ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ 作:ネコ耳パーカー
色々感想が言いたいところですが、個人的感動ポイント!
…ミトさん、鎌カッコよすぎん?
それではよろしくお願いします。
side優月
「貴方はなぜここにいるのですか?」
アリスの言葉に、俺は呑気に言い返す。
「いい天気だし、こいつにソルスの光を浴びせてやりねぇじゃん?」
そう言って俺は、俺の背中にある桜の木を軽く叩く。
俺は本来、95層の【暁星の望楼】が持ち場なのだが、暇すぎてここ、80層の【雲上庭園】に来たのだ。
「だってよぉ、50層にはファナティオさんだろ?ここにはアリス、そんでタイミング的に90層の大浴場には、おっさんが来るだろ。ほら、俺って上にいる意味無くない?」
「…まあ…」
とはいえ、キリトのことだ。
多分ここまでなら上がってくるだろう。
「それと…着替えたのですね、貴方」
「うん?まあな。どうよ?」
白のスラックスに焦げ茶の編み上げブーツ。
紫色のインナーに、桜色の上着を前を閉めずに着ている。
どれも宝物庫からパク…貰ってきたものだ。
「よく似合ってますよ。ですが、鎧は着ないのですか?」
「俺の戦い方だと、鎧はかえって邪魔なんだよ」
そう言うとアリスは、どこか怪しむような目で、俺を見る。
「本当に貴方…何も覚えてないのですか?」
「…まあな。体が覚えてるってやつだ」
そう言いながらのんびりしていると、不意に、雲上庭園の扉が開く。
…来たな、キリト。
「アリス…ん?キリト?」
「よう。来たぜ、ツキノワ」
「おう。来たな、キリト。あと俺、こっちは本名で通してるから、そのつもりで」
お互いのパートナーが、驚いたような顔をする。
「き、キリト!?あの整合騎士を知っているのかい!?」
「ユヅキ!貴方はあの咎人を知っているのですか!?」
「「まあな」」
そう答えながらも、俺たちは互いの目から、視線をそらさない。
「…キリト、お前の行いは正しいんだろう。だかな、俺にも通すべき筋ってやつがある」
「だろうな。口で言って止まるとは思わない」
キリトの行いは正しい。
俺もキリトに手を貸したい…いや、貸すべきだ。
だが、このまますぐ手のひら返しじゃ、世話になった礼を仇で返すことになる。
それは…筋が通らない。
「行くぞ、ゆ…ユージオ?」
おや、金髪の優しそうな男が、俺たちの間に立つ。
「我が名は剣士ユージオ!整合騎士ユヅキ殿!いざ尋常な立ち会いを所望します!」
ほう…そう来るか…。
「…いいぜ。受けてやる」
「ま、待て!ユージオ!優月は強い!」
「分かってるよキリト。流石の僕も、見れば分かる。…でもね、君と彼は友達なんだろう」
そう言われたキリトの顔が強ばる。
「…僕も正直、アリスに剣を向けたくない。だから…キリトはアリスを頼む。僕は…彼を抑える」
話し合いは終わったのか、金髪の男…ユージオは俺の前に、そしてキリトはアリスの前に。
「…おいキリト、一つだけ忠告だ。アリスは剣も頭も固いぞ」
「どういう意味ですか!?ユヅキ!」
これから立ち会うとは思えない空気に、ユージオの眉間に皺がよる。
「随分と余裕ですね…」
「そうでも無いさ。ま、気楽にいこうぜ。それとタメ口でいいぞ、同い年だし」
そう言いながら俺は、後ろの桜の木を剣の姿に戻す。
「そういうことなら…剣士ユージオ、参る!」
「整合騎士、優月=シンセシス=ゼロ、受けて立つ!」
outside
(まずは一気に距離を詰める!)
ユージオは、アインクラッド流ソードスキル【ソニックリープ】で、一気に突撃する。
そんな様子を優月は
(速い!速いが…)
「ぬるいぜ」
1歩踏み込み、ユージオの右手と胸ぐらを掴む。
そのまま思いっきり投げ飛ばした。
「おりゃぁぁぁぁ!!」
(しまった!剣を抜かない!投げ技!?)
「クゥゥゥゥ!?」
ユージオは咄嗟に空中で、体勢を直して上手く受け身をとる。
「システムコール·ジェネレート·エアリアルエレメント。ストリームシェイプ·ディスチャージ」
優月は風素を使い、一気に距離を詰めて抜刀術を放つ。
「なっ!?」
(まずい…間合いだ!)
「シッ!」
「クッ!?」
咄嗟に剣でガードした一撃だったが、さらに返す一撃が迫る。
それもギリギリで防いだユージオに、優月は感嘆の声を漏らす。
「へぇ…やるね。今ので倒せないのか。お前強いな、ユージオ」
「それはどうも…!」
(重い!それほど体格差は無いのに、この重さは何だ!?ピクリとも動かない!)
