ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ 作:ネコ耳パーカー
よろしくお願いします。
sideツキノワ
最近、ボス攻略専門ギルドの情報が、やけに細かいとは思っていた。
べつに【スリーピング·ナイツ】をエサにするのに、何ら思うところは無い。
ここはSAOじゃない。
命懸けじゃないのだから、ルールとマナーさえ守れば、問題ないと俺は思う。
ただし…アスナ先輩が絡むなら、話は別だ。
「ツキノワ君!?」
「おいおい、【
「まあ、頑張れば出来るんじゃない?」
「ハハハ!そりゃすげぇ!ぜひ見せてくれ!…メイジ隊、焼いてやれ」
メイジ隊が詠唱を始めるのを、俺は黙って見つめる。
…見せてやるか、俺の
そう言って俺は、刀を後ろに構える。
刀に紫のエフェクトが光る。
飛んでくるのは、高速系の魔法だ。
まずは1つ目。
「フッ!」
振り下ろして、切り伏せる。
続きは3連撃か。
「シッ!フッ!ハァ!」
右逆袈裟斬り、左袈裟斬り、下からの切り上げと同時に、空中に飛び一回転。
最後の3連撃か。
「ハァァァァ!」
もう1回下から切り上げ、右左と2回横に切る。
「…7連撃
sideアスナ
「魔法を切った…?」
「偶然じゃなく…?」
誰もが唖然とする中、私は違うことに驚いていた。
「
SAO時代、剣豪スキルの影響でソードスキルが使えなかった彼は、今のソードスキルでの戦闘に慣れるまで、かなり苦労していた。
そんな彼が、
「俺達が時間を稼ぐから、その間に行って!」
俺達…?
「ハァァァァァァァ!」
「どりゃァァァァァ!」
後ろの方から、声が聞こえてきて、プレイヤーが飛んでいく。
この声は…!?
「遅いぞ!何してたんだ!?」
「わりぃ!道に迷った!」
「アスナァァァァァ!!」
「ミト…!」
「行ってぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
迷宮区中に響き渡りそうな大声が、私の背中を押す。
ありがとう、ミト。
ありがとう、クラインさん。
…愛してるよ、ツキノワ君。
「…よし!みんな!突破するよ!」
「「「「「「おう!」」」」」」
みんなで目の前の部隊と戦うが、ダメージを与えても、片っ端からヒールされていく。
「え〜!ずる〜い!」
ユウキの拗ねたような文句が聞こえてくる。
あそこまで行くには…力ずくで押し切る!
「シウネー!1人でヒール出来る!?」
「た、多分間に合うかと!」
「なら私は…敵のヒーラーを排除してくる」
私はそのまま距離をとり、全速力で走る。
「ユウキ!避けて!!」
そのまま私は、細剣最上位ソードスキル【フラッシング·ペネトレイター】を発動した。
「あわわ…ヒャ!」
ユウキの可愛らしい悲鳴を抜き去り、エンジン音のような爆音を響かせながら、私は敵を根こそぎ吹き飛ばす。
そのまま私は、敵のヒーラー部隊の目の前に止まる。
「ば、【バーサクヒーラー】…!?」
ゴリゴリに剣で前線を戦うから、付けられた2つ名だけど、私はその名前は気に入らない。
カチンときたまま私は、ゆっくり細剣を構え
「イヤァァァァァァァア!」
ヒーラー部隊を全滅させたのだった。
みんなをボス部屋に入れながら、私はツキノワ君を見る。
その時、突然私の方に振り返って、ニヤリと笑った。
「先輩!!ファイトっすよ!!」
彼らしい応援の声を最後に、扉はしまってしまった。
さて…彼の期待にも応えないとね。
「みんな!今のうちに用…意…を?」
みんな、そんなに暗い顔してどうしたの?
「アスナ…僕たち…彼らに…」
ああ、ツキノワ君達に迷惑をかけたと思ってるのかな?
