ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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生きてますよ。
これにてALOは終えて、このままGGOに突入します。
それではよろしくお願いします。


42話

side優月

 

とりあえず、もろもろの事情が片付き、数週間経つ。

深澄からの話をまとめると、どうやらあの時、俺が実際に目を覚ますのに、意外に時間がかかっていたらしい。

個人差があるらしく、現に俺が意識を取り戻したのは、一番最後に戻ってきたキリトよりも遅かった位だ。

ちなみに明日奈先輩は、もっと遅い。

その間に、須郷が俺達を殺そうと、病院に乗り込んでしていたのだ。

しかしそれは、先読みしていた深澄により、父さんと和人を含めた3人により阻止。

和人が頬を軽く切るも、後には残らないらしい。

ちなみに和人は、サチ…指原千笑に怒られていた。

 

「そしてそれを機に、須郷周辺及び、レクトを一斉捜査。その結果、300人の脳波を使い、人体実験を行っていたという事が判明。須郷達は別件逮捕。レクトもボロボロよ」

 

「…まあ、被害者がその時の記憶が無いのが、幸いだな。無事社会復帰出来そうだって、父さんも言ってたし」

 

「私の父さんも、かなりしょげてたけど、最近は少し持ち直してきたよ。後は趣味でも見つければ、大丈夫だと思う」

 

明日奈先輩のお父さんは、レクトのCEOだ。

当然この事件の責任をとる形で、辞任している。

 

「さてと…とりあえず腹減った…」

 

「そうね、ご飯にしよっか♪」

 

「明日奈のご飯!」

 

「いや、俺のだから。深澄のじゃないし」

 

「私のものは私のもの!弟のものも私のもの!」

 

「ふざけんな!ジャイアニズムかよ!!」

 

「2人共!喧嘩しない!!」

 

「「はい…」」

 

俺達は今、SAOからの帰還者が通う学校に通っている。

俺達は世間ではSAO帰還者(サバイバー)と呼ばれている。

少し肩身が狭いが、普通にしてれば分からないので、特に問題は無い。

まあ、俺は気にしないけど。

そんな事を考えていると、

 

「2人共、今日のオフ会は来るでしょ?」

 

「ん?行くけど…?」

 

今日はエギルさんのお店で、オフ会をするのだ。

ちなみにお店の写真を見せてもらったけど、すごくいい感じだ。

そんな訳で、時は進み放課後。

俺達は深澄先導で、エギルさんの店に向かった。

【Dicye Cafe】という店らしい。

 

「へぇ…いいかも」

 

「落ち着いてる感じだね」

 

「さ、入るわよ。…皆着いてるし」

 

「「え?」」

 

本日貸切、と書かれた看板が吊るされているドアを開けると、何故か勢揃いしていた。

1番最初に目に付いたのは

 

「クライン…こっちでも、そのバンダナ付けてるのか?」

 

「うるせぇ!俺のステータスだ!」

 

「私達、遅刻したかな…?」

 

「してないわよ。貴女達だけわざと違う時間言ったから」

 

深澄が嘘情報を流したらしい。

 

「何でだよ」

 

「主役は後から来るものでしょ?」

 

そう言って出てきたのは、茶髪の女子生徒。

 

「…リズベットか?」

 

「正解!ほらこっち!」

 

「ちょっと!?おい!」

 

俺は引きずられて、何故か木箱の上に立たされる。

 

「え〜。それでは、ご唱和下さい!」

 

「「「「「「「「ツキノワ!!SAOクリア、おめでとう!!!」」」」」」」」

 

クラッカーが鳴らされ、簡単な垂れ幕が降りてくる。

呆然としている俺に、リズベットが強引にジュースを持たせて

 

「それでは、かんぱ〜い!」

 

「「「「「「「かんぱ〜い!」」」」」」」

 

「ええっと…リズベット?いや…」

 

「篠崎里香よ。兎沢優月ね。深澄から聞いたわ」

 

「私は綾野珪子です!優月さん!お久しぶりです!」

 

「…シリカか。久しぶり。改めてよろしくな珪子、里香」

 

俺は改めて本名を聞いた2人に、挨拶する。

すると何故か、固まる2人。

 

「ん?どうした?」

 

「「その笑顔…反則…!」」

 

何を言ってるやら?

俺はそんな2人をスルーして、クラインに話しかける。

 

「おっす、社会人お疲れ様」

 

「お!来たなツキノワ!いや、優月!」

 

「俺だけ皆の名前知らねぇのかよ…」

 

「おう、悪ぃな。深澄から聞いてたからよ。壷井遼太郎だ。よろしくな」

 

「うん、よろしく…お願いします?」

 

「今更敬語なんてやめろよ…気持ち悪いぜ…」

 

「悪かったな。それで…返事は貰った?」

 

「…それは…ちょうど今から言うさ。悪ぃ!少しいいか!」

 

「深澄。こっち」

 

ビックリした顔をしている深澄を、こっちに呼ぶ。

何やら悟ったのだろう、顔は赤い。

俺は深澄をクラインの隣に押しつけ、明日奈先輩の隣に並ぶ。

 

