攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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巨大ベーコンやら巨大ダンゴムシやらよりもよっぽどヤバいぞ、フルパワー山形くんビーム!

『喫茶店の前なう』

『喫茶店前にいますー』

 

 ……と、グルチャにてメッセージを二人して送る。俺と松田くんも喫茶店に入っちゃおうかとも思ったけど、その場合俺達まで何かしら注文しないといけなくなりそうだから止めとこうってなった。

 別に今、何かを飲み食いしたいわけじゃないしね。それをするならさっさと自由研究とか終わらせて、最寄りの商業施設にまで行ってガッツリと食べるよ。

 

 メッセージは迅速に向こう側に伝わったみたいで、視線の先、テーブルに向かい合って座る梨沙さんと木下さんが揃ってこちらに振り向いた。

 目が合ったので手を振る。2人もそれに応えてくれて、さっそく立ち上がりレジまで会計をしに行った。

 そうしてものの数分としないうちに、俺達は合流を果たしたのだった。

 

「おひさ、公平くんに松田くんも。元気してた?」

「山形くんはともかく松田ー、遊び呆けてたんじゃないのー?」

「そりゃお前もだろ木下ぁ」

「ははは……まあ、ご覧の通りでお互い元気って感じだね」

 

 女性陣とは香苗さんの実家にお邪魔していたタイミングで会ってたから概ね10日ぶりくらいだけど、松田くんや片岡くんとは夏祭り以来会ってないからもう半月以上も会ってないことになるんだな。

 女性陣も俺以外の男子陣とは会ってなかったみたいなので久々の再会って感じだけど、まあ一年二年会わないならともかく半月程度じゃそうそう変わることもない。

 

 いつものノリ──もちろん図書館内だから迷惑にならないように小声だけれど──で、俺達は笑顔と言葉を交わしていた。

 梨沙さんが俺の傍に寄って、話しかけてくる。

 

「公平くん、大丈夫だった? こないだ会って一緒に遊んだ後、また怪獣騒ぎがあったけど……」

「怪獣……? ああ、アレか。うん、大丈夫大丈夫。一応俺も絡んではいたけど、アレを直接どうにかしたのは俺と一緒だった探査者のみなさんだしね」

「そうなんだ、良かった……」

 

 なんとも心配そうな瞳に笑いかける。

 彼女曰くの怪獣騒ぎというのはこないだ、女性陣と遊んだ数日後に決着をつけた倶楽部幹部、火野源一が変化したバグモンスターとのバトルのことだね。

 

 そもそもそれ以前にも青樹さん絡みで全国区のニュースに報道されるくらいの大事になっており、そのことでもずいぶん梨沙さん達の不安を煽ってしまっていた。

 そこに火野のことがあり、こうして見るからに心配してくれているんだろう。

 

 まあ、俺が今答えた通りやつについては俺が直接戦ったわけじゃないからね。精々風穴開けたくらいか。

 あの時の俺はむしろ鬼島の相手のため、概念領域にまで足を運んでいたわけなので実質ほぼノータッチだったりする。決着をつけたのもエリスさんだからね。

 そのへんはぼかしつつ心配ご無用と伝えると、梨沙さんはホッとした様子で胸を撫で下ろすのだった。

 

「グルチャでも元気そうだから、大丈夫だとは思ってたけど……やっぱり直接見たらホッとするね、えへへ」

「短期間で二回目の怪獣騒ぎで、こっちもしっかり全国テレビでニュースになったもんね。名だたる探査者達の大活躍! ってことで山形くんはそこまで話題じゃなかったけど」

 

 案の定なんだけど、火野との決戦もバッチリ全国区のニュースとして報じられていたりするんだよね、実際。

 青樹さんの件からしてそうだったので同様の扱いなのは当然なんだけど……火野の時は俺が表舞台にいなかったからか、そこまでシャイニング山形を擦られることがなかったので助かるーってなった覚えがある。

 

 代わりにベナウィさんやサウダーデさん、香苗さんなどド派手なエフェクト持ちの探査者が戦いまくったからか、彼ら彼女らの活躍にクローズアップした報道が盛んだったね。

 そうした話に付随してか、松田くんがそう言えばと切り出した。

 

「あの騒動の途中、なんかよく分からんビームみたいなのが出て、しかも宇宙の観測できないようなところにまで伸びてたって聞くけど……アレなんだったんだろうな? ワイドショーとかでも詳細不明としか言ってないし」

「…………えっ」

「あー、アレね。オカルト雑誌とか陰謀論界隈がやたら盛り上がってるみたいだけどなんだったんだろ? 山形くんは何か知ってる? 現地にいたんでしょ?」

 

 俺が概念領域から帰ってきた直後にぶっ放し、バグモンスター火野の身体に大穴を開けてみせたフルパワー山形くんビーム。

 アレについてはどうも、既存のあらゆるスキルの枠を超えた威力と規模だったためか、まさか一探査者の仕業とも思われずに怪奇現象扱いされているらしい。怖ぁ……

 

 いやでも、正直アレが俺の仕業ってバレてないのはすごく助かる。

 いくらなんでも威力とか範囲が異常すぎたからね。俺のスキルによるものだとバレたら、悪い意味で大事になるのは避けられないだろうし。

 さしもの伝道師さんもあのビームについては吹聴しないあたり、本当にヤバい代物だってのを逆説的に証明しちゃってさえいるんだよね。

 

「……いやーなんなんだろうね? 俺もさっぱり分かんなくて。現地にはいたけど、現場からは離れてたからさあ、アハハ」

 

 なので俺としては尋ねられてもこう答えるしかないのだ。

 咄嗟の脊髄反射だったとは言え、迂闊な真似をしちゃったもんだよ。現世で全力を出すのはもう二度としないように努めよう……と、笑って誤魔化しながらも俺は心に誓うのだった。




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