攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
さて一同席について少ししてから、店員さんがやってきてそれぞれに注文を取ってきた。
なんでも今日はコース料理で予約しているとのことなんだけど、それはそれとして別途注文も受け付けているらしい。
どれどれとメニューを見る。俺を挟んで座る香苗さんとシャーリヒッタも一緒だね。
コース料理の内容はサラダだのフライドポテトだの唐揚げだの揚げ物系に加えて、地元の食材を使っての和風料理もいくつかある。
ネギのたっぷりかかったお揚げさんとかめっちゃうまそう。写真つきのメニューからもう食欲を刺激されつつも、ひとまずはドリンクということで葵さんがみんなに確認を取った。
「えーっとまずアルコールの人から。ビールの人ー」
「まあ最初はな」
「とりあえずビール──いやあ、地味にこれもジャパニーズ文化ですねえ」
「そりゃあんた、酒ときたらまずはビールさね」
サウダーデさん、ベナウィさん、マリーさんがそれぞれビールを注文するのに挙手した。"とりあえずビール"なんて生で聞くのは初めてだよ、なんか感動!
ていうか、やっぱり酒飲みはまずビールからなんだな。うちの父ちゃんも家で飲む時は大体ビールから入ってそこからアレコレ飲んだりしてるしね。
続いて香苗さんに葵さんもビールを頼み、計5人が"とりあえずビール"を頼んだ。
そしたら次、葵さんが見るのはエリスさんにヴァールだ。見かけはともかく中身は立派な大人な二人もまた、アルコールを嗜むつもりらしいね。
「お二人はどうされます?」
「私はハイボールを。エリスは?」
「ハッハッハー、私はいきなり日本酒いっちゃいまーす! あ、店員さんこちらを。実は私らこれで成人してまして」
「え……と。あ、はい。失礼いたします」
ビールではなくウイスキーの炭酸割りと、いきなり日本酒を頼む二人が揃って何やらカードを店員さんに差し出した。
探査者証だ……見た目少女だから、年齢確認のために見せてるんだね。たしかエリスさんはWSOのほうで年齢を偽装してるんだったか? ヴァールってかソフィアさんはどうなんだろう。
店員さんは証明書と実際のお二人を見比べ、目を丸くして驚いていた。特にヴァールのほうを見て唖然としているから、たぶんソフィア・チェーホワだと気づいたんだろうね。
WSO統括理事がまさか来店するとは思ってなかったんだろうけど、それでも驚愕を見せたのは一瞬だけですぐに笑顔に戻ったあたりプロ中のプロだと言うしかない。すごいなー。
「確認いたしました。それではビールが5つにハイボールがお一つ、日本酒がお一つですね。日本酒はお猪口はいくつご用意いたしましょうか」
「あ、とりあえず一つでお願いします」
「かしこまりました」
「じゃあ次はジュースですね! 山形くん、どうぞ~」
さすがはWSO直々の証明書、日本においても効力は絶大だぜ。
恙無くアルコールを注文できたエリスさんにヴァールも、それぞれの証明書をしまいつつ頬を緩め、小声でやり取りしている。店員さんには聞こえないにしろ、探査者たる俺達にはまあまあ聞こえる声量だ。
「ハッハッハー、エリスさん万年25歳設定ってのはありがたい話ですねー。ソフィアさんやヴァールさんも対外的な年齢くらい誤魔化せばいいのに」
「お前の場合はメディアに顔見せすることはないから誤魔化しようもあるが、ワタシやソフィアの場合それができないからな……結果、今では不老不死の魔女扱いだ。強ち間違いとも言えんのが辛いところだな」
あー……エリスさんはともかくソフィアさんは統括理事として永年WSOに君臨してきたから、年齢的にはどうあがいてももう誤魔化しようも何もあったもんじゃないんだね。
たしかに、うちのじいちゃんが若い頃からアイドル扱いすらされてるしなあ。今さら20代ですとか言ったところでジョークくらいの扱いで終わっちゃうよな。
社会的地位のある不老者という、特異な立ち位置ゆえの苦労を垣間見つつもこれで大人組は注文が終わった。次は子供組だね。
葵さんがこちらに水を向けてくる。俺やリーベ、シャーリヒッタはそれまでに決めていたドリンクをそれぞれ、店員さんに頼んだ。
「あ、えーっと僕はコーラで」
「じゃあオレもそれで! お揃いだぜ!」
「んー……そしたら私は、オレンジジュースをお願いしますー」
「コーラ2つにオレンジジュースお一つですね。承りました」
メニューを見るにジュースもいろんな種類、あるみたいだけどここは無難にコーラを頼む。大人達がとりあえずビールならこっちはコーラだ、とりあえずコーラ。
シャーリヒッタも俺に合わせてコーラを頼み、リーベもオレンジジュースを注文していた。リーベはともかくシャーリヒッタ、炭酸とか大丈夫かな? 受肉して初めて飲むジュースだろうし、あのパチパチ感は人によって合う合わないもあるからね。
店員さんが席を立つ。ドリンクに合わせてコース料理も持ってきてもらえるみたいだ。
しばしの待機時間。思い思いに話が弾んでいく中、リーベが笑ってシャーリヒッタに話しかけていた。
「シャーリヒッタ、もしもコーラ飲めなかったらリーベちゃんのと交換しましょうかー! 万が一、万が一!」
「え? お、おう? え、そんなクセとかあるタイプなのか、コーラって」
「コーラと言うか炭酸飲料が、ですねー。リーベちゃんの友達の探査者の子にも、あのシュワシュワが苦手ーって人がいますよー」
どうやらリーベは、シャーリヒッタがもしも炭酸飲料が飲めないとなった時用にオレンジジュースを頼んだらしい。気配りの天使だ……
炭酸飲料って意外と好き嫌い分かれるみたいだからね。そういうところを気にしていけるの、リーベの対人能力と言うかコミュ力と何より優しさを感じるよ。いい子だなあ。
1000話到達しました、ありがとうございますー
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