だったら…。
私はそう思いなおして、ユウキに肩を叩いた。
「だったらこの借りは、ボスを倒すことで返そう!」
その時、ボスがリポップしだす。
とても大きい、双頭の巨人だ。
「…よーし!」
突然ユウキが、自分の頬を叩く。
「もう1回!勝負だよ!」
ボス戦の結果は
「「「「「「「ブイ!」」」」」」」
「チクショォォォォォォォ!!!」
撃破に成功したのだった。
sideツキノワ
【スリーピング·ナイツ】が、27層のボスを撃破してから数日。
このところ、先輩の顔色が悪い。
なんでも、【スリーピング·ナイツ】と連絡がとれないのだとか。
「…ふざけやがって」
俺は今、アイツらが拠点にしているという、酒場であいつらの誰かが、出てくるのを待っている。
まあ、来るとは限らな…きた。
「おい」
「「ッ!?」」
現れた一組の男女を、襟首掴んで引きずり倒す。
「キャ!」
「ガッ!?おま…誰だよ!?」
「アスナ先輩の彼氏って言えばいいか?」
「「あ…」」
暗くて見えなかったのか、俺の顔を見て、やっと誰かを判別出来たらしい。
まあ、そこはいい。
「【剣士の碑】に名前を刻めて、もう満足したかは、先輩はおさらばか。随分と都合のいい連中らしいな、お前らは」
俺は皮肉をたっぷりと込めて、嫌味ったらしく笑いながら、侮辱する。
「なっ!?私たちはそんな…!?」
「じゃあなんで、先輩を避けるの?あ?」
「それは…」
女が俺に対して反論するが、肝心要の事を聞くと、黙り込む。
「おい!シウネーに強く当たるなよ!」
「うるせぇぞ、クソガキ。なんならてめぇが答えてくれてもいいぞ?」
サラマンダーの大剣使いを、俺は睨みつけながら黙らせる。
「…俺たちのことを、何も知らないくせに…!」
は…下らねぇ。
「んなもん、知る気もねぇよ。てめぇらみたいな、自己中連中の事なんて、知りたくもねぇ。だがな…てめぇらのせいで、先輩が泣いてんだよ」
「「っ!?」」
「てめぇらみてぇなクズ共のせいで、先輩が泣いてんだよ!それを、どう落とし前つけるんだって聞いてんだよ、こっちはよォ!!あぁ!!?」
俺の言葉に、2人が黙り込む。
やがて…
「…分かりました。全てお話します」
「シウネー!?」
「ジュン。私たちは、自分たちの身勝手にアスナさんを巻き込んだのに、その恩を仇で返したの。その間違いを、正す時が来た。それだけよ」
「何偉そうにほざいてるんだよ。てめぇらが被害者ヅラすんな、ボケ」
俺はそう言って、2人の襟首から手を離す。
「…で?てめぇらのこと、洗いざらい話してもらうぞ」
「そうですね。…まずは私たち【スリーピング·ナイツ】のことを。私たちは実は…治療の難しい難病持ちのメンバーで構成されたギルドなんです」
「…は?」
あまりの事実に、俺の怒りは1度、全部吹っ飛んでしまった。
なんでも【スリーピング·ナイツ】は、ヴァーチャルホスピスという場所で知り合ったのだとか。
そして元々構成員は9人、そのうち3人が亡くなったらしい。
その中には、初代リーダー…ユウキの実の姉もいた。
「そして俺たちは決めたんだ。次の1人の時には、解散しようって」
「その1人が、もうすぐなんです」
「…まさか…【絶剣】が!?」
俺の言葉に、2人が頷いた。
「細かい病状とかは、流石にプライバシーだから何も言えないけど、それでもユウキは、もう限界なんだよ」
「そしてもう1人…長くて3ヶ月と言われるメンバーがいます。私たちが…ユウキが、アスナさんから離れたのは…お分かりですよね?」
「…」
俺には、何も言えなかった。
抱えてるものが、あまりにも重すぎた。
それでも…それでも何か言わないと…そう思った俺は
「…自分勝手だ」
気付けば、そう口を開いていた。
「なんだよそれ。余命3ヶ月!?これ以上、先輩を傷つけたくない!?ふざけんな!お前らの自分勝手に巻き込んだんだろ!それなのに、肝心なことは、全部蚊帳の外かよ!!」
「っ!それは…」
「現に先輩は傷ついてんだよ!お前らのワガママに付き合わせたんなら、その分の筋は通せよ!置いていかれる側のことも、考えやがれ!!この大バカ野郎が!!」
結局俺は、自分の言いたいことを、言いたい放題言って、その場で別れた。
その後、色々調べ直して、ついにその答えに辿り着いた。
「【メディキュボイド】…か」
俺はすぐに先輩に、メッセージを送った。
翌日、俺は屋上で先輩を待った。
ガチャりとドアが開いて、先輩が俺のそばに来る。
「…先輩」
「…優月君…」
俺は泣きじゃくる先輩を、優しく抱きしめて、その背中をさする。
「…【絶剣】に会いたい?」
「…うん。会いたい」
「…この間【スリーピング·ナイツ】の奴らから、話を聞いた。行けばきっと、ショックを受けると思う。それでも行きたいですか?」
「行かないと行けない気がするの!」
意思は硬そうだな…仕方ない。
俺は一枚の紙を渡した。
「ここに行けば、多分会えると思います。多分ですけど」
「どうして優月君は、分かるの?」
「そこが日本で唯一、【メディキュボイド】の臨床試験を行ってるんです」
「メディキュボイド…?」
その紙に書いた施設の名前は、横浜港北総合病院。
そして、メディキュボイドとは、現在ある分野において、期待が高まっている新しい医療機械だ。
ナーヴギアをコンセプトにしたそれを注目しているのは…
それでは失礼します。
ありがとうございますした。