遊戯王ARC-V 黒竜を従えしデュエリスト   作:鈴木颯手

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第三十三話「クーデター」

「赤城リョーマ様、プロフェッサーがお呼びです」

 

 シンクロ次元でフレンドシップカップが開催されている中、融合次元のアカデミアにて赤城リョーマはプロフェッサーからの呼び出しを受けていた。既に彼の下にはデニス・マックフィールドの一件が伝えられておりこのよびだしが何を意味するのか理解していた。」

 

「分かった。直ぐに向かおう。プロフェッサーからは何か、聞いているか?」

「いいえ、ただ直ぐに向かうようにと指示を受けていますのでなるべく早めにお願いします」

「ああ、そうする」

 

 赤城リョーマはそう言って自室からアカデミア生を追い出すように外に出した。廊下に誰もいない事を確認したリョーマは支給されているアカデミア製のデュエルディスクを破壊した。そして、ベッドの下より箱を取り出すとそこに入っていた黒いデュエルディスクを取り出し左腕に装着し、起動した。

 

「全リリーサーズに告げる。時は満ちた。我が悲願の為、デュエルアカデミアを制圧する。各自、行動に移れ!」

 

 デュエルディスクの通信機能を使ってそう叫ぶリョーマに続々と了解という言葉が届いてくる。それを確認したリョーマは勢いよく扉を開けるとプロフェッサーの下へと歩いていく。

 暫くするとざわめきが広がり、デュエルの戦闘音らしきものが響き渡って来る。アカデミアは混乱状態に陥っている様で彼の前後左右をアカデミア生が慌てた様子で駆け回っている。

 

「赤城リョーマ! 貴様、なにを……!」

「うるせー! 隊長の邪魔をするな!」

 

 一人の教官が赤城リョーマの前に立ちふさがるもそんな彼の頭に小さな女子が膝蹴りを当てて吹き飛ばした。その女子は釣り目の瞳をキッと睨みつけ犬歯をきらりと光らせながら教官に向かって叫ぶ。

 

「お前は俺が相手してやる! かかってこい!」

 

 そう言って少女、No.20はデュエルディスクを構える。教官は頭を抑えつつもデュエルディスクを構えてそのままデュエルに入った。リョーマはその様子を確認した後に再びプロフェッサーの下に向かって行った。

 そして、プロフェッサーがいる玉座の間にやってきたリョーマは険しい視線で睨んでくるプロフェッサーを見る。

 

「何か用ですかな? プロフェッサー」

「貴様! 何をした!」

「別に、ただのクーデターですよ」

「っ!」

 

 プロフェッサー赤馬零王は怒りの表情で立ち上がるとつかつかと彼に歩み寄って来る。そして、彼の前まで来ると胸倉をつかみ上げた。

 

「っ! プロフェッサー、苦しいです。離してくれませんかね?」

「黙れ! 前からそうだった! アカデミアの生徒でもなく教官でもない! バレットのような傭兵でもない! 貴様は一体何者だ!」

「……誰だっていいでしょう?」

 

 そう言うとプロフェッサーの腹を蹴り拘束から脱出するリョーマ。彼はそのまま後方に下がると左手のデュエルディスクを構えた。

 

「貴方の時代は終わりを迎えます。これからは私の時代となります」

「馬鹿な……! 貴様に従う者など部下以外にいるはずが……!」

「それはこれから分かりますよ」

 

 そう言うと同時にリョーマのデュエルディスクに通信が入る。リョーマはスピーカーモードに設定して通信を開いた。

 

『隊長、ドクトル以下研究陣の拘束に成功しました』

「ドクトルはどうなっている?」

『今まで通り研究出来るのならこちらに従うと言っております。大半の研究者も同じ考えの様です』

「分かった。No.1はそのままそいつらを監視せよ。場合によっては交戦も許可する。ただし、死(・)ぬ(・)な(・)よ(・)?」

『勿論です。隊長についていくと決めた以上、最後まで付き従いたいと思います』

 

 そう言うと通信は切れた。リョーマはプロフェッサーの方を見て言った。

 