(しっかり体重を乗せて、重心を捉えてるのに、動かない!どんな強靭な足腰だ!)
お互い鍔迫り合いから、膠着状態に入る2人。
対してキリトとアリスは
「オォォォォォ!」
「セェェェェイ!」
轟音を響かせながら、剣を打ち合う2人だが、明らかにキリトが押されていた。
(固い!何だよ、この固さ!異常だろ!)
「創世の時代より咲いてきた、一本の金木犀の木がありました。それがこの剣、【金木犀の剣】の原型です。特性は【永劫不朽】。何者も、この剣を破壊するに能わず、ということです」
(クソ…!神が設置した最初の破壊不能オブジェクトってことか!)
「だからって…恐れる訳にはいかないんだ!」
再び2人は剣を打ち合う。
しかしやはり、キリトの劣勢は変わらず。
「キリト!」
(こうなったら…)
(流石に、アリス相手じゃキリトも厳しいか…?)
「システムコール·ジェネレート·サーマルエレメント·バーストエレメント!」
「はぁ!?マジか!?」
2人の目の前で起こる熱素の爆発。
たまらず優月は、大きく飛び退いて後退する。
(バカか!風素ならともかく、熱素を爆発させるとか、バカじゃねぇの!?)
「ヤァァァァァァァ!!」
「っ!?そうか!」
優月の視線の先には、ユージオの持つ【青薔薇の剣】。
(ユージオの剣は氷の剣なのか!?この程度の熱なら、無効化できるっていうことか!)
「これで…!」
そう言ってユージオが放つのは、アインクラッド流縦切り4連撃【バーチカル·スクエア】。
「ダメだユージオ!優月は…うぉ!?」
「よそ見ですか!愚か者!」
キリトの静止の声は届かず。
優月はその初撃をいなしてから、自身もソードスキルで対抗した。
(…え?)
「連続技…?」
そのまま残り3連撃を全て、同じ3連撃で相殺されたユージオは、呆然と呟いた。
「刀3連撃ソードスキル【緋扇】。…悪いなユージオ。俺はお前の剣を知っている」
「どう…して…?」
「なぜなら…俺もお前と同じ剣技を使うからだ。お前に合わせて言うなら、俺もアインクラッド流の使い手なのさ。…まあ、使うのは刀だけど」
sideユージオ
全ていなされた…?
バカな…整合騎士は連続剣に慣れていないはず。
なのにどうして…?
「なぜなら…俺もお前と同じ剣技を使うからだ。お前に合わせて言うなら、俺もアインクラッド流の使い手なのさ。…まあ、使うのは刀だけど」
「なん…だって…?」
「そもそも、お前の使うアインクラッド流とは、ここではない別の場所で開発された、対複数、対獣戦に特化した剣技だ」
目の前の整合騎士ユヅキが言うには、アインクラッド流とは、正式な名前ではなく、そもそも流派としての名前すらない。
キリトに剣技の名前を聞いた時、困っていたのはそういうことだったのか。
「そしてアインクラッド流には、様々な武器種の技がある。お前やキリトの片手剣然り、俺の刀然り」
「つまり…君は…」
「俺とキリトは、同じ流派を学んだ…と言っていいのか?さて、続きを始めよう」
そう言って身構えるユヅキ。
だが僕は今、今までの自信が一気に喪失していた。
勝てるのか…彼に?
今までとは違う…僕の剣の全てが、見切られている。
その上、剣技だけなら、間違えなく僕より上だ。
「…キリトの教えはその程度だったか?」
「え?」
「【ステイ·クール】…いつ如何なる時も冷静に、だぞ」
ステイ…クール…。
それはある時、キリトが教えてくれた言葉。
何故それを、今、敵である僕に言うのか…それはよく分からない。
だが、一つだけ分かったことがある。
その目に、敵意がない事だ。
「ふぅ…ハァァァァァァァ!!」
大きく深呼吸をして、一気に切りかかる。
そうだ、見切られてるからどうした。
知ったものか…!
僕は…アリスを助けるんだ!
「ハァァァァァァア!」
「無駄な力が多い!せっかくの筋力が無駄だ!もっと上手く剣に力を乗せろ!」
上手く…力を乗せる。
僕はもっと強く握り、力強く踏み込む。
だがそれは、いなされてしまい体勢を崩す。
咄嗟にガードしたけど、上手く防げず、胴体を軽く斬られる。
「つッ!」
「違う!力むな!込めるんじゃなくて、乗せるんだ!」
いつの間にか僕たちの戦いは、実戦稽古に変わっていた。
それは恐らく、彼自身も気付いていない。
その目は、楽しさでいっぱいだったから。
それにしても…なんて軽やかで美しい剣技だ。
僕は防ぎながら、その剣技に見蕩れていた。
軽やかで…されど重く鋭い。
舞うようなその剣技に、僕は魅了される。
「もっと軽く…力むな…込めるな…」
ゴルゴロッソ先輩に教わった剛の剣と、上手く合わせられないか…?
