攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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伝道!チャーンス!!

 香苗さんの同期にしてパーティメンバー、横山さん、御陵さん、鈴木さんの3人と少し話しているわけだけど、ふと思い立ったように横山さんがそうだ、と切り出してきた。

 なんぞや? と訝しむ俺を見ながら、自身の仲間達に向けて提案する。

 

「せっかくこうして山形くんと会えたことだし、いっちょ探査でもしないか? 御堂の認定式直前だし、ちょっと級が低めですぐ済ませられそうなやつとか」

「え……」

「御堂ばかりかフランソワさんやコーデリアさん、サウダーデ・風間さんとも肩を並べてS級モンスターと戦ったんだろう? こないだのニュースでも報じられていた力をぜひ、直に見てみたいんだ」

 

 思わぬ提案だけど、こないだのニュースでってことはバグモンスターになった青樹さんや火野老人周りのことを言ってるみたいで、なら多少は仕方ないかなと納得する。

 横山さんもS級探査者のお弟子さんなら、師匠に匹敵するかあるいはそれ以上かもしれない大探査者達と肩を並べたっていう最近噂のシャイニングを観察したいと思うものなんだろう。

 

 まあ実際のところ、俺はほとんど見てるだけに近かったけど、肩を並べてやるべきことをやったってところは本当だしね。

 提案を受けて御陵さんや鈴木さんもハッと気づいたように顔を輝かせて頷く。その手があったか! みたいな感じだね。

 

「いいねぇそれ! 私らもカナちゃんの心酔する救世主クンの実力は気になってるし!」

「鈴山も太鼓判押してたけど、ぶっちゃけ話が荒唐無稽に近いからどうしてもなあ……いやすまん、疑うとかじゃないんだがその、戦闘力10倍なんてのは想像がしづらくて」

「気にしないでください。あの、なんていうか僕のステータスが信憑性皆無なのは僕自身も分かりますし、はは……」

 

 どうにもイマイチ実力を信用されてない系の山形くんだけど、はっきり言って当たり前である。

 最近すっかり感覚が麻痺ってるけど、俺のステータスは1から10までおかしみに溢れてるからね。まずファースト・スキルの《風さえ吹かない荒野を行くよ》の時点で全探組に激震が走るほどだったもの。即座に全探組とWSOのお偉い方々がすっ飛んできたもの。怖かったもの。

 

 ほぼすべての戦歴を動画の形で香苗さんが、しかも異常な熱量の解説とともにネットにて配信しているわけなので俺の戦いぶり自体は割と簡単に確認できるはずなんだけど……肉眼で見ないと疑わしいものであるのは我ながら理解できるよ。

 とはいえこの場でそんなことを言ったら鈴木さん、まずいと思うんですが。

 

「我らが救世主様のお力を疑うとは大変遺憾ですね鈴木しかしこれも仕方ありません人はあまりに超常的なものを見るとなかなか受け入れるのに時間がかかるものですましてや救世主山形公平様ほどに史上空前前人未到まさしくオンリーワンにしてナンバーワン原点にして頂点というべきお力を前に多少でもそれまでの常識に照らし合わせて疑念を抱いてしまうのも無理なきことむしろこれは伝道師たるこの御堂香苗はじめ救世の光の活動がまだまだ至らないことの証左とも言えるのでしょうあまりにも申しわけない話です救世主様の救世主様性を余すことなく瑕疵過誤過不足なく衆生に伝えるのが我らの役目である以上鈴木が今こうして未だに蒙を啓けていないのは我々の力不足と認めるしかないのでしょう」

「お、おう!? あ、え、御堂?」

「しかしてむしろこれは逆に考えればチャンスです実際に救世主山形公平様のお力を見れば必ずあなた方3人揃って信者になることは間違いありませんA級でしかも手前味噌ながら今話題のS級たる私のパーティメンバー達さえも救世主信仰に覚醒して信者になるのであれば未だ救世主様を信じない方々に対してもより強い伝道効果が見込めることになるでしょう分かりましたぜひとも探査しましょう私達にも都合がありますからそこまで時間は取れませんがそのわずかな間にもあなた方は紛うことない奇跡と光を目撃するのですつまりはそう、伝道チャンス!」

「伝道チャンス!?」

 

 案の定なんですが! そしてなんだよ伝道チャンスって怖ぁ……完全に仲間達をロックオンしてるじゃん。

 香苗さんの伝道スイッチを思い切りオンにしちゃった鈴木さんが引きつり笑いを浮かべている。その隣では御陵さんがけらけら笑い、横山さんはおい、どうするんだよこれ! みたいな感じで鈴木さんを見ている。

 

 なんてことだ、正直分かりきっていたけどこうなっちゃった。

 香苗さんのお仲間さんが、香苗さんを前に、俺と探査したい、その力を直接見たいとか言ったら絶対こうなるんだよ。もう断言しちゃうよ、こうなるの。なったの!

 

「あっはっはっはっは! いいわー今のカナちゃん、最高すぎてマジ好き!」

「笑ってる場合かよ……探査できる流れになったのは良かったけど、副産物で地獄の伝道ショーが始まりそうじゃないか」

「は? 地獄?」

「至極! 至極な、御堂! 極みに至るほう! 日本語って紛らわしい単語多いなちくしょう!」

 

 何がどういいのやら、香苗さんの伝道フォームにすっかり大爆笑の御陵さん。横山さんも地獄だか至極だか知らんけど、とにかくヤベー伝道が始まる予感に恐れ慄いているよ。

 言い出しっぺの鈴木さんは見て見ぬふりしてスマホ弄ってるし、怖ぁ……我関せずじゃん。

 

 三者三様の反応を見せつつもこうして、なんだか急遽、俺は香苗さんのパーティと一緒に簡単なダンジョン探査をすることとなったのでした。




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