ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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そろそろミトも出しますよ〜!
以外にモチベーション保つの大変ですね…
仕事が忙しくて…それでは6話、どうぞ。


6話

sideキリト

 

「どういう関係なんだ?」

 

凄腕のフェンサーさんと出会って数分後、張り詰めていたものが切れたのだろう、気を失ってしまった彼女を背負うパートナーであるツキノワにそう尋ねる。

 

「どうと言われても、姉の親友。知り合って1年弱かな」

 

あっさりと答えるツキノワ。

そう話しながらも索敵スキルでモンスターを探りながら、時には迂回しつつ出口を目指していた。

 

「さっきその人が言ってた優月ってのがお前の本名なのか?」

 

「…そうだよ。兔沢優月、14歳だ。俺だけってのはフェアじゃないしそっちも教えろよ」

 

「…桐々谷和人。同じく14だ」

 

「なんだ、やっぱりタメか。そんな気がしてた」

 

「むしろ名前より同い年の事に驚いたよ俺は」

 

サラッと年齢を言われたが、同い年とは思ってなかった。

俺より見た目がずっと大人っぽいし雰囲気も大人って感じである。

そう思ってると

 

「やっぱり老けて見えるのか?良く高校生とか大学生に間違えられる」

 

少し悲しそうな顔をしながら聞いてきた。

 

「さ、さあ…?大人っぽいとは思うけど…」

 

思わず曖昧に答えてしまう。

そんな雑談をしていると、索敵スキルにモンスターの反応が引っかかった。

 

「待て、モンスターだ…。ダメだな避けられそうにない」

 

「なら戦うしかないな」

 

そう言ってそっとフェンサーさんを降ろすツキノワ。

 

「「行くぞ!」」

 

一気に飛び出し先手を取る。

何やらさっきより気合いが入ってる気がした俺は、冗談半分で

 

「もしかして、好きなのか?」

 

そう聞いてみた。

その瞬間

 

「!?!?」

 

ビックリして動きを停めてしまうツキノワ。

戦闘中に隙だらけの姿で固まってしまうと、当然モンスターが狙ってくる。

 

「うぉ!?」

 

反射的に躱して蹴りを入れて距離をとるツキノワ。

その目はこっちを睨み殺さんと言わんばかりに睨み付けてくる。

 

「お前、後で覚悟しとけよ」

 

怒っていた。

とても怒っていた。

 

「…はい…すみません…」

 

あまりの怖さに縮みこむ俺。

そんなトラブルを起こしつつも、何とか迷宮区を脱出した俺たちだった。

 

 

sideアスナ

 

草木の匂いがする。

おかしい、あそこは少しカビ臭かった気がする。

それに妙に眩しい。

そう思い目を開けると

 

「おはよう、先輩。体調は大丈夫?」

 

心配そうに優月君が、見下ろしていた。

でも何だろう、妙に近いような、何時もとは少し見え方が違うような気がする。

そして頭の柔らかいような硬いような感触は、なんだろう。

人肌ぐらいに温かい。

そう思いまさぐると

 

「ちょ!?先輩!?くすぐったい!?」

 

身をよじる優月君。

少しずつ整理出来てきた。

人肌ぐらいの温かさにこの感触。

くすぐったる姿にこの距離感、まさか私…

 

「膝枕されてる?」

 

そう、噂に聞く男の子憧れのシチュエーションである膝枕をされているのだ。

恐る恐る尋ねると

 

「ええ、してますよ?だって代わりになりそうなもの無いんですもん」

 

あっさりと言う優月君。

その事を理解すると、一気に羞恥心が込み上げてくる。

 

「ごごご、ごめんね!?すぐにどくね!」

 

慌ててどくと

 

「べつに気にしなくていいのに」

 

そう笑われる。

その姿に少しムッとすると、突然の切り出される。

 

「先輩。どうしてここにいるんですか?あんな事して何がしたいんですか?」

 

すごく真剣に聞いてくる。

こっちも真顔で聞き返す。

 

「お兄ちゃんのやつを興味本位で借りたの。そうしたらこうなった。優月君こそどうしてここに?」

 

「俺は、近所の電気屋でやってた抽選会で当たったのでやってみただけです。あとこっちではツキノワですのでその名前で呼んでください」

 

