ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ 作:ネコ耳パーカー
よろしくお願いします。
outside
銃弾の雨が降りしきる。
そんな雨を、ツキノワは軽やかに駆け抜け、占拠されている崖の真下に入り込む。
「…ふぅ…」
スコープを覗き込み、狙いを定める。
ツキノワの存在を確認しようと、覗き込んだプレイヤーが見たのは
「バーカ」
こちらにしっかりと照準を合わせた、ツキノワ。
そして頭を貫く衝撃が、彼の敗北を告げるのだった。
「…次」
ツキノワは森の中に逃げ込み、走り続けていると、黒い影を見つけた。
「キリト!」
「っ!?ツキノワ!無事だったか!」
「当たり前だろ!さてと、とりあえず無事に合流出来たはいいが、どうするよ?」
デスガン撃破の為、初めから手を組んでいる2人は、まずは合流する事を目的としていた。
次の目標は…
「サテライトスキャンを、避けたいな」
「ああ、あいつはきっと、俺達の事を知ってるからな」
デスガンに居場所を知られたくない2人は、どうにかしてスキャンを避けられないか、策を練る。
「…なあ、ツキノワ」
「ん?」
「あれってどう思う?」
キリトの指さす先には、大きい運河が。
「…いいねぇ、やってみるか」
一方のシノン。
「残りは21人…リッチーは迎撃スタイルだから、動かないはず。狙うならこっちの…ダインとペイルライダーね」
(あいつら、無事かしら?)
調べようとして、時間が来る。
(…知るものか、あんな奴ら)
そう思い直し、ダインが構えそうな陸橋を狙える崖から、シノンも狙撃の用意を構える。
「どんな時もチェックシックスよ、ダイン君」
そう言って引き金を引こうとした瞬間
ガチャリ。
「どんな時もチェックシックスだぜ、シノン君」
「っ!?ツキノワ…!?いつの間に…!」
すぐ背後でツキノワが、AR-57を構えていた。
「お前なら、ここで陣取るとヤマを張っただけだ」
ツキノワは、シノンの狙撃の傾向を分析して、このポイントを割り出したという事だ。
シノンは諦めて、両手を上げると
「いや、まだお前を撃たない」
「え?」
「その代わりに、俺達の邪魔をするな。もししたら、頭を吹っ飛ばす」
それだけ言うと、ツキノワは直ぐにシノンの隣に並び、双眼鏡で様子を伺いだした。
気づけば、隣にはキリトがいる。
「…どういうつもりよ」
「…デスガンを倒す」
それだけ言うと、ツキノワとキリトは橋での戦いを注視しだしたのだった。
sideツキノワ
森の方から、フルフェイスのヘルメットを被った、かなり軽装な男が出てきた。
あれが…ペイルライダー…。
「始まるぞ」
キリトの言葉を皮切りに、ダインが引き金を引いたが、それは軽やかは身のこなしで躱される。
「
「ええ、しかも装備を軽くする事で、3次元機動をブーストしてるわけね。…あいつ、かなり強い」
「…決着だな」
俺の言葉と同時に、ダインは頭を撃ち抜かれて死んだ。
「…撃つわよ」
「了解」
シノンが撃ち抜くのを確認しようと、見ていると、ペイルライダーが何かに気づいた直後、突然倒れた。
「今のはなんだ!?」
「銃声を聞き逃した!?」
「いや、聞こえなかったぞ!それにあいつ…なにかに気づいた…?」
俺はペイルライダーの見た方を確認すると
「おい…!左奥!あれ!」
俺が見つけたのは、ボロマントに赤い目。
あれは…間違えない…!
「デスガン…ザザ…!!」
「あいつの武器…まさか、サイレントアサシン!?」
サイレントアサシン…あれが!?
サイレントアサシンとは、サプレッサー標準搭載の、高性能スナイパーライフル。
存在だけは噂されてたが…実在してたのか…!
「ペイルライダーはどうして、さっきから動かないんだ!?」
「スタンバレットよ!動かないんじゃなくて、動けないのよ!」
その時、デスガンがスナイパーライフルから、ハンドガンに持ち替えて、狙いを定めた。
「…シノン、撃て」
「撃てって…どっちよ?」
「ボロマントだ!早く撃ってくれ!」
「頼む!あいつが撃つより早く!」
俺とキリトの声も虚しく。
バァン!
