ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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お久しぶりです。
ストックが溜まったので、投稿します。
よろしくお願いします。


35話

sideツキノワ

 

「久しぶりだね、ツキノワ君」

 

「ああ、久しぶり。ヒースクリフ」

 

ここは55層【グランザム】にある、血盟騎士団本部。

その会議室。

 

「君とこうして話すのは、アスナ君の護衛を依頼した時以来かな?」

 

「いや、67層の攻略会議後に、少し」

 

すっとぼけやがって…本当は覚えれるだろうに。

 

「そうか…あれは辛い戦いだった…。我々も危うく死者を出すところだった。最強ギルドなどと呼ばれていても、戦力は常にギリギリだよ。…なのに君は、我がギルドの貴重な主力メンバーを、引き抜こうとしてる訳だ」

 

「別にヘッドハンティングしてる訳じゃない。少しの間、休暇をくれと言ってるだけだろ。そんなにブラックか?ここは」

 

ハッキリ言えば、血盟騎士団の戦力なんて知らない。

それより…このところ、色んな事があった。

正直…俺も先輩も疲れてるんだ。

だから、休ませて欲しい。

 

「…よかろう。ならば…剣で奪い取りたまえ。君が勝てば、君達の要望通りにしよう。ただし…君が負ければ、君には血盟騎士団に入隊してもらう。もちろん、好待遇にしてあげよう…どうかな?」

 

剣で奪い取れ…ね…。

上等だ、やってやる。

 

「…いい加減、ウンザリなんだよな…。【剣豪】と【神聖剣】…どっちか強いのかって噂。…その賭け乗ってやる」

 

こうして俺は、ヒースクリフとの決闘を挑む事になった。

 

 

outside

 

「やってくれたわね、ツキノワ」

 

開口一番、ミトがツキノワに対して、そう言った。

 

「本当だよ!も〜バカバカバカ!何であんな事言うのよ!?」

 

「ごめんごめん。でも…俺も無鉄砲に受けた訳じゃないですよ」

 

アスナからのお叱りに、流石にツキノワも焦ったように、弁明する。

 

「…どういう事?」

 

ミトが不思議そうにツキノワに聞く。

 

「…ごめん。言えない」

 

ツキノワの顔は、苦虫を噛み潰したような、何ともいない顔だった。

その顔を見たミトは、それ以上の追求はせず、話を変えることにした。

 

「…ツキノワの【剣豪】も大概だけど、団長の【神聖剣】も大概よ?」

 

「ええ。攻防自在…特に防御力は桁違いよ。団長が黄色ゲージになったのを見た事ある隊員はいないわ」

 

アスナとミトの説明を聞き、深く熟考するツキノワ。

 

「…ま、考えても仕方ないか。やるだけやってみるしかないって!」

 

「あのねぇ…」

 

「どうする気なの!?負けたら休むどころか、ツキノワ君まで…!」

 

呆れるミトと、焦るアスナ。

 

「それはそれでアリかも。合法的に先輩と一緒にいれる訳だし」

 

「つ、ツキノワ君…!///」

 

「あんた達!そんな惚気させないわよ!」

 

2人の反応に、ミトが呆れたようにツッコミを入れる。

 

「よし!行ってくる!」

 

そう言って会場に歩き出すツキノワの背中を、ミトとアスナは不安そうに見る事しか出来なかった。

 

 

sideツキノワ

 

会場は、75層にあるコロシアム。

もの凄い人だかりと歓声に、思わず眉間に皺が寄る。

 

「…どういうつもりだよ」

 

俺は半分呆れたように、ヒースクリフを睨む。

 

「済まなかったな、ツキノワ君。まさか、こんな事になってるとは、知らなかった」

 

よく言うよ、絶対知ってたろ。

 

「…まあいいや、ギャラは貰うし」

 

「いや…試合後は我がギルドの一員だ。任務扱いにさせて貰おう」

 

そう言ってデュエル申請を出してくる。

俺はモードを選択し、構える。

既に、手には2本の刀。

カウントダウンが始まる中、俺は集中を深めていき、ヒースクリフ以外の情報をシャットアウトする。

そしてカウントがゼロになるのと同時に

 