あ、そうなんだ。

 

「じゃあ、その名前で呼ばせてもらうね。私は本名のままだからそのままでいいよ…。2つ目の質問の答えだけど」

 

私はここで1度区切った。

改めて覚悟を決める為に

 

「…私は負けたくないの、この世界に。たとえモンスターに殺されたとしても私が私らしくいる為に」

 

そう言い切った。

その言葉に酷く驚いた後、泣きそうな顔をする優月君改めツキノワ君。

 

「…それじゃあ、ダメだよアスナ先輩。死ぬ為に戦うなんて間違ってる」

 

ハッキリと言いきられた。

 

「じゃああなたはどうして戦うの!?どう頑張ったって死ぬのは決まってるの!?1ヶ月で2000人も死んだのよ!?こんなゲーム、クリア出来るわけないじゃない!?」

 

つい感情的になって言い返す。

 

「だからですよ」

 

その表情はとても穏やかで、その目はとても強い光を宿していた。

 

「人間遅かれ早かれいつか死ぬ。それは変わりません。でもどうやって死ぬかは誰にも分からないんです、だって未来は決まってないんだから。だから死に方なんて選べないんですよ!俺たちに選べるのは生き方だけです!どうやって生きるのか、それしか選べないんです!アスナ先輩だってそうでしょ!?戦い抜いて死ぬっていう生き方を選んだんです!だったら自分から死にに行く戦い方なんて、しないでください!」

 

何も言い返せなかった。

彼の言葉がとても刺さったからだ。

そうだ、私は戦うという生き方を選んでいたんだ。

その事に全く気づいてなかった。

安全圏内で少しでも休んでる時はある。

本当に死にたいのなら休まないはずだ。

無意識に私は、生きる術を探しに行っていたのだった。

 

「…先輩、何があったんですか?俺じゃ頼りないかもですけど話しなら聞けます。どうしてそういう選択を取ってしまったんですか?」

 

優しく聞いてくるツキノワ君。

 

「あのね…」

気づいたら、彼にこれまでの事を話していた。

少しでも溜め込んでいたのを、吐き出したかったのだ。

そんな言葉の濁流を、彼は何も言わずただ静かに受け止めてくれていた。

 

sideツキノワ

 

「あのクソ姉貴!!」

 

思わず怒鳴った。

アスナ先輩がビックリしていたので、とりあえず謝っておいた。

話を纏めるとこうだ。

ログイン直後姉と奇跡的に合流できた先輩は、それ以降ずっと一緒に行動していたらしい。

そんな中ペネントを狩っている最中に、レアキャラが出たらしく姉はそっちを追いかけた。

無事倒したのか戻ってきた時、ちょうどリニアーを放とうとしていた先輩を止めようと大声を出したらしい。

でも間に合わずリニアーが暴発した。

その先には実付きのペネントがいて割ってしまう。

どうなるかは知っての通り、ペネントの大群が群がってきたのだ。

最初は姉も助けようと必死だったが、トラップに引っかかりバラバラになってしまった。

それから少ししてパーティを解散させて、行方をくらませたんだそうだ。

恐らくだが何となく姉貴の考えが分かる。

だが、

 

「あのクソ姉貴め。絶対シバく」

 

理由が分かるのと理解出来るのは、別問題である。

親友を見捨てるとか言語道断だ。

そんな事を考えてるとメッセが届く。

相手は意外な人物だった。

 

「クライン?」

 

疑問に思いながら開くと

 

『よう、元気してるか?こっちは何とか形にはなってきたぜ。突然連絡をよこしてきたことに驚いてるだろうが、知っておいて欲しい事があってな。お前の姉貴の件だ。お前の姉と思しきプレイヤーと会った。今日のボス攻略会議に出るそうだ。俺たちはレベルが足りねぇから無理だが、お前達ならきっと大丈夫だろ。もし出るなら探してみろ。会えるといいな! クライン』

 

ちょうどいい、まさに渡りに船ってやつだなこれは。

クラインにお礼のメールを送ると先輩に聞いた。

 

