ソードアート・オンライン NEOプログレッシブ   作:ネコ耳パーカー

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よろしくお願いします。


北帝国編 第4話

side優月

 

道中想定外なトラブルがあったが、何とか城の隠れ通路に潜入。

したのはいいが…

 

「今のは…魔獣の声!?」

 

「近衛兵もいるのに!?」

 

「中にカラントがあるのかなぁ…?」

 

通路の中から、魔獣の声が聞こえのだ。

恐らくリーファの言う通りだろう。

まったく…面倒な…。

 

「サチ。神聖術で明かりを。ミトとシノンは武器の使い方に気をつけて」

 

「あら?誰に言ってるのよ?」

 

「優月こそ、刀振り回すんじゃないわよ?」

 

「俺は間合いは自在だから」

 

そう言って俺は、刃を短くして短刀にする。

少し弄んで調子を確かめてから、気合を入れる。

 

「…よし!行こう!」

 

俺たちは魔獣を狩りながら、洞窟を駆け抜ける。

取り回しのいい俺とシリカを先頭に、速さ重視で駆け抜けて、やがて開けた空間に出る。

 

「貴様ら!何者だ!?」

 

「あんたは?」

 

「私はここの管理を任されている、オーレシアン家の者だ!」

 

オーレシアン…やはり関係者だったか。

俺たちが問い詰めようとしていると、謎の青白い女が現れた。

こいつは…?

 

「あらあら、ダメじゃないですか。勝手に抜け出しては…さあ、急ぎ戻りましょう、お坊ちゃま、お嬢様」

 

…ダメだこりゃ。

まったく話を聞いてないな…。

 

「私たちは連れ去られた子供たちを探しに来たの!知ってるなら教えてちょうだい!」

 

ミトの言葉を聞いた途端、なぜかさっきまでの笑顔を引っ込めて、無表情に変わる。

 

「…所詮、出来損ないですか…」

 

「…随分と失礼な物言いですね…」

 

静かに怒るアリスを他所に、ペラペラと話し出す女。

その中で地下牢、というワードを聞き、嫌な予感がした。

 

「さあ、この侍女長の【ザッパス】が、特別に手ほどきして差し上げましょう」

 

そう言って、武器を構えるザッパスを見て、俺たちはこれ以上の話し合いは無意味と判断。

そのまま人数で袋叩きにして、ザッパスを斃した。

 

「ひ…人殺し!禁忌目録に違反した大罪人め!直ぐに央都から騎士様が…!」

 

「俺たちがその騎士だよ」

 

「え…?」

 

仕方ない、ここは立場を明かすか。

 

「俺は整合騎士、優月=シンセシス=ゼロ。オーレシアン家の者よ。この城にて何が起きているか、お前の知る限りを教えよ」

 

俺がそう言うと、顔を青くして慌てて頭を垂れた男が、震える声で話し出した。

なんでもオーレシアン家は、皇帝からこの旧帝城の管理を本当に任されているらしくて、その皇帝陛下から子供を連れてくるように、言われていたらしい。

そしてここで会った皇帝は、現皇帝では無いとのこと。

 

「やはり…カラントで蘇ったのか…」

 

「そう考えるのが妥当だな…」

 

そう話していると、オーレシアン家の者が、頭を抱えて蹲り、ブツブツと呟きだす。

これ以上はフラクトライトが危ないか…。

 

「オーレシアンの者よ。最後の問いだ。…その皇帝は女か?」

 

「は…はい…」

 

「そうか…もう行け」

 

そう言って俺は解放してから、先に進む。

 

「ねぇ、優月君。さっきの質問は?」

 

「あぁ、あれですか。実は歴代の北帝国皇帝の中で、1人だけ女がいたんです。その人は亡くなった息子を求めて、気が狂ったとか。それがちょうど、アリスが聞いた御伽噺の頃に皇帝を務めていた人物なんです」

 

「そ、そうなのですか!?」

 

「この世界のことを知るために、歴史書とかも読み漁ったからな」

 

そして、その人物の名は…

 

「4代目北帝国皇帝、【カヨーデ=ノーランガルス】」

 

outside

 

アリスは周りに倒れる子供を見て、怒りのままに叫ぶ。

 

「これは…!?子供たちに一体何をしたのです!」

 

そんなアリスに待ったをかけたのは、シノンだった。

 

「待ちなさい、アリス!これは人間じゃない!人形だわ!でも…」

 

「攫われた子供たちと、年頃は一緒か…?」

 

「あぁ…アロード…なぜそなたのような、優秀な子供はおらぬのか…?」

 

