ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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お久しぶりです。
すっかりロクアカばっかりでしたが、こっちもやってかなといけないですね。
それではよろしくお願いします。


34話

sideキリト

 

軍の連中が、The Gleam Eyesと、戦っている。

いや、あれは…蹂躙されていると言った方が、正しいか。

だからやめろと言ったのに…!

ツキノワが、ある事に気付いた。

 

「…おい、人数足りなくないか?」

 

俺達は慌てて数を数えると…

 

「…2人いない」

 

ここで2人いなくなった…つまり…

 

「…馬鹿野郎」

 

思わずそう呟いてしまった。

そのまま、為す術なくやられていく奴らに

 

「何してる!?転移結晶を速く使え!」

 

思わずそう叫ぶが

 

「ダメだ!結晶が使えない!」

 

な、まさか…!?

思い出される27層の時の事。

あの時もあそこは…

 

「【結晶無効エリア】!?」

 

「そんな…ボス部屋にそんなギミック…!?」

 

ミトとアスナが、驚愕のあまり、口を押えている。

後ろから足音が聞こえる。

 

「おい!どうなってる!?」

 

ケイタ達が追いついてきたらしい。

 

「…ここでは結晶は使えない。俺達が踏み込めば奴らは逃がせるだろうが…」

 

その後、俺達がどうなるかは…分からない。

 

「…帰ろう」

 

その時、淡々とツキノワが言う。

それはつまり

 

「このまま見捨てろってことか!?」

 

思わず、掴みかかる。

だが、それ以上に強い力で腕を掴まれる。

 

「じゃあどうするってんだよ!?あいつらを逃がすのか!?お前の忠告も聞かず、勝手に乗り込んだバカ共をか!?あんな奴らの為にお前達を…アスナ先輩を、危険な目に晒せってのか!?冗談じゃねぇぞ!!そもそも俺達は、たかが2パーティ半だぞ!?一体何が出来るんだよ!?」

 

ツキノワの目は…本気だ。

今俺達と軍の奴らの命を測って…俺達を選んだ。

ツキノワの言い分も一理ある。

これは単純に…彼らの自業自得だ。

それをわざわざ、助ける義理はない。

でも…でも…

 

「例えそうだったとしても!見捨てていい理由にはならない!!だったらあの時、なんで皆を助けた!?なんで黒猫団の皆を助けたんだよ!?」

 

その言葉に、唇を噛み締めるツキノワ。

こいつは決して、冷血漢では無い。

ただ、現実主義…リアリストなだけだ。

そうやって俺とツキノワが言い争っている時、

 

「我々解放軍に撤退の文字はない!戦え!戦うんだ!」

 

「ゴーバッツ…!」

 

まだ戦おうとするゴーバッツに、思わず悪態つく。

 

「全軍、突撃ー!!」

 

「「よせ!やめろ!」」

 

思わず俺とツキノワが同時に叫ぶ。

その時、The Gleam Eyesがブレス攻撃とソードスキルで、軍を蹴散らしてから、誰かを打ち上げた。

飛んできたのは、ゴーバッツだった。

兜が砕け

 

「有り得ない…」

 

そう言い残して、死んだ。

 

「有り得ないのは…お前の馬鹿さ加減だ」

 

そう呟いたツキノワの目は…とても冷たく、泣きそうだった。

 

 

sideツキノワ

 

まだ、軍の連中は生き残ってる奴もいる。

でも俺には助ける気は無い。

どんな汚名を被ろうが…それこそ、アスナ先輩に嫌われようが、俺はアスナ先輩の生き残る道を選ぶ。

そう思っていた…だから…

 

「ダメ…ダメよ…もう…ダメーーーーー!!!」

 

「「アスナ(先輩)!!!」」

 

アスナ先輩が飛び出した時、俺とミトはつい駆け出してしまった。

 

「おい!2人とも!…クソ!!クライン!ケイタ!みんなで軍のヤツらを下げさせてくれ!サチはそこで回復させてくれ!」

 

「「分かった!!」」

 

「どうとでもなりやがれ!」

 

キリトがみんなに指示を出す。

アスナ先輩が、空中で、【カトラドル・ペイン】を発動、背後から攻撃して、タゲを取る。

しかし、体勢が悪く剣での反撃は防いだが、パンチには間に合わず、吹き飛ばされてしまう。

 

