ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ 作:ネコ耳パーカー
それではよろしくお願いします。
sideツキノワ
「この!この!この!!」
鈍い音が響き渡る。
相変わらずこのインテリ…須郷は、俺でストレス発散をしてるらしい。
ただいい加減、このやられたふりも飽きてきた。
さてと…どうしようか…?
「ん?…へぇ…面白いことになったねぇ…」
急に手を止めたかと思えば、ニヤニヤ笑いながら、突然部屋を出ていった。
「…何事だ?」
不思議に思いながら、のんびり休んでいること数分。
再びドアが開かれる。
「…まぁたストレス発散か?インテリ。飽きねぇやつだなぁ…」
「ツキノワ!」
あれ?女の声?
というか、よく見るとシルエットが違うな。
「待ってて!すぐ外すから!ユイ!」
「動かないで下さい!お兄ちゃん!」
「…え?」
まさか…まさか…!?
「サチ…!?それに、ユイ…なのか…!?」
呆然としているうちに、俺を拘束していた鎖が、壊される。
「よく頑張ったね…!大丈夫だよ…!アスナも、キリト達が助けてくれるから…!」
「キリト達まで…!?」
達って…誰だ?
まさか、ミトまで来てるのか…!?
「…ユイ、皆の所まで、案内してくれ」
「ま、待ってください!その体では…!」
「関係ねぇ!この時をずっと待ってたんだ!いつかあのいけすかねぇインテリ野郎から、先輩を助けるチャンスを!!今しかない!!今しかないんだ!!!だからユイ!!!頼む、力を貸してくれ!!!」
「…3分、時間をください!」
ユイが突然姿を消す。
それから約3分後、何やら光る玉を持って、再び現れる。
「お待たせしました!これを使ってください!」
それが輝き出した途端、俺の服装が変わる。
さっきまで初期装備みたいな服を来ていたが、服装が変わる。
真紅の着物に黒の袴、白の羽織に2本の刀。
「これは…SAOの!?」
「この世界は、SAOのメインサーバーを基幹とするサーバーです。ですから、そのサーバーを辿り、お兄ちゃんのナーヴギアを経由して、当時のデータを持ってきました!ですが、【剣豪】スキル特有の、遠距離攻撃は出来ません!それと、タイムリミットがあります。時間は10分。それまでにお姉ちゃんを助けて下さい!」
「…任せろ!」
俺はユイの先導に従い、皆の元に急ぐ。
辿り着いた先では、キリトと思しき人物とミトと思しき人物が、剣と鎌で腹を貫かれ、もがいていて。
…アスナ先輩が、須郷に辱めを受けていた。
…頭の中が、酷く冷めてくる。
ああ…あいつは…殺そう。
「…シッ!!!」
全力で踏み込み、一気に肉薄する。
俺はそのまま、思いっきり刀を振り切る。
「ハァ!!!」
「グワァァァア!!!?」
派手ぶっ飛ぶあいつには見向きもせず、俺は先輩を吊るす鎖を切り、羽織を被せる。
「…ここからは、俺に任せて」
「ツキノワ君…!!!」
俺は先輩を背に隠し、刀を握りしめる。
その時だった。
「あの世界の剣は、もっと重かった。もっと痛かった…!ぐ…グアァァァァァ!!!」
キリトらしき人物が大声を上げて、立ち上がったのは。
「キリト…で合ってるよな?」
「いい所全部かっさらいやがって…!」
俺達は拳をぶつけ合いながら、得物を構える。
「この…糞ガキ共ガァァァァ!!!」
怒りに燃える須郷を、冷めた目で睨みつける俺。
そして…
「システムログイン。…ID【ヒースクリフ】」
「え?」
ヒースクリフ…だと…!?
そのアカウントは!?
