攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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光と水、剣と斧とのコンビネーション!

 部屋に入るなりまず仕掛けたのは、セオリー通りに後衛だった。香苗さんと鈴木さんが部屋の入口付近に並んで立って、揃って己のスキルを宣言したのだ。

 

「《光魔導》──ご照覧あれ救世主様、これが伝道師のかける虹の橋!」

「山形くんの前だと、マジで戦闘でもそのノリかあ……《水魔導》!」

 

 俺がいるからだろう、伝道師ムーヴは欠かさずカメラ片手に放たれる、御堂香苗の《光魔導》。彼女の背後、部屋の両端を基点に大きな虹が架かる。

 香苗さんの十八番にして、A級トップランカーに永らく君臨して今まさに探査者の頂点、S級にまで登り詰めた天才の象徴とも言える虹だ。

 相変わらずの美しさを湛える虹はしかし、一度牙を向けばあらゆるモンスターを消滅させる恐るべき威力を秘めている。

 

 そしてもう一人。《水魔導》を発動させた鈴木さん。

 魔導シリーズと言われるスキルの一つで、香苗さんの《光魔導》やランレイさんの《闇魔導》、葵さん《雷魔導》と同種のものだ。

 特にあのサウダーデさんの持つ《炎魔導》とは対とも言えるスキルかも知れないね、属性相性的に。

 

 こうしてみると魔導系も大概レアなんだけど、俺の周りは多いな所持者!

 それでいてみなさん、揃いも揃って上級探査者さんなのがさすがだよ。それだけ魔導系スキルの汎用性、利便性、可能性が優れているってことでもあるんだろうね。

 

 さてそんな鈴木さんの《水魔導》、発動とともに顕現されたのは御本人の仰るとおりの大瀑布。

 部屋の入口付近の壁、高みからどこからともなく水が出てきたのだ。かなりの量で、溺れたり足を取られるほどではないにせよまさしく滝めいている。

 そんな水量が瞬く間に地面を濡らす。通路にまで浸水が進むほどの勢いの中で、鈴木さんはそして叫んだ。

 

「先手もらうぜ──水鉄砲、SOLAR・魔滅!」

「うるぉぉぉぉおおああああ!?」

 

 技名を叫ぶとともに瀑布から数弾、大きな弾が勢いよく敵に向かって飛び出す。ちょうど香苗さんの出した虹を潜ったあたりで光を放つその弾は、まさか《光魔導》の影響さえも受けている!?

 かなりのスピードでしかも多い、いきなりの水に驚き面食らっているモンスター達それぞれめがけ、5発ずつ撃ち込んでいる!

 

 ドッジボールくらいの大きさの水球を、慌てて回避する狼人間2体。一方ゴールデンアーマーは迎え撃ち、手にした剣にて叩き斬ろうと腕を振るう。

 ──結果、狼人間はどうにか全弾回避できたもののゴールデンアーマーのほうは、2発までは切り落とせたもののそこまでで剣がへし折れ、残る3発、猛烈な勢いと質量の水弾をもろに直撃を受けた。

 

「────!?」

「早い! そして固く、強い!!」

「応とも! これが御堂の《光魔導》とのコラボレーション! スキルとスキルをかけ合わせた、合体技だ!!」

 

 合体技……! すごい話だ、システム・コマンドプロンプトとしても感嘆する他ない。

 たしかにスキル間のシナジーや相性の良い悪い、そしてそれらを駆使してのコンビネーションというのはシステム側としても想定していたけど、いざ実地で確認するととんでもない相乗効果だ。

 

 おそらく素の《水魔導》だと足りない威力を《光魔導》のサポートで補強しているんだろう。虹をくぐった瞬間光を放ったからね、そこは間違いない。

 A級の鈴木さんのレベルを思えば元からしてそれなりのパワーだったのが、S級のスキルの後押しを得てさらに増大させたってわけだ!

 

「まずは一体! 横山、御陵ぃ!!」

「残りは任せろ!」

「後輩くんにいいとこ見せちゃおっか!!」

 

 高らかに叫び呼びかける鈴木さん、それに答える横山さん、御陵さん!

 すでにお二人は回避直後、隙だらけの狼人間めがけて突進している! 鈴木さんの水鉄砲をどうにか避けたものの、そこで体勢が崩れたか。

 

 それさえ見越してのコンビネーションだな、これは。

 まずは後衛が攻撃を仕掛けてヒットしたならそれで良し、避けたら避けたでそこを狙って前衛が仕掛ける。

 セオリー通り、だからこそ有効かつ強力なコンボだ。A級パーティが行うそれは、まさに芸術的なまでに息の合った動きを俺に魅せてくれていた。

 

「《剣術》、地走一閃!」

「《斧術》! 頭蓋割りー!!」

 

 前衛二人による轟撃。横山さんは手にした剣の切っ先を地面スレスレに走らせ、猛スピードですれ違いざまにモンスターの胴体を切り払う。

 一方の御陵さん大きく飛んで、上段構えた大斧を一撃のもとに振り下ろす! それぞれスピードとパワーに特化してそうな、いずれにしても必殺級の技だ。

 

「うぉぉぉぉぉぉああああああっ!?」

「グルヒャアアアアアッ!!」

 

 そんなものを攻撃を避けた直後、無防備なところにモロに直撃して無事で済むわけがなく。

 狼人間達は揃って断末魔の叫びを上げた。横山さんに胴体を両断され、御陵さんに脳天から斬撃され、両方ともが光の粒子となって散っていったのだ。

 

 S級たる香苗さんのフォローもほとんどない、A級3人による余裕の勝利。

 御堂世代と呼ばれる年代の探査者達は揃って優秀な人が多いって巷で言われてるのは知っていたけど、これほどのものなのか……!

 B級モンスターを難なく撃破したお三方の姿に、俺は驚きとともに脅威が取り除かれた部屋へと入っていった。




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