ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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勢いに任せて、連続投稿です。
よろしくお願いします。


47話

outside

 

銃弾の雨が降りしきる。

そんな雨を、ツキノワは軽やかに駆け抜け、占拠されている崖の真下に入り込む。

 

「…ふぅ…」

 

スコープを覗き込み、狙いを定める。

ツキノワの存在を確認しようと、覗き込んだプレイヤーが見たのは

 

「バーカ」

 

こちらにしっかりと照準を合わせた、ツキノワ。

そして頭を貫く衝撃が、彼の敗北を告げるのだった。

 

「…次」

 

ツキノワは森の中に逃げ込み、走り続けていると、黒い影を見つけた。

 

「キリト!」

 

「っ!?ツキノワ!無事だったか!」

 

「当たり前だろ!さてと、とりあえず無事に合流出来たはいいが、どうするよ?」

 

デスガン撃破の為、初めから手を組んでいる2人は、まずは合流する事を目的としていた。

次の目標は…

 

「サテライトスキャンを、避けたいな」

 

「ああ、あいつはきっと、俺達の事を知ってるからな」

 

デスガンに居場所を知られたくない2人は、どうにかしてスキャンを避けられないか、策を練る。

 

「…なあ、ツキノワ」

 

「ん?」

 

「あれってどう思う?」

 

キリトの指さす先には、大きい運河が。

 

「…いいねぇ、やってみるか」

 

一方のシノン。

 

「残りは21人…リッチーは迎撃スタイルだから、動かないはず。狙うならこっちの…ダインとペイルライダーね」

 

(あいつら、無事かしら?)

 

調べようとして、時間が来る。

 

(…知るものか、あんな奴ら)

 

そう思い直し、ダインが構えそうな陸橋を狙える崖から、シノンも狙撃の用意を構える。

 

「どんな時もチェックシックスよ、ダイン君」

 

そう言って引き金を引こうとした瞬間

 

ガチャリ。

 

「どんな時もチェックシックスだぜ、シノン君」

 

「っ!?ツキノワ…!?いつの間に…!」

 

すぐ背後でツキノワが、AR-57を構えていた。

 

「お前なら、ここで陣取るとヤマを張っただけだ」

 

ツキノワは、シノンの狙撃の傾向を分析して、このポイントを割り出したという事だ。

シノンは諦めて、両手を上げると

 

「いや、まだお前を撃たない」

 

「え?」

 

「その代わりに、俺達の邪魔をするな。もししたら、頭を吹っ飛ばす」

 

それだけ言うと、ツキノワは直ぐにシノンの隣に並び、双眼鏡で様子を伺いだした。

気づけば、隣にはキリトがいる。

 

「…どういうつもりよ」

 

「…デスガンを倒す」

 

それだけ言うと、ツキノワとキリトは橋での戦いを注視しだしたのだった。

 

sideツキノワ

 

森の方から、フルフェイスのヘルメットを被った、かなり軽装な男が出てきた。

あれが…ペイルライダー…。

 

「始まるぞ」

 

キリトの言葉を皮切りに、ダインが引き金を引いたが、それは軽やかは身のこなしで躱される。

 

軽業(アクロバット)スキルか!かなりのレベルだな!」

 

「ええ、しかも装備を軽くする事で、3次元機動をブーストしてるわけね。…あいつ、かなり強い」

 

「…決着だな」

 

俺の言葉と同時に、ダインは頭を撃ち抜かれて死んだ。

 

「…撃つわよ」

 

「了解」

 

シノンが撃ち抜くのを確認しようと、見ていると、ペイルライダーが何かに気づいた直後、突然倒れた。

 

「今のはなんだ!?」

 

「銃声を聞き逃した!?」

 

「いや、聞こえなかったぞ!それにあいつ…なにかに気づいた…?」

 

俺はペイルライダーの見た方を確認すると

 

「おい…!左奥!あれ!」

 

俺が見つけたのは、ボロマントに赤い目。

あれは…間違えない…!

 

「デスガン…ザザ…!!」

 

「あいつの武器…まさか、サイレントアサシン!?」

 

サイレントアサシン…あれが!?