「あ〜と…俺達な…付き合う事になった!!!」

 

「よ、よろしくお願いします…///」

 

「「「「「「「「「「…な、何だってぇぇぇぇぇ!!?」」」」」」」」」」

 

恥ずかしそうに縮こまる深澄と、照れくさそうに堂々とするクライン。

どうやら、ちゃんと返事はしたらしい。

俺と先輩はホッと一息。

女性陣が一気に深澄に駆け寄り、男性陣…と言っても、エギルとキリトとシンカーさんだけだけど。

が、クラインに詰め寄る。

 

「あ、あんた達はいいの!?」

 

「「え?何が?」」

 

「クラインよ!あいつよ!いいの!?」

 

「クラインなら大丈夫。伊達に2年間つるんでないし」

 

「そうだよ。クラインさんはいい人だよ?」

 

あの人なら、大丈夫だと思ってる。

俺は…だけど。

 

「親がどう思うかだよねぇ…」

 

「あはは…おじさん達はうちほど厳しくないけど、年齢差がねぇ…」

 

「ま、そこは深澄の説得が、上手くいくかどうかですね」

 

俺達はそのままもちクチャにさせる2人を、眺めているだけだった。

 

side和人

 

「マスター、バーボン。ロックで」

 

「彼と同じものを」

 

冗談でそう言うと、優月が被せてくる。

そうすると、2つのカップが滑ってくる。

 

「おお…様になってるぅ!」

 

「フッ…茶化すなよ」

 

恐る恐る口にすると、ただの烏龍茶だった。

 

「なんだ、烏龍茶か」

 

「当たり前だろうが。エギル、俺には本物」

 

さらにその隣にクラインが座る。

というか

 

「いいのかよ、この後戻るんだろ?」

 

「え?まだ仕事なの?」

 

「けっ!残業なんて、飲まずにやってられるかよ」

 

大人って…大変なんだなぁ…。

 

「久しぶり、キリト君、ツキノワ君」

 

「シンカーさん!」

 

「お久しぶりです。ユリエールさんと入籍なさったんですよね、おめでとうございます」

 

「マジで!?おめでとうございます!」

 

知らなかったのだろう、嬉しいそうにコップを突き出す優月。

 

「とはいえ、今のMMO事情じゃあ色々と…」

 

「エギル、種の方はどうなってる?」

 

俺は須郷を倒し、皆がログアウトした後、電脳体となった茅場晶彦に出会った。

管理者IDも、彼がくれたもの。

ユイが与えた優月の装備も、彼が後押ししたらしい。

その時、彼から受け取ったのが【ザ·シード】。

これは所謂、フルダイブ型バーチャルMMOゲームを動かす、プログラムパッケージだった。

俺はこれをエギルに頼み、世界中で誰でも使えるように、して貰ったのだ。

その結果、消えるだろうと思われたバーチャルMMOは蘇ったのだ。

 

「今日の二次会、変更は無いよな?」

 

「ああ、午後11時、ユグドラシルシティだ」

 

そして今夜11時、ALOの空に、浮遊城アインクラッドが復活した。

 

「やるぞ、兄弟(ブラザー)

 

「ああ、今度こそ完全制覇だ。行くぞ、兄弟(ブラザー)

 

こうして俺達は、再びあの世界に戦いを挑むのだった。

 

sideツキノワ

 

あれから時がたち、SAO事件から1年が過ぎようとしている。

新たな仲間である桐々谷直葉…リーファを迎えた俺達は、もう一度、あの城に戦いを挑んでいる。

だが俺は、今はそこにはいない。

いや、やめた訳ではなく、違うジャンルを遊んでいるだけなのだが。

俺は朽ち果てた世界の端に、フードを被り、眼下の景色を睨んでいた。

 

「…見つけたわよ、ツキノワ」

 

「OK。狩りを始めよう」

 

俺は一気に滑り降り、急接近。

その間に、パートナーがトラップを起動させる。

激しい爆発に動揺する連中を、一気に蜂の巣にする。

俺に気づき、狙いを定めた瞬間、そいつの頭が吹っ飛ぶ。

 

「クソ!狙撃手だ!気をつけ…」

 

「俺もいるけどな」

 

淡々と、確実に俺達は殲滅していく。

そして…総勢10名を撃破した俺達は、分け前を分配して、撤収する。

 

「流石は、冥界の女神様。いい腕前で」

 

「そっちこそ大暴れね、深紅の死神様」

 

俺は今、鉄と硝煙香る世界【Gungale Online】、通称GGOにいる。

そこで出会った凄腕スナイパー、シノンと共にギルド…こっちではスコードロンだが。

そいつらの狩りをしているのだった。

 

「それにしても…本当に男?」

 

「何回目だよ、このやり取り…」

 

そんな俺のアバターは、金髪美女の様な男のアバターである。

本当…勘弁してくれよな…。




仕事が忙しすぎて、中々進みません…。
もうやだ…仕事辞めたい…。
それでは失礼します。
ありがとうございました。

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