「シッ!」

 

一気に詰め寄り、突きを放つ。

しかし、涼しい顔で受け止められた。

 

「チッ!…フッ!」

 

そのまま、一気に連撃を叩き込む。

右袈裟、左逆袈裟2連撃、左で斬り付け、右で突く。

 

「ハッ!」

 

ヒースクリフがシールドバッシュで突き飛ばそうとするので、その勢いを利用し距離取る。

そのまま、攻勢に出るヒースクリフに構えると、突然、左腕が動き、俺は咄嗟にガードする。

その手には…盾。

 

(盾でも攻撃出来るのかよ…!)

 

俺は転がりつつ、膝で勢いを吸収して、一気に駆け出す。

その勢いを乗せて、右の刀で突きを放つも、盾で受け流される。

 

「まだ!」

 

俺は左に体を捻りながら、斬撃を飛ばす。

これも読んでいたのか、ソードスキルで相殺される。

 

「…素晴らしい剣技だ」

 

「そっちこそ…硬すぎるだろ」

 

そんな俺達に観客は更に盛り上がるが、ほとんど聞いてない。

 

「「…フッ!」」

 

俺とヒースクリフの踏み込みは同時だった。

俺の右の刀と、ヒースクリフの剣がぶつかる。

左の刀を、盾で防がれる。

ヒースクリフの剣を、左の刀で受け流す。

ヒースクリフの盾は、右の刀で受け止める。

そんな激しい攻防を繰り返す俺達。

それでも…抜けない。

俺は至近距離の斬撃や、刺突を織り交ぜているのに、通用しない。

 

(まだ…まだ速く!強く!上手く!)

 

頬を剣が掠めるが、無視して貫く。

十字型の盾の隙間を縫うように、刺突が駆け抜け、ヒースクリフの頬を切る。

その事に、動揺したヒースクリフ。

 

「ここだ…!」

 

俺はボス戦では使わなかった技を解放する。

 

「【偽:スター・バースト・ストリーム】…」

 

俺はキリトが使った【スター・バースト・ストリーム】を再現して、ぶつける。

俺は一撃事に斬撃を込めて、至近距離で放っていく。

1発1発では抜けなかったが、高速の16連撃には、耐えきれなかったか、やっと盾をこじ開けられた。

 

「これで…!?」

 

俺は有り得ないものを見た。

先程弾いた盾を持ったヒースクリフの腕が、有り得ない速度で戻ってきたのだ。

 

(は?何だよそれ…!?)

 

マズいと悟った俺は、直ぐに体勢を戻そうとしたが間に合わず、目の前で隙だらけの姿を晒してしまった。

 

「がはぁァ!?」

 

俺はガードが間に合わず、クリティカルヒットしてしまう。そのままHPが減っていき、半分切ったところで、勝敗は決まってしまった。

こうして負けた俺は、血盟騎士団に入る事になった。

 

 

outside

 

「制服はこのままでいいよね?」

 

「はい、こっちの方が性能いいし。ヒー…団長から許可も貰ってます」

 

アスナとミトとツキノワは、控え室で今後の話し合いをしている。

ツキノワの顔は、悔しさと何か怪しんでいる曖昧な顔をしていた。

 

「よし!ツキノワの仕事は副団長補佐官。要は私とアスナの手伝いよ」

 

「基本的に私達のどっちかと常に一緒だよ」

 

「それは心強い。よろしくお願いします。アスナ副団長、ミト副団長」

 

ツキノワは茶目っ気に2人にそう言うと、2人とも微妙な顔をする。

 

「やめて…気持ち悪いわ」

 

「少し…寂しいな〜…」

 

「よしミト!表出ろ!」

 

「まあまあ…」

 

ツキノワがミトに食ってかかるので、アスナが仲裁する。

 

「…ごめんね。巻き込んじゃって…」

 

「別にいいですよ?そろそろソロも限界かなって思ってましたし」

 

ツキノワは全く気にしてないのか、アッサリと言う。

 

「何で今までソロだったの?」

 

「え!?えっと…」

 

アスナの素朴な疑問に、急に焦り出すツキノワ。

代わりにミトが答えた。

 

