ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ 作:ネコ耳パーカー
しかもここから、しばらく出せない…。
それではよろしくお願いします。
side優月
「さて、どこから説明したものか…」
とりあえず、イーディスに伝えることがあるのは、2つ。
「とりあえず、アリスは目玉吹っ飛んだけど、生きてるから!」
「詳しく説明しなさい!!」
「「うお…」」
キリトと2人して、すごい剣幕でビビってしまう。
本当に…アリスのこととなると、目の色変えるんだから…この人は。
「右目の封印…イーディスには心当たりはないか?」
「っ!?…まさかアリスは…あの激痛を乗り越えたの!?」
どうやら心当たりはあるらしい。
俺は静かに頷く。
「理解したところで2つ目。…俺とアリスは、裏切るから。他でもない、人界の為に」
「…そう。そこの反逆者に唆された…って訳じゃなさそうね」
そう言うとイーディスは、【闇斬剣】を構えた。
「抜きなさい、ユヅキ」
「…こうなるわな」
そう言って俺も刀を抜き、構える。
「…整合騎士、優月=シンセシス=ゼロ。推して参る!」
「整合騎士、イーディス=シンセシス=テン!受けて立つ!」
イーディスの神器の【武装完全支配術】は、あらゆるものを通り過ぎて、対象を斬る。
そしてそれと同時に、周囲が闇に包まれて、視認できなくなる。
つまり守っては押し切られる。
だから俺の打つ手は
「おぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「クゥ!」
とにかく攻めるしかない。
だが相手は、一番手合わせをしてきたイーディスだ。
つまり…
「そこ!」
「チッ!」
俺の動きは、だいぶ読まれている。
俺たちは互いに通り過ぎてから
「「ハァァァァア!」」
秘奥義【輪渦】をぶつけ合う。
鍔迫り合いあってしまうと、俺が弱い。
力ではイーディスの方が上だから。
「…エンハンス·アーマメント」
「っ!?しまった!」
このタイミングで【武装完全支配術】はマズイ!
俺は咄嗟に距離をとるが、それが失敗だった。
「グッ!」
方向感覚を失った俺は、どこからイーディスが来るのか、想像がつかなくなったのだ。
そうこうしているうちに、どんどんと切り刻まれていく。
「…そうか」
俺はあることに気付いて、わざと動くのをやめた。
そして…
「ぐはぁ!?」
「嘘…あんた…わざと!?」
イーディスの刀が迫る瞬間、その刃を掴んだのだ。
「こうでもしねぇと…捕まえらんねぇだろ…はぁぁぁぁ!!」
「キャァァァ!」
俺はイーディスの神器をはじき飛ばして、突きつける。
「…どうする?続けるか?」
「はぁ…私の負け。神器とって。解除するから」
警戒しながら渡したら、本当に解除するだけで、直ぐに鞘に収めた。
「優月!システムコール·ジェネレート·ルミナスエレメント·ディスチャージ!」
「悪ぃな…キリト…」
「…さてと、どういう状況か、説明してもらうわよ」
俺の代わりにキリトが、説明をしてくれた。
「…たしかに、騎士長がそんな話をしてた気がするわね。まあ本人もかもしれないだったし、私もその時はよく考えてなかったから」
おっさん…あんたって人は…。
人柄も察しも剣術もいい。
おっさんは上司として、最高と言える人物かもしれない。
「とはいえ、全てを信じるのは出来ないわ」
「だよな…」
「…でも、あんたもそう思ってるなら、賭ける価値ならあるわ」
そう言って踵を返すイーディス。
「イーディス?どこに行くんだよ」
「一度任地に戻って、迎撃の用意と警戒を強化するわ。だがら…こっちは頼んだわよ」
そう言って消えてしまうイーディス。
「…アリスに気を使ったのか…?」
とりあえず、アリスが起きるまで、少し休む俺たちだった。
outside
アリスが起きてから、ユージオの行方を探す為、キリトがとった手は【青薔薇の剣】のオブジェクトIDを探すことだった。
そうしてたどり着いた90層の大浴場は
「これは…」
「ユージオの【武装完全支配術】か…?」
一帯が凍りついた世界だった。
所々に氷のバラが咲いている。
ふと優月はあるものを見つけた。
「石像?あんな場所に…?」
「いえ…あれは…!?」
アリスが駆け寄り、それを優月が追いかけると
「「小父様(おっさん)!?」」
石像はベルクーリ=シンセシス=ワンだった。
そしてその現象に、優月は心当たりがあった。
(まさかこれは…【ディープ·フリーズ】!?)
