遊戯王ARC-V 黒竜を従えしデュエリスト   作:鈴木颯手

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第二十九話「決着の時」

「遊矢!」

「大丈夫か!?」

 

 No.6に止めを刺されデュエルに敗北した遊矢は衝撃で大きく吹き飛ばされる。リリーサーズが用いるソリットビジョンはその衝撃が他のそれよりも強大だった。故に、ダメージを受ければ受ける程体は傷ついていくことになる。

 

「……あ、ああ。大丈夫、だ」

 

 遊矢はなんとか答えると上半身を起こしてNo.6を睨むように見る。デュエルが終了したことによりソリットビジョンは消えていた。遊矢は何処か心の奥で何かが疼くのを感じつつもそれを抑えるように心臓の部分に手を当て握るように力を込めた。

 

「どうした? 貴様のエンタメデュエルとはこの程度なのか? もっとも、あれだけ除外されていたら手も足も出ないだろうがな!」

「くっ!」

 

 自分のプレイングすらほとんど出来ずに負けた遊矢は何も言い返せずに悔しそうに手を握り締める。しかし、そんな遊矢に沢渡シンゴは自信満々に言った。

 

「安心しろ榊遊矢。この俺様は負ける事はないからな。そこで大人しく見ていると言い」

「だけど今は私のターンよ」

 

 沢渡シンゴの言葉に水を差すようにNo.11はそう言うと自分のターン故にプレイを開始する。

 

「私は“上と下”の効果によりコイントスを行う。選択するのは裏よ」

 

 そう言うと生み出されたコインを弾き空中高くに飛ばす。十数回、回転したコインは数度地面に弾かれつつも裏側を両者に見せた。

 

「裏ね。正解した事で更に2枚ドローする」

 

No.11

手札1枚→3枚

 

「自分フィールドのアンダーエンド・カウンターが相手の場のアンダーエンド・カウンターより少ない場合、手札から“アンダーエンド・アサシン”を特殊召喚出来る!」

 

アンダーエンド・アサシン(地/戦士族 星3)

ATK200 DEF1000

 

「そして墓地にいる“アンダーエンド・マジシャン”の効果発動。フィールドにアンダーエンドモンスターが存在する場合、特殊召喚出来る。ただし、この効果で特殊召喚されたこのカードはフィールドを離れる場合、除外される」

 

アンダーエンド・マジシャン(地/魔法使い族/チューナー 星4)

ATK1000 DEF1200

 

「私は“アンダーエンド・マウス”を通常召喚する」

 

アンダーエンド・マウス(地/獣族 星2)

ATK100 DEF100

 

「私はレベル3“アンダーエンド・アサシン”とレベル2“アンダーエンド・マウス”にレベル4“アンダーエンド・マジシャン”をチューニング!

地獄に近き遥かな最下層の主よ。高貴なものの言葉に従いその力を振るえ! シンクロ召喚! レベル9! “アンダーエンド・エンペラー”!」

 

アンダーエンド・エンペラー(闇/悪魔族 星9)

ATK2900 DEF2000

 

「攻撃力2900の大型モンスターか」

「“アンダーエンド・エンペラー”の効果発動! シンクロ召喚成功時にフィールドの表側表示のカード全てにアンダーエンド・カウンターを置く」

「全てのカードにだと?」

 

アンダーエンド・エンペラー

AEC

0→1

 

覇王眷竜アンダーエンド・フュージョン・ドラゴン

AEC

2→3

 

魔界劇団カーテン・ライザー

AEC

1→2

 

魔界劇団-ワイルド・ホープ

AEC

1→2

 

魔界劇団-プリティ・ヒロイン

AEC

1→2

 

「更にシンクロ素材となった“アンダーエンド・マウス”の効果発動。お互いにデッキから1枚ドローする」

「お互いに?」

 

No.11

手札1枚→2枚

 

SAWATARI

手札4枚→5枚

 

「永続魔法“右と左”の効果発動。“覇王眷竜アンダーエンド・エンペラー”にアンダーエンド・カウンターを2つ乗せる。アンダーエンド・カウンターの数が変動したため“覇王眷竜アンダーエンド・フュージョン・ドラゴン”の攻撃力・守備力も変わる」

 

アンダーエンド・エンペラー

AEC

1→3

 

覇王眷竜アンダーエンド・フュージョン・ドラゴン

ATK2500→5500

DEF2500→5500

 

