攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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すっかり蒼コートが正装みたいになった中二ハート山形くん

 そんなこんなでソフィアさんとの話し合いも終えて翌日、8月22日の朝を迎えた。ぐっすり寝た俺ちゃん、今日も快晴極まる夏晴れの光を浴びてぐーっと背筋を伸ばす。

 時刻は7時過ぎ。最近では若干早めの起床なんだけど、もうじき二学期も始まるからそろそろ生活リズムを通常営業のそれに切り替えていかないといけないからね。

 

 軽く体操なんかして身体をほぐし、スマホで今日の天気とか一応やってるSNSとかを確認。

 ふむふむ、リンちゃんとランレイさんのお兄さんであるハオランさんってば、朝4時頃まで起きてゲームの話をしてたみたいだ。

 

 あの人とはメッセージからSNSまで交換している、いわば友人関係なんだけどそんなにやり取りは多くない。最初はそこそこあったんだけど、そもそも互いにコミュニケーション力に乏しい陰キャだもんで、用もないのに接触をしかけたりする質ではないのだ。

 ただ、向こうはゲーマーでもあるらしくこうして毎日アレコレ投稿してるからすごいなって思う。でも夜更ししすぎじゃないかな、大丈夫かな?

 なんて勝手ながら心配しつつも服を着替える。今日はちょっぴりおしゃれに決めるぜ。

 

「さすがに織田に会いに行くのに半袖短パンはまずいよなあ」

『概念存在ごときに気を払う必要もないと思うけど、まあ? たしかに普段のファッションだと場にそぐわないんじゃないかとは思うよ』

「ですよねー」

 

 脳内のアルマさんからもご指摘を受ける。うむ、ぐうの音も出ない。

 友人と図書館行くんじゃないんだ。今回は事実上、システム領域と概念領域は神話カテゴリの間にて行われる、史上初の会談と言えるだろう。

 

 そんな場に夏休み満喫ボーイ山形くんが参上するのはいかにも良くない。

 悪しき前例になりかねないので、ここはやはりある程度フォーマルさを醸す服装でキメたいところだ。俺の場合で言えばやっぱり、学生服かな?

 いそいそとタンスを開けようとする俺に、続けてアルマの声が響いた。

 

『学生として臨むわけじゃないんだし神魔終焉結界で行けばいいだろ。忘れてるとは思うけどその服装のデザインは元々、僕の世界における指導者層が身につけていたものの写しなんだから。フォーマルさで言えば比較にならないよ』

「あっ、そうか。そういえばそうだったな、この服──結界起動!」

 

 言われて俺は、おもむろに結界を起動した。即座に変化する俺の服装。

 蒼いロングコート。その下は大陸服に近い意匠で、黒色の半袖シャツと若干ブカブカっとしているズボンに靴まで完備だ。

 

 今やおなじみ、俺の基本兵装みたいなものがこの神魔終焉結界なわけだけど。エスニックさも漂うこのファッションはそもそもアルマにデザイン担当をしてもらったものだったりする。

 もっと言えばその源流はアルマ自身がかつて管理していた世界における、お偉いさんの正装らしく。それゆえかどことなく高貴な感じの漂うものとして俺の探査者生活をオシャンティーに彩ってくれていたりするね。

 

 そしてそんな曰くがあるなら、そりゃたしかに探査者として、コマンドプロンプトとしての俺の正装って意味だと学生服よりはそれらしくはあるな。

 今日のアルマは朝から冴えてるなあ、と感謝とともに讃えれば、脳内から即座にレスポンスが返ってくる。

 

『なんだこの野郎、僕はいつでも冴えまくりだよ。この偉大さが分かったら昼は良いもん食べろよ。なんとかいう向こうの大神に現世の美味いものハチャメチャに奢らせろ、そしてそれを死ぬほど貪り食ってくれ。僕の味覚のために!』

「怖ぁ……奢りはともかくまあ、昼はご馳走がでるんじゃないか? わざわざ織田が言ってきてるんだし」

 

 アルマらしい傲岸さと言うか、織田ともオーディンともその名を覚えちゃいないっぽいアレさはスルーしておくとして。

 いつでもブレずに味覚的刺激すなわちグルメを要求するのは、毎度のことなので分かった分かったと頷いておく。

 

 まあ? 実際織田もメッセージで、昼は会食の形でパーティーめいたものを行うとか言ってたし、相応に美味しいものにありつけたりはするんだろう。

 正直そこは俺ちゃんも楽しみちゃんだ。同行してもらうリーベやシャーリヒッタも楽しみにしていたし、もはや会談しに行くんだからゴチになりに行くんだか分からない様相ではあった。

 

 さておき一旦、神魔終焉結界を解いていつも通りの私服に着替える。こうなるともう夏休みボーイスタイルで良いや、どうせ現地じゃ結界着込むわけだし。

 というわけで毎度毎度の虫取り少年山形くんの爆誕である。とりもなおさずスマホと財布だけ持って部屋を出てリビングへ向かう。

 

 リーベとシャーリヒッタはもう起きてるみたいでリビングに気配を感じるね。優子ちゃんは……まあまだ寝てるだろう。

 毎年ながら完全に夏休み満喫モードのあの子もそろそろ、二学期に向けて準備していったほうが良いんだけど、まあできるわけもないか。毎年母ちゃんにどやされてるもんな、去年までは俺も含めて。

 

「おはようございまーす」

「あ、おはよ。早いわね公平」

「おはようございますー公平さーん!」

「父様! おはようだぜ!」

 

 リビングに顔を出して朝の挨拶。母ちゃんと、あとはやはりいたリーベとシャーリヒッタの3人から返事が来る。

 父ちゃんもテーブルにて朝ごはん食べてるね。コーヒーを飲んでる最中につき、手振りのジェスチャーのみで挨拶してきた。それにも応え、俺はとりあえず顔を洗いに洗面台へと向かうのだった。




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