「「はぁぁぁぁ!!」」

 

俺とミトは、同時に剣を弾き飛ばし、追撃を止める。

 

「先輩!大丈夫!?」

 

「アスナ!下がって!」

 

ミトの声に反応して、一旦下がる先輩。

ボスの後ろでは、クライン達による救助が、行われていたが、それに気付いたボスが、ブレス攻撃をしようとする。

 

「ぜりゃぁぁ!」

 

それをキリトが背後から攻撃する事で止める。

 

「ツキノワ!ミト!耐えるぞ!」

 

「「了解!」」

 

そして、なし崩し的にボス攻略が始まった。

 

 

「おぉぉぉ!!」

 

ボスの振り下ろしを、俺は打撃で吹き飛ばす。

 

「やぁぁぁ!!」

 

ボスのすくい上げを、ミトがソードスキルでいなして、かち上げる。

 

「はぁぁぁ!!」

 

ボスの水平切りをキリトがソードスキルで浮かせて、躱す。

 

「タンク!前に出て!」

 

ボスのブレス攻撃は、先輩の指示で、風林火山と月夜の黒猫団のタンク勢が防ぐ。

地道にやってきたが、案の定泥沼化してきた。

数は少ない、情報も少ない。

作戦も行き当たりばったり。

しかも…少しづつだが、俺達前衛も消耗してきている。

このままだと…でも、俺のアレはまだ実戦投入はした事ない…!

隣にいるキリトを見る。

キリトも、アレを使うか躊躇っているな。

 

「ツキノワ!キリト!」

 

ミトの声に2人して咄嗟に剣を掲げて、ガードする。

 

「キリト…!」

 

「ああ…躊躇ってる暇はない…!」

 

俺達はすぐに下がって、メニューをいじる。

 

「みんな!ごめん!10秒だけ持ち堪えて!」

 

「「「了解!」」」

 

「ツキノワ君…やるのね?キリト君も何かあるみたいだけど」

 

俺達はそのまま頷く。

 

「分かった。行ってくるね!」

 

そのまま走り出す先輩を見ながら、俺は腰に2本目の刀を差した。

 

「お先!」

 

そのまま俺は駆け出して、クラインに声をかける。

 

「スイッチ!」

 

クラインがスイッチして、俺は前に出る。そのまま、2本の刀で、斬撃を飛ばした。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

雄叫びをあげるボス。

二刀流の実戦投入…しかもボス戦。

右の【和泉守兼定:真打】で受け流し、左の新しい刀【菊一文字正宗】で、目を貫く。

 

「オラァ!!」

 

よろけるボスに両方で、打撃で腹に打ち付ける。

 

「くら…え!!」

 

更に振り下ろしてくるので、左で弾き、右で斬撃を飛ばす。

 

「スイッチ!」

 

キリトがやっと来る。

俺は突きをクロスして防いできた刀で、一気に弾き飛ばして、キリトと入れ替わる。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

そうして戦うキリトは…二刀流で戦っていた。

 

「【スター・バースト・ストリーム】…!!」

 

そうして放たれる16連撃ソードスキル。

その軌跡はまさに、星の煌めきの如く。

 

「なんなんだ…あのスキルは…!?」

 

クラインが呆然と呟く。

俺の擬似的な二刀流ではなく…真の【二刀流】。

一切の防御を捨てた、攻撃につぐ攻撃。

反撃を受けながらも、目にも止まらない速さで、剣戟が駆け抜ける。

しかし15撃目が、掴まれる。

そのまま振り下ろされる剣を

 

「おぉぉぉぉ!!!」

 

俺は2本の刀で斬撃を飛ばして、弾き飛ばす。

そしてがら空きになった胴に

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

キリトの渾身の1突きが…ボスの体を貫く。

そしてポリゴン状に砕け散るボス。

空中に浮かぶ、Congratulationの文字が、74層フロアボス攻略が完了した事を告げる。

 

「終わったのか…?」

 

そう呟いてキリトは、気を失ってしまった。

 

「キリト!?」

 

1番後ろにいたサチが、1番速く駆け寄る。

俺達は…喜びの声すら上げられなかった。

 

「…何人死んだ?」

 

「…ゴーバッツと2人。計3人よ。私達が参戦してからは…1人も死んでないわ」

 

「ならいい…。さてと…先に言うぞ、俺のはただのパクリ。剣豪スキルの穴を突いただけだ」

 

