攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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神様もいろいろ、現世との付き合い方もいろいろ

 3日後にまで迫ったS級探査者認定式。それに向けて、様々な組織や勢力が水面下にて動き出しているだろう今日この頃。

 明後日の8月24日にはこちらも首都圏へと出向くというタイミングにて、俺とリーベ、シャーリヒッタは山形家を出て一路、隣町へと向かっていた。

 

 概念存在、北欧神話の大物オーディンこと織田と会談に臨むわけだね。

 途中でコンビニに寄ってせめてものお茶菓子くらいは買って、準備もまあまあ整った。あとは香苗さんと合流し、彼の住むというマンションにまで赴くくらいのものだ。

 

 朝8時過ぎ、気温はまだ低めなもののそれでもやはり猛暑だ暑い。因果操作で俺達3人の体感気温をバッチリ下げて対応する。

 道すがら、リーベが俺に尋ねてきた。

 

「ミッチーとはどこで合流するんですー? 彼女のことですから、直接家に来るくらいはするかなって思ったんですけどー」

「ああ、あの人とは件のショッピングモール近くで待ち合わせてるよ。家に直接迎えに来ようかって言ってくれてもいたけど、それはこっちからお断りしといた。あの人ほら、俺達より一日早く首都圏入りするわけだし今日のところは自由にしてほしいし」

「一日早くって、つまり明日ですね父様。そういや御堂香苗ってばなんかそんなこと言ってたなァ、認定式のリハがどうとか」

 

 いかにも言う通りで、普通にわざわざ俺の家まで車で迎えに来るとかしてきそうなのがいつもの香苗さんなんだけど……タイミング的に万一何か、それこそ事故とか事件とかあってはいけないと俺のほうから断りを入れていた。

 シャーリヒッタが言うように、明日、あの人は首都圏に向かうのだ。俺達に先んじること一日早く、認定式の予行練習や打ち合わせのためだね。

 

 なんとも大変だなーって感じなんだけど、だからこそ今日くらいは車の運転とかも控えてもらって、なるべく自由にのんびりホームグラウンドにて過ごしてもらいたいのが俺の意向だ。

 そんな彼女を織田との対談に連れて行くのかって話ではあるんだけど……そこは本人たっての強い希望だからね。ソフィアさんほど明確にまずい理由があるわけでもなし、こちらとしてはまあ、ご自由にーってところではあった。

 

「というわけで香苗さんも交えての会談になるけど……ぶっちゃけあの人、伝道師としてその場にいたいだけだからね。ソフィアさんほど政治的な立ち位置にはいないから、俺的にはもう好きにしてねって感じ」

「"救世主様と神々との対談、これは後世のために記録せねばなりません! "──なーんて、はしゃぐ様子が目に浮かびますねー」

「あいつの父様への傾倒ぶりはさすがだぜ! 俺も負けてられねえ!!」

「勝負しないでね?」

 

 何がどうさすがなのかな? 怖くて聞かないけども、そんな話をしつつローカル鉄道を使って隣町へ向かう。

 朝一につき人もまばらな電車、シートに並んでお行儀よく座って数駅跨ぐ。リーベにシャーリヒッタも迷惑にならないよう小声で話しつつ、あっという間に俺達は目的地へと到着した。

 

 改札を出る。

 駅前からショッピングモールのあるあたりまで続くアーケード街に向け、俺達はまた歩き始めた。

 

「でも、その織田っての……マンション住まいってのはなんだか意外ですね」

「うん?」

「だってアレでしょ、一つの神話の頂点ですよね? そんなの現世でも好き勝手して、豪邸の一つくらい用意して住み込むんじゃねーかってイメージがあって」

「あー……ありますねーそういうイメージ。特に織田ってば該当神話でもたしか、そういう豪華なお城とか宮殿に住んでるって話ですもんねー」

 

 リーベもシャーリヒッタも、織田がマンション住まいってところに違和感を抱いているようだった。

 たしかに、言うように彼は北欧神話の大神だ。あまり細かなところまでは知らないけど、相当豪華な宮殿に住んでるらしいし。

 そんなゴージャスさんなら、現世に滞在するにあたって豪邸とか用意していてもおかしくないよなあ。

 

 ただ……織田と直接会って、何度か話をした俺としてはなんとなく、理解できるところはあるかも。

 以前のやりとりを思い出しつつ、二人に語る。

 

「織田はなんていうか、少なくとも俺が見た限りでは理知的かつ、開明的なタイプのモノだった。好奇心が強い分、理解があるっていうのかな」

「偏屈さは感じなかったってことですねー」

「そうだな。だから現世に対しても自分に合わせろ! じゃなくて自分が合わせる、柔軟に適応するって方針に見えた。単純に現世日本を堪能しまくってた姿を見たから、そう思ったところはあるかもだけど」

 

 大量の土産袋を両手に提げて概念領域に戻ってきていたからな、彼。

 外国から来られた観光客さんと大差ない様子で、その土地の文化や伝統、流儀に対してある程度のリスペクトは抱いてくれているモノのようには俺の目から見て思えたよ。

 

 とはいえ、こればかりはなんとも言えないか。概念存在だって個性があるんだ、性格だっていろいろある。

 たしかにマンション住まいってのはちょっと気になるところではあるから、実際に彼と会った時に聞いてみるのも良いかもしれないね。

 無論、失礼にならない範囲でだけども。




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