「アスナ先輩、その命を戦いに使うなら強敵に挑みませんか?今日の午後4時、トールバーナの噴水広場で第1層ボス攻略会議があります。一緒に行きませんか?」

 

「…わかった。私も行く」

 

そう強い返事が返ってきた。

そのまま俺たちは、街まで色んな話をしながら歩いて帰った。

 

outside

 

「はーい!注目!少し遅れたけど会議を始めます!俺の名は【ディアベル】!職業は気分的にナイトやってます!」

 

街に帰ったあと、先に帰って物資の補給をしていたキリトとツキノワ達は合流し、お互いに自己紹介をした後、この会議に参加していた。

その主催であるディアベルは、掴みはバッチリといったところだろうか。

茶化すような野次をやんわり窘めつつ、話を進める。

 

「今日俺たちのパーティがボス部屋を見つけた!ここまで1ヶ月かかった…!だが!はじまりの街にいる人達に希望を届けなくちゃいけない!このゲームは攻略できるんだ!その事を伝えなくちゃいけない!それが俺たちの役目だ!そう思うだろみんな!?」

 

賛同する声がたくさん上がる。

ツキノワはそこまで考えてなかったが、だからこそすごい人だと尊敬していた。

そんな彼の気持ちを

 

「ちょお、待たんかい!!」

 

ダミ声の関西弁が冷めさせた。

 

「わいはキバオウってもんや。こんなかに、詫びいれんとあかん連中がおるやろ!」

 

「詫びを入れないといけない連中というのは?」

 

ディアベルが静かに尋ねると鼻息荒く

 

「ベータテスターどもに決まっとるやろ!」

 

それまで、乱入者にざわついていた広場の中にいた全員が黙り込んだ。

そんな中ふてぶてしく

 

「こん中にもおるはずや!こんクソゲーが始まった日、ビギナー見捨てて、ウマい狩場やらボロいクエストを独占したクズどもが!そいつらの貯め込んだ金とアイテムだして土下座せえ!そうしてもらわな背中を預けれんし預かれへん!」

 

いや、ほんと何言ってんだあいつ?

何様なのあいつ?

ツキノワは心底呆れながらそう思っていたが、キリトの方はそうは言ってられなかったらしい。

顔色は青く少し震えていた。

それを見たツキノワは

 

「異議あり!」

 

堂々と宣言した。

 

side???

 

キバオウの声が頭の中で木霊する。

違うと言いたかった。

でも言い返せなかった。

吊るし上げられるが怖かった。

自分の罪を言及されるのが怖かった。

結局私はただの臆病者だ。

そう思って俯いたその時

 

「異議あり!」

 

凛とした声が聞こえた。

その声が聞こえた時、さっきまでの恐怖は消えていた。

正確には驚愕に塗り替えられた、という方が正解だろう。

だってその声を聞いたのは1ヶ月ぶりだった。

その声は、聞く事が出来ないかもしれないと思っていた声だったから。

だから顔を上げて声の主を確認した時、私は震える声で呟いていた。

 

「優月…?」

 

その声は本人には届いていなかった。

 

sideツキノワ

「異議あり!」

 

思ったより響いたからか、すごい注目を浴びた。

まあ、いいか。

 

「「ツキノワ(君)!?」」

 

キリトとアスナ先輩が、小声で驚くという器用な事していたが無視して、階段を降りてキバオウに向き合う。

 

「何が異議ありなんや!言うてみい!」

 

食ってかかるキバオウを鼻で笑い飛ばす。

 

「俺はツキノワだ。聞くがキバオウ、お前の言い分だとベータテスターを弱体化させると言っているようなものだが、もしそのせいでベータテスターが死んだ時、お前はそいつの命に対して責任を取れるのか?」

 

「そ、それは…」

 

たじろぐキバオウ。

呆れた。

 

「人には責任を取れと言いながら、自分は取れない。随分と都合がいいんだな」

 

黙り込むキバオウに対し、さらに畳み掛ける。

 

「大体、ベータテスターが自分の命を優先して何が悪い?彼らだって人間だ。お前だって自分の命は大事だろ、それと一緒だ。ただ1ヶ月テスターとしてプレイしただけで、わざわざ1万人を導かなければいけない義務はない」

 