「攻守5500!? 化け物かそいつは!」

「更に“アンダーエンド・エンペラー”の効果によりアンダーエンド・カウンターが置かれた相手モンスターの効果は無効化される」

「はぁ!? ふざけんな! 俺のせっかくのショーが台無しじゃねぇか!」

「バトル。“覇王眷竜アンダーエンド・フュージョン・ドラゴン”で“魔界劇団カーテン・ライザー”を攻撃。終末のカタストロフ・ブレス」

「無視すんな! 俺はリバースカードオープン! “和睦の使者”! これにより俺のモンスターは戦闘では破壊されず戦闘ダメージも0になる!」

「……そう」

 

 “覇王眷竜アンダーエンド・フュージョン・ドラゴン”のブレスからの攻撃を使者たちが防ぐ。全身を真っ黒こげにされる姿は何処かシュールだった。

 

「私はこれでターンエンドよ」

「ふう、何とか耐え凌いだようだな……」

 

 沢渡シンゴは敗北しなかった事に安堵をした。あのまま攻撃を受けていたら沢渡シンゴは呆気なく敗北していただろう。

 

「さて! ではこちらの反撃だな! 行くぞ! 権現坂!」

「おう!」

 

GONGENZAKA

手札4枚→5枚

 

SAWATARI

手札5枚→6枚

 

「俺は手札からスケール1の“超重輝将ヒス-E”とスケール8の“超重輝将サン-5”でペンデュラムスケールをセッティングする! ペンデュラム召喚!」

 

超重武者ジシャ-Q(地/機械族 星4)

ATK900 DEF1900

 

超重武者テンB-N(地/機械族 星4)

ATK800 DEF1800

 

超重武者ビックベン-K(地/機械族 星8)

ATK1000 DEF3500

 

「っ!? 2体目のモンスターか!」

「その通り! 我が不動のデュエル、徳と見せようではないか! 俺は超重武者テンB-Nの特殊召喚時効果を発動する! これにより墓地より“超重武者ホラガ-E”を特殊召喚する!」

 

超重武者ホラガ-E(地/機械族/チューナー 星2)

ATK300 DEF600

 

「俺はレベル8“超重武者ビックベン-K”にレベル2“超重武者ホラガ-E”をチューニング!

再び現れよ! レベル10! “超重荒神スサノ-O”!」

 

超重荒神スサノ-O(地/機械族 星10)

ATK2400 DEF3800

 

「またか。だが俺の“魔人火炎砲(エグゾード・フレイム)”の効果は忘れてないよな? 俺は手札から最後の“封印されし右足”を墓地に送り“超重荒神スサノ-O”を手札に戻す! さぁ! 再び消え失せろ!」

「……墓地の“超重武者カゲボウ-C”の効果発動! 自分の超重武者モンスターが効果の対象になった時、墓地のこのカードを除外する事で効果を無効にして破壊する!」

「なっ!?」

「先ほどはあまりの衝撃でつい気が動転しまったがもうそんな真似はせん!」

 

 “魔人火炎砲(エグゾード・フレイム)”は薄く現れた“超重武者カゲボウ-C”によって跳ね返され破壊された。No.7は二度効果が通った事で今度も普通に効果が通るだろうと考えていただけに大きな衝撃を受けていた。

 

「っ! 俺は“魔人火炎砲(エグゾード・フレイム)”の効果で墓地の“封印されし右腕”を手札に戻す!」

 

No.7

手札3枚→4枚

 

「ならば今度はこちらから行かせてもらおう! 俺は“超重荒神スサノ-O”で“覇王眷竜エクゾディア・アポカリプス”を攻撃! クサナギソード・斬(ZAN)!」

「くっ!」

 

No.7

LP2000→1800

 

 No.7がライフ半分を犠牲に召喚した“覇王眷竜エクゾディア・アポカリプス”はそれ以上の守備力で攻撃してきた“超重荒神スサノ-O”によって正面から破壊された。とは言えお互いの攻撃力・守備力の差は僅かであったためライフの現象はほとんどなかった。

 

「まさか正面から打ち破られるとは……」

「これが俺の不動のデュエルだ。例えどれだけのモンスターを並べても打ち破る事など出来ないぞ!」

「マジかよ……」

 

 No.7は汗を流しつつ悪態をつく。

 

「更に俺は“超重輝将サン-5”のペンデュラム効果を発動する! “超重荒神スサノ-O”でもう一度攻撃を行う!」

「っ!? マジかよ!」

 

