攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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推しの救世主との合体技に成功したことに興奮する伝道師(21)

 俺の知らんところで俺を交えた合体技が開発されていた。

 というとまあまあホラー案件なわけだけど、実際のところは俺のスキルの効果を多少なりとも増幅させるような塩梅に調節してくれた技をタイミングよく放ってくれているみたいだ。

 

 "救世伝道"プリズムコール・アークセイヴァー。

 《目に見えずとも、たしかにそこにあるもの》の蒼炎に干渉してより強く、より広くにまで効果を及ぼせるようにしてくれているのが目で見ても分かるよ。

 

「くえぇぇぇぁあぁぁぁ────!?」

「くぁっ、くぁっ、くぁぁぁぁっー!!」

 

 アゲハペンギンの群れが瞬時に光の粒子と化していく。浄化され、その魂を輪廻へと還しているのだ。

 俺のスキルの効果だけでももちろん同じ現象は起こるけど、今の俺のバフ量の割には明らかに威力が高い。香苗さんと共闘しているために《風さえ吹かない荒野を行くよ》も発動していないわけだけど、それにしては火力が高い。

 

 香苗さんの放った虹の光、あれが確実に影響していると見た。

 期せずして実現した合体技の、そもそもその存在からして驚くべき有り様に俺は彼女を見、唖然としつつも問いかけた。

 

「こ、こんな技をいつの間に!?」

「もちろんあなたのスキル《目に見えずとも、たしかにそこにあるもの》を初めて見たその瞬間からですすぐさま私は考えました私の操る《光魔導》の虹ならば公平くんの尊き蒼炎のお力添えができるのではないかと具体的には夏休み開始直後ですねその時点ですでに私は己のスキルの出力制御に磨きをかけておりそれゆえにS級認定もされたのですがあなたのスキルを見て感じたのですそれでは足りないとっ!!」

「また句読点が飛んだ!?」

「異次元の領域にある救世主様のスキルを前に伝道師として私は深く己を恥じ入りましたS級認定された程度のことで満足してしまっていたことに気づいたからですこれではいけない今のままではあなたを伝道するに値する私ではないそう考えた私はそこからさらに修行を積みました主に《光魔導》を完全制御したことでできた余力をもって火力を伸ばす方向性に加えて公平くんのスキルを少しでもブーストできる方向へとすでに雛形はありました先程鈴木とコラボした水鉄砲SOLAR・魔滅ですあれは彼が放った《水魔導》を私の虹でコーティングすることで威力を高めたと言うだけのシンプルなものでしたが今回は違います救世主様の御業を最大限清く正しく美しく素敵に無敵に壮大に演出まで凝って世界を彩るまさしく理想郷の顕現とすべく開発したのですこれをもって私の伝道人生はまた新たな局面へと至りました今はより強力かつ伝道師としてふさわしい御堂香苗の究極奥義を開発中ですもう近々お披露目できるかと思いますのでどうかご期待いただければと思うのです楽しみにしていてくださいね公平くん!!」

 

 2連続で句読点が飛んだ!! 勢いがやばいよテンション高すぎる、合体技が実現したことで完全に興奮しきってらっしゃるよ!!

 ええと要約すると? 俺の広範囲浄化スキルを目の当たりにしたことで一念発起して今の技を開発したと。その用途は俺のスキルの効果をブーストさせる、いわば俺用のスキルブーストジェネレータみたいなものと。

 

 そしてそのアイデアのきっかけとなったのがさっき、鈴木さんと組んで披露していた合体攻撃であり。

 あっちはシンプルに威力のみに干渉していたけどこっちはなんかもう、演出マシマシで香苗さんの趣味全開と。いやそこ要るのか? まあ楽しそうだから良いんだけどさあ。

 

「お、俺とのSOLAR・魔滅ももうちょい見栄え良くしてくれねえかな、こういうことできるなら……」

「いや鈴木は無理だろ、救世主様じゃないし」

「鈴木は乙女心が分からないのかなあ? 大切な人とのコラボレーションだからこそここまで頑張れるんだよお? あーっ良いなあカナちゃん、私もこのくらい誰かにのめり込みたいなあー!」

「くうっ言い返せねえ……ていうかやっぱそういうアレだよな御堂のやつ。なんつうか、表現方法がアレすぎるけど」

「たぶん初めてのココロだからだねー。想いが暴走しがちで表現方法も独特なんだよお」

 

 横山さん達が後ろで何やら仰っている。鈴木さんのSOLAR・魔滅のシンプルコーデのが個人的には好みなんだけど、まあそこは個々の感性によるものか。

 あと御陵さんが地味に香苗さんを暴走モードで独特なノリになってると評してるね。初めてだからって言うけど普通の人はまず生涯通してもこんなことにならないような気がするんだけどどうなんだろう? これはこれで香苗さんらしくて俺としては好きなんだけどね。

 

「……お。終わりましたね」

「威力も範囲も問題無し。完璧なコンビネーションでしたね!」

 

 反応している間にコラボレーション必殺技が終焉を迎えた。すべてのアゲハペンギンを仕留め、チリ一つ残さず消し去ったのを受けて蒼炎も虹も消えたのだ。

 

 うーむ。俺にとっても初めてのことだ、他人とスキルを組み合わせるなんて。

 こないだの《神話終焉結界─天地開闢ノ陣─》と《究極結界封印術》の組み合わせも合体技と言えなくはないんだけど、あれはどちらかと言うとコラボじゃなくてシナジーとかだと思うし。

 

 ともあれ戦闘終了だ。

 香苗さんと労いの言葉をかけあいながら、俺達はやってくる横山さん達を迎えた。




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