ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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ストックが溜まったので、投稿します。
よろしくお願いします。


44話

side優月

 

「…」

 

ある日の昼過ぎ、俺は皇居前で明日奈先輩を待っていた。

理由は簡単、デートだ。

本来なら朝から出かける予定だったのだが、俺の方に予定が入ってしまい、午後からになったのだ。

待ちながら、数時間前にある人物との会話を思い出していた。

 

 

「おーい!()()()()()()()()()!こっち!」

 

「…あのバカ、シバいていい?」

 

「やめてくれ…」

 

俺達を似合いもしない笑顔で呼ぶのは、総務省の菊岡誠二郎。

長ったるい正式名称は忘れたが、通称【仮想課】の一員だ。

 

「いや〜、2人ともごめんね!」

 

「だったら銀座なんぞに呼び出すな」

 

「2人とも!ここは僕が持つから!」

 

「じゃあ、遠慮なく。…すみません、1番高いコーヒーとパフェとケーキを下さい」

 

「お、同じやつで…」

 

お店の雰囲気になれてないのだろう、和人は恐る恐るといった感じで、注文していた。

 

「それで、俺達になんの用なのさ。この後デートなんだけど?」

 

「SAO関連の話なら随分と喋ったはずだ」

 

俺と和人がそれぞれ抗議をすると、メニューを閉じてタブレットを押し付けてくる。

 

「これも見てくれ」

 

見せられたのは、1人の男の顔。

 

「先月、11月14日。彼、茂村保氏26歳が、自室から遺体で発見された。死後5日半の状況で発見された。部屋はちらかっていたが、荒らされた形跡はなし。ベッドに横たわっており、そして頭には」

 

「…アムスフィア」

 

まさかまた…?

それより俺が気になったのは、その日付だ。

11月14日の五日前…つまり、11月9日。

それは

 

「まさか…ゼクシードか…!?」

 

「おや、知っているのかい?」

 

「優月、知ってるのか?」

 

「ゼクシードってのは、GGO…ガンゲイル·オンラインのトッププレイヤーだ。俺も名前と顔しか知らないが。その日、ゼクシードはMMOStream、通称Mストに出演してたらしいからな。そして…出演中、突如回線接続されて、二度と現れなかった」

 

「…続けるよ。不審死とされ、司法解剖が行われた。その結果、死因は急性心不全とされた。原因は不明だがね。ただ、彼はまる2日、飲まず食わずだったらしい」

 

だがそれは、よくある話。

わざわざお役人様が出張る内容じゃ…待てよ。

確かもう1人、トップランカーがいないよな。

確か名前は…

 

「…薄塩たらこ。あいつもログインしてないらしいぞ。まさかあいつも…!?」

 

「その通り。彼もまた、心不全で亡くなっている」

 

マジかよ…!?

 

「優月…何を知ってるんだ?」

 

「…最近、GGOで変な噂が流れてるんだ。なんでもゼクシードが死んだ時、変なことを言って、画面に向かって発砲したバカがいたらしい。そして、それとほぼ同時にゼクシードが消えたとか。薄塩たらこも似たようなものだ。そして最後に、そいつは自分の名前言っているんだ」

 

「名前は?」

 

「【死銃(デスガン)】」

 

和人は鋭い視線を、菊岡さんに向ける。

 

「この2人の死因は、確かなんだろうな」

 

「というと?」

 

「…脳の損傷は無かったのかって聞いてるんだ」

 

そう言うと、菊岡さんはニヤリと笑って俺達を見た。

 

「…僕もそれが気になってね。担当医師に聞いたが、異常は見られなかったそうだ。それにアムスフィアでは不可能だって、開発者達が断言していたよ」

 

チッ…相変わらずねちっこい人だな…。

 

「随分と根回しがいいんだな、菊岡さん。はっきり言ったらどうなんだ」

 

和人も不機嫌そうに、聞き返す。

 

「…でははっきり聞こう。君達は可能だと思うかい?ゲーム内の銃撃で、プレイヤーの心臓を止めることが出来ると」

 

俺達は、深く考え込んだ。

考えて、考えて、考えて…そして。

 

「「不可能だ」」

 

そう結論づけた。

脳ならともかく、心臓は流石に…。

 

「いや〜、2人共、そう結論づけてくれて、ありがとう。ここからが本題だ。…2人には、この死銃(デスガン)に接触して欲しいんだ」

 

それはつまり…

 

「要するにあれか。撃たれてこいと」

 

「いや〜…まあ?」

 

「「断る」」

 

俺達は無視して席を立つ。

しかしその動きを、菊岡さんに止められる。

 

「待ってくれ!この男には、何やら厳密は拘りがあるみたいなんだ!」

 

「…名の通ったプレイヤーを狙ってることか?」

 

少し考えれば分かる事だ。

というか、GGOにいれば2人とも、1度は耳にする名前だ。

 

「そう!つまり、君達くらい強くないと無理だってことさ!」

 

「無茶だ!あのゲームはプロがうようよいるんだぞ!」

 

「あのアホども、マジで強いからなぁ…」

 

シノンと2人でバッティングした時は、命からがら逃げ出したものだ。

 

「そのプロっていうのは?」

 

「GGOってのは、リアル·マネー·トレード。要するにゲーム内通貨を現実の通貨としてペイバック出来るのさ。コンスタンスに稼ぐ奴らをプロって呼ぶのさ」

 

「あいつらは俺達以上に、このゲームに時間と情熱を注いでいる。俺らが出張っても殺られるのがオチだ」

 

「…それでも、君達じゃないといけないんだ。頼むよ、2人とも。君達しか頼れないんだ」

 

こうして俺達は、GGOの内部調査を行う事になったのだった。

 

 

「…き君!優月君!」

 

「っ!?…明日奈…先輩…」

 

「どうしたの?何かあった?」

 

いつの間にか先輩が目の前にいた。

先輩は巻き込めない。

これは…俺がカタをつける。

 

「何でもないです。先輩、今日の服もよく似合ってます。ていうか…SAOカラー?」

 

「うん!ありがとう!実はそうなの。…フフ、優月君も似合ってるよ。同じくSAOカラーだね!」

 

「ですね。行きましょう!」

 

そう言って俺は、先輩の手を取り歩き出す。

いつか先輩もGGOに招待して、シノンも巻き込んでって考えてたけど、しばらくお預けだな。

 

(…優月君?)

 

どこかいつもと雰囲気が違う優月に、明日奈は違和感を覚えていた。

 




GGO編までは、書けました。
今後どうしようか、悩み中…。
それでは失礼します。
ありがとうございました。
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