やらかしをなんとか誤魔化したシロツメ。
窓の外を眺めていると未来のチャンピオンと目が合い未来でのバトルフラグが立ってしまった。
目と目があったらポケモンバトル(未来)である。
あ、どうもシロツメです。
なんでいつもよりテンション低いかというとこれから地獄の時間が再び始まるからです。
俺は今ヒロキさんとバトルトレーニング(という名の修行)中でその休憩中なのだ。クワガノンもヒロキさんのサンドパンとディグダと訓練で、終わった後は二人でヘトヘトになっている。
「さっ、シロツメくん。もう三分経ったし休憩終わりだよ!立って立って!」
この男、優しそうに見えてかなりのスパルタだな!?推定5歳児にんなことさせるなよ!
あ、言ってなかったがジムの件からもう約一年ぐらいは経っている。
最初は俺がこの世界でのバトルの常識というものがわからず、学ぶ為にも強くして欲しいと頼んだんだが、この人思った以上に厳しかった。
何?軍の教官か何か?それともジムトレーナーはみんなこうなの?
簡単にトレーニング内容を説明すると、まず朝5時には起きて朝の走り込みでその後は朝食で朝食が終われば8時までヒロキさんとのバトルで9時からヒロキさんはジムに行くから戻ってくるまでポケモン知識をひたすら勉強しひたすらクワガノンと技の打ち込みをしヒロキさんが夕方5時半に戻ってくれば走り込みとバトルで風呂入って夕食で就寝である。水曜が休みなだけまだマシかもしれない。
「ほら、技の判断が遅れてるよ!すなかけ!」
「ジジッー!」
「クワガノンごめんマジごめん!!」
いつもバトル訓練とかではヒロキさんは一つの技だけを打ち込んでくるというルールがある。今日はディグダのすなかけで、ひたすらそれを打ち込まれている。
もうクワガノンと俺は砂だらけだ。命中率100のすなかけどう突破しろってんだよ…。
「すなかけ!」
「砂飛んできた方にシザークロス!!」
すなかけなら命中してもいいからとにかくディグダにシザークロスでダメージを与えたい!
あ、シザークロスはなんかヒロキさんのジムトレーナーとしての権力で技として認められました。権力ってすごーい。
「すなかけ!」
「シザークロス!」
「すなかけ!」
「むしのさざめき!」
「すなかけ!」
「シザークロスウウ!!」
ずっとこの繰り返し。
たまに俺が違う技出すよう指示するけど大体シザークロス、ヒロキさんもすなかけしか指示できないからすなかけ。
ヒロキさんのディグダは必ずすなかけを外さない。なんなんだよお前固定砲台かよ!もうクワガノンの命中率下がんねーよ!
ああ、そういえばなんだがこの世界にPPという概念はない。ただ同じ技をずっと打ち続けると動きが鈍くなるだけだ。
それはバトルにおいて致命的なんだよなぁ…。
「今日はここまで!お疲れさま、シロツメくん、クワガノン」
「お疲れ様っした…」
「ジジ…」
俺はクワガノンの方にふらっと歩くと、クワガノンの砂を落とす。
「今日も一発しか入れられなかったな、クワガノン…」
「ジ…」
「いやいや、あれだけすなかけくらって一発ディグダに入れられただけすごいよー?」
「あんたは黙っててください」
無駄に笑顔が輝いているヒロキさんを横にクワガノンの砂を大体落とし、自分の服についた砂を払う。
「いつか絶対全部技当ててやる…」
「ははは、楽しみにしてるよ」
くそ、これがベテランのジムトレーナーか…。
side ヒロキ
僕はシロツメくんが完全に寝たのを確認すると、腕時計を見る。もう夜の11時だ。
僕は黒い仕事用のシャツを着て、その上に青いジャケットを羽織る。
ディグダを念のため家に残し、外に出た。
もう例年だと雪の降る頃だというのに、今年は妙に暖かい。と、言っても寒いものは寒いもので口から白い息が吐き出されるのは変わらない。
昔からトキワシティは自然に囲まれた豊かな都市だ。
クチバみたいに港として栄えているわけでもなく、ヤマブキのように大都会であるわけでもない。正直言えば、他の人から見たら魅力なんてまるでないかもしれない。
しかし、僕にとってはどんな他の都市よりも魅力的で自慢できる街だ。
僕はこの街で育った。カントー各地を旅したが、僕が一番だと思ったのはこの街だった。
しかし残念なことに、この街の夜は少々治安が悪い。チンピラとか、ワル気取りの奴らが闊歩する。
毒をもって毒を制すというように、そういう奴らには悪をぶつけるに限る。
つまり僕はジムトレーナーだが、同時にロケット団の構成員であるというわけだ。勘違いして欲しくないのは、したっぱみたいなああいう分かりやすい悪じゃないってこと。
僕は俗に言う、トキワ限定のダークヒーロー的な感じかな?
まあ、トキワ以外の街なんて知ったことじゃないけど。
なんか思った以上に評価していただいていて少し怖くなっています。
こんな駄作ですが今後ともよろしくお願いします。