「……」
「……」
リョーマは全身に痛みを感じながら堅いアスファルトの上に大の字に横になっている。デュエルに負けた彼は全く動く事なく真っ赤な景色から何時もの景色へと変わった舞網市の空を見ている。
「隊長!」
「遊矢!」
そこへリリーサーズの面々と権現坂達チャンピオンシップ参加者がそれぞれの場所に近づいていく。その声で漸く上半身を起こしたリョーマは遊矢の方を見る。膝に手を突き大きく息を切らす遊矢の姿はどう見ても限界ギリギリと言った様子であった。
「いや~、隊長。負けちゃいましたね」
「……ああ」
「どうします? 撤退しますか?」
「そうだな。撤退だ」
「了解」
No.2はそう言うと撤退の指示を出す。リリーサーズの面々はデュエルディスクに搭載された転送機能を用いて融合次元へと撤退していく。紫雲院素良も目標であった黒咲隼へのリベンジを終えたからか複雑な表情のまま融合次元へと戻っていく。
「っ! リョーマさん!」
「……榊遊矢。お前の中の力。見せてもらった。その調子で力を高めていくといい」
「まだ、話したい事が……!」
遊矢が駆け寄ろうとすると同時にリョーマも転送されその場にいたアカデミアの戦士全員が帰還していったのだった。
その後、赤馬零児によって融合、シンクロ、エクシーズ次元の存在と融合次元による侵略行為が大々的に発表されそれに対抗する組織「ランサーズ」の結成を宣言する事になる。そして、その数日後には同盟を求めてシンクロ次元へと旅立っていく事になるのだった。
「……っ!!!」
シンクロ次元にあるトップスの居住地にあるとある館。その主であるNo.11は定期的に来る報告書を見て驚いていた。彼女の隣では悲し気な表情で眠る黒咲瑠璃が居り時々兄やユートを呼んでいた。
しかし、今のNo.11にそんな事はどうでも良かった。内容はリリーサーズのスタンダード次元での任務の失敗にスタンダード次元が反アカデミアで固まりその対抗組織を作ったと書かれていた。そして、更なる同盟を求めてシンクロ次元にやって来る可能性があるとも。
「……」
No.11は本格的に動き出す時が来たと感じると同時にこの穏やかな時間を過ごす事は二度と出来ないだろうと無意識に感じ取っていた。彼女は自らの使命を全うするべく座っていたベッドの端から立ち上がる。
「治安維持局長官ロジェに会います。準備を」
「かしこまりました」
No.11は控えていた使用人にそう伝えると部屋着から外出用の服に着替える。ゴシックロリータという言葉がふさわしい服に着替えると服にぴったりな傘を持ち玄関に向けて歩き出す。
彼女はNo.11となる前からこの屋敷で過ごしていたが数年前に
『君の力を貸して欲しい』
『君の
そう言われNo.11は彼の下に付きリリーサーズのNo.11となったのだった。彼女はもうすぐ自分の願いも叶うと思いそのための準備の為に彼女は外へと出ていくのだった。
「あー、セレナ様。スタンダード次元の拠点は引き払う事になりました」
「何だと!?」
セレナはNo.4の突然の言葉に驚く。舞網チャンピオンシップが終了し、完全に融合次元の敵となった事をテレビで確認していたセレナは不満げにかみつく。
「ふざけるな! 私はまだ何もしていないぞ!」
「分かっています。なので、こうしろと……」
そう言うとNo.4は普段のおちゃらけた雰囲気からコヨーテの如き鋭い表情となるとセレナの懐に潜り込み彼女の腹部に強力な一撃を加えた。
「がっ!?」
「隊長からのご命令です。安心してください。時期に終わります」
No.4はそう言うと意識を失ったセレナを横にすると撤退の準備を始める。私物を全て転送し灯油を蒔いていく。そして、全ての準備が完了したと判断したNo.4はセレナを担ぐとマッチに火をつけ遠くに放り投げると転送装置を起動しその場から消えた。それと同時に拠点中に火の手が上がり一気に燃え上がっていく。数時間後、周囲の建物すら巻き込んだ火災は消火されたが放火されたということ以外何も分からない程拠点は炭と化したのだった。
「準備は整いつつある
我が野望が達成される日も近い
我が手ごまたちよ
今こそお前達に与えしカードを使う事を許可する
それらを使い、我が野望の達成を助けるのだ
さぁ、行くがいい! 我が手ごまにして眷属たちよ!」