というかセレナの年齢は分からないけど柚子と同じ14歳と想定しても羞恥心がないのはどうなんでしょうね。プロフェッサーさん、きちんとセレナに性教育をさせましょうよ……
「赤城リョーマ!」
シンクロ次元の視察も終えたリョーマがスタンダード次元へと戻るために融合次元を訪れた時、彼の名を呼びその進路を阻む者が現れた。柊柚子や黒咲瑠璃と同じ顔をして、アカデミアの制服に身を包んだその少女は勝気な表情で彼と対峙していた。
「……」
「貴様はプロフェッサーとも対等に話が出来ると聞いた。私をエクシーズ次元への侵攻に参加させるように言って欲しい」
リョーマは面倒な事を頼むと目の前の少女、セレナに思った。セレナはプロフェッサーが大事に手元に置いている少女でありアカデミアに所属しながらアカデミアから出る事を禁止されていた。デュエリストらしく自身の腕に自信を持つ彼女はプロフェッサーの方針に不満を持っており三年前には一度脱走を企てたがそれ以降は軟禁状態にあった。
そして、遂に我慢の限界が来たのだろう。プロフェッサーから色々と優遇されているリョーマに直談判を頼みに来たようだった。とは言えプロフェッサーの命令に従っている故の優遇であり意見の対立をしてまでセレナの意見を聞くメリットは無いに等しかった。
「……」
「さっきから黙って、何か言ったらどうだ!」
「……紫頭」
「なっ!?」
「邪魔だ」
リョーマはそれだけ言うと彼女の脇を通っていく。しかし、セレナはそれ以上に紫頭と名前すら言われなかった事にショックを受ける。そして、怒りが込み上げてきた彼女はデュエルディスクを起動すると再びリョーマの前に立ちふさがった。
「デュエルしろ! もし私が勝ったらプロフェッサーに仲介して私を参加できるように協力しろ! そして私をセレナ様と呼べ!」
「……メリットは?」
リョーマは本気で嫌そうに顔を歪めながら言った。負けるとは思っていないが時間の無駄とは思っており利益がないとやろうとはしなかった。
そこへ、セレナは爆弾発言とも取れる事を自信満々に言った。
「私が負けた時は好きにすればいい。貴様の言う事を聞いてやろう」
「……」
年頃の娘が言ったとは思えない発言にリョーマは痴女か?こいつは?とも思う。もし、今の言葉を他の男子たちが聞けば十人単位でセレナとデュエルを行う事になるだろう。しかし、リョーマは特に興味がなかったがセレナは引かないという意志を感じ取り仕方なくデュエルディスクを起動した。
「やる気になったようだな。いいか? 私が勝てば」
「プロフェッサーに頼んでやる。だがこちらが勝てば」
「好きにするといい」
「……本当にいいんだな?」
「何だ? 負けるのが怖いのか? 安心しろ。負けても言いふらしたりはしないからな」
明らかに分かっていない様子のセレナにリョーマはため息をつくと彼女と向き直った。
「「デュエル!」」
RYOMA VS SERENA
「私の先行!」
先行を取ったのはセレナだった。彼女は自身の手札を確認すると一枚のカードを取り出す。
「私は手札から“
SERENA
手札4枚→5枚
「そして私は手札から“融合”を発動! 私は手札の“
蒼き闇を徘徊する猫よ! 紫の毒持つ蝶よ! 月の引力により渦巻きて、新たなる力と生まれ変わらん! 融合召喚! 現れ出でよ!月明かりに舞い踊る美しき野獣! “
ATK2400 DEF2000
「
「一応言っておくがこのカードは戦闘では破壊されない。精々2400を超えるモンスターでダメージを与える事だな。私はカードを一枚伏せてターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー」
RYOMA
手札5枚→6枚
「俺は手札から速攻魔法“
ATK1800 DEF1600
「そして手札の“
ATK1800→2400
「攻撃力2400? たかがその程度のモンスターでは私にダメージを与える事など出来ないぞ」
「……まだ、俺のターンは終わっていない。“
「せっかくモンスターの攻撃力を上げたのに、一体何の真似だ?」
「これにより、墓地のレッドアイズモンスター一体を特殊召喚出来る。いでよ! 我が魂! “
ATK2400 DEF2000
「更に“
「なっ!? 手札からだと!?」
