?あいつは俺たちを殺そうとしたんだぞ!?なんでそんな奴の弔いなんてしてやらなくちゃいけないんだ!?」

 

そうだ、あいつがやったのはMPK【モンスター・プレイヤー・キル】と言われる、タゲをなすり付けて逃げる非マナー行為だ。

特にこのデスゲームでは非マナーでは済まず、最悪人殺しのレッテルを貼られることになる。

そんな事をした奴に、しかも、被害者である俺たちがそこまでしてやる義理はない。

だがキリトは

 

「…それでも俺は、必死に生きようとしたあいつを心から怒る事が出来ないんだ」

 

そう俯きながら言う。

そんなキリトに俺はため息をつくと

「…ここで待ってるから行ってこい。お前の分は俺のドロップしたやつを使えばいい」

 

そう言ってしゃがみ込んだ。

 

「!?…すまない。ありがとう」

 

そう言ってコペルが死んだと思しき方に向かっていく。

 

(…キリトは優しすぎる)

 

その背中を見ながらツキノワは思う。

あの優しさは美徳だ。でもいざという時に足枷になるかもしれない。

キリトにそれが出来ない時、もしやらなくてはいけない時が来た時、やるのは恐らく俺だ。

だから俺だけでも覚悟は決めなくてはいけない。

 

(いざという時躊躇わないこと、その覚悟を持たないと)

 

失わないために、大切なものを護るために。

そう思いながら拳を握りこんだ。




第4話でした。ツキノワは基本ドライです。その分自分が大切だと思う人達はとても大事します。さてと中々ヒロインが出ませんが次回やっと出てきます。それでは失礼します。
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