そう例えば…触れた瞬間に力を乗せる。
ガキィィィィィィン!!!
「なっ!?」
激しい金属音と共に、ユヅキが弾き飛ばさせる。
(こいつ…今…!)
「…この感覚…忘れたくない…。ユヅキ、行くよ」
「ヘッ…この天才め…!」
その剣を、優月は知っている。
というか、彼自身が行き着いたひとつの極地。
この領域に入ったのは、優月、ザザの2人。
そして3人目が今、その領域に踏み込んだ。
「…愉しくなってきた」
1人の剣士と1人の剣鬼が、ぶつかりあった。
sideキリト
「…すごい…」
「これは…」
いつの間にか、俺たちは戦いをやめて、優月とユージオの戦いに夢中になっていた。
俺は今、武者震いが止まらない。
俺の全てを叩き込んだ一番弟子、ユージオ。
そのユージオが今、剣技において俺を上回った。
「あれは…一体…?」
「剣技の極地…その一つだ」
アリスのつぶやきに、俺は無意識に答えていた。
「どういう意味ですか?」
「あんたらの剣は一撃必殺。つまり全てを乗せる剣技だ。だが俺らや優月の剣は、連続技。斬った後のことも考えている」
どこかの漫画でも、書いてあった。
躱すのなら斬らせない、守るのなら死なせない、攻撃するなら斬る。
「2人の破壊力は?」
「優月曰く、インパクトした瞬間に、力を込めてるらしい。俺にも出来ないから、よく分からないけど」
いつまでも見ていたい…そう思った時だった。
「エンハンス·アーマメント」
「っ!?しまった…ぐわぁ!?」
「ユージオ!」
忘れていた…まだ優月には、【武装完全支配術】があった!
side優月
「楽しかったぜ、ユージオ。だが…負ける訳にも行かねぇのさ」
俺は自分がのめり込むより早く、【武装完全支配術】で終わらせた。
俺の【武装完全支配術】は、刃を自在に変化させるもの。
今回は、アリスの【武装完全支配術】を参考にした。
今はぶつけただけだから、死ぬことないし、直ぐに起き上がれるだろう。
「さてと…アリス、まだ終わらねぇのか?」
「っ!?セェェェェェイ!」
「うおゎあ!」
アリスが再び、キリトに切り掛る。
視界の端で、ユージオが2人を追いかけるのを見ながら、俺は止めずに2人を追いかける。
「私の打ち込みをここまで凌いだのは、お前が3人目です。ですが…覚悟!」
アリスが必勝を確信した一撃は…キリトのいなされて、逆に拘束されることに。
「ユージオ!!」
「エンハンス·アーマメント!」
ユージオの【武装完全支配術】が、2人をまとめて凍りつかせる。
その間にユージオは何やら短剣を取りだしたが、その前にアリスの【武装完全支配術】が発動する。
「っ!?」
慌てて駆け寄るユージオだが、既に遅い。
氷では、アリスの【金木犀の剣】は止められない。
「なかなか面白い座興ではありました。貴方にはユヅキがいますが、私とやりたいならそこで待ってなさい」
「エンハンス·アーマメント!」
その隙に、キリトが【武装完全支配術】を発動。
アリスの花を根こそぎ弾いた。
「ユージオ!!」
再び短剣を突き刺そうと走るユージオだが、俺はあることに気が付いた。
…おい、壁から風が漏れてないか?
…マズイ!
「ダメだ!行くな、ユージオ!」
俺は咄嗟にユージオの襟首を掴んで、入れ違うように後ろに引っ張る。
その瞬間、壁が崩壊した。
嘘だろ…この壁、ぶっ壊れないんじゃねぇのかよ!?
そのまま俺とキリトとアリスは、気圧の変化に押し流され、外に放り出されてしまったのだった。
「キリト!アリス!…キリトォォォォォ!!!アリスぅぅぅぅぅぅ!!!」
どんな風にかっこいいと思ったか…ぜひ、劇場で見てみてください。
それはそうと、今回は優月VSユージオでした。
キリトにしようかと思いましたが、親友対決はユージオに譲りましょう。
そしてぶっ飛ばされるのも、やはり優月はセットです。
だって…90層はユージオに、単独撃破してもらわないとですから。
それでは失礼します。
ありがとうございました。