ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ 作:ネコ耳パーカー
よろしくお願いします。
side優月
「…」
ある日の昼過ぎ、俺は皇居前で明日奈先輩を待っていた。
理由は簡単、デートだ。
本来なら朝から出かける予定だったのだが、俺の方に予定が入ってしまい、午後からになったのだ。
待ちながら、数時間前にある人物との会話を思い出していた。
「おーい!
「…あのバカ、シバいていい?」
「やめてくれ…」
俺達を似合いもしない笑顔で呼ぶのは、総務省の菊岡誠二郎。
長ったるい正式名称は忘れたが、通称【仮想課】の一員だ。
「いや〜、2人ともごめんね!」
「だったら銀座なんぞに呼び出すな」
「2人とも!ここは僕が持つから!」
「じゃあ、遠慮なく。…すみません、1番高いコーヒーとパフェとケーキを下さい」
「お、同じやつで…」
お店の雰囲気になれてないのだろう、和人は恐る恐るといった感じで、注文していた。
「それで、俺達になんの用なのさ。この後デートなんだけど?」
「SAO関連の話なら随分と喋ったはずだ」
俺と和人がそれぞれ抗議をすると、メニューを閉じてタブレットを押し付けてくる。
「これも見てくれ」
見せられたのは、1人の男の顔。
「先月、11月14日。彼、茂村保氏26歳が、自室から遺体で発見された。死後5日半の状況で発見された。部屋はちらかっていたが、荒らされた形跡はなし。ベッドに横たわっており、そして頭には」
「…アムスフィア」
まさかまた…?
それより俺が気になったのは、その日付だ。
11月14日の五日前…つまり、11月9日。
それは
「まさか…ゼクシードか…!?」
「おや、知っているのかい?」
「優月、知ってるのか?」
「ゼクシードってのは、GGO…ガンゲイル·オンラインのトッププレイヤーだ。俺も名前と顔しか知らないが。その日、ゼクシードはMMOStream、通称Mストに出演してたらしいからな。そして…出演中、突如回線接続されて、二度と現れなかった」
「…続けるよ。不審死とされ、司法解剖が行われた。その結果、死因は急性心不全とされた。原因は不明だがね。ただ、彼はまる2日、飲まず食わずだったらしい」
だがそれは、よくある話。
わざわざお役人様が出張る内容じゃ…待てよ。
確かもう1人、トップランカーがいないよな。
確か名前は…
「…薄塩たらこ。あいつもログインしてないらしいぞ。まさかあいつも…!?」
「その通り。彼もまた、心不全で亡くなっている」
マジかよ…!?
「優月…何を知ってるんだ?」
「…最近、GGOで変な噂が流れてるんだ。なんでもゼクシードが死んだ時、変なことを言って、画面に向かって発砲したバカがいたらしい。そして、それとほぼ同時にゼクシードが消えたとか。薄塩たらこも似たようなものだ。そして最後に、そいつは自分の名前言っているんだ」
「名前は?」
「【
和人は鋭い視線を、菊岡さんに向ける。
「この2人の死因は、確かなんだろうな」
「というと?」
「…脳の損傷は無かったのかって聞いてるんだ」
そう言うと、菊岡さんはニヤリと笑って俺達を見た。
「…僕もそれが気になってね。担当医師に聞いたが、異常は見られなかったそうだ。それにアムスフィアでは不可能だって、開発者達が断言していたよ」
チッ…相変わらずねちっこい人だな…。
「随分と根回しがいいんだな、菊岡さん。はっきり言ったらどうなんだ」
和人も不機嫌そうに、聞き返す。
「…でははっきり聞こう。君達は可能だと思うかい?ゲーム内の銃撃で、プレイヤーの心臓を止めることが出来ると」
俺達は、深く考え込んだ。
考えて、考えて、考えて…そして。
「「不可能だ」」
そう結論づけた。
脳ならともかく、心臓は流石に…。
「いや〜、2人共、そう結論づけてくれて、ありがとう。ここからが本題だ。…2人には、この
それはつまり…
「要するにあれか。撃たれてこいと」
「いや〜…まあ?」
「「断る」」
俺達は無視して席を立つ。
しかしその動きを、菊岡さんに止められる。
「待ってくれ!この男には、何やら厳密は拘りがあるみたいなんだ!」
「…名の通ったプレイヤーを狙ってることか?」
少し考えれば分かる事だ。
というか、GGOにいれば2人とも、1度は耳にする名前だ。
「そう!つまり、君達くらい強くないと無理だってことさ!」
「無茶だ!あのゲームはプロがうようよいるんだぞ!」
「あのアホども、マジで強いからなぁ…」
シノンと2人でバッティングした時は、命からがら逃げ出したものだ。
「そのプロっていうのは?」
「GGOってのは、リアル·マネー·トレード。要するにゲーム内通貨を現実の通貨としてペイバック出来るのさ。コンスタンスに稼ぐ奴らをプロって呼ぶのさ」
「あいつらは俺達以上に、このゲームに時間と情熱を注いでいる。俺らが出張っても殺られるのがオチだ」
「…それでも、君達じゃないといけないんだ。頼むよ、2人とも。君達しか頼れないんだ」
こうして俺達は、GGOの内部調査を行う事になったのだった。
「…き君!優月君!」
「っ!?…明日奈…先輩…」
「どうしたの?何かあった?」
いつの間にか先輩が目の前にいた。
先輩は巻き込めない。
これは…俺がカタをつける。
「何でもないです。先輩、今日の服もよく似合ってます。ていうか…SAOカラー?」
「うん!ありがとう!実はそうなの。…フフ、優月君も似合ってるよ。同じくSAOカラーだね!」
「ですね。行きましょう!」
そう言って俺は、先輩の手を取り歩き出す。
いつか先輩もGGOに招待して、シノンも巻き込んでって考えてたけど、しばらくお預けだな。
(…優月君?)
どこかいつもと雰囲気が違う優月に、明日奈は違和感を覚えていた。
GGO編までは、書けました。
今後どうしようか、悩み中…。
それでは失礼します。
ありがとうございました。