攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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地味に広がる山形の人脈……こいつなかなか同世代と繋がらないな!

 なんやかや歩き続けて一時間足らず。ダンジョンからの脱出を無事に果たして、俺達は居酒屋の厨房に戻ってきた。

 お時間的には18時ちょっと前くらい。すでにお店は開いていたし、お客さんもまあまあ入っていて活気づき出している。何十年も前の大衆酒場って感じの店構えだもんで、なんだかノスタルジックな光景に思えるよ。

 

「実際、ノスタルジーを演出しているのでしょう。壁の至る所に古びたポスターが貼られていたり、地味に客の椅子がいわゆるビール瓶ケースですし」

「……あ、ホントだ。凝ってるなあ」

「こーゆーとこいいよね、私大好き! ああ、一仕事終えたら飲みたくなってきちゃった!」

 

 香苗さんの指摘に、不躾にならない程度に店内を見てみるとたしかに設置された椅子がビール瓶とかを入れるプラスチックケースで、底を上にした状態で座布団を敷き、簡易椅子にしている。

 なんかいかにもレトロなやつだこれ! はー、近場にこんなお店あったんだね。さすがに年齢の都合、居酒屋の内装にはてんで詳しくないからすごく新鮮だよ。

 

 こうした雰囲気のお店は、御陵さんの趣味に合うものらしくなんだか羨ましそうにお酒を楽しむお客さんや、肴につままれている料理に視線をやっている。

 たしかに見てるだけでお腹が空いてきそうだ。そろそろ夕飯時だものなあ。今日はもう全探組への報告を済ませたら一目散に帰宅だろうから、晩御飯が待ち遠しいや。

 

 

『今日の晩ごはんはたしか、手作りハンバーグに生野菜サラダ、あとコーンスープか。うんうん、美味そうだ。美味そうなんだけどせっかくだし、ここでちょっと適当なつまみでも腹に入れていかない? 焼き魚とか見てるとすごい食べたいんだけど』

 

 

 脳内のアルマが案の定な提案をしてきているけど、それに乗るとたぶん夕飯時が遅れるんだよね。

 そうでなくともギリギリの時刻なんだから、今回はさっさと帰るよと伝える。気持ちはまあまあ理解できるんだけどね、脂の乗った焼き魚、すごい美味しそうだしいい匂いするし。

 

「──よし、店長さんにも報告できたし踏破達成だ。そしたら帰るとするが……どうする? せっかくだしここで晩飯食べていくか?」

「酒の匂いさせて全探組に行くわけにはいかんし、飲むのはまた今度になるだろうが……腹拵えは大事だな、うん」

 

 と、ダンジョン踏破完了をこの店の店長さんにご確認いただいていた横山さんが戻ってきた。あとは全探組に報告して解散、なんたけどその前に夕飯をここで食べていかないかと相談してきている。

 みんな考えることは同じってことか。鈴木さんもうんうんって頷いているしね。御陵さんも満面の笑みで同意を示しているよ。

 

 ちなみにこういう、飲食店でのダンジョン探査のおまけみたいな感じで割とあるあるなんだよね、踏破後にそのままご飯を食べたりするのって。

 お店によってはサービスしてくれたりもあるため、中には飲食店絡みの案件を優先して受ける人もいるほどだったりするね。

 

「賛成ー! カナちゃんと山形くんはどう? 未成年でもソフトドリンクとかあるし、おつまみ美味しいよ?」

「あー、すみません俺は帰ります。一応未成年なんで、門限とかもなるべく守りたいですしね」

「伝道師として救世主様に可能な限り侍りますとも。全探組への報告はしておきますから、あなた方はもう打ち上げに入って良いですよ。お疲れ様です」

 

 俺と香苗さんも誘われたけど、俺は未成年、香苗さんは伝道師という理由から辞退する。いや伝道師だからは意味わからんて。

 ま、まあ報告もこっちでするからと告げれば、お三方は喜び勇んでじゃあ呑める! とはしゃぎだした。やっぱり飲みたかったんだね。そうだよね、居酒屋だもんなあ。

 

「悪いな、助かるよ御堂! 山形くんも、今日は貴重な時間をありがとう。とても勉強になった」

「ありがとねー二人とも! 噂の救世主と伝道師のタッグ、最高だったよお」

「世代の象徴ってやつがどんだけ高みにいるか、改めて学ばせてもらったぜ……俺もまだまだ未熟だが、いつか必ず追いついてみせるからな!」

 

 ということでこの場にて解散だ。厨房から出て店の前、邪魔にならないところで軽く挨拶をする。

 

 勉強になったのはこちらのほうだよ……A級パーティの、集団としてのレベルの高さ、連携の上手さ、そして手際の良さ、向上心。

 そのいずれもが高水準であり、今後俺も自分の探査者ライフを考えていくにあたってすごく参考にさせてもらえた。

 こちらからも、感謝を告げる。

 

「俺のほうこそ、みなさんからは多くのことを学ばせていただきました。ありがとうございましたみなさん、また機会があればぜひ、探査をご一緒させてください」

「公平くんが史上最高にして空前絶後、前代未聞の天才救世探査者様であることはもちろん示せましたが、あなた達が私にとっても頼りになる、素晴らしい仲間達であることも公平くんに示すことができました。いい機会をありがとうございます、3人とも。今後とも、よろしくお願いします」

「ブレないなあ、御堂。ま、S級認定式のあたりには俺らほか、御堂世代の縁ある同期も顔を出すだろうからその時はまたよろしくな!」

「連絡先とか交換しよ! 山形くんとはこれからも、たくさん仲良くしていきたいなあ」

 

 御陵さんの提案もあり、3人とも連絡先、SNSを教え合う。

 交友関係もこれでまた広がったわけだし、やはりいろんな面で得るものが多い今回の探査だったよ。




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