サイレントアサシンとは、サプレッサー標準搭載の、高性能スナイパーライフル。

存在だけは噂されてたが…実在してたのか…!

 

「ペイルライダーはどうして、さっきから動かないんだ!?」

 

「スタンバレットよ!動かないんじゃなくて、動けないのよ!」

 

その時、デスガンがスナイパーライフルから、ハンドガンに持ち替えて、狙いを定めた。

 

「…シノン、撃て」

 

「撃てって…どっちよ?」

 

「ボロマントだ!早く撃ってくれ!」

 

「頼む!あいつが撃つより早く!」

 

俺とキリトの声も虚しく。

 

バァン!

 

デスガンの銃が、ペイルライダーを撃ち抜いた。

しかし急所を狙っていないハンドガンでは、1発では無理だったのか、スタンが切れたペイルライダーが起き上がり、ショットガンを構えた…のだが。

突然心臓の辺りを抑えながら苦しみだして…やがて、接続が切れた。

 

「オレト…コノ銃ノ真ノ名前ハ…デスガン。オレハ…イツカ…オ前達ノ前ニモ…現レル。忘レルナ…マダ…終ワッテ…イナイ…イッツ…ショータイム」

 

中継カメラに好き勝手演出して、消えてっていった。

 

「…間違えない、本当にデスガンだ」

 

「…あの噂の?冗談でしょ?」

 

「いや、ゼクシードと、薄塩たらこが死んだ。そして恐らく…ペイルライダーも死んだな」

 

キリトと俺の言葉に、シノンも何も言えずに黙り込む。

いや、シノンの顔色が悪くなっていく。

 

「シノン?…シノン!」

 

「っ!」

 

「大丈夫か?」

 

「…ええ、気分が悪くなっただけよ」

 

ならいいんだが…。

俺とキリトは、デスガンを追いかける用意を整えて、移動を始める。

 

「ここで別れよう。俺達はデスガンを追う。お前はあいつに出来るだけ近づくな。いいな?行くぞ、キリト!」

 

「ああ!」

 

「ちょっと!待ちなさいよ!」

 

outside

 

シノンの声を背に、ツキノワ達はデスガンが通ったと思しき道を走る。

 

「だから待ちなさいって!…私も戦う。あいつは相当強い。あいつと戦って、生き残る保証は無いわ。そうなったら、私との決着はどうなるのよ」

 

「ダメだ!あいつは危険すぎる!」

 

「どこに行ったかも分からないのに、安全もへったくれも無いわ。危険度は一緒よ」

 

(こりゃ、聞かねぇな…)

 

そう思っていると、人の気配を感じた。

 

(数は…2人)

 

ツキノワとキリトは目配せして、同時にフォトンソードを構える。

 

「なっ!?」

 

驚くシノンを背にして、ツキノワ達は飛んできた銃弾を全て斬り捨てた。

 

「うそぉ!?」

 

「ありえねぇ!?」

 

どうやらツキノワ達を倒す為に、一時共闘するつもりらしい。

 

「俺達が抑えるから、バックアップよろしく」

 

「…分かった」

 

「やるぞ、舞闘家(ダンサー)

 

キリトの軽口に、ツキノワも笑う。

 

「懐かしい2つ名だな…ブラッキー!」

 

再び放たれる弾幕に、ツキノワ達は再びフォトンソードで対抗した。

 

「フッ!」

 

「ハァ!」

 

お互いの剣がぶつからないように、そして体に当たらないように振る。

その光景を見たシノンは

 

(すごく…綺麗…)

 

舞闘家(ダンサー)と呼ばれていたツキノワと、それと同等の剣技を持つキリト。

その美しい剣技を以て、全ての弾丸を切り伏せた2人の声に反応して

 

「「今だシノン!」」

 

2人のプレイヤーを、へカートの餌食にしたのだった。

一方、この試合は他のVRMMOでも、観戦可能になっていた。

ここはそんなALOにある、とある酒場にて。

 

「「「「「「…」」」」」」

 

試合を観戦していたアスナ、ミト、サチ、クライン、リズベッド、シリカ、リーファは黙り込んでいた。

そんな中、一番最初に口を開いたのは、クラインだった。

 

