攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
好奇の視線渦巻く会議場。俺はヴァールにそそくさとついて行き、今回の件に各組織の偉い人や個人協力している者が座る席にやって来た。
要するに自由行動チームってところだろう。マリーさんやサウダーデさんやベナウィさん、リンちゃんもここにいて、俺達はさっきぶりの再会を果たしたのである。
「やあ公平ちゃん。リーベの嬢ちゃんにシャーリヒッタちゃんもよく来たねえ」
「どうもです。ええと、とりあえず空いてる席に座りますね」
「お邪魔しまーす」
「結構人いるなあ、と……隣座るぜシェン・フェイリン」
「どうぞ! シャーリヒッタちゃん!」
能力者犯罪捜査官たるエリスさんと葵さんは別として、対倶楽部からの仲間はみんなここにいるね。
というわけで空いてる席にお邪魔。マリーさんの隣にサウダーデさん、ベナウィさんに神谷さんが座り、その前に俺、並んで隣にリーベとシャーリヒッタ。
リンちゃんはヴァールと並んで俺の前に座っているね。
つまりは後ろにはマリーさん、サウダーデさんやベナウィさん。それにダンジョン聖教先々代聖女の神谷さんが鎮座していて、なんとも安心感があるというか、人によっては威圧感を覚えてしまいそうなポジションだった。
一息つく俺に、リンちゃんが話しかけてくる。
「公平さん、公平さん。ここ、ホテル、超豪華! お昼ご飯見た?」
「見た。食べた。美味しかったぁステーキ……」
「やっぱり! 私もステーキ、大満足!!」
ふんすふんすと鼻息荒く、喜色満面に俺と同じく昼にはステーキを食べたことを明かしてくる。
なんともまあ緊張感はないけどこのくらいでちょうどいいのかも。実際ステーキマジで美味しかったし、ホテルは信じられないくらい豪華だったしで俺だって内心テンション上がってるからね。
そんなわけで二人でにこやかに談笑していくんだけど……
周囲の探査者さん達が、そうした和気藹々な姿をばっちりと見ているみたいだ。ヒソヒソとあちこちから声があがるのを聞く。
「呑気なのがいるな、あっち……A級のシェン・フェイリンと例のシャイニング山形か。取り巻きらしい女の子達もチラホラいるな」
「ホテルのクオリティに浮かれて、まんま子供ね。WSO統括理事やフランソワさんのお気に入りみたいだけど、もしもことが起きた時にはちゃんと動けるのかしら?」
「模擬戦の動画を見る限り戦闘力については心配なさそうだが、どうもな……そもそもあんな歳の子達が、こんな人間同士の事件に関わること自体どうかと思うが」
「そこはなんだっけ、スレイブモンスター? だけ相手にしてくれるでしょ。人間相手は捜査官ライセンス持ってないと駄目だし」
懐疑的な声がチラホラ。まあ、こんな場でホテルサイコーステーキサイコーとかはしゃいでたら言われるよねー。
ただ、悪意的というよりは不安視。特に今回の件が事実上人間相手の戦いだから、そんなところに子供を連れてきて良いのかって考えてくれているみたいだ。
大人としてのありがたい考えに恐縮するよ。リンちゃんはまったく気にせず堂々としているけど、俺としてはちょっぴり苦笑いして頭の一つも掻きたい気分だ。
一方、そんな声とは裏腹に好意的な意見も聞こえてくる。
「救世主様が来られたか……! ならばもう問題ないな、この事件は解決確定だ!」
「こちらの信者はともかくとして、まあ彼がいろいろ今の御時世の中心にいるのは間違いないでしょ。となると、大きくことが動くんでしょうなあ」
「たしかこの集まりとは別に、純粋な来賓としてS級が何人か来るんだろ。トップクラスほど今どき流行りの彼みたