遊戯王ARC-V 黒竜を従えしデュエリスト   作:鈴木颯手

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デュエルがあるので少し長めです
あとがきにオリカを紹介します


第二話「遭遇」

 デュエルアカデミアによるエクシーズ次元への侵攻が開始され数日が経過した。第一陣は後続の部隊と交代しつつ侵攻から殲滅戦に移行した。アカデミアの一般兵のみならず精鋭と言われているオベリスクフォースや赤城リョーマが率いる少数精鋭部隊「リリーサーズ」の活躍もあり予定よりも大分早く進んでいた。

 そんな状況故にアカデミア側では慢心が現れ始めておりそこを付いてレジスタンスが反撃に転じる事もあった。それもあり第一陣と後続を交代する事になったのだ。

 

「止めだ。行け」

「くっ! う、ああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 隊長でありながら前線に立つリョーマは次々とレジスタンスを返り討ちにしていた。今日だけで十人近くをカード化しており中にはハートランドのプロデュエリスト養成校に在籍していた者もいた。そして、たった今決着をつけた相手をカード化する。ダメージを受け動けなくなっていた相手は逃げる事も出来ずにカードへと封印された。そのカードを広い、腰のホルダーに収容する。そして、次の獲物を探そうと動こうとした時だった。

 

「貴様ぁ!」

「っ!」

 

 路地裏から一人の男が出てきてリョーマへと拳を振るった。突然の事だったがリョーマは冷静に対応して拳をいなすと距離を取る。相手の態勢が整う頃にはそれなりの距離を取っており奇襲はもう通じないだろう。

 

「よくも俺たちの仲間を!」

「……貴様もレジスタンスか」

 

 男、ユートの登場にリョーマはデュエルディスクを構える。ユートもデュエルディスクを構えるがデュエルを行う前に叫んだ。

 

「一つ聞かせろ! 何故、こんなむごいことを平気で行える!? 何故デュエルで人々を傷つける!?」

「そんなもの決まっているだろう。我らの目的の為だ。目的の為にデュエルを使うのが効果的だから使っているに過ぎん」

「っ! ふざけるな! こんな事をして許されるはずがない!」

「そう思うのなら力を示せ。弱者敗者に何かを変える力はないからな」

「ああ! 勿論だ! 貴様を倒して反撃の狼煙とする!」

「「デュエル!」」

 

RYOMA VS UTE

 

「先行は貰う。俺は手札から“真紅眼融合(レッドアイズ・ヒュージョン)”を発動する。俺は手札、フィールド、そしてデッキから融合素材モンスターを墓地に送り融合召喚を行う」

「っ! デッキからだと!?」

「そうだ。その代償として俺はこの効果以外で召喚、特殊召喚は行えないがな。俺はデッキから“真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)”と“真紅眼(レッドアイズ)の凶星竜-メテオ・ドラゴン”を墓地に送り融合召喚!

天空より降り注ぐ流星に乗り地上に降臨した破壊の龍よ!今こそ生きとし生ける者全てを焼き払え!融合召喚!レベル8!流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン!」

 

流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン(闇/ドラゴン族 星8)

ATK3500 DEF2000

 

 リョーマの言葉に従い天空から“流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン”が姿を現した。巨大な咆哮をしてユートに衝撃波を与える。

 

「“流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン”の効果発動。融合召喚成功時にデッキからレッドアイズモンスター一体を墓地に送る事でそのモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを与える。俺は“レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン”を墓地に送り1400のダメージを与える! メテオ・フレア!」

「ぐっ!」

 

UTE

LP4000→2600

 

 “流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン”が流星群をユートへと降り注ぐ。周囲に爆風を起しユートの体へと四方から叩きつける。その痛みにユートの口からはこらえきれないうめき声が漏れる。レジスタンスとしてアカデミアと戦ってきたユートは今まで感じた事のない鋭い痛みに困惑する。

 

「これは……」

「痛みを感じたか? 俺とのデュエルはただのアカデミアと戦うよりも鋭い痛みが走る。敗北後に逃げる事が出来ない程にはな」

「っ! さっきの人が動けなかったのは!」

 

 アカデミアはデュエルで負けた相手をカード化するが逃げきれる可能性は少しだがあった。しかし、ユートの前にリョーマと戦った者は全身に酷い傷を負い痛みで立てない様子だった。その理由を身をもって知ったユートは歯を食いしばりリョーマに憎悪する。しかし、そんな事など関係ないとばかりにリョーマはデュエルを継続する。

 

「俺は永続魔法“紅玉の導き”を発動する。このカードはメインフェイズに二つある効果のうち一つを発動できる。俺は二番目の手札を一枚墓地に送る事で墓地のレッドアイズカードをエンドフェイズに手札に加える効果を発動する」

 

RYOMA

手札3枚→2枚

 

「俺はカードを二枚伏せてターンエンドだ。そして、“紅玉の導き”の効果により墓地に存在する“真紅眼融合”を手札に加える」

「これで次のターンも融合が可能という訳か。だが、こちらもただでやられる訳にはいかない! 俺のターン! ドロー!」

 

