攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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勉強は終わり!遊びの時間だァァァッ!!

 派生スキルの説明までつらつらと、脳内のアルマに向けて行いながらも俺はノートにペンを走らせる。

 かつてのリーベもそうだったけどこういう時、脳内で話し相手がいるってのは助かるよ。自分の考えを整理するのに程よいわけだしね。

 

 机に向かって事典を開き始めてほぼ一時間くらい。もうそろそろ11時ってあたりになる頃合い。

 粗方情報も纏め終え、後は本番の方眼紙にまとめて書くだけだなってきた俺はノートを閉じた。少なくとも今日、図書館まできた目的はこれで概ね果たしたからね。

 軽く背筋を伸ばし、一息つける。

 

「ふぅ……」

「お疲れ様、公平くん。もう目処が立ったんだね」

「ああ、梨沙さん。うん、お陰様でね」

 

 隣で片岡くんの手伝いをしていた梨沙さんがそんな俺に話しかけてきた。労いの言葉、ありがたいね。

 今までも時折こっちの様子を見てはすごいとか、さすが公平くん……とかつぶやいて感心してくれるもんだから、なんていうかやる気出させる系の女神様かな? って思っちゃったよ。

 

 改めて佐山梨沙という女の子が、どれだけ素敵なのか確認する時間でもあったなあ。なーんてしみじみ感じ入りつつも、俺のほうからも確認を入れる。

 

「そっちはどうなの? 片岡くん、目処は立ちそう?」

「んー、まあそれなりに? いくつかの資料は借り出して、後はお家でこなさなきゃ駄目そうだけど」

「あ、そうなんだ」

「もう11時でしょ? みんなでお昼食べるのもあるしね」

 

 そう言って二人、黙々と資料と自分で撮影したダンジョンの写真とを見ながらノートに書き記していく片岡くんを見る。

 進捗自体は大分いい感じと言うか、あと半日もせずに完成させられそうな感じではあるんだけれど……今日はショッピングモールで遊ぶって予定もあるからね。

 

 そのへんまで踏まえるとやはり、いくらかは自宅に持ち帰って残る夏休みで仕上げないといけない感じなのかもしれなかった。

 片岡くんもこちらの視線に気づくと、苦笑いしながら息を吐き、資料やら写真やらを片付け始める。

 

「そろそろお開きにするかあ。資料自体は良いのがあるし、いくつかレンタルして残りは家でやるよ」

「そう、だね……まあ夏休みはあと半月近く残ってるし、どうとでもなるか」

「他の宿題は問題なく終わらせてるしな……よし、行こうか」

「あ、もう返却する本があるなら私達で返してくるね。片岡くんはレンタルの手続きしてきなよ」

 

 テキパキと片付ける片岡くん。資料は一部のみ借りることにして、大半は元の棚に戻すみたいだ。

 そこは俺と梨沙さんが片付けを引き受け、彼には受付にてレンタルをしてもらうことにする。二手に分かれてやったほうがスムーズかつスマートだからね。

 

 悪い、助かる。と片岡くんは俺達に返すつもりの本を渡し、受付へと向かうために席を立った。

 この図書館は入口に入ってすぐのロビーに受付があり、貸出や返却についてはそこで行うシステムになっている。なので彼も部屋を出、ロビーへと向かうわけだね。

 

「よし。じゃあ俺達もテキパキ片付けて行こうか」

「うん、そうしよ」

 

 となれば俺達ものんびりとはしていられない。さっさと本を返却し、ロビーに向かおう。

 梨沙さんを伴い本棚へ。俺が資料として使った"全世界スキル一覧決定版"については二人とも元々あった場所を知ってるし、何より一冊だけということからも持ち運びが容易いので彼女に任せる。

 俺は片岡くんの分、3冊あるダンジョン学関係の資料を戻しに行くとしよう。

 

「ええと、ダンジョン学、ダンジョン学……ここか」

『さっさと返してご飯食べに行くよ公平! もう待ちきれないよ、とにかく美味しいものを食べよう!! あんまり馴染みのないショッピングモールなんだ、さぞかしあんまり見かけることのない店があったりするんだろ!?』

 

 昼が近づいてきたということもあってかアルマがやかましい。めったに行かないショッピングモールで昼飯だからってはしゃぎまくりである。

 たしかにここの近く、高校へ向かうまでに登る坂道の途中あたりにあるショッピングモールはあまり行く機会のない場所だ。未知に期待する気持ちは分からなくもないかな。

 

 学校がある日だとバスで通学するわけだから、通学路の途中に通り過ぎるだけだし。休日は休日でそもそもそんなところまで行くことがないし。

 友達と遊びに行くのは交通の利便性の都合もあり、いつもの商店街とかその近辺ばかりだしね。

 

 だから正直俺としても結構、未知の体験ってことでワクワクなところはある。

 どんな店の、どんな美味しいものを食べようかなーって期待を抱きつつ本を棚に戻せば、先んじて本を返却していた梨沙さんがやってきて笑顔で話しかけてくる。

 

「戻してきたよー」

「ありがと。それじゃ行こうか。松田くん達ももしかしたらもういるかも」

「だね。涼子、自由研究どこまでできたかなあ? 松田くんに真知子もいたから、そこそこ進んだとは思うけど」

 

 他の利用客の迷惑にならないように、ある程度密着してひそひそ話しながらも部屋を出る。ありがとう図書館、すごく助かりました。

 残る自由研究の総仕上げは家に帰ってから一気に行うとして、ここからは友達との楽しい遊びの時間だ。上がるテンションを自覚しつつも、俺は梨沙さんとともにロビーへと向かった。




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