 No.7は慌てる。彼が伏せている最後のカードは“聖なるバリア-ミラーフォース-”であった。相手の攻撃時にモンスターを全滅させる強力な効果を持っているがそれはあくまで攻(・)撃(・)表(・)示(・)の(・)モ(・)ン(・)ス(・)タ(・)ー(・)の(・)み(・)。守備表示で攻撃を行う超重武者モンスターの攻撃を防ぐ事は不可能だった。

 そして、彼の手札にこの状況を打開できるモンスターや魔法・罠カードはなかった。守備表示であるためか胡坐をかきながら持っている矛を横なぎに払ってくる。それを見たNo.7は苦笑いを浮かべながらそれを受け入れた。

 

No.7

LP1800→0

 

「はは……。マジかよ……」

 

 圧倒的劣勢から覆されたNo.7は全身の痛みを感じながら仰向けに倒れ込む。そのまま大の字で天井を見ながら乾いた笑い声をあげた。

 これにより1勝1敗となり勝利の行方は沢渡シンゴとNo.11の戦いにゆだねられる事となった。

 

「いよいよ俺のエンタメデュエルが始められるぜ!」

「だけどその前に永続魔法“上と下”の効果を発動する。コイントスをしなさい」

「なら次も表でいかせてもらおうか」

 

 そう言うと沢渡シンゴはコイントスを行う。先程と同じようにくるくると回転して何回か地面を跳ね表面を晒した。

 

SAWATARI

手札6枚→8枚

 

「永続魔法“右と左”の効果で“覇王眷竜アンダーエンド・フュージョン・ドラゴン”にアンダーエンド・カウンターを2つ置く」

 

覇王眷竜アンダーエンド・フュージョン・ドラゴン

AEC

2→4

 

「アンダーエンド・カウンターが増えた事で攻撃力・守備力アップ」

 

覇王眷竜アンダーエンド・フュージョン・ドラゴン

ATK5500→6500

DEF5500→6500

 

「ふん! 問題はない。俺は“魔界劇団-ワイルド・ホープ”の効果発動! “魔界劇団-プリティ・ヒロイン”のペンデュラムスケールを9にする!」

 

魔界劇団-プリティ・ヒロイン

Pスケール

2→9

 

「これでレベル3から8までのモンスターが召喚出来る! ペンデュラム召喚! 現れろ! 俺様のしもべ達!」

 

魔界劇団-ファンキー・コメディアン(闇/悪魔族 星1)

ATK300 DEF200

 

魔界劇団-ティンクル・リトルスター(闇/悪魔族 星4)

ATK1000 DEF1000

 

魔界劇団-ビッグ・スター(闇/悪魔族 星7)

ATK2500 DEF1800

 

魔界劇団-デビル・ヒール(闇/悪魔族 星8)

ATK3000 DEF2000

 

「モンスターを一気に4体……!」

「その通り! お前のカードの効果で大量に手札に来たからな。更に“魔界劇団-ファンキー・コメディアン”の効果発動! 自分フィールドの魔界劇団モンスター×300攻撃力をアップする!」

 

魔界劇団-ファンキー・コメディアン

ATK300→1800

 

「更に“魔界劇団-ビッグ・スター”の効果発動! デッキから魔界台本魔法カード1枚をフィールドにセットする! そしてそのまま発動! “魔界台本「魔王の降臨」”を発動する! 俺様のフィールドの魔界劇団モンスターの種類だけフィールドのカードを手札に戻す!」

「!」

「俺の場には5種類の魔界劇団モンスターがいる。よってカードを5枚まで破壊する! おっと、一応言っておくが俺の場にレベル7以上の魔界劇団モンスターがいる場合このカードに対して効果を発動できないぜ」

 

 このカードを持ってきた“魔界劇団-ビッグ・スター”が台本を読み込む。すると紫の光が現れ対象となったカードに向かって行った。

 

「……だけど、“覇王眷竜アンダーエンド・フュージョン・ドラゴン”は対象に取れない」

「そんな事は織り込み済みだ! 俺様が対象にするのはペンデュラムスケールの“魔界劇団-ワイルド・ホープ”と“魔界劇団-プリティ・ヒロイン”、“魔界劇団カーテン・ライザー”、永続魔法“右と左”、“アンダーエンド・エンペラー”だ!」

「何!?」

 

 沢渡シンゴが破壊したのは半分が自身のカードだった。その行為にNo.11は怪訝な表情をするがその理由を察したのか目を見開いた。

 