「剣豪スキルの穴?」

 

クラインが不思議そうに聞いてくる。

 

「ああ…剣豪スキルには、ソードスキルとかのモーションがないから、モーションエラーとか起きない。右でも左でも反応するから自由度も高い」

 

「なるほど…モーションの縛りがない事を利用した、擬似二刀流って事ね」

 

さすがミト、話が早い。

 

「ん…?」

 

どうやらキリトが、目を覚ました。

 

「ここは…!?俺…どれだけ気を失ってた?」

 

「数秒から数十秒だな」

 

「…キリトのバカ!無茶しないで!」

 

そう泣きながら、キリトに抱きつくサチ。

そんなサチをキリトは、優しく撫でながら言う。

 

「あんまり強く抱きしめられと、本当にHPが0になっちゃうよ。…何人死んだ?」

 

「3人。俺達が参戦からは0だって」

 

俺はキリトにそう伝える。

 

「…攻略で死人が出たのは、67層以来か…」

 

「こんなのが攻略って言えるかよ!ゴーバッツの野郎…死んだら意味ねぇだろうが…!」

 

クラインの悔しそうな声が、ボス部屋に響く。

 

「…それはそうと、何だよおめぇさっきのは!?」

 

クラインが強引に話を逸らす。

 

「…言わなきゃダメか?」

 

往生際が悪いぞキリト。

 

「あったり前だ!!見た事ねぇぞあんなの!?」

 

「…エクストラスキルだよ。【二刀流】」

 

どよめきが上がる。

 

「しゅ、出現条件は!?」

 

「分かってたら、もう公開してる」

 

「つまり…ユニークスキルって事か!?」

 

そう、二刀流は俺達のと同じユニークスキルだ。

だから、この事は月夜の黒猫団と、スキルレベル向上に付き合っていた俺しか知らない。

 

「そういう事だったんだ…だから夜中に…」

 

「言ったでしょ…会ってるのはキリトだって…」

 

実は1度だけ、アスナ先輩に浮気を疑われた事がある。

その時は、キリトの用事に付き合っている。

キリト個人の事だがら、教える事は出来ない。

その代わりに、フレンドの追跡機能で探せば分かる。

と告げて、確認してもらったのだ。

その後、キリトと口裏を合わせて、何とか乗り切ったのだ。

 

「…ごめん、先輩。話せなくって…」

 

「そういう事ならしょうがないよ…それよりごめんね?。あの時ビンタまでしちゃって…」

 

「それは…もうやめて欲しいかな…かなり…イタカッタ…」

 

それに、ネットゲーマーというか、人の妬み恨みは怖い事が、この世界でよく分かった。

だから黙っていた訳だが…。

 

「ま、アクティベートは俺達に任せろ」

 

「キリト、サチ。2人は先に戻ってて。俺達も行ってくるから」

 

そう言って、風林火山と月夜の黒猫団は、上に登っていく。

 

「…今回の件、私達血盟騎士団は、貴方達の軍に厳重抗議します。上層部にはそう伝えなさい。…アスナ、私は団長に報告してくるから先に帰っていいわよ。ツキノワ、アスナの事、よろしくね」

 

そう言ってミトも帰っていく。

 

「ツキノワ君、帰ろっか」

 

俺達もゆっくりと帰り道を歩く。

しばらく歩いて、俺は先輩の手を掴んだ。

 

「…先輩。もう…あんな事しないで…!先輩に何かあったら…俺…!」

 

俺は今になって、体が震えてきた。

もしあの時、俺とミトが間に合わなかったら…!

思わず、少し涙が出る。

 

「ツキノワ君…ごめんね。心配かけさせちゃって…。私、しばらくギルド休む」

 

「は?休むって…大丈夫なんですか!?」

 

また突然だな…。

 

「…色々、考えたい事が出来たの。それに…ツキノワ君を泣かせちゃったし」

 

それは…言わないで…!///

でも…少し…疲れたな。

 

「…俺も…一緒にいたい…」

 

そうして、これを機に俺達は前線を退くつもりだった。

つもりだったっていうのは…

 

「ツキノワ君!大変な事になっちゃった…!」

 

涙目のアスナ先輩からの話で、急展開を迎えたからだった。

 




二刀流はロマンですね。
それでは失礼します。
ありがとうございました。

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