攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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魔導系、魔法系スキルは使用者の心を反映します。ここテストに出ます

 2部屋目の戦いも無事終わった。横山さん、御陵さん、鈴木さん達とも合流して、次なる部屋に向かうべく道を進みながら軽く話す。

 もちろん話題は今しがたの戦い、とりわけ鈴木さんの戦闘スタイルについてだ。

 

「《水魔導》で現出するのがなぜか滝でな? そこから頑張って水鉄砲を編み出したんだ。あんな馬鹿みたいな滝をどうすりゃ良いんだ? って最初はずいぶん悩んだよ」

「滝そのものが技めいていますからね。実際、アレだけで地面を水浸しにして場の環境を著しく変えられるのは強力でしょう」

 

 スキルを使うことで現れる滝。その利用法を考えるのに当初の鈴木さんは大変悩んでいたみたいだ。

 魔導系、魔法系のスキルを発動した際に起きる現象については基本、使用者それぞれで異なるからなあ。いわゆる心象風景を反映した形で顕現するわけなので、ある意味では使用者の心を映し出したものとも言える。

 

 香苗さんの場合は言わずと知れた虹だし、ランレイさんの場合はもう一人の自分。サウダーデさんは全身を包む炎だし、葵さんはフーロイータを介しての強力な電撃を放つ。

 そして鈴木さんの場合は滝だ。それらがいかなる心理状態によってもたらされたものなのかは、心理学に詳しくないので言及は差し控えるとして……ともかくそうして現れた滝をどうやって戦闘に組み込むかが、探査者デビューしてすぐの鈴木さんにとっての課題だったみたいだ。

 

「結果から言えば鈴山のおかげで答えを見出せたんだよ。水鉄砲のモチーフは、あいつの銃技だからな」

「鈴山さんの、ですか?」

「ああ。同期の中でもあいつとはそれなりに仲良かったし、一緒に探査する機会も多かった。影響を受けたわけだな」

 

 なるほどと、同じく御堂世代の探査者である鈴山さんを思い返す。

 彼は探査において銃を扱う、珍しいタイプのオペレータだ。モンスターの素材を加工した銃と銃弾を用いてガンマンとして動く姿はまさしく西部劇よろしく、ハードボイルドな佇まいだったのを思い出すよ。

 

 彼の影響を受けたのならば、水弾という形での利用を編み出したのも頷ける話だ。

 たしかに遠距離攻撃という観点から言えば、滝、というか水を用いるとなれば概ねそんな漢字に落ち着くだろうしね。

 

「今のところはさっき見せた牽制用のIN GAIN・魔滅にスピード特化、ピンポイントショット用のHIT YOUR CORE・魔滅。加えて最大威力のDIE・魔滅ってのを用意している」

「さらには私の《光魔導》とコラボレーションしてのSOLAR・魔滅……こちらは広域殲滅用ですね。虹の影響を受けて広範囲に、威力を高めた水弾を多数発射する技です」

「一通り、必要な技は揃えているんですね……」

「反面、近接戦闘は苦手なんだけどな! ソロだとよく懐に潜られて危ない目に遭ってきてるよ」

 

 そして気になる水鉄砲の仔細。どうやらパワー、スピード、そして足止め用と基本は押さえた上で香苗さんとの合体攻撃なんかも編み出して、パーティ戦も意識しているみたいだ。

 とは言うものの御本人も苦笑いしていらっしゃる通り、近接戦闘に持ち込まれた場合の対処法がほぼ皆無なのが気になるところだ。

 

 ソロ探査だと懐に潜られることがよくあるみたいだし、おそらく《気配感知》が《直感》にまで進化したのはこれが原因だろうね。

 なぜそこまでしてソロ探査を行うのか? せめて護身術くらいは用意してから臨んでも良いのでは? ……オブラートに包みつつ聞いてみると、鈴木さんは豪快に笑って答えてくれた。

 

「一応最低限の護身術くらいは最近、学んでる最中なんだけどな。いやあ、滝をどうするか考えるのにかまけすぎた!」

「脳筋というか、オタク気質なんだよ、こいつ」

「水鉄砲使っての戦いにのめり込んじゃって、そればっかりやってきちゃったんだねえ」

「えぇ……?」

 

 つまるところはデビューしてから今までずーっと、自分のファースト・スキルを使ってどう戦うか、それのみを突き詰めようとひたすら実地で修練してきたのか。

 オタク気質っていうのかなあ? とにかくすごい集中力というか、思い込んだら一直線って感じだ。それだけ《水魔導》や水鉄砲に可能性を見出したんだろうけど、にしたって前のめりだよ。

 

 ワハハハ! とやはり豪放磊落に笑う鈴木さん。そんな彼に横山さんも御陵さんも苦笑いするばかりだ。

 一方で香苗さんも肩をすくめつつそれでは、と話を切り替えて俺に視線を向ける。

 

「一通りメンバーの紹介も終わりました。次の部屋では公平くん、お手数ですがあなたのお力を3人に見せていただきたいのです」

「まあ、順番から言えばそうですよねー」

「もちろんこの3人にはすでに伝道を施していますがやはり、直接救世主様の奇跡のお力を示していただければ有無を言わさず涙を流して平伏し心の底から帰依を願い出ることでしょう。そのためにもぜひ、よろしくお願いします」

「怖ぁ……いやまあ、もちろんそんな意図はないですけど分かりました」

 

 パーティメンバーにも当然のように伝道しているのか……当の横山さん達が苦笑いするに留めていてくれるのがせめてもの救いだ、すみませんうちの伝道師さんが。

 御陵さんは若干ガチでツボに入ってるのか、そっぽ向いてお腹押さえて笑ってるけど、なんか面白いことあった? 今の話の中。

 

 ともあれ、次の部屋は俺の番だ。

 A級探査者のみなさんが見せてくれた見事な動き、連携、そして強さ。それにも負けないだけの動きを、見せていこうか!




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