クワガノンとカントーで生き抜く   作:クワガノンが好きなんだ

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前回のあらすじ
目が覚めると体が縮み、森スタートだった主人公ことシロツメ。
母からの最初にして最後の手紙を読み、この世界を絶対生き抜くと決める。
手紙と共に置かれていたクワガノンと共に、トキワの森の脱出を試みる!


三日月の夜、出会う

「ま、まさかトキワの森がここまで広いとは…」

 

歩き過ぎて木の下の休憩を挟んだ俺は、予想以上の広さにまいっていた。クワガノンはそんな俺を心配するように隣に居た。

もう三日から四日は余裕で過ぎていると思う。いや、もしかしたら一週間は過ぎているかもしれない。もう日付感覚すら怪しいのだ。

 

幼児の体に森の中はきつい。体が小さいから歩幅が小さい上に、よく躓く。

改めて考えると本当にきつい状態だ。

 

季節は春なのか、秋なのか。とりあえず過ごしやすい日照りではあると思う。できれば春がいいなぁ、なんて。

 

「まぁ、考えてても仕方ないよな…」

 

俺は立ち上がると、また歩き始める。

とりあえず、歩けばいつかは出られると思う…。多分…。

 

 

マジで出られない…。

 

もう季節も変わり、夏になっている。まってこれ半年ぐらいは過ぎてないか?

捨てられたのが秋じゃなくて春でよかったのかもしれない。流石に冬までには出たいなぁ…。

 

延々と森を今日も歩く。

 

クワガノンはたまに野生のポケモンにちょっかいかけられてたが、電気で軽く脅して追い払っていた。たしかアゴジムシは20レベル以上が進化で必要で、進化にはかみなりのいしかポニ島大峡谷でのレベルアップが必要だったはず。

だったらトキワの森程度なら余裕かもしれないな。

 

少し日の暮れかけた頃、そろそろ野宿の準備でもしようかと思うと、いつもはしない人の声が少し聞こえてきた。

ついに自分の耳も狂ったかと思いつつ、頼みをかけてその方向へ歩く。いや、走ったの方が正しいのかもしれない。

木々が少なくなっていく、そして視界が一気に開けた。

 

二番道路だ。

 

出られた。約半年ほど彷徨った森を出られたのだ。

 

「っ…しゃあ!!!」

 

自分でも信じられないほどデカい声が出たと思う。

もう完全に日が暮れた二番道路には、人は居なかった。

 

「やっっと出られた…クワガノン、俺たちやっと出られたんだ!!」

「ジジッ!」

 

俺は自然と涙が溢れた。クワガノンはそんな俺を支えるように静かに隣の地面に降りる。

しばらく俺が泣いていて、どれだけ時間が経ったのか分からない頃、月に照らされた人の影が見えた。

 

「やぁ、こんばんは」

 

二十代くらいの男性が優しく声をかけてきた。まだ涙の渇ききっていない頬を俺は拭う。

 

「…こんばんは」

 

俺は少し間を開けてそう返した。多分棒読み気味だったと思う。

俺は少しコミュ障の入った元大学生だ。知らない大人に話しかけられたらそりゃ身構えるし普通に怖い。

 

「ああ、ごめんね。僕はヒロキ、トキワシティでジムトレーナーをしてるんだ」

「シロツメ…で、す…」

 

最後の方が少し小さくなってしまった。ああ、やらかしたかも。愛想もクソもないなこれ。

ヒロキさんは困ったように笑うと、俺の目線までしゃがむ。

 

「君、お父さんやお母さんは?なんでここにいるの?」

「…父は、知りません…母は多分…亡くなってる、と…」

 

俺はクワガノンの少し後ろに行くと、息を吐いた。

トキワジムといえばグリーンかサカキがジムリーダーをしてた筈。ジムリーダーが誰かによって、ヒロキさん堅気じゃないかもしれない。

 

こえええええええ!!!そう思うとこの人超こえええええ!!!

 

俺がヒロキさんにビクついていると、ヒロキさんは目を少し閉じて、考え込む。

そして目を開けた。

 

「もし良かったらなんだけど、僕に拾われてみない?」

 

…はい?

も、もしかして今のジムリーダーはサカキじゃない?グリーンさんか?ならこの人堅気?ヤクザじゃない?

だって捨て子を拾うなんて善行、ロケット団がやると思えないし…。

え、じゃあ拾われた方が良くない?だってあてもないしこの機会逃したら永遠に野宿の可能性あるし。

 

「…拾われて、みます…」

 

 

side ヒロキ

 

ジムトレーナーとしての地域の見回り中、少年を見つけた。推定4歳程度で、あまり見ないポケモンと一緒にいた。

僕が声をかけると、僕を少し睨むような目で見上げる。

 

「…こんばんわ」

 

そう、遠慮がちに返す。

僕が両親のことについて聞くと、彼は両親がいないと言う。そう言うと、ポケモンの後ろに隠れるように動いた。

んー、これはジムトレーナーとして保護すべきだな。それにそのポケモン、気になるし…。

 

「もし良かったらなんだけど、僕に拾われてみない?」

 

いやー、まさか僕が子供を拾うことになるとはなぁ。

 

それから僕とシロツメくんの生活が始まった。シロツメくんは4歳ぐらいにしてはえらく大人びていて、ポケモンについての知識はそこらへんのトレーナーを軽く超えていた。

彼のポケモンはクワガノンというらしく、でんき・むしタイプ。シロツメくんが言うにはアローラ地方のポケモンらしい。

最初の一週間は距離があったと思うが、一ヶ月一緒に過ごしていると、家事とかを進んで手伝ってくれるようになった。

クワガノンは俺の相棒であるサンドパンと仲良くなっていて、兄弟のようだと思った。

 

なんだか、これから楽しそうだ。




思いつくうちに投稿してしまおうという魂胆。
誤字脱字があれば遠慮なくいってくれると嬉しいです。
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