歴史書を読み漁った優月でも、知らない名前の登場に、困惑する。

 

「優月…知ってる?」

 

「いや、初めて聞いた。文脈を聞く限りでは息子っぽいけど…?」

 

コヨーデは死んだ存在だ。

そうなると当然、アロードも既に死んでいる。

だが話し合いができる感じでもなく、そのことを受け止められるとも限らない。

そこでキリトはアロードのことを調べると行って、とりあえずその場を切り抜けた。

 

「さてと、まずは墓探しだ」

 

キリトの言葉に従い、一行は墓場を探したが、割と直ぐに見つかった。

というのも、カラントが生えていたからだ。

 

「気味が悪いね…」

 

「さっさと切り落としましょう」

 

ミトに急かされたキリトは、カラントを切り落とした時、実が落ちたのを確認した。

 

「またこの実か…カーディナルに見てもらうか」

 

そう言ってキリトが、その実を拾った時

 

「キリト!あったぞ!」

 

別行動で墓を探していた優月が、キリトに声をかける。

そこにはカヨーデの名前が刻まれていた。

だが…

 

「アロードの墓が、どこにいもないよ」

 

「どこにもない…?皇帝の息子なのに?」

 

不思議そうに呟く優月を見ながら、ユージオがある提案をする。

 

「書庫とかないのかな?そこになら、何か手がかりがあるかもしれないよ」

 

「…一理あるな。探してみよう」

 

そう言って場内を彷徨いていると、無事に書庫に着いた。

 

「さすが書庫…めちゃくちゃいっぱい、本があるな」

 

「ここから探すの〜!?」

 

「やるしかないよね…!」

 

「私、寝ちゃいそう…」

 

「大丈夫、ミトが寝たら私たちが叩き起すからね」

 

「鋭く抉るぜ!」

 

「どんなバイオレンスな起こし方よ!?」

 

などと騒いでいると、誰かの残した日記を見つける。

そこには、アロードの似顔絵があった。

 

「あれ?この首飾り…」

 

「はい…どこかで見たような…」

 

その似顔絵を見たリーファとシリカが、何やら心当たりがありそうなことを言う。

やがて同じく見ていたキリトが、思い出したように呟いた。

 

「…あ。そうだ、あの爺さんだ。あの爺さんがつけてたネックレスだ」

 

(ネックレス…そんなのしてたっけか?)

 

優月は思い出せない為、黙って成り行きを見守ることに。

そのまま一度村に戻り、お爺さんに説明をすることに。

 

「しかし驚いたな…」

 

「そうね。まさかアロードの孫だったなんて…」

 

そう、実は尋ねていたお爺さんは、アロードの孫にあたる人物だったのだ。

彼からネックレスを貰った彼らは、城に戻りそれを見せ、アロードもカヨーデ自身すらも死人だと告げる。

そのことで死んでいる事実は思い出したようだが、錯乱状態に。

 

「俺達が殺したことにされてるけど、どうするよ?」

 

「やるしかないだろ…!行くぞ!みんな!」

 

こうして4代目北帝国皇帝、カヨーデ=ノーランガルスとの戦闘が始まった。

 

sideキリト

 

カヨーデは鞭を使うらしく、その破壊力は恐らくエルドリエ並。

 

「軌道に気をつけろ!先端は見えないぞ!」

 

「鞭じゃなくて、振る腕を見ろ!タイミングを見計らえば、躱せなくはない!」

 

俺と優月のアドバイスを元に、俺たちはカヨーデへの接近をはかる。

しかしかなりの猛攻に俺たちは近付けず、膠着状態にもつれ込む。

 

「ユヅキ、エルドリエの時のようには、出来ないのですか?」

 

「あれは、エルドリエが優秀だから出来た荒技だ。こいつは武人ではないし、多分引っかからないぞ」

 

何やらエルドリエの時に使った戦法があるらしいが、それは出来ないらしい。

さてどうするか…。

 

「しののん!狙撃出来ない!?」

 

「出来なくはないけど、鞭の密度が濃すぎるわ!撃っても弾かれるだけよ!」

 

そう言いながらも矢を射るシノンだが、シノンの宣言通り弾かれるだけだった。

 

「…よし。サチ!頼みがある!」

 

「なんでも言って、キリト」

 

「光素を使って、目くらましをしてくれ。後は俺たちで何とかするから」

 

「分かった。システムコール!ジェネレート·ルミナス·エレメント…バーストエレメント!」

 

サチの光素の光に、咄嗟に目を隠すカヨーデ。

だがそれだけでは恐らく反応される。

 

「シノン!」

 

