攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
小1時間ほどして、俺達はお昼ご飯を食べ終えた。やっぱり話しながらだとそれなりに時間もかかるよねーなんて、すっかり満腹な様子の友達みんなを見ながら思う。
結局俺や松田くん、遠野さんは最初に注文した料理を早々に食べ終えて、また別の店にトライしたりもしてなかなかにいっぱい食べたなーって感じ。
「公平くんも松田くんもたくさん食べたけど、やっぱ真知子の食べっぷりがダントツだよね……」
「あんたホント、探査者より食べるってすごいわね……なんだかんだ山さんもかなり食べてたから、余計に思うわ」
「い、いやあえへへ! その、図書館でいっぱい頭使ったから、うん! あとお昼からみんなといろんなお店を歩いて回るんだし、今のうちにエネルギーをチャージしとかないと!」
今日は友人みんなで外食ってこともあり、いつもよりはかなり量を食べた自覚のある俺だけど、それでも遠野さんの量には追いつけなかったのが現実だ。
結局マジで全店制覇しちゃったしね、彼女。
しかも当の本人は特に食べすぎた感じでもなくケロッとしつつ、けれど照れ笑いを浮かべて何やらしなくてもいい言いわけなんてしてるわけ。
エネルギーチャージも何も、遠野さんは松田くんの手伝い程度だったしこの後もそんなに歩く予定でもないしで、そんなに充填するほどでもない気はするけどあえては言うまい。
まあ、健啖家なのはすごくいいことだしね。俺からすれば食べ過ぎじゃない? とは思うけど、あくまで俺の物差しだしね、それも。
他のみんなも微笑ましいような、もはや尊敬するかのような視線を彼女に向けている。遠野さんがほのかに想いを寄せている片岡くんだって笑ながらも、こう言うのだった。
「いやあ、本当によく食べるよなあ。なんか見ててこっちが元気もらえるよ。もしかしてご家族もみんなそうなのか?」
「え、えへへ……そうなんだよね、実は! うちの家族もみんなこんなくらい食べるから、なんか私もすっかりこれが普通って感じなんだぁ! むしろみんなが少食すぎない? みたいな!」
「そうか、それはなんて言うか、楽しそうだな。遠野家自体がフードファイトファミリーってことかあ」
彼らしい、どこかぶっきらぼうながらも率直に相手を褒めることに躊躇のない真っ直ぐな言葉。
遠野さんも想い人にそんな風に言われたものだから、頬を染めて心底から嬉しそうにしてるよ。
してるんだけど……そっかご家族の皆さん揃って健啖なんだなあ。てことはこのすさまじいフードファイターっぷりは、遺伝も関係してたりするんだろうね。
ま、そんなこんなで俺達は満足しきり、体力も気力も回復したということでフードコートから去ることにした。時刻は1時すぎ、午後を楽しみ始めるにはベストな頃合いだね。
エレベーター前にある構内図をみんなで眺める。さっき入口入ってすぐのところに本屋さんがあったし、ちょっと覗いてみるのもいいかもしれない。他にはえーっと?
「ゲームセンターに、家電量販店……ゲームとかも売ってるから見に行くと楽しいかも」
「駄菓子屋さんなんてあるんだねー。昔はそこかしこにあったみたいだけど、見るのは初めて!」
「服屋さんとかアクセサリー屋さんとか、あと靴屋さんもあるね。ウィンドーショッピングも楽しそう」
こう、分かりやすく娯楽目的です! って感じの店は少ないけど、梨沙さんの言うようにウィンドーショッピング的な楽しみ方は十分できそうな店がいろいろ並んでいる。
さしあたってはみんなで遊ぶ、となるとゲーセンだろうけど、あちこち興味の薄い場所でも見て回れば、思わぬ出会いをするかも知れない。
知らないところを探索する喜びってのは、新しい出会いとの期待でもあるかもしれないね。
「! シュークリーム屋さん! ねえみんな、シュークリーム屋さんがあるよ! ほらここ!」
「えぇ……?」
「あんたまさか、この期に及んで甘いものは別腹とか言うつもりなの、真知子……」
「ち、違うよ!? 帰る時にお土産とかにどうかなって思っただけだし!? さすがにさっきの今でスイーツはないよ、私だってぇ!!」
そんな中、遠野さんがシュークリーム屋さんを指差してはしゃぐ。商業施設は一階、中央部分の催事場すぐ近くだ。
一瞬、まだ食うの!? とか思っちゃったのは内緒だけどみんな同じだった模様。本人も慌てて両手を振って否定しているね。
でも、お土産か……ちょうどいいかもしれない。
何しろ今日からシャーリヒッタが山形家の一員に加わってくれたからね。
記念というかお祝いというか、ようこそ! みたいな気持ちを込めて洒落たシュークリーム屋さんの甘味で帰宅後、みんなで団欒するってのも悪くない。
俺はみんなに提案した。
「俺も、家族に買って帰るにはちょうどいいかなって思うよ。だから帰り際に寄っていっても良いかな?」
「そうだなあ……まあ、たまには親孝行もしとこうかな。シュークリームでだけど」
「夕食後のデザートに良いかも。真知子、いいアイディアね!」
「でしょでしょ!? えへへ、やったね! ……ふぅ、誤魔化せたぁ」
一転してシュークリーム良いじゃんってなって、遠野さんも思わず笑みがこぼれる。うんうん、家族にも美味しいもののお裾分けはいいことだよ。
でもたぶん土産は土産として遠野さん自身もシュークリーム食べたいんだろうな。なんか小声でぼそっと言ってるし、最後。
普通に聞こえたけど聞かなかったふりをしておこう、うん。
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