「どうやら掌握する手立てはつきそうですよ」

「まさか!? ドクトルのパラサイトモンスターを使う気か!」

「あれなら戦力低下の恐れもありません。尤も、未だ完成には至っていないようですが」

「させん! そんな事はさせんぞ!」

「それなら、力づくで止めてみてくださいよ。プロフェッサー」

「……良いだろう。目的の達成まであと少しなのだ。ここで貴様に邪魔をさせる訳にはいかん!」

 

 そう言うと二人はデュエルディスクを構え同時に叫んだ。

 

「「デュエル!」」

 

 こうしてアカデミアの命運をかけたデュエルが開始されるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「バトル! “サイバー・ツイン・ドラゴン”で2回目の攻撃! エヴォリューション・ツイン・バースト!」

「ぐぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 No.20は自らのモンスターで戦っていたアカデミア生に止めを刺した。既に10人抜きを達成しており彼女の周りを囲む生徒たちは顔を引きつらせていた。

 

「さぁ! 次は誰が相手だ!? 今の雑魚みたいに軽く片付けてやる!」

「……ならば次は私が相手しよう」

「あ?」

 

 No.20は突如名乗り出た者の方を見る。そこには生徒とは違い難いのいいおっさんがいた。

 

「あ? 誰だてめぇ」

「私はバレット。セレナ様の監視役だったが今は任務を解かれアカデミアで待機していた者だ」

「はん、侵攻にすら行けなかったお荷物かよ。そんなお前が相手になるのか? まぁ、いいさ。さっさと潰してやるよ!」

「「デュエル!」」

 

No.20 VS BARRETT

 

「先行は貰ったぁ! 俺は手札から“融合”を発動! 手札の“サイバー・ドラゴン”2体で融合!

めっちゃカッコいい機械の龍を1つにして最強の龍に変形合体! 融合召喚! “サイバー・ツイン・ドラゴン”!」

 

サイバー・ツイン・ドラゴン(光/機械族 星8)

ATK2800 DEF2100

 

「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ!」

「私のターン! ドロー!」

 

BARRETT

手札5枚→6枚

 

「私は手札より“キャリア・センチネル”を召喚する!」

 

キャリア・センチネル(闇/機械族 星4)

ATK1000 DEF1600

 

「“キャリア・センチネル”の効果によりデッキから獣戦士族モンスター1体を手札に加える。私が手札に加えるのは“漆黒の戦士 ワーウルフ”! そして手札より“獣闘機融合装置(ビーストボーグ・フュージョナー)”を発動する! この効果によりフィールドの“キャリア・センチネル”と“漆黒の戦士 ワーウルフ”を融合する!

牙向く戦場の狼よ! 歴戦の番兵と一つとなりて新たな野獣の勇者となれ! 融合召喚! 現れいでよ! レベル6! “獣闘機(ビーストボーグ)ウルフ・ケンプファー”!」

 

獣闘機(ビーストボーグ)ウルフ・ケンプファー(闇/機械族 星6)

ATK2200 DEF1400

 

「攻撃力2200? そんな程度のモンスターで俺にどう勝つつもりだぁ?」

「攻撃力が全てではない。この程度、どうにでもなる。私はカードを3枚伏せてターンエンドだ」

 

 

No.20 LP4000

手札0枚

モンスター

サイバー・ツイン・ドラゴン(攻撃表示)

魔法・罠

セット

セット

 

BARRETT LP4000

手札1枚

モンスター

獣闘機(ビーストボーグ)ウルフ・ケンプファー

魔法・罠

セット

セット

セット

 

 

「行くぜ! このターンで決めてやる! ドロー!」

 

No.20

手札0枚→1枚

 

「バトル! “サイバー・ツイン・ドラゴン”で“獣闘機(ビーストボーグ)ウルフ・ケンプファー”を攻撃! エヴォリューション・ツイン・バースト!」

「無駄だ! 永続罠“黄鎖の獣闘機勲章”を発動する! この効果により“サイバー・ツイン・ドラゴン”は攻撃出来ず表示形式を変更できない!」

「なっ!?」

「更にそのモンスターの攻撃力の半分の数値だけ自分フィールドの獣闘機(ビーストボーグ)モンスターの攻撃力をアップさせる!」

 

 “黄鎖の獣闘機勲章”より鎖が“サイバー・ツイン・ドラゴン”に向かって放たれる。しかし、それを見たNo.20は勝気な笑みを浮かべて次の手を打っていた。

 

