遊戯王ARC-V 黒竜を従えしデュエリスト   作:鈴木颯手

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短いうえにデュエルはないです


第十八話「その頃の二人」

 リョーマとユートがデュエルを行う少し前、榊遊矢は柊柚子、権現坂昇と共にLDSのメインゲート前にいた。彼らは素良のお見舞いに来た後でそれ以外の塾生や塾長はよるという事もあり先に言えに返すためにこの場にはいなかった。

 そんな彼らが考えるのは素良の事だ。素良はデュエル中に様々な事を言っておりその事が三人の心に大きな疑問を残したのである。

 

「二人とも、素良がどこから来たのか聞いているのか?」

「いや、アイツ聞いてもすぐにごまかして……。だけどリョーマさんと同じ塾に通っていたと言っていた」

「確かに、素良の代わりに話していた事があったわね」

 

 素良は融合次元のアカデミアから来ていたがそれを馬鹿正直に言う訳がなく適当にごまかしていた。とは言えそれでは怪しまれるという事でリョーマが軽く嘘とは言え情報を流していたのだ。その結果はこの状況に来て大きく三人を混乱させていた。

 

「とは言えユートと黒咲、素良にリョーマには何か因縁があるのかもしれん」

「因縁?」

「黒咲達はエクシーズ使い。素良とリョーマはそれに敵対する融合塾の一員だったとか」

「!」

 

 遊矢は権現坂のその言葉に素良がデュエル中に言っていた言葉を思い出す。

 

【遊びさ。本気でやるわけないじゃん。僕の仲間だってそう。皆遊びで君たちを狩っているんだ!】

 

「まさか黒咲やユートが救いたい仲間って……。素良達に?」

「で、でも。リョーマさんも素良もそんな事をするなんて……」

 

 柚子は信じられないようにそう呟く。リョーマは遊矢とのデュエルで厳しい言葉を言っていたがあれがあったからこそ遊矢は一歩前進する事が出来たと言え、遊矢にとっては何時かリベンジをしたい相手であり柚子や権現坂にとっては頼れる年上の男性というイメージが強かった。特に柚子は一回だけとは言え融合に関して教わっていたからその思いは強かった。

 

「……どちらにしろ一度本人に確かめる必要があるかもしれない。で、誰かリョーマさんの住所とか連絡先を知っているか?」

「いいえ、私は……」

「俺も知らんぞ」

「「「……」」」

 

 そこで漸くリョーマが部外者でありこちらから接触したことが無い事に気付いた。リョーマは何時も遊勝塾に来て交流していた為こういう時に便利な連絡先の交換をしてこなかった。更に素良を含めた話はすれど自身の事はほとんど話していなかったことにも気づいた。交流機会が限られていた上に短かったのも関係しているだろう。完全に手づまりな状況にどうしようか悩んでいると警備員たちが素良が脱走したという事を話しているのを聞き三人は取り敢えず探す事になった。

 そして、遊矢は最悪のタイミングでリョーマと再会する事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……赤城リョーマ。奴は何物だ?」

 

 赤馬零児はLDSにある発令所でそう呟いた。彼の周りには部下の中島、外部協力者という立場にある黒咲隼、そして零児の弟の零羅がいた。

 赤馬零児が赤城リョーマと最初に出会ったのは遊勝塾をかけてLDSが勝負を仕掛けた時だった。その時はあまり興味もなかったがLDSの三人とデュエルした時にそれは崩れた。何もさせずに刀堂刃を降し続けて志島北斗、光津真澄と倒し三人を相手に圧勝という形で勝利したのである。更にリョーマは融合を使っておりそのエネルギーも高かったことからアカデミアの人間の可能性があると思い密かに監視を続けていた。しかし、それ以降にデュエルをしている様子はなく、舞網チャンピオンシップに出場する気もない様子であり情報を得る事が出来ていなかった。

 しかし、素良が抜け出しそれを追っているとその場に現れ素良を転移させユートと向き直った事からアカデミアと言う予測は正しいと確信していた。

 

「あいつは、アイツは! アカデミアの中で最も危険な奴だ!」

 

 耐え切れなくなったのか黒咲隼はそう叫ぶ。その顔は怒りの感情で溢れており本人が目の前にいれば殴りそうになっていたほどだった。

 

「……アカデミアなのは間違いないな?」

「……ああ、俺はアイツとデュエルをした事がある。あの時は倒したがあの時のアイツは確実に慢心していた。あそこでカードに出来ていれば……!」

 

 黒咲隼は悔しそうにそう吐き捨てる。二人の間にどんな事があったのかは知らないが零児は情報を吐き出させる。

 

「アカデミアでのアイツの立場は分かるか?」

「……詳しくは知らん。だが、プロフェッサーとも対等に接する事が出来、自身の少数精鋭部隊を持っているという事だけだ」

「……成程」

 

 その情報のみで零児はリョーマへの警戒度と危険度を上げる。紫雲院素良なんかよりもよほど危険な相手だと思い素良を逃がしたリョーマとユートのやり取りを眺める。

 

『黒咲瑠璃』

『っ!』

『黒咲隼の妹で使用デッキは“LL(リリカル・ルスキニア)”。柊柚子と同じ顔をしているが髪色は紫』

『貴様! どこでそれを!』

『知りたいか? ならば……』

『俺と共に来い。そうすれば感動的な再会が可能となるぞ』

『瑠璃は! 瑠璃は無事なのか!?』

『それは自分の目で確かめると良い』

 

「っ!」

「何処に行く?」

 

 思わず出ていきそうになる黒咲隼を零児は止める。彼は大会の出場者であると同時に彼があの場にいれば余計にややこしくなり騒ぎが大きくなるだろう。そうなれば舞網チャンピオンシップが中止になる可能性もあった。それは零児の計画を潰す事になりかねなかった。

 実の父親である赤馬零王を止めるべく且つ融合次元の侵攻に備えるべく強いデュエリストを集める。それが舞網チャンピオンシップの真の狙いだった。

 それを理解している黒咲隼は握り拳を作りその場に留まった。

 そうこうしている内に両者はデュエルで決着をつける事になりデュエルが始まった。

 

「丁度良い。融合次元の強者のデュエル、ここで見させてもらおう」

 

 赤馬零児は再びリョーマの実力が見れると思いそのまま監視カメラの映像を見続ける。そして、彼がただのデュエリストではなく本当に危険な相手だと改めて実感する事になる。

 

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