攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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名前しか知らないけどなんか有名なヤツだ!すげー

 意外とラフな趣味で、でもアロハシャツが不思議と似合うダンディアバター織田が席について、これにて会食の開始となった。

 まあ普通にお昼ご飯なんだけどね。カッコつけて会食とか言ってるけどホームパーティーの様相だもの。用意された料理も格式張ったものでなし、気楽にあれこれ頬張っては舌鼓を打つ楽しい時間のはじまりだった。

 

「現世の、特に日本は様々な食材と料理文化があって嬉しいですね。昨今はインターネットの普及によりどこでもこのような催しは開けるのでしょうが、それにしてもこの地は特にやりやすい」

「そうなんだ? こういうパーティーってなんか、本場はそれこそ欧米各国のイメージが強いけど」

「さすがに寿司まで出てくることは少ないでしょう? ……うーむ。魚の生食は日本特有とは言い難いものの、やはりこういう調理の仕方は私には興味深い」

 

 寿司を、好奇心を露にした目で見ながらも頬張る織田。酢飯の上に刺身乗せて握るという、よく考えるとすごいことしてる気がしなくもない日本のご馳走に興味津々って感じだ。

 日本を長期滞在先にしたのはもちろん、俺という同盟者がいるからなんだけど……それはそれとして先進国であることや治安が良いこと、あとせっかくだし独自の文化を堪能したいって理由もあるみたいだ。

 

 つまりはやっぱり観光目的じゃねーか! という話だけど、実際彼が現世に拠点を置いてくれるのはこちらとしてもそれなりにありがたいから特に言うことはない。

 せっかくなら楽しんでほしいって気持ちもあるからね。そんなわけで微笑ましさすら感じながらピザを頬張る俺ちゃん。

 うーん、イタリアーナ。

 

 

『出前で取るアメリカンじゃないほうだね。うんうん、生地は薄いけどその分香ばしさが段違いだしチーズの味わいをダイレクトに楽しむことができるね。最高だ、もっと食べてくれ!!』

 

 

 脳内のアルマもご満悦だ。たしかに美味しいからね、どんどん食べちゃうぞ。

 他にもローストチキンやらリゾットやら、あと生野菜サラダもあったりしてヘルシーさも考えられている食卓で、料理人の皆様の腕が素晴らしいからこそ実現している夢の光景だ。

 

 実はこれらすべて、織田が引き連れてきた従者の概念存在が拵えたってんだからすごいよなあ。

 イヴさんを見る。クールな無表情のメイドさんは静かに佇みながらも、時折小声で執事さん方に指示を出していた。

 

「レギンレイヴが気になりますか? 山形公平」

「ん? まあ、多少は。あの人、他の執事さんにも増して気配が強いし。結構格高いでしょ」

「くくく、さすがに見抜かれますね。あなたの感知能力はやはり、我々と比較してもなお驚くべきものがあるようだ」

「…………!! おわかりになられますか、山形様には。ある程度はセーブしているつもりでしたが」

 

 チラ見していたところを織田に聞かれ、素直に答える。

 この際だから言うとイヴさん、他の執事さんに比べてもどうも概念存在としての格が高めっぽいんだよね。備えてる権能もたぶん、神々に近い強度だろうし。

 それなりに隠形なり施しているみたいだけど、同類相手には誤魔化せても俺にはまるっともりっとお見通しなんだよなあ。

 

 一方でイヴさん、目を見開いて無表情にも隠しきれない動揺を浮かべている。まさか見破られるとは思ってなかったのか。

 執事さん達が音を立てずに寄ってきて、空になったグラスにジュースを注いでくださる。軽く礼を述べる俺を横目に、織田が愉快そうに笑ってメイドさんに告げた。

 

「我が同盟者であるぞ、レギンレイヴ。であればお前程度の拙い隠形など見るまでもなく看破する。そうでなくとも昨今は、人間の中に多く我らに匹敵する力の持ち主も生まれているのだ」

「…………はっ」

「くくくっ。戦乙女も時折現世は覗いているようだが、やはり現地に行かぬ分どうしても探査者達には半信半疑と言ったところか。仕方あるまいがな……ミーミルの叡智さえ、このような世になるなどとは予測できておらなんだ。真実とはやはり、素晴らしくも恐るべきものなのだ」

 

 怖ぁ……イヴさん相手には素の大神ムーヴじゃん。

 アロハシャツの愉快なオジサマアバターのまま、いつぞや一瞬だけ見せた威厳ある片目の老爺、すなわち本体たるオーディンさながらの威圧を放つ織田。

 

 いきなりのことにリーベやシャーリヒッタはともかく香苗さんがビックリしているよ。

 S級探査者と言っても人間だからね。急に大神そのものがひょっこり姿を見せたらこうもなるよね。

 

 しかしてそれも束の間。こほん、と織田は咳払いをして威圧を引っ込めた。

 そして苦笑いをこぼしつつ、香苗さんへと謝ったのだ。

 

「失礼、御堂香苗。つい身内相手になりますと、神話圏での振る舞いになりがちでしてね。滞在期間がまだ短いゆえの、無作法とご寛恕ください」

「あ、いえ……気にしません。ですがその、戦乙女なのですね、イヴさんは」

「ええ。現世に降りるにあたり戦乙女の中から無作為に選んだのですが、彼女にとってもいろいろ勉強になるかもしれませんね、此度の経験は。くくく」

 

 愉快そうに笑う織田。イヴさんが続き、失礼しましたと言って俺達に一礼する。

 戦乙女……ヴァルキリーとかワルキューレってやつか! なんか、なんだっけ? とにかく創作だと羽の生えた美女揃いのすごいモノ達!

 はー、本物見ちゃったよ。すげー。




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