ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ 作:ネコ耳パーカー
よろしくお願いします。
side優月
【キリトの記憶の回復が完全じゃないかもしれない会議】という茶番の日の夜、第一弾として俺たち3人が務めることに。
「一気にやるのか?」
「初めての試みだし、色んなパターンをやっていこうという訳さ」
とはいえ、俺たち全員に共通してる話題なんて、全くないから、適当に振り返りをすることに。
「どこから振り返る?」
「ユヅキとキリトの出会いは、どうだったのですか?」
「俺たちの出会い…か」
あの時は初めてのフルダイブに、感動していたのを覚えている。
そこで、路地裏へ走っていく人影を追いかけて、そこでキリトと会ったんだ。
「キリト、あの時もう1人いたけど、誰だか覚えてるか?」
「忘れるかよ。クラインだ」
よし、そこは覚えてるな。
その後3人で狩りをして…そして、あのデスゲームに囚われたんだ。
「へぇ。じゃあユヅキも、キリトの弟子なんだ」
「まあ、ある意味そうなのか?」
「今ではキリトとは、随分と剣筋が違っていますよね」
「そこは優月なりの事情があったからな。詳しいことを話そうとすると、夜が明けるから省略するけど」
「それにそもそも武器が違うしな」
そのまま話を続け、ちょうどいい問題があったことを思い出す。
「第2問、2層であげたチェーンリング、俺とお前のそれぞれの効果は?」
「あぁ…何だったかな…?あの時は…優月は確かSTR…筋力値だよな」
「正解。お前のは?」
「ええっと…VIT…天命値だな」
「正解。なんだ、ちゃんと覚えてるじゃないか」
そのままどんどんと掘り下げていき、あらかた出尽くした所で、次はユージオのターンに。
「じゃあ僕だね。第1問、僕とキリトがあった場所は?」
「ギガスシダーだろ。それはいくら言っても忘れないさ」
「むしろそれを忘れたら、ユージオにとっちめられるな」
「ですね。今後キリトとの付き合い方を、考えなくてはなりません」
「なんか俺の扱い酷くないか!?」
などと脱線させながら、どんどん掘り下げていき、ユージオとの話も全部終わる。
「うん、問題なさそうだね」
「やっぱただの物忘れか?」
「だとしたら薄情者ですね」
「アリス…?俺に恨みでもあるのか…?」
すっかりグダグダになった話し合いは、コヒル茶を片手にゆったりとした時間を過ごしていた。
「ところで気になってたんだが…その枕とクッションはなんだ?」
キリトは俺たちが持ち込んだものが、気になったらしい。
確かに俺たちはそれぞれの天幕から、枕とクッションをありったけ持ってきた。
「んなもん、決まってんだろ?」
俺は空になったコヒル茶の入ってたポットをどかして、ゆっくり振りかぶった。
「おま…まさか…!?」
「枕投げじゃー!」
「もがっ!?」
そのままキリトに全力投球。
その光景に呆然としているユージオとアリスは放っておいて、俺はクッションをもって身構える。
むくっと起き上がったキリトは、そのままその枕を掴んで振りかぶる。
「やったな…この!」
そうして投げた先は…
「ぼぐっ!?」
ユージオだった。
恐らく僕と言いたかったのだろうが、枕が当たり、変な声を出した。
「ゆ、ユージオ!?あなたたち、何をして…!?」
「隙あり!」
「ひゃあ!?」
隙だらけだぜ、アリス。
俺はアリスの横顔に、思いっきりクッションを投げつけた。
「…いいでしょう。それがお望みな!?」
「アリス、隙ありだぜ」
俺の方を振り返ったアリスの頭に、キリトが枕を投げつけた。
「…キリト!」
「俺だけガチギレ!?」
「よぉし!一気にキリトをぶっ!?」
「僕もやるよ!ユヅキ!」
「やったな、ユージオ!」
そのまま俺たちは枕投げ大会を始めた。
もうとにかく滅茶苦茶で、大騒ぎで、すごく楽しかった。
「キリトー!」
「ユージオ!行くぞ!」
「うん!やっちゃおう!」
「俺だけ狙いすぎだろ!?」
キリトへの集中砲火でボコボコにしたり、その隙にアリスを狙ったり、その隙をユージオやキリトに狙われたり、アリスに枕を叩きつけられたり…。
「いや、枕は投げろ!叩きつけるな!ごふぅ!?」
「「ゆ、優月(ユヅキ)ー!?」」
「さあ…次はどちらですか!」
今…枕から出る音じゃなかったぞ…!?
あまりの勢いと力に、俺はぶっ倒れる。
それ以降はどんどんと投げ合いから、叩きつけ合いに変わっていき…最終的に勝ったのは…
「ふっ、当然です」
アリスだった。
あのクソゴリラめ…うごっ!?
「今不遜なこと考えましたね」
サイコメトラーか…!?
そんな時、不意にキリトの天幕が開いた。
「あなたたち、いつまで騒いで…ぶご!?」
「「「「…あ」」」」
ユージオが投げた枕が、入ってきたミトの顔にぶつかったのだ。
全員の動きが止まり、徐々に天幕内に冷たい空気が流れ出す。
当然発生源は、ユージオの青薔薇の剣ではなく、ミトだ。
「…ふぅ」
一息ついて落ちてる枕をはし掴むと、まず1番近かった、アリスに叩きつけた。
「もぐっ!?」
「あ、アリスー!?」
「やかましい」
叫ぶキリトに、流れるような一撃。
「ぶはぁ!?」
「き、キリト!?」
「あんたもよ、ユージオ」
さらにぶつけたユージオにも、しっかりと枕を叩きつけて、3人をダウンさせる。
「み、みんな…!」
「さて、最後よ、優月」
そう言って構えるミトの手には…何も持っていなかった。
その代わりに、その手はしっかりと握りこまれていて…
「え?ええっと…姉貴?嘘だろ…?」
「さあ?どうかしら?」
「いやいやいや、待って待って待って!お願い待って、姉貴、姉上、姉様、姉さん、お姉ちゃん!」
「問答無用」
それ以降の記憶が無い。
ただ次の日の朝、4人揃ってミトに怒られたのはご愛嬌ということで。
4人を遊ばせたかった…そして、ミトにまとめてシバかせたかった。
ただそれだけです。
それでは失礼します。
ありがとうございました。