「な、何だ!?そのアカウントは!?」
「システムコマンド。管理者権限に移行。ID【オベイロン】をレベル1に」
目の前にいる須郷のステータスが、全部リセットされる。
ざまぁないな。
「ぼ、僕より高位のIDだと!?バカな!?僕はこの世界の創造主だぞ!神なんだぞ!!」
「違う。お前は盗んだんだ。世界を…そこの住人を。何より…俺の兄弟分と、その恋人を…!」
「散々好き勝手やってくれたわね…!」
腹に刺さっていた鎌を引き抜き、ミトがやっと立ち上がった。
「ミト…大丈夫か?」
「私より、自分の心配をしなさい。さて…偽りの玉座から引きずり降ろされた気分は、如何かしら?泥棒の王様?」
ミトがわざとらしく、須郷を煽る。
「貴様らァ…!!システムコマンド!オブジェクトID【エクスキャリバー】をジェネレート!」
何も起こらない。
当然と言えば当然だが、今の管理者はキリトだからな。
「キリト、さっさと終わらせよう」
「ああ。システムコマンド!オブジェクトID【エクスキャリバー】をジェネレート!…コマンド一つで、伝説の武器を召喚か…」
キリトの言葉に従い、黄金の剣が出現する。
キリトはそれを見て、苦笑いすると、須郷に投げつけた。
「カタをつけるぞ。泥棒の王!システムコマンド、ペインアブソーバーをレベル0に!」
「な、何ぃ!!!?」
これはまた酷いことを…いや、当然か。
「逃げるなよ、あの男は逃げなかったぜ?…茅場晶彦はな」
「か、茅場…茅場ァァァ!!!」
ギャアギャアと、クソうるせぇなぁ。
「ゴチャゴチャうるせぇよ。いいから来いよ」
「この…糞ガキ共ガァァァァ!!!」
やぶれかぶれに剣を振るうも、まるでなってない。
その辺の子供の方が、マシだろうな。
キリトはすれ違いざまに、頬を軽く切りつける。
「いたぁ!?…ヒィ…!?」
「痛い…お前がアスナとツキノワに与えた痛みは…この程度じゃないだろ!!!」
怒りのままにキリトが、須郷の両腕を切り落とした。
「ギャアァァァァァァァァァァァ!!!!?腕がァァァァァァァァァァ!!!!?」
そのままフラフラと逃げようとする須郷を
「おいおい、待てよ…」
「逃がすわけ…ないでしょう…!」
「「ハァァァァァァァア!!!」」
俺とミトで、両足を切り落とす。
「ギャアァァァァァァァァァァァア!!!!?」
だるま状態にした須郷の髪を掴み、目線の高さまで持ち上げる。
「待って…命…は…」
「ダ〜メ♪」
ニッコリ笑って、空高く蹴りあげる。
そして落ちてくる須郷の頭を、3人でまとめて貫いた。
こうして須郷は、ポリゴン状に消えた。
それと同時に、俺の方も時間が来たのだろう、装備が消えてしまった。
outside
「ツキノワ!!…酷い…!!!」
「大丈夫。見た目より酷くはないから。あんなど素人のパンチだの蹴りだのなんて、簡単にいなせるから」
「妙に余裕があるなって思ったら、そういう事かよ…」
そんな話をしながら、ツキノワはミトから上着を借りて、アスナに被せる。
「…お待たせして、すみません。先輩」
「ツキノワ君…ツキノワ君!!!」
2人は強く抱きしめ合いながら、涙を流した。
そんな光景を優しく見守るキリト達だが、不意にミトの体が光出した。
「これは…!?」
「皆さんの強制ログアウトが始まりました!まもなくログアウトされます!」
「キリト、私達は先に行くね」
「分かった。また明日な」
ユイが施した強制ログアウトが、始まったのだ。
サチとミトは先にログアウトされるらしい。
「キリト、ちょっと」
「ん?どうしたミト」
ミトとキリトが何やら、内緒話をしている。
ツキノワが茶化してやろう、口を開きかけたが、止まった。
2人の顔が、あまりにも真剣だったからだ。
「それじゃあ、私も先に戻るわ。ツキノワ、アスナ。また後で」
「「う、うん…後で?」」
ツキノワ達は、ミトの意味深な言葉に、首を傾げるも、その答えを聞く前に、ミトはログアウトしてしまう。
そして次に光出したのは、ツキノワとアスナだった。
「あ、キリト、ドベじゃん」
「うるせぇ!」
「あはは…」
アスナは2人のやり取りに苦笑いをしながら、ツキノワを見る。
「それじゃあ、ツキノワ君。またリアルで」
「うん、またリアルで。アスナ先輩」
こうして2人も無事、ログアウト出来たのだった。
side優月
「…ちゃんと…戻れたのか…」
声カラッカラ…まあ、2年以上、声帯使ってないしな…。
そんな事を考えながら、俺はナースコールを押そうとする。
しかしそれより早く、豪快にドアが開かれる。
「「優月!!明日奈(ちゃん)!!」」
「2人共!!大丈夫か!?」
「うぇ!?深澄!?父さん!?キリ…和人まで!?」
一体何事?
という訳で、お得意のすっ飛ばしを使い、ALO編終了です。
次はGGOです。
それでは失礼します。
ありがとうございました。