そうだ、こいつは勘違いしてる。

彼らはただの人間だ。

神様じゃないんだ。

出来ることに限界はある。

それを無視して、自分の都合だけを押し付けるなんて無茶苦茶にも程がある。

そう言い切ると、

 

「俺からも発言いいか」

 

バリトンボイスが響いた。

正体は190ぐらい黒人だ。

彼は小さい本を出した。

あれは確か、

 

「俺はエギルだ。キバオウさん、ツキノワ。この本を知ってるな?これは各町や村の道具屋で無料配布されていた。疑問に思わないか、情報が早すぎると」

 

そう、情報屋がまとめた攻略本だ。

キリトの情報との擦り合わせに使っていた。

 

「もろたで。それがなんや!?」

 

少しビビりながら返すキバオウ。

 

「これを作っているのは、ベータテスター以外にありえない。いいか情報はあったんだ!多くのプレイヤーが死んだのは、このゲームを他のゲームと同じように扱ってしまったからだと俺は思う。俺はそれを踏まえてどうやっていくのか、それを議論する場と思ってたんだがな」

 

「キバオウさん、確かに俺もテスターに思うところはある。だが今は全員一致して戦う時だと俺は思う。もしそれが出来ないならすまないが帰ってくれ」4

 

そうディアベルが言うと、荒く鼻息をするとそのまま席に戻った。

俺達も席に戻ると

 

「「ツキノワ(君)?」」

 

般若が2人いた。

みっちり説教されました。

そのまま会議が進み俺たちは、取り巻き部隊のサポート役を仰せつかった。

そして会議終了後、俺はある人を呼び出した。

 

side???

 

ピコン!メールが来た。

誰からだろう。

そう開きメールを開くと

 

「!?優月!?」

 

慌てて中身を確認する。

そこには

 

『今夜9時、場所はここ』

 

だけ書かれていた。

恐らくアスナの事だろう。

何となくだけどそんな気がする。

そうして午後9時、私は舞台の上に座り込んでいた。

月も隠れ、真っ暗の中、突然声が響いた。

 

「ちゃんと来たんだ、チキンのくせに」

 

侮蔑に満ちた声。

声のした方を向くと誰がが降りていていた。

 

「…久しぶりね。優月」

 

そうして雲が切れ月明かりが優月の顔を照らす。

その顔は怒っているような泣きそうな顔していた。

 

「…久しぶり、深澄。随分探した。で、なんでアスナ先輩を見捨てたの?」

 

やっぱりか。

でも2つほど確認したい。

 

「何故アスナの事を知ってるの?後どうしてここにいるの?」

 

「近所の電気屋でやってた抽選で当てた。アスナ先輩の事は本人から聞いた」

 

この場に居る経緯はわかった。

でも待って。

今なんて言った?本人から聞いた?

 

「アスナは…明日奈は生きてるの!?」

 

「そんなの後で直接確認しなよ」

 

切り捨てる優月。

いやツキノワ。

 

「それより俺はこっちが用事」

 

そうして何かを弄る。

そうした時自分のシステム画面にこう映し出された。

 

決闘(デュエル)が申請されました』

 

「…本気?」

 

「どうせ口で言ってもやらないじゃん。だから決闘(デュエル)で決めよう。俺が勝ったら俺の言う事を聞いてもらう。ミトが勝ったら好きにしていいよ」

 

あの目は本気だ。

何を言っても止まらない。

昔からそうだ、あの子はあまり自分から意見を言う事はない。

その代わりに1度言い出したら止まらないのだ。

だから私に出来るのは

 

「…分かった」

 

決闘(デュエル)スタイルを初撃決着モードにする。

そうするとカウントが始まる。

お互い武器をかまえ、静かに睨み合う。

ツキノワの武器は曲刀だ。

使い込んだしっかり強化された武器だ。

そしてブザーがなった瞬間、お互い飛び出した。

後に出版される【SAO記録全集】にはこう書かれる。

 

---SAO史上一番初めの決闘(デュエル)は何の変哲もない、ただの姉弟喧嘩だった。




という訳でなんかかなり難産でした6話。
文字数も1番です。
次回は姉弟喧嘩からボス戦直前まで行く予定です。(あくまで予定)
それではありがとうございました。
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