「…SAOにはな、何があっても絶対にHPをゼロにしない、そんな不文律があったんだ。何せ、あそこでは本当に死に直結するからな。だがあいつら…笑う棺桶(ラフィン·コフィン)だけは、なんの躊躇いも無く、殺していったんだ。さっきの『イッツショータイム』っていうのは、ラフコフのリーダー、Pohの決めゼリフだったんだ。野郎はおそらく、幹部の1人だ」

次に言葉を繋げたのは、ミトだった。

 

「…被害者の数は計り知れない。それで私達攻略組は、討伐隊を編成して、ラフコフを捕縛しようとしたの。でも作戦は漏れていて…結局ラフコフの死者は20名以上、私達も10名近くの死者を出した、とんでもない事件があったのよ。そして20名以上の内、9人を殺したのは…ツキノワなのよ」

 

「「「「っ!?そんな…!」」」」

 

あまりの衝撃的な内容に、その事件を知る者以外、言葉を失った。

 

「…私、あの人に話を聞いてくる!」

 

「あの人って…菊岡のこと?」

 

アスナの言葉に、ミトが確かめる様に聞き直して、アスナはそれに頷く事で肯定した。

 

「…分かった。私も1回落ちるわ。GGO関連の事件が何かないか、調べてみる」

 

こうしてアスナとミトが、それぞれの調査に乗り出した。

 

sideツキノワ

 

俺達はシノンの助言を元に、市街地エリアまで来た。

とりあえず何処かに潜伏して、サテライトスキャンを待つ事に。

その結果

 

Sterben(ステルベン)がいないな…」

 

俺達は市街地エリアを隈無く探したが、どこにもおらず、ギリギリまで広範囲で探したが、それでも見つけられなかった。

 

「どこにもいない!?」

 

「川に潜って、身を潜めてるのか?」

 

いや、川は俺達がずっと確認していたから、見落としていない。

となると…他の方法で、身を潜めてる…!?

 

「キリト!シノン!」

 

俺は気配を感じて、咄嗟に避けさせた。

その瞬間、俺達がいた場所に、銃弾の雨が降り注ぐ。

 

「あの3人を殺せ!」

 

「とにかく厄介だ!強い奴から倒すぞ!」

 

チッ…目立ちすぎたか…!

どうやら俺達は、完全にチームとして扱われてるらしく、しかも厄介者扱いされているらしい。

 

「くそ!シノン!狙撃ポイントを探せ!出来るだけ近くだ!その間は俺達が引きつける!」

 

「…了解!死ぬんじゃないわよ!」

 

シノンが走り去っていくのを確認して、俺達も反撃に出る。

 

「キリト、突っ込め!俺がフォローする!」

 

「頼むぞ!」

 

キリトがフォトンソードで、弾きながら突撃するのを、俺はAR-57でフォローする。

そんな繰り返しを5分程しながら、俺は焦りを感じていた。

遅い…幾ら何でも遅すぎる…!

殺られたか…いや、シノンがそんなヘマするとは思えない…まさか…!?

 

「キリト!撤退するぞ!ついてこい!」

 

俺は周囲の廃車を爆発させて、爆煙に紛れて、その場を離れる。

そのままキリトと合流して、シノンを探す。

 

「ツキノワ!シノン遅すぎないか!?」

 

「トラブったんだ!今からしらみ潰しに、あいつが行きそうなポイントを探す!」

 

それから数ヶ所回って、ついに追いついた時。

ボロマントが、シノンに向けて銃を撃とうとしていた。

 

「テメェェェェェェェェ!!!」

 

俺はすぐにAR-57をフルオートで、ぶっぱなした。

数発が奴の背中に当たり、かなりのダメージを与えた。

その隙にグレネードを、わざと起動させずに投げ込む。

 

「っ!?」

 

そのグレネードに気を取られて、デスガンが逃げた隙に、シノンとへカートを回収。

後ろから銃弾が何発か飛んできて、俺の体をかすめるが、それを無視して直ぐに逃げ出した。

その時ついでに、投げたグレネードを爆破させて、足止めに利用する。

 

「ツキノワ!こっちだ!」

 

バギーバイクに股がったキリトが、俺達を拾い、俺達は何とか脱出したのだった。




それでは失礼します。
ありがとうございました。
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