デスガンの銃が、ペイルライダーを撃ち抜いた。
しかし急所を狙っていないハンドガンでは、1発では無理だったのか、スタンが切れたペイルライダーが起き上がり、ショットガンを構えた…のだが。
突然心臓の辺りを抑えながら苦しみだして…やがて、接続が切れた。
「オレト…コノ銃ノ真ノ名前ハ…デスガン。オレハ…イツカ…オ前達ノ前ニモ…現レル。忘レルナ…マダ…終ワッテ…イナイ…イッツ…ショータイム」
中継カメラに好き勝手演出して、消えてっていった。
「…間違えない、本当にデスガンだ」
「…あの噂の?冗談でしょ?」
「いや、ゼクシードと、薄塩たらこが死んだ。そして恐らく…ペイルライダーも死んだな」
キリトと俺の言葉に、シノンも何も言えずに黙り込む。
いや、シノンの顔色が悪くなっていく。
「シノン?…シノン!」
「っ!」
「大丈夫か?」
「…ええ、気分が悪くなっただけよ」
ならいいんだが…。
俺とキリトは、デスガンを追いかける用意を整えて、移動を始める。
「ここで別れよう。俺達はデスガンを追う。お前はあいつに出来るだけ近づくな。いいな?行くぞ、キリト!」
「ああ!」
「ちょっと!待ちなさいよ!」
outside
シノンの声を背に、ツキノワ達はデスガンが通ったと思しき道を走る。
「だから待ちなさいって!…私も戦う。あいつは相当強い。あいつと戦って、生き残る保証は無いわ。そうなったら、私との決着はどうなるのよ」
「ダメだ!あいつは危険すぎる!」
「どこに行ったかも分からないのに、安全もへったくれも無いわ。危険度は一緒よ」
(こりゃ、聞かねぇな…)
そう思っていると、人の気配を感じた。
(数は…2人)
ツキノワとキリトは目配せして、同時にフォトンソードを構える。
「なっ!?」
驚くシノンを背にして、ツキノワ達は飛んできた銃弾を全て斬り捨てた。
「うそぉ!?」
「ありえねぇ!?」
どうやらツキノワ達を倒す為に、一時共闘するつもりらしい。
「俺達が抑えるから、バックアップよろしく」
「…分かった」
「やるぞ、
キリトの軽口に、ツキノワも笑う。
「懐かしい2つ名だな…ブラッキー!」
再び放たれる弾幕に、ツキノワ達は再びフォトンソードで対抗した。
「フッ!」
「ハァ!」
お互いの剣がぶつからないように、そして体に当たらないように振る。
その光景を見たシノンは
(すごく…綺麗…)
その美しい剣技を以て、全ての弾丸を切り伏せた2人の声に反応して
「「今だシノン!」」
2人のプレイヤーを、へカートの餌食にしたのだった。
一方、この試合は他のVRMMOでも、観戦可能になっていた。
ここはそんなALOにある、とある酒場にて。
「「「「「「…」」」」」」
試合を観戦していたアスナ、ミト、サチ、クライン、リズベッド、シリカ、リーファは黙り込んでいた。
そんな中、一番最初に口を開いたのは、クラインだった。
「…SAOにはな、何があっても絶対にHPをゼロにしない、そんな不文律があったんだ。何せ、あそこでは本当に死に直結するからな。だがあいつら…
次に言葉を繋げたのは、ミトだった。
「…被害者の数は計り知れない。それで私達攻略組は、討伐隊を編成して、ラフコフを捕縛しようとしたの。でも作戦は漏れていて…結局ラフコフの死者は20名以上、私達も10名近くの死者を出した、とんでもない事件があったのよ。そして20名以上の内、9人を殺したのは…ツキノワなのよ」
「「「「っ!?そんな…!」」」」
あまりの衝撃的な内容に、その事件を知る者以外、言葉を失った。
「…私、あの人に話を聞いてくる!」
「あの人って…菊岡のこと?」
アスナの言葉に、ミトが確かめる様に聞き直して、アスナはそれに頷く事で肯定した。
「…分かった。私も1回落ちるわ。GGO関連の事件が何かないか、調べてみる」
こうしてアスナとミトが、それぞれの調査に乗り出した。
sideツキノワ
俺達はシノンの助言を元に、市街地エリアまで来た。
とりあえず何処かに潜伏して、サテライトスキャンを待つ事に。
その結果
「
俺達は市街地エリアを隈無く探したが、どこにもおらず、ギリギリまで広範囲で探したが、それでも見つけられなかった。
「どこにもいない!?」
「川に潜って、身を潜めてるのか?」
いや、川は俺達がずっと確認していたから、見落としていない。
となると…他の方法で、身を潜めてる…!?
「キリト!シノン!」
俺は気配を感じて、咄嗟に避けさせた。
その瞬間、俺達がいた場所に、銃弾の雨が降り注ぐ。
「あの3人を殺せ!」
「とにかく厄介だ!強い奴から倒すぞ!」
チッ…目立ちすぎたか…!
どうやら俺達は、完全にチームとして扱われてるらしく、しかも厄介者扱いされているらしい。
「くそ!シノン!狙撃ポイントを探せ!出来るだけ近くだ!その間は俺達が引きつける!」
「…了解!死ぬんじゃないわよ!」
シノンが走り去っていくのを確認して、俺達も反撃に出る。
「キリト、突っ込め!俺がフォローする!」
「頼むぞ!」
キリトがフォトンソードで、弾きながら突撃するのを、俺はAR-57でフォローする。
そんな繰り返しを5分程しながら、俺は焦りを感じていた。
遅い…幾ら何でも遅すぎる…!
殺られたか…いや、シノンがそんなヘマするとは思えない…まさか…!?
「キリト!撤退するぞ!ついてこい!」
俺は周囲の廃車を爆発させて、爆煙に紛れて、その場を離れる。
そのままキリトと合流して、シノンを探す。
「ツキノワ!シノン遅すぎないか!?」
「トラブったんだ!今からしらみ潰しに、あいつが行きそうなポイントを探す!」
それから数ヶ所回って、ついに追いついた時。
ボロマントが、シノンに向けて銃を撃とうとしていた。
「テメェェェェェェェェ!!!」
俺はすぐにAR-57をフルオートで、ぶっぱなした。
数発が奴の背中に当たり、かなりのダメージを与えた。
その隙にグレネードを、わざと起動させずに投げ込む。
「っ!?」
そのグレネードに気を取られて、デスガンが逃げた隙に、シノンとへカートを回収。
後ろから銃弾が何発か飛んできて、俺の体をかすめるが、それを無視して直ぐに逃げ出した。
その時ついでに、投げたグレネードを爆破させて、足止めに利用する。
「ツキノワ!こっちだ!」
バギーバイクに股がったキリトが、俺達を拾い、俺達は何とか脱出したのだった。
それでは失礼します。
ありがとうございました。