攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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家電こそ我々の身の回りにある最も魔法に近い科学である

 なんかマジモンのヴァルキリーさんらしい、イヴさんことレギンレイヴさんにほへーってなりつつも昼食は続く。

 俺にしてもリーベにしてもシャーリヒッタにしてもそれなりに食べるほうで、特に現世に来て日の浅いシャーリヒッタは様々な料理を隠すことなき歓喜をもって食べまくっている。

 

 普通にめちゃくちゃ美味いものな、分かるよ……織田の連れてきたスタッフはマジで一流なんだなって感心しちゃうほどだ。

 いいとこのお嬢様で今までいーっぱい、美味しいものを食べてきてるんだろう香苗さんもこれら料理のクオリティの高さには素直に舌を巻いているよ。

 

「美味しいですね……これをその、概念領域から来られた方がお作りに?」

「ええ。ヴァルハラにおいても優秀な作り手達ですから。そんな彼らも当初、現世日本の家電の数々には感動しつつも困惑していたようですがね」

「あー……さっきの話通りなら、神話圏にはないものばかりだろうしなあ」

「電子レンジの仕組みなど、原理を聞いても半信半疑でいたほどです。実はルーンでも内蔵されているのではないかとか、しきりに首をひねってましたよ」

 

 うーん、カルチャーギャップ。あるいはジェネレーション? 土地も違うし年代も世紀単位で違うだろうし、そりゃ疑いたくもなるよね。

 家電の仕組みなんて本当に、よく考えつかれましたねって言いたくなるようなすごい発想が多々組み込まれていたりするし。料理人の方にとっては夢のような機械かもしれないけど、そもそも妖術魔術の類なんじゃないかと思うのも仕方ないことなんだろう。

 

 他にも、今回織田が連れてきた従者の方々も休日などを活かして現世観光をしているようで。

 北欧神話圏には見られない機械文化の数々に、新鮮な感動と驚きの日々を送っていらっしゃるらしかった。

 

「くくくっ。従者達もそれなりに己の居場所には誇り高いものですが、さすがにここまで違いすぎていると比較する気にも起きないのでしょう。素直に異文化として楽しみ、受け入れようとしていますね……そうだろう? 発言を許そう」

「はい、偉大なる我が大神。現世は元より観察しておりましたが、直に触れてこれほどのものかとなおさら感心しております」

「ましてや北欧ですらない異国の地。毎日が新鮮な体験に溢れていております。我らの領域こそが至高であることは言うまでもないにしても、今の現世も見事と言わざるを得ません」

「料理人達もみな、家電をどうにかして神話圏に持ち帰りたいと日々話しておりますれば」

 

 織田の言葉、発言の許可を得て次々に現世への所感を述べてくる執事さん方。

 彼の言うようにご自身の住まう北欧神話圏への誇りや自負をもちろん備えつつ、しかし現世の発展たるや見事とまで仰っているね。

 

 うーん、なんだか誇らしい気持ちになるのは、やはり俺も自分の住むところ、文化圏に対して愛着があるからだろうね。

 住めば都というけれど、都ともなれば誇りにしたくもなるもんだ。コマンドプロンプトとしては特に意味のない感情だろうけど、山形公平としては必要無心の情動の一つなのかなーって思うよ。

 

 さておき、歓談しつつの食事ももう、それなりに終わりを迎えている。テーブルの上もあんなにたくさん並べられてた料理も残り僅かになってきたのだ。

 この頃になると俺や香苗さんはすっかり満腹で、ジュースでも呑みながら織田と話をするのがメインになっているんだけど、リーベとシャーリヒッタについてはまだまだ食べ盛りらしく夢中になって食事を堪能していた。

 

「はー、美味しいですー! 中華点心まで網羅してるなんて、リーベちゃん感激ですー」

「パスタうめー! ……リーベ、中華料理系が好きなのか?」

「なんでも好きですよー? でもたぶん、リンリンの影響もあってたしかにそっち系が特に好きになってるかもしれませんねー」

 

 春巻きを頬張り可愛く悶えるリーベちゃん。シャーリヒッタの質問に答えたように、たしかに中華料理を多めに食べているイメージだ。

 仲の良いリンちゃんの影響って言うがたぶんその通りだろう。中国から日本にやって来て中華料理を食べたりしてるからね、あの子。

 故郷であるシェン一族の里は山奥にある上自給自足の生活らしく、いわゆる外食はあんまりしないからだそうな。野生の獣を自分達で狩って食べてるんだよ、マジでスゴいね。

 

 仲睦まじく食べる姉妹に、織田も微笑ましいのか目を細めた。

 謁見の間ではワインだったけど今はビールを呷って、気分良さげだ。意外に呑むな、この神……

 

「ふむ? 実に愛らしいお嬢さん方ですが山形公平。魂はよく観察すればたしかに、人間のようでわずかながらそうでない。彼女達の同類とはみな、このような感じなのですか?」

「ああ、姿はもちろん老若男女様々だけど、魂はこんな感じだろうな。素のままじゃ短時間はいけても長期なんて無理だから、人間の規格に合わせてるんだね」

「なるほど」

 

 執事さん方の前だからか、システム領域とか精霊知能についてはぼかしつつサラリと尋ねてくる。

 まあ多少言っちゃったところで、イヴさん達は見るからに忠誠心高そうだから外部に漏らすとも思えないんだけど、万一を考えての配慮はありがたい。

 

 というわけで俺もサラリとぼかして話す。以前にも触れたと思うけど、システム領域の存在がそのまま現世に下りるには魂の規格が合わなさすぎて無理筋なのだ。

 だから受肉の際に魂を人間のそれにある程度、負担がない形で適用化させているわけだね。

 

 元より輪廻転生しているコマンドプロンプトは例外にしても、精霊知能三姉妹についてはこうした理由で人間めいた魂を持っているのだった。




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