文字通り、永久的に眠らせるこの神聖術を使えるのは極わずか。
最高司祭…そして元老長。
「小父様…!こんな…あんまりです…!」
「元老長【チュデルキン】…あの肉だるまがァ…!!」
悲しみに涙を流すアリスと、怒りに血を滴らせる優月。
「…泣くなよ…嬢ちゃん…」
「小父様!?ダメ!体が…!」
「坊主も…剣…握れねぇぞ…」
「うるせぇ!それより自分の心配しろ!」
目を覚ましたとはいえ、未だ石の状態にも関わらず、何かを伝えようとするベルクーリに、アリスと優月はそれを必死に止める。
「嬢ちゃん…俺が…越えられなかった壁を…ついに…超えやがった…。坊主…己の道を…迷わず行け…」
その時、今度はキリトに視線を向けた。
「小僧…お前さんの…相棒は…チュデルキンに…連れ去られた…急げ。記憶の…迷宮に…迷う…前…に…」
そこでベルクーリは、再び眠りについた。
「小父様ァァァァァァァァァ!!」
泣き叫びながら、ベルクーリを抱きしめるアリスと。
「…これは…キリト」
荒れ狂う怒りを、押さえつけながらキリトに何かを渡す優月。
「これは…【青薔薇の剣】…」
そう言って鞘にしまい、大切に持つキリトを見て、優月はアリスを立たせる。
「行くぞお前たち。まずは…あの肉だるまをスライスしてやる」
「…そうですね…ついでに穴も開けて風通しを良くしましょう。少しはマシになるかもしれません」
(ヤバい…人生で1番ヤバい2人を見てる気がする)
ヒースクリフも裸足で逃げだす。
そう錯覚するキリトなのだった。
「と、ところで…元老ってなんだ?」
「96層より上にいるしか知らねぇな。俺は」
「私もそれほど多くは知りませんが、元老院の仕事は…禁忌目録の管理です」
こうして3人は、元老院にたどり着いた。
そこで見た光景は
「これは…」
「ひどい…」
「悪趣味な…」
変なポットのようなものに入れられた、青白い人型の何かだ。
いや、人間ではあるのだが、あまりの光景に、人かどうかも分からなくなる。
ジリリリリリリリリリ!
「「「っ!?」」」
鳴り響くサイレンの音に、それぞれ身構えるとポットの中に管が出てきて、そこから色んなものをすり潰したような食べ物が出てくる。
それを口にして、再びブツブツと呟き出す何かを見て、3人はゾッとした。
「これも…最高司祭様が?」
「それ以外ねぇだろうな…」
(自由意志がない。だから慎重なアドミニストレータが、こんな仕事を任せられるのか)
恐らくは世界中から、神聖術に長けた者を拉致し、意志を奪い、元老院という機械に仕立て上げた…そういうことだろう。
「オッホォォォォォォォ!」
「「この声は…!」」
奥から聞こえる不快な声に、優月とアリスは揃って敵意どこか、殺意剥き出しにしてズカズカと奥に進む。
「いけませン!いけませんヨォ!…お?」
「…」
トランスするチュデルキンと、ゴミを見る目で見るアリスという組み合わせに
((シュールだな…))
怒りも吹っ飛ぶ優月とキリト。
その時、チュデルキンの手から水晶が落ちて、何かが写っていた。
(ん?あれは…?)
それに気付いたのはキリトだけで、直ぐに怒りを取り戻した優月は、アリスに負けず劣らずの殺気を放っていた。
「術式を唱えようとしたら、その舌を切り落とします」
「それより速くてめぇの頭貫くか、首を落とすぜ」
「き、騎士30号に、0号!なぜここ」
「あ?」
「私たちを番号で呼ぶな!」
2人の怒気に当てられ、黙り込むチュデルキン。
その時やっと、キリトの存在に気が付いたのか
「き、騎士アリス!騎士ユヅキ!なぜ反逆者と一緒にいるのでス!?」
「私たちはもう、彼と一緒です」
「っ!?この…裏切る気か!デク人形がぁぁぁぁぁ!!」
そのまま喚きまくるチュデルキン。
「その人形にしたのは、公理教会でしょう。もっとも、ユヅキは違うようですが」
「…ええそうですヨ。私今でも覚えてますよォ」
それからウットリでした顔で、いかにアリスが整合騎士になったかを、ペラペラと語るチュデルキン。
そんな中でも、アリスは冷静にある言葉を見つけた。
「お前今、妙なこと言いましたね?【強制シンセサイズ】、と。まるで強制じゃない【シンセサイズ】の儀式があるような言い方ですね」
「おや、存外耳聰いじゃないですかァ。えぇそうですヨ」
強制じゃない【シンセサイズ】の式句を唱えなかった昔のアリスは、そのプロテクトを強引に強引にこじ開けられたのだ。
「その時のあなたと言ったら…もう石にして私の部屋に永遠に飾りたいと思いましたよ〜!」
「…元老長チュデルキン。もう十分楽しんだようだ。ならもう、思い残すことは無いでしょう」
そう言ってアリスは、チュデルキンの心臓を一突きにした。
「私もお前の話は…もう聞き飽きました」
sideキリト
アリスが貫いた瞬間、突然チュデルキンの体が膨れ上がり、爆発する。
煙…!?
「術式ばかりが脳じゃねぇんですよォ!バーカバーカ!」
「逃がすか!」
優月とアリスが、同時に走り出す。
最奥まで来たが、100階に続く階段がない。
その時、上から何かが降りてきた。
それは青と銀の鎧に身を包んだ、整合騎士。
俺はその姿を見た時、俺の目を信じられなかった。
「嘘だろ…?」
「早すぎる…!?」
「あいつ…シンセサイズされてる!?」
その整合騎士の正体は…
「ユージオ!!!」
俺はユージオを取り戻すべく、戦った。
その結果は…
「エンハンス·アーマメント。…さようなら」
俺たちは、ユージオに敗北した。
それでは失礼します。
ありがとうございました。