「…はっ!」

 

シノンもわかっていたのか、俺が声をかけた時には、既に狙いを定めていた。

正確無比な一撃は、そのままカヨーデの心臓付近に飛んでいき、突き刺さるが致命傷にはならなかったらしい。

 

「やぁぁぁぁ!」

 

「はぁぁぁぁ!」

 

アスナとミトの攻撃が足を縫いつける。

 

「「はぁぁぁぁぁ!」」

 

優月とリーファの攻撃が、カヨーデの腕を切り落とす。

 

「ユージオ!」

 

「お兄ちゃん!」

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁ!」」

 

2人の声と同時にユージオと共に駆け出して、一気にその心臓を貫いたのだった。

 

「グフッ!…まだじゃ…!」

 

すざましい執念に、俺は爺さんから預かったネックレスを取りだした。

 

「これを受け取ってくれ」

 

その時、そのネックレスにアロードの魂が残っていたのか、アロードの真実が語られた。

 

「なんというか…」

 

「この親にしてこの子あり…って感じね」

 

やがて静かに座り込んだカヨーデは、俺に地下牢の鍵を投げ渡してきた。

そうしてどこか満足そうに座り込み、最後の時を待つつもりらしい。

俺たちはそれをそっとしておき、地下牢を探し出した。

 

「ここが地下牢…」

 

「嘘…これって…!?」

 

見つけた地下牢には、子供たちがカラントに縛られていた。

まさか天命を吸っているのか…!?

 

「早く切り払うわよ!」

 

ミトの一言で俺たちは、慌ててカラントを斬り、子供の治療をサチとメディナに頼んだ。

 

「キリト!こっち!」

 

「リネルちゃん!?フィゼルちゃん!?」

 

ユージオとリーファの声の方に行くと、エルドリエ同様、カラントに縛られたリネルたちが。

そしてその周りには

 

「炎の矢…?これは…」

 

「答えはあそこだぜ、キリト」

 

優月の視線の先には、カラント·コアに縛られたデュソルバートがいた。

 

side優月

 

俺たちはデュソルバートさんを解放して、【ディープ·フリーズ】を解除した。

 

「デュソルバート殿!?目は覚めましたか!?」

 

「…はぁぁぁぁ!」

 

「アリス!?」

 

突然デュソルバートさんが、炎を放って、俺たちを蹴散らしてきた。

 

「おい!デュソルバートさん!何のつもりだ!?」

 

「我は…我は、デュソルバート=シンセシス=セブン!我が使命を遂行してみせる!」

 

俺はデュソルバートさんの額に、違和感を感じた。

あの光は…まさか、敬神モジュール!?

寝てる間に、一体何があった…!?

俺が考えていると、ユージオが一歩前に出た。

 

「…どうやら、戦うしかないようだね」

 

「ユージオ…」

 

「正直、貴方を2回も相手取りたくなかった。でもこれしかないのなら、再び相手するまでだ!」

 

ユージオ…お前ってやつは…。

本当に強いやつだ、こいつは。

 

「そう。だったら私もやるわ」

 

「シノン!?」

 

「あら、じゃあ私も行こうかしら」

 

「私も戦う」

 

「ミト!?サチまで!?」

 

何故かシノンとミトとサチが、参戦を表明しだした。

 

「待て!お前たちじゃデュソルバートは…!」

 

「技量はともかく、武器の性能が違いすぎる!俺たちに…」

 

「ふざけないで」

 

俺とキリトの言葉を、シノンがピシャリと切り捨てる。

その目は冷たく、鋭い。

 

「私たちは貴方たちの足手まといになるために、ここに来た訳じゃない」

 

「武器の性能が何よ?リズが作ってくれた武器が、信じられないの?」

 

「私たちだって、戦える。だから2人とも。私たちを信じて?」

 

3人の言葉を聞いて、俺はいつの間にかみんなを守らないと、という考えに凝り固まっていたことに、気が付いた。

騎士という役目、責務、そういったものに囚われていて、自分が前に出て戦わないという思いがあった。

 

「…ふ〜…。分かった。みんな、ユージオを頼む」

 

「無理するなよ…絶対に」

 

それはキリトが言うかな…?

そう内心で苦笑いしながら、俺は刀の柄を手放して、一歩引く。

 

「話し合いは終わりか!?咎人共!我が炎の鉄槌、受けるがいい!」

 

「ミト!あの炎で武器が熱くなるから気をつけて!みんな!行くよ!」

 

ユージオの掛け声と共に、4人によるデュソルバート戦が始まった。




それでは失礼します。
ありがとうございました。
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