UTE

手札5枚→6枚

 

「俺は手札から“幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ダスティローブ”を召喚する!」

 

幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ダスティローブ(闇/戦士族 星3)

ATK800 DEF1000

 

「手札の“幻影騎士団(ファントム・ナイツ)サイレントブーツ”の効果発動! 自分フィールドに幻影騎士団モンスターが存在する場合、特殊召喚が出来る!」

 

幻影騎士団(ファントム・ナイツ)サイレントブーツ(闇/戦士族 星3)

ATK800 DEF1200

 

「更に! 自分フィールドに幻影騎士団モンスターが特殊召喚された時、手札の“幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ステンドグリーブ”の効果でこのカードを特殊召喚する!」

 

幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ステンドグリーブ(闇/戦士族 星3)

ATK1200 DEF600

 

「俺はレベル3の“サイレントブーツ”と“ステンドグリーブ”でオーバレイ!

戦場に倒れし、騎士たちの魂よ。今こそ蘇り、闇を切り裂く光となれ! エクシーズ召喚! 現れろ! ランク3! 幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ブレイクソード!」

 

幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ブレイクソード(闇/戦士族 ランク3)

ATK2000 DEF1000

 

「エクシーズ、ね……」

「幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ブレイクソードの効果発動! X素材を一つ取り除き自分フィールドと相手フィールドのカードを1枚ずつ選び、そのカードを破壊する! 俺が破壊するのは“ブレイクソード”と“メテオ・ブラック・ドラゴン”だ!」

「ほう?」

 

 態々強力なカードを破壊するユートのプレイにリョーマは次に何が起きるのかを待つ。プレイングミスという可能性は考えず、自身のモンスターが破壊される事に何の抵抗もなく受け入れる。リョーマが睨んだ通り、“ブレイクソード”には効果があるがそれは“メテオ・ブラック・ドラゴン”とて同じことだった。

 

「“ブレイクソード”の効果発動! このカードが破壊された時、墓地から同じレベルの幻影騎士団モンスター2体を特殊召喚する! 俺は“サイレントブーツ”と“ステンドグリーブ”を特殊召喚する! この効果で特殊召喚されるモンスターはレベルが一つ上がる!」

「成程。ならばこちらもモンスター効果発動! このカードがフィールドから墓地に送られた時、墓地の通常モンスター一体を特殊召喚する。現れろ! 真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)!」

 

幻影騎士団(ファントム・ナイツ)サイレントブーツ

幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ステンドグリーブ

レベル3→4

 

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)(闇/ドラゴン族 星7)

ATK2400 DEF2000

 

 相手モンスターを破壊しつつ次につなげる準備が出来たユートが次の手を打とうとした時、リョーマのが動く。

 

「リバースカードオープン! “レッドアイズ・トライアル”! このカードは自分フィールドのレッドアイズモンスターが相手の効果によってフィールドを離れた時に発動できるカードだ」

「レッドアイズ? 破壊されたのは……」

「“真紅眼融合(レッドアイズ・ヒュージョン)”の効果によりこのカードで融合召喚されたモンスターは“真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)”として扱う。つまり、“メテオ・ブラック・ドラゴン”はレッドアイズモンスターという訳だ」

 

 単体ではシナジーがない“メテオ・ブラック・ドラゴン”を専用の融合を使う事で援助を受けやすくするリョーマの動きにユートは苦虫を嚙み潰したような表情になる。しかし、リョーマの効果はまだ発動したばかりであった。

 

「このカードの効果は二つある。俺はどちらか一つを選択して発動できる。片方はドロー効果。もう一つはバーン効果だ。後者を使えば発動条件となったレッドアイズモンスターの攻撃力の半分のダメージを受けてもらう。使う効果は、勿論後者だ」

「ぐっ! ああぁぁぁぁっ!!」

 

UTE

LP2600→850

 

 自身のターンにも関わらずリョーマのカードによってダメージを受けるユート。その体は小さな火傷や擦り傷だらけであり苦しそうに肩で息をしていた。それはリョーマが与えるダメージの大きさを物語っていた。

 

「どうした? 辛いか? 先ほどの威勢は何処へ行った」

「……まだだ、まだ終わってはいない! 俺はレベル4となった“サイレントブーツ”と“ステンドグリーブ”でオーバレイ!

漆黒の闇より愚鈍なる力に抗う反逆の牙! 今、降臨せよ! エクシーズ召喚! ランク4! “ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン”!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン(闇/ドラゴン族 ランク4)

ATK2500 DEF2000

 

「これは……!」

 

 黒き竜の出現にリョーマは目を見開いて驚いている。しかし、そんなリョーマなど無視してユートは止めを刺すべく効果を発動する。

 

「“ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン”の効果発動! このカードのX素材を1つ取り除く事で“真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)”の攻撃力を半分にする事で“ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン“の攻撃力をエンドフェイズまでその数値分アップする! トリーズン・ディスチャージ!」

 

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)

ATK2400→1200

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

ATK2500→3700

 

「更に! “幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ダスティローブ”の効果発動! このカードを守備表示にして“ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン”の攻撃力を相手のターン終了時まで800アップする!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