「リバースカードオープン! “融合解除”! “サイバー・ツイン・ドラゴン”をデッキに戻し墓地から“サイバー・ドラゴン”2体を特殊召喚する!」

「成程、回避の手段は残していたか。だがこれで貴様のモンスターの攻撃力は“獣闘機(ビーストボーグ)ウルフ・ケンプファー”を下回ったぞ」

「ふん! その程度の事は問題なしだ! 俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ!」

「では私のターン!」

 

BARRETT

手札1枚→2枚

 

「……私は速攻魔法“サイクロン”を発動する! 先ほど伏せたカードを破壊させてもらおう」

「くっ!」

 

 “サイクロン”で破壊されたのは“リミッター解除”。ターン終了時に破壊される代わりに機械族モンスターの攻撃力を2倍に出来るカードだった。攻撃宣言時に使われていれば返り討ちに遭っていただろう。

 

「ではバトルだ! “獣闘機(ビーストボーグ)ウルフ・ケンプファー”で“サイバー・ドラゴン”を攻撃!」

「ぐっ!?」

 

No.20

LP4000→3900

 

「私はこれでターンエンドだ」

 

 

No.20 LP3800

手札0枚

モンスター

サイバー・ドラゴン(攻撃表示)

魔法・罠

セット

 

BARRETT LP4000

手札1枚

モンスター

獣闘機(ビーストボーグ)ウルフ・ケンプファー(攻撃表示)

魔法・罠

セット

セット

 

 

 盤面は膠着状態と言えた。とは言えNo.20が劣勢でありこのままでは敗北するだろう。

 

「俺のターン! ドロー! ……よし!」

 

No.20

手札1枚→2枚

 

「俺はリバースカード“針虫の巣窟”を発動する! これによりデッキトップを5枚、墓地に送る!」

「墓地肥やしか」

 

 バレットはそのカードの有用性に気付きNo.20はデッキの上から5枚を墓地に送るが送られたカードを見て笑みを浮かべた。

 

サイバー・ドラゴン

サイバー・ドラゴン・コア

サイバー・ドラゴン・ヘルツ

サイバー・ドラゴン・コア

サイバー・ドラゴン・ドライ

 

 仕組まれていると言われても可笑しくない程の好条件でありNo.20は勝ちを確信した。

 

「魔法カード“オーバーロード・フュージョン”を発動! 墓地の“サイバー・ドラゴン・コア”2体をゲームから除外して“キメラテック・ランページ・ドラゴン”を融合召喚する!」

 

キメラテック・ランページ・ドラゴン(闇/機械族 星5)

ATK2100 DEF1600

 

「新たな融合モンスターかならば私は永続罠“鉄鎖の獣闘機勲章”を発動する! これにより“キメラテック・ランページ・ドラゴン”は表示形式の変更及び攻撃が封じられる!」

「そんなカード俺のモンスターに効く訳ないだろ! “キメラテック・ランページ・ドラゴン”の召喚時効果発動! 融合素材にした数だけ相手の魔法・罠カードを破壊する! 俺はお前の2枚のカードを破壊する!」

「何!?」

 

 伏せられたカードが消えた事でバレットの特異なロック戦術は出来なくなった。しかし、融合召喚された“キメラテック・ランページ・ドラゴン”は“獣闘機(ビーストボーグ)ウルフ・ケンプファー”より劣っており攻撃は出来ないだろう。

 

「そんな事は問題ない! 俺は速攻魔法“リミッター解除”を発動! これで俺の機械族モンスターたちは攻撃力が2倍になった!」

「っ! まだ持っていたのか!」

 

サイバー・ドラゴン

キメラテック・ランページ・ドラゴン

ATK2100→4200

 

「いけ! “キメラテック・ランページ・ドラゴン”で攻撃!」

「ぐっ!」

 

BARRETT

LP4000→2000

 

「続けて“サイバー・ドラゴン”で止め! エヴォリューション・バーストォォッ!!!」

「があぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

BARRETT

LP2000→0

 

 “サイバー・ドラゴン”のブレスを受けてバレットは吹き飛ばされた。No.20は危なかったと思いつつも不敵な笑みを浮かべる。

 

「さて、次はどいつだ?」

 

 No.20はそう言うと不敵な笑みを浮かべるのだった。リリーサーズによるクーデターは、始まったばかりである。

 

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