「基本的に集団行動が苦手なのよ。何でもハッキリもの言うでしょ?それでトラブルが絶えないのよ」

 

「み〜す〜み〜!」

 

ツキノワが顔を赤くしながら詰め寄るも、ミトは素知らぬ顔で口笛を吹く。

吹けてはいないが。

 

「相変わらず下手な口笛だな!リアルボッチ!」

 

「何ですって!精神的ボッチ!」

 

「2人とも!!」

 

姉弟喧嘩が勃発する前に、アスナが仲裁する。

 

「もう!喧嘩する前にみんなに挨拶!行くよ!」

 

「「はい…」」

 

 

sideツキノワ

 

「訓練?」

 

「そうだ、私を含む3人パーティーで、ここ55層のフィールドダンジョンを突破して、迷宮区前まで行ってもらう」

 

翌日、俺達を待っていたのは【ゴドフリー】というプレイヤーだ。

血盟騎士団では、フォワードの指揮を執っているプレイヤーだ。

 

「ちょっとゴドフリー!そんなことしなくても、ツキノワの実力は、私達が保証するわ!」

 

「そうよ!彼の強さは、攻略組なら誰でも知ってるわ!」

 

「アスナ副団長、ミト副団長。規律をないがしろにされては困りますな。それに、入団する以上、一度はフォワードの指揮を預かるこの私に実力を見せて貰わねば」

 

「そんな必要ないぐらいツキノワは強いわよ!」

 

ミトがキレながら怒鳴るが、ゴドフリーはそれを気にせず、街の西門に30分後に集合と言って笑いながら出て行った。

 

「はぁ……ごめんね、ツキノワ。ゴドフリーは、一度言い出したら聞かないから」

 

「悪い人では無いんだけど…」

 

「まあ、いいよ。さっさと終わらせる」

 

ツキノワは、肩を回しながらストレッチをする。

 

「先輩、待ってて下さい。ミト、先輩をよろしく」

 

「…うん、分かった。待ってるよ」

 

「当然よ。そっちこそ気をつけなさい」

 

30分後、西門にカイが向かうとそこには、意外なプレイヤーがいた

 

「お前は…クラディール」

 

そこに居たのは数ヶ月前、決闘して、ボコボコにしたクラディールがいた。

 

「君達は何やら揉めららしいからな!ここで仲直りしておこう!」

 

(いや、本当に脳筋だなこのバカは)

 

俺はゴドフリーを呆れた目で見るが、それには全く気付いていない。

その時、クラディールが、頭を下げてきた。

 

「…あの時はご迷惑をおかけしました。二度と無礼な真似はしませんので…」

 

「あ、ああ…。俺こそ煽りすぎた…。ごめんなさい」

 

ぺこりと頭を下げ、ボソボソと謝罪するクラディールに、驚きつつ、改めて俺も謝罪する。

あの態度から一変、ここまでさせるなんて、一体何があったのやら。

 

「よし、これで一件落着だなぁ!!」

 

ゴドフリーが笑いながら、俺とクラディールの背中を叩いた。

 

((どこがだよ))

 

同じ事を思ったのは、きっと気のせいだ。

 

 

「ふむ!噂以上の腕前だ!素晴らしい!」

 

「うるせぇ。お前も働けよ」

 

何もしてないくせに…偉そうに。

それに、進みが遅すぎる。

1人ならとっくに着いてる時間でも、やっと半分だ。

 

「よし!ここで休憩にする!」

 

やっと休憩か…。

コイツらのペースに合わせすぎて、逆に疲れた。

俺はストレージから、自分で用意した昼飯と果実水を取り出したのと同時に、ゴドフリーから何か包みを渡させる。

 

「…これは?」

 

「我々が用意した昼飯だ。こちらを食べたまえ」

 

はぁ?何言ってんだこいつ?