ATK3700→4500

 

 駄目だしとばかりに強化されていく“ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン”にリョーマは目を細めている。その瞳からは何を考えているのかは分からないがこの攻撃が決まればリョーマへの大ダメージは確定だった。

 

「バトル! “ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン”で“真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)”を攻撃! 反逆のライトニング・ディスオベイ!」

「ぐっ! うぅっ!」

 

RYOMA

LP4000→700

 

 一気に3000以上のダメージを受けた上に“真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)“も破壊されたリョーマ。一方、ユートの場には“ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン”と“ダスティローブ”が残っており余裕が残っていた。

 

「俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ」

 

RYOMA LP700

手札1枚

モンスター

なし

魔法、罠

紅玉の導き

セット

 

UTE LP850

手札1枚

モンスター

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ダスティローブ

魔法、罠

セット

 

「俺のターン、ドロー」

 

RYOMA

手札1枚→2枚

 

「……お前、名は?」

「……ユートだ」

「ユートか。覚えておこう」

「なんだ? 勝った気でいるのか?」

「勝った気? 違う。俺の勝利は確定した。先ずは“紅玉の導き”を発動する。先程とは違う方の効果を使う。デッキトップ三枚を見てその中からレッドアイズカードを一枚手札に加える」

 

真紅眼の亜黒竜(レッドアイズ・オルタナティブドラゴン)

真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン)

黒鋼竜(ブラックメタルドラゴン)

 

「俺が手札に加えるカードは真紅眼の亜黒竜(レッドアイズ・オルタナティブドラゴン)だ。残りは好きな順序でデッキの下に戻す。そして真紅眼の亜黒竜(レッドアイズ・オルタナティブドラゴン)の効果発動。手札、フィールドのレッドアイズモンスターを一体リリースして手札から特殊召喚する。俺は手札の真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)をリリースして真紅眼の亜黒竜(レッドアイズ・オルタナティブドラゴン)を特殊召喚」

 

真紅眼の亜黒竜(レッドアイズ・オルタナティブドラゴン)(闇/ドラゴン族 星7)

ATK2400 DEF2000

 

「攻撃力2400……。その程度で俺の“ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン”を倒す事など……」

「貴様を倒すのに、攻撃は必要ない。ここまで俺が何でダメージを与えて来たのか、分からないのか?」

「……まさか!」

 

 ユートは自身の結末を悟った。ユートが伏せているカードは“幻影剣(ファントム・ソード)”。対象としたモンスターの攻撃力を上げつつ戦闘・効果で破壊される代わりに身代わりとなるカードだが戦闘を相手が回避するのなら意味のないカードだ。ユートは右手を握り締める。

 

「リバースカードオープン! “紅蓮のクリムゾンバースト”! 自分フィールドのレッドアイズモンスター一体を対象に発動する。対象としたモンスターはこのターン攻撃できないが代わりにそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える! 我が黒竜よ! その紅蓮の炎で敵を焼き払え! 紅蓮の! クリムゾンバーストォォォッ!!!」

「ぐ、があぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

UTE

LP850→0

 

RYOMA WIN

 

 ユートは全身を襲う激痛から逃れるように意識を失いながら紅蓮の炎に包まれていった。そして、デュエルが終わり炎が消えると、全身にやけどを負い、傷だらけのユートが仰向けで倒れていた。意識を失っているのか目をつぶったまま動く気配はなかった。

 リョーマはユートに近づくとその体を持ち上げ近くの建造物の中に入り外からは死角となる位置にユートを横たえる。そして、そのデッキから一枚のカードを取り、眺める。数秒ほど眺めたリョーマはそれをデッキに戻すとその場を後にした。数時間後、意識を取り戻したユートはレジスタンスの仲間の下に戻った。何故自身をカード化しなかったのかという疑問を胸の奥にしまいアカデミアに所属する強力なデュエリストの存在を教え、警戒するように伝えるのだった。

 以後、レジスタンスはリョーマを「黒竜使いのデュエリスト」として警戒する事になる。

 




オリカ一覧
紅蓮のクリムゾンバースト(通常魔法)
自分フィールドの「レッドアイズ」モンスター一体を対象として発動できる。相手に対象としたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える。この効果の対象となったモンスターは攻撃できない。「真紅眼の黒竜」を対象とした時、1000LPを払って以下の効果を発動できる。
・相手フィールドのカード一枚を破壊する。

紅玉の導き(永続魔法)
このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。
自分のメインフェイズに発動できる。以下の効果のうちどちらか一つを発動する。
・デッキの上から三枚めくり「レッドアイズ」カード一枚を手札に加える。残りはデッキの下に好きな順序で置く。
・手札を一枚捨てて、墓地の「レッドアイズ」カード一枚を対象として発動出来る。このターンのエンドフェイズに手札に加える。

レッドアイズ・トライアル(通常罠)
自分フィールドの「レッドアイズ」モンスターが相手の効果によってフィールドから離れた時に以下の効果のどちらかを発動出来る。
・デッキから二枚ドローする。その後、手札を一枚デッキに戻す。
・フぃールドから離れた「レッドアイズ」モンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを与える。
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