攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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この大神……現世を全力で満喫している!

 話しつつも移動していると、通路の突き当たり付近でイヴさんが止まり、そこにあるドアを手で指し示しこちらに一礼した。

 会食の間、とやらか。ここでお昼ご飯をするみたいだね。正直さっきの謁見の間でそのままご飯とかでも全然良かったんだけど、そこはさすがに大神のこだわりというべきだろうか。

 北欧神話圏では相当ハイソな暮らししてたんだろーなー。

 

 中に入るとさっきの部屋とはちょっと違った内装で、通路が短めな代わりにリビングが大きい。

 それに従者らしき執事服の方が何人も並び、一斉に頭を下げてくる。怖ぁ……緊張するじゃんそんなの。

 

 謁見の間のリビングもすごかったんだけど、もっと広いんだからもはやパーティー会場だよこんなの。

 大きなテーブルが置かれていて、そこにはもうすでにオードブル盛り合わせだの寿司だのピザだのと、和洋様々な料理が並べられている。

 

 ここに来て一気にテンション上がる光景が来たな……それも全部手作りっぽくて、どことなく市販のものとは違う雰囲気を出している。

 料理人さんとかもいるんだろうか。いるんだろうな、やっぱり。イヴさんやダグルさん、ノットさんもそうだけどそこそこの数、従者の方を連れて現世に来ているみたいだしな。

 

 

『アッハハハハハ! 良いね最高だ、こーゆーのでいいんだよこーゆーので! まあ、北欧神話で何食べてるのかってのも気にはなるけどね。たぶん僕の予想だとそこまで凝ったものは出なかったろうから、逆にこういうほうが良いまであるよねハハハ! いや豚の丸焼きとか硬いパンとか塩スープもあれはあれで悪くはないと思うけどもさ!』

 

 

 

 脳内アルマもこれには満足して、またいらんこと言いつつも喜びの声を響かせている。

 たしかに北欧神話の食事事情ってのは俺も興味あるけど、丸焼きとか硬いパンとか塩スープなんてのは、自分のイメージで適当なこと言ってるだけだと思う。

 もしくは三界機構の世界が大分ハイファンタジーな世界だったみたいだし、そこで得た知見か。

 

 魔天だか、断獄だかあるいは災海だか。

 今ではミュトスの中に意識だけは存在しているらしい彼らの世界については、いつか意思疎通ができるようになった段階で話を聞いてみたいところではあるね。

 そんなことを思いつつもイヴさんはじめ執事さん達がテーブルの椅子を引いて、そこへの着席を促してきた。言われるがままみんなで座ると、彼女はまたしても一礼して無表情のまま言ってきた。

 

「こちらになります、皆様方。すでにお食事のご用意はできておりますが、我らが主オーディン様もじきに来られますので今しばらくお待ちくださると幸いに存じます」

「分かりました。ご案内ありがとうございます、イヴさん」

「恐れ入ります。どうぞごゆるりとお過ごしくださいませ」

『良いからもう食べちゃいなよ、客を待たせるなんてありえないぞ!?』

 

 織田ともうすぐ来るらしいから、彼の到着を待つ形になるか。脳内アルマさんが何やら喚いてるけど、気配の上では彼ももう会食の間の近くまで来てるし良いだろちょっとくらい、と嗜めておく。

 実際、もうドアを開ける音がしたからね。同時に気配が近づいてくる。執事さん方がドアを開け、頭を下げての最大の礼儀をもってその神を迎えた。

 

 ──青いシャツはどこへやら、今度はアロハシャツに白いチノパンを履いて、素足を晒してのラフな格好。

 先ほどまでとは打って変わったスタイルで、大神オーディンこと織田が姿を見せたのだ。

 にこやかな笑みを浮かべて、俺達に向けて片手を挙げて挨拶してくる。

 

「やあ、どうも。皆さんおまたせして申しわけない」

「あ、ああ……なんかずいぶん、軽装になったね……ちょっと驚いたかも、正直」

「一応は会談ということもあり正装めいたこともしましたがね。せっかくの食事時には軽い格好でいたいでしょう。というか日本の夏が暑すぎるのですよ、あのような格好をいつまでも続けていたくもありません」

「概念存在もぼやく暑さですかー」

 

 リーベも苦笑いを禁じ得ない。たしかに暑いもんね、今年の夏とか特に。

 探査者としてレベルが高い俺達は肉体的にも頑丈だし、ある程度は問題ないけど……当然オペレータではない織田はアバターがあくまでも人間のものであるということも考えると、黒スーツなんてキッチリ着てたら参っちゃうのも分かるよ。

 

 にしても落差からか、ずいぶんはっちゃけたなあって印象なんだけどね。

 シャーリヒッタがへー、と着席する織田を眺めて、直球で尋ねた。

 

「にしてもさっきとは全然違うなあ。そういうファッションが趣味って感じなのか、アンタ」

「ええ、まあ。予てより昨今の現世のファッションには、特にこういったラフなものほど素敵だと感じていましてね。特にアロハシャツは肌触りも含めて素晴らしい。いつか長期滞在中に、ハワイにも行ってみたいものですよ」

「ハワイかぁ……」

「意外な趣味と言うべきでしょうか。反応しづらいですね……」

 

 北欧神話の最高神が、アロハシャツ目当てにハワイにまで行きたがるのか……

 倶楽部案件の時にも土産袋いくつも提げてうろついていたりしたし、なんだろう現世を全力で堪能する気満々だよねこの神様。

 

 香苗さんが大分困惑してたりするけど、テレビゲームをよく遊ぶらしい彼女としては、創作の題材としても人気のあるオーディンがここまでお茶目と言うか、アグレッシブだとは思ってもいなかったんだろう。

 俺もびっくりだよ。もはや観光目的のために長期滞在しようとしてるのではないのかと、思っちゃうほどだね。




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