 

「いらない。俺は自分で用意した」

 

「折角クラディールが用意したのだぞ。食べないのか?」

 

ウゼェ。

ただでさえ、イライラしてるのに勘弁してくれ。

 

「知るかよ、誰が用意したかなんて。店売りよりも、自分で作ったやつの方が美味い。それとも何か?飯まで規律で決まってんのか?あぁ?」

 

俺が殺気を出しながら凄むと、ゴドフリーが、たじろいだ。

俺はそれを鼻で笑ってから、渡してきた分を押し付けて、自分のを食べ出す。

その味は…酷く味気なく、美味しくなかった。

 

「はぁ…」

 

ため息をついた途端ふと、クラディールと目が合った。

その目は…憎らしいと言わんばかりの目だった。

 

「グッ…!?これは…!?」

 

突然、ゴドフリーが倒れ伏し、動けなくなる。

 

「ゴドフリー!?大丈夫か!?」

 

パーティメンバーのHPバーを確認すると、そこには

 

(麻痺!?食べ物に仕込まれてたのか!?)

 

これを用意した奴は…

 

「何のつもりだ…クラディール」

 

「ヒ…ヒャハハ…ヒャハハハハハハハハハ!!!」

 

突然、イカれた笑い声を上げながら、ゴドフリーに向けて走り出す。

結晶はここに来る前に、ゴドフリーに全部没収されている。

チッ…ここからじゃ攻撃も間に合わない!

 

「速く結晶を使え!」

 

「させるかよォォォォ!!」

 

しかし、それより速くクラディールが、ポーチごとゴドフリーを貫く。

 

「ガァ!?く、クラディール…これは…何の…くん…れん…!?」

 

「ゴドフリーさんよぉ!バカだバカだとは思ってたが、ここまで脳筋だったのはなぁ!!」

 

そのまま何度も突き刺して…ゴドフリーを殺した。

俺は余りにも突然の事で、固まっていた。

 

「いいか〜!?俺達はなぁ!荒野でぇ!オレンジプレイヤー共に襲われぇ!抗戦するもぉ!俺以外はみんな戦死しましたぁ!!っていうシナリオだったのによぉ…何でてめぇはピンピンしてんだよぉ!?ツキノワァァァァァァ!!!」

 

煩いな、喚くなよ。

 

「…見え透いてんだよ、バカめ。テメェにはラフコフの方がお似合いだぜ」

 

俺は鼻で笑いながら、ゆっくりと構える。

 

「ハッ!いい勘してんじゃねぇか!」

 

そう言いながら、腕を見せつけてくる。

その腕には…

 

「【笑う棺桶(ラフィン・コフィン)】のエンブレム…!?お前が内通者か!?」

 

あの作戦が漏れた理由がわかったと思ったが

 

「あぁ…違ぇな〜。俺が入ったのはあの後だ。精神的にってやつだけどな」

 

(違うのか…?)

 

どうやら、嘘はついてないらしい。

コイツと内通者は無関係…って事か?

 

「それで?一体なんの目的だよ?」

 

「目的ぃ?それはなぁ…あの女どもだよ」

 

「…あぁ?」

 

どこの誰の事かは、すぐに分かった。

 

「…今すぐ訂正して失せろ」

 

「あぁ?何言ってんだよ?安心しろよ…。お前の大切な副団長様達は、俺がしっかり可愛がってやるからよぉ…」

 

…上等だ、コイツは…殺す。

 

「…人の大切なもんに、手を出すんだ。死ぬ覚悟は…出来てんだよな」

 

「はっ!殺れるもんな殺ってみろよ!!剣豪ォォ!!!」

 

そう叫びながら、振りかぶってくるクラディールの腕を、切り落とす。

そのまま胴を薙ぎ、胸を貫き、足を切り落とした。

 

「ギャアアアアアアアアアア!!!!?」

 

「喚くな、痛みはないんだ」

 

俺はダルマになったそいつの髪を持って、岩場に引き摺りあげる。

そのまま仰向けにして首を固定し、剣を振り上げる。

 

「ま、待ってくれ…!?頼む…!?命だけは…!?」

 

「命乞いはあの世でやってろ」

 

問答無用、言外にそう言うと、俺は剣を振り下ろした。

 

「ダメだ!!」

 

その剣は…キリトの剣に阻まれてきた。

 

「ツキノワ!落ち着きなさい!」

 

「ダメ!!戻ってきて!!ツキノワ君!!!」

 