ATK2400 DEF2000
「……確かに驚いた。僅か1ターンでレベル7のモンスター2体を特殊召喚する事は感心出来る。だが! 2体とも攻撃力は2400! 私の“
「……そうだな。故に、こうする俺は2体のモンスターで
「なっ!?」
リョーマが行ったのは敵であるはずのエクシーズ次元の召喚方法だ。一瞬間違いとも思えたが2体の黒竜は目の前に出来た黄金の渦に飲み込まれ巨大な柱を形成した。
「業火の中で研ぎ澄まされし竜よ! 紅蓮の炎で全ての敵を焼き焦がせ! ランク7! 現れろ! “
ATK2800 DEF2400
「“
「何だと!?」
「そして、これで貴様のモンスターの攻撃力を上回った。……が、更に攻撃力を上げるとするか。俺は手札から二枚目の“
ATK2800→3400
「攻撃力……3400!?」
「バトル! “
「ぐっ! ああぁぁぁぁぁっ!!!」
SERENA
LP4000→3000
「俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ」
SERENA LP3000
手札1枚
モンスター
魔法・罠
セット
RYOMA LP4000
手札1枚
モンスター
魔法・罠
セット
「くっ!」
セレナは息を整えながら立ち上がる。ダメージを受けた事により体のあちこちが汚れているがその瞳には闘志が残っていた。
「私のターン! ドロー!」
SERENA
手札1枚→2枚
「私は墓地の“
SERENA
LP3000→2500
モンスター効果が発動したことによりセレナを炎が襲う。しかし、その痛みに負ける事無くセレナは続ける。
ATK1600 DEF1200
「“
「2倍、ねぇ……」
ATK2400→4800
SERENA
LP2500→2000
「そして私は“
SERENA
2000→1500
大きなダメージを負いつつもセレナは歯を食いしばって耐えると睨むようにリョーマを見て叫んだ。
「バトル! “
「くっ!」
RYOMA
LP4000→2600
「続けて2回目の攻撃!」
「……くそがっ」
リョーマは勝てない事を悟り忌々しそうに吐き捨てる。
RYOMA
LP2600→1200
2回目の攻撃を受けた事により“
「リバースカードオープン! “レッドアイズ・バーン”! 戦闘破壊された“
「なっ!?」
セレナはそのカードの効果に驚く。セレナのライフは1500、リョーマは1200。そして両者が受けるダメージは2800だ。つまり、相打ち覚悟で使った事になる。
攻撃を受けた“
「本気か貴様!」
「本気だ。流石に勝てない事は残念だが、負けるよりは何倍もマシだ」
「くっ!」
そして、両者は打つ手がないらしくそのまま破裂する“
SERENA
LP1500→0
RYOMA
LP1200→0
DRAW
爆風により二人は吹き飛ばされ近くの壁に衝突する。とは言えリョーマは直ぐに立ち上がると衝撃で立てないセレナの下に向かう。
「立てるか?」
「……ああ」
リョーマが差し出した手をセレナは取り立ち上がる。ソリットビジョンは消え周囲には元の光景が広がる。アカデミアの通路のど真ん中で行われたが人があまり通らない道だったことと侵攻中でほとんどの生徒が出払っていた事が幸いした。目撃されていればどちらが負けても騒ぎになっていただろう。
「今回は引き分けに終わった。故に、どちらの意見も通さずに今回はこれで終わり。それでどうだ?」
「……不本意だが仕方ない。今回はそれで構わない」
セレナは不承不承と言った感じでそう答える。頬を膨らませ不機嫌そうに顔をそむけるその姿はまさに子供と言えた。そんな姿を見たリョーマは気づけばセレナの頭に手を乗せて撫でていた。いきなりの事にセレナは固まる。
「猫女。お前にはお前があるのだろう。今は大人しくしていると言い」
「ね、猫!? 私はセレナだ! 次変な名前で呼んでみろ! 容赦しないからな!」
そう言うと若干顔を赤くしながら怒って来た道を戻っていった。その後ろ姿を見ながら何故セレナが怒っているのか、リョーマは本気で考えるのだった。
自分フィールドにモンスターが存在しない時に発動出来る。手札を一枚墓地に送る事でデッキからレベル4以下の「レッドアイズ」モンスター一体を特殊召喚する。