「これで場のアンダーエンド・カウンターは大きく減ったな。効果もこれで無効化出来ないだろ」

「くっ!」

 

覇王眷竜アンダーエンド・フュージョン・ドラゴン

ATK6500→2000

DEF6500→2000

 

「……だけど、まだ攻撃力は3000あるわ」

「ちっちっち、甘いぞ。俺は“魔界劇団-ファンキー・コメディアン”の効果発動! このターンこのカードが攻撃出来ない代わりに自分フィールドの魔界劇団モンスター1体の攻撃力をこのカードの攻撃力分アップする! 俺が対象にするのは“魔界劇団-ティンクル・リトルスター”だ!」

 

魔界劇団-ティンクル・リトルスター

ATK1000→3100

 

「“魔界劇団-ティンクル・リトルスター”は俺のターンには戦闘で破壊されず、1度のバトルフェイズに3回攻撃出来る!」

「そ、そんな……!」

「行け! “魔界劇団-ティンクル・リトルスター”で攻撃!」

「くっ! きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

No.11

LP2000→900→0

 

 “魔界劇団-ティンクル・リトルスター”の連続攻撃を受けNo.11は大きく吹き飛ばされた。地面に強打されたNo.11はそのまま気絶したようで苦しみの表情のまま目を閉じていた。

 

「……No.7、ふがいないぞ」

「え? 俺だけ?」

 

 その様子を見たNo.6は唯一の勝利者という余裕からかNo.7にのみ苦言を呈す。一方のNo.7は自分だけ言われた事に驚きを隠せなかった。

 

「No.11はまだ幼い。リリーサーズの一員とは言え負ける事もあるだろう。だが、貴様は本気で挑んでそのざまだ。本来なら貴様に蹴りを入れこの収容所に置いていきたいくらいの失態だ。第一、貴様が勝っていれば何の問題はなかったのだ」

「それはそうだけどさ……」

 

 何か言い訳を言いそうになっているNo.7を無視してNo.6はカツカツと靴底を響かせながら遊矢たちの下に近づいてくる。

 

「何だ! まだやる気か!?」

 

 そんな彼女の前に沢渡シンゴと権現坂が立ちはだかる。とは言えNo.6は特にそれ以上は何もする気は無いようでその場で立ち止まり言った。

 

「榊遊矢。及びその他。約束通りだ。開放するように伝えておこう。精々この次元を味方につけられるように頑張る事だ。No.7、戻るぞ」

「へいへい」

 

 No.6は気絶したNo.11をお姫様抱っこで抱きかかえるとそのまま出ていく。痛みを堪えつつNo.7も立ち上がり彼女の後に続いていく。突然現れ嵐の如く周囲を巻き込んだ彼らはあっという間に去っていった。

 その後、彼らの釈放は決まるがそのすぐ後に評議会の使者を名乗る者たちによりランサーズと一部のコモンズは連れて行かれフレンドシップカップに出場する事が決まった。しかし、原作とは違い出場者は大きく変わっておりリリーサーズも参加する事になるのだった。

 




アンダーエンド・マウス(地/獣族 星2)
ATK100 DEF100
このカードがシンクロ素材となった時に発動する。お互いのプレイヤーはデッキから1枚ドローする

アンダーエンド・アサシン(地/戦士族 星3)
ATK200 DEF1000
このカード名の①による特殊召喚は1ターンに1度しか行えない。
①相手フィールドにあるアンダーエンド・カウンターが自分フィールドより多い場合このカードは手札から特殊召喚出来る。

アンダーエンド・マジシャン(地/魔法使い族/チューナー 星4)
ATK1000 DEF1200
自分のメインフェイズに発動できる。自分フィールドに「アンダーエンド」モンスターが存在する場合、墓地のこのカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターはフィールドを離れる時除外する。

アンダーエンド・エンペラー(闇/悪魔族 星9)
ATK2900 DEF2000
「アンダーエンド」チューナー+チューナー以外の「アンダーエンド」モンスター2体以上
①このカードがシンクロ召喚に成功した時に発動できる。お互いのフィールドの表側表示のカード全てにアンダーエンド・カウンターを一つ置く。②このカードが表側表示で存在する限り相手のアンダーエンド・カウンターを持つカードの効果は無効化される。③相手のカードに置かれているアンダーエンド・カウンターが取り除かれた時に発動できる。取り除かれたアンダーエンド・カウンター×300のダメージを与える。
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