攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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ここまで来てくれた山形くんには一足先に教室の風景をプレゼント!(ニッコリ)

 ワールドプロセッサとの再会もひとまず交わし、まずは落ち着こうという話になる。

 彼女がパチンと指を鳴らせば何もないデータ空間に変化が生じた。オブジェクトを設定したのだ──瞬時に現世社会は見知った空間へと視界が変貌した。

 

 すなわちそこは東クォーツ高校1年13組の教室。

 寸分違わぬ精緻なディテールをもって、かの学び舎における俺の居場所がシステム領域内に再現されていた。

 

「……なんで教室?」

「もうじき二学期でしょう。自由研究も無事に終わらせたようですから、少し早めの学生生活の再開ということで」

「もうちょい夏休みを満喫させてほしいんですけど……」

「あと数日でまた、概念存在との騒動に巻き込まれに行く時点で満喫は難しいでしょうに」

 

 言うなよそれを! 容赦なく迫る二学期を提示してくるワールドプロセッサに全力でツッコむ。

 たしかにもうあと10日くらいで9月だし、なんならその内一週間くらいは首都圏で起きている騒動に首突っ込むし。そう考えると俺の夏休みはもう実質的にあと数日もありゃしない。

 

 なんならその数日の間にもやることはいくつかあるからね。織田との打ち合わせとか、首都圏行く準備とか。

 だから合理的に考えればそろそろ気持ちを切替えていけ? みたいな理屈は分かるんだけど、ああ、それにしたって過ぎゆく夏への未練は名残り惜しいよ。

 

「へー! ここが父様の通われる学校の教室ってやつかー!」

「ふむ、学園もののドラマでよく見るオブジェクトだな……黒板か。一度これに触れてみたくはあったのだ」

「アフツストは見かけ的に、教職とかやっても似合いそうですねー」

 

 精霊知能三姉妹+ダンディおじさまアフツストくんがしきりに、俺の教室をあちこち見回しては興味深げにいろいろ調べている。

 どうやら教室ってものの概念や知識についてはドラマから仕入れているようで、初見というわけではなさそうなものの物珍しいものには間違いない。アフツストなんか、黒板の前に立ってチョークを手に取り、実際に何やら小さく文字を書いてたりするね。

 

「というかこのオブジェクト、現世のオリジナルをそのままコピーしてここに貼り付けたのか。日本においては権利関係の怪しそうな話だな……とはいえここはシステム領域、ゆえに問題もないだろうが」

 

 ヴァールの言うように、今見えている教室は完全に現世にある実際の俺の教室のコピーだろう。

 今、オブジェクトに紐づいてる詳細情報、いわゆるプロパティをサクッと俺の権能で調べたけど、データをコピペした日時が1分前になってるので前から用意していたとかでさえなく、即興でやってのけたことになるね。

 

 見ればたしかに、夏休み直前、終業式を終えた後の教室の様子まんまだ。黒板の日付も二学期に合わせて9月1日って書いてるし。

 っていうか何人かの机の中、教科書置きっぱなしじゃん。バレたら先生に怒られるぞコレ。怖ぁ……

 

 うーん、さすがにワールドプロセッサだ。これだけのことをここまであっさりやってみせるなんて、精霊知能ではまず不可能だろう。

 演算能力的にも手続き上の関係にしろ、どうしても時間はかかるからね。そのへん全部踏み倒せるのはさすがこの世界の最高存在だとしか言えないや。

 

「さて、それでは各自席につきましょう。今回コマンドプロンプトとヴァールを呼んだのは、何も旧交を温めるためだけではありませんので」

「と、言いつつお前は教壇に立つのか……」

「説明する側である以上は。このレイアウトは参考になりますね。室内を一望できかつ、みなの視線を一身に集めることもできる視覚的効果が見込めます」

 

 俺達を揃って生徒側の席に座らせつつ、自分は教師さながら教壇に立つ。ワールドプロセッサがローブ姿のまんま、いつもの教室にいたりするのって違和感が果てしないな……

 ちなみに俺は教室真ん中ちょい後ろ、現実でも自分の机である席に座っている。そしてその前の席をリーベ、左右の席にシャーリヒッタとヴァール。後ろの席にアフツストが座る形となっている。

 囲まれてるなあ、俺!

 

「──それではさっそく本題に入りましょう。改めてコマンドプロンプト、ヴァール。よく来てくれました。日頃からのあなたがたの尽力ぶり、感謝に絶えません」

「あ、ああ……どうも」

「もったいないお言葉、畏れ入りますワールドプロセッサ」

「現世における概念存在の暗躍への対応についても、まずは倶楽部の殲滅ご苦労さまでした。次なる相手はサークルとダンジョン聖教過激派とのことですが、それに関してこちらからお伝えすべきことがあります。本日あなたがたにお越しいだいたのは、そのためです」

 

 俺達を労いつつも、今回この場を設けた理由を語るワールドプロセッサ。

 こないだ称号効果の解説欄でも言ってたからな、伝えたいことがあるって。現世についてはあまり口出ししてこなかった印象のあるこいつがここまで言うって相当なことだ。

 

 迫るサークルとダンジョン聖教過激派との騒動、それについてのことらしいけど……一体何を言うんだ?

 一同、固唾を呑んで続きを待つ。ワールドプロセッサはそして、ゆっくりと語り始めた。




本日のコミカライズ版スキルがポエミーはお休みです、よろしくお願いいたしますー
 その代わりと言ってはなんですが明日12/29から来年1/3までの一週間ほど、昼12時にも更新しますのでよろしくお願いいたしますー
 また、新年1/1お昼から新作「大ダンジョン時代ヒストリア」も投稿開始しますのでよろしくお願いいたしますー
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