気付けば、後ろからミトに腕を捕まれ、アスナ先輩に抱きつかれていた。

 

「…どうしてここに?」

 

俺は淡々と、疑問をぶつける。

 

「…フレンドリストのゴドフリーの名前が、黒くなったのよ。そこであんたの場所を探して…ここだってわかったのよ」

 

「俺はここでしか採れない素材を取りに来たんだ」

 

「…前も似たような理由だったよな、キリトは」

 

俺はキリトに溜息をつきながら、ゆっくりと睨みつけた。

 

「どけ。そして離せ。コイツはここで殺さねぇと、ダメだ」

 

「ダメ。離さない」

 

「ダメだ。どかない」

 

先輩とキリトが、俺の言葉を聞かない。

何も言わないが、ミトも同様だろう。

 

「…どけよ。…離せよ…。じゃねぇと!コイツは!先輩と!姉貴を殺す!そんな事させねぇ!!だからここで!!」

 

「殺したらコイツと一緒じゃない!!!」

 

先輩の鋭い悲鳴が言葉を遮る。

 

「…ツキノワ君が、私達の為なのは知ってるよ。でもダメ。そんな事しちゃダメよ…」

 

「…俺は…あの時、お前に余計な人を斬らせた。俺が躊躇ったから、お前がアイツを斬った。今度はそんな事させない。お前に…人は斬らせない」

 

「…弟がバカしようとしてるなら、それを止めるのが姉ってものよ。だから…戻ってきなさい」

 

先輩の祈りが、キリトの覚悟が、姉貴の優しさが…。

俺をゆっくりと、人の道に連れ戻してくれた。

 

「…みんな…」

 

「大丈夫…大丈夫だよ…」

 

優しくアスナ先輩が俺を抱きしめてくれる。

その腕の中で…俺は…泣き続けた。

 

 

outside

 

その後クラディールは、キリト達の手によって監獄行きになる予定だったが、それより速く、欠損ダメージによるHP減少により、死んだ。

結果的にツキノワが殺した訳だが、彼自身がこっそりと持っていた録音結晶により、彼の無罪が証明され、ツキノワは退団する事になった。

更には、アスナとミトの一時退団も認められた。

本当なら、ミトは正式に退団するつもりだったが、ヒースクリフからのお願いにより、貸1という事で、一時退団に留まった。

 

「…先輩。少しいいですか?」

 

「うん?どうしたの?」

 

同棲している部屋で、ツキノワはある提案をアスナにしていた。

 

「実は…前から目をつけてる家があって…良かったら、内見してみませんか?」

 

「内見はいいけど…何処なの?」

 

「10層主街区の端っこ」

 

「10層!?」

 

アスナは想定より下層の話で驚いた。

 

「…ダメですか?」

 

(ウッ…その目は反則…!!///)

 

普段お願い事や、ワガママを言わないツキノワ。

自身がソファーに座り、ツキノワがその足元にいるので、必然的に上目遣いになっているのだ。

そんな彼からのお願いとなると、アスナとしては喜んで、ゴーサインを出してしまうのだ。

 

「いいよ!行こっか!」

 

「!うん!行きましょう!」

 

意気揚々と自室に向かうツキノワの背中を眺めながら、優しく笑うアスナだった。

 

「ここです!」

 

「うわぁ!綺麗な日本家屋ね!」

 

そこは少し小さいが、2人には少々広すぎる、平屋の日本家屋だった。

庭には、大きな桜の木があり、それが満開となって咲き誇っているのだ。

 

「この桜はシステム上、何時までも、咲いてるらしいですよ」

 

「へぇ〜…立派ねぇ…」

 

思わず唖然とするほど大きいこの桜は、システム的保護を受けている。

お値段もこの規模にしては、かなり安い。

普段あまり使わない自分達なら、問題無く払えるし、家具も今のやつを持ってくればいい。

 

「先輩…」

 

「…引っ越しちゃおっか!」

 

「…はい!!!」

 

こうして、ツキノワとアスナは、引越しをする事になったのだった。




彼らが住む家のイメージは、ぬら孫の家のイメージです。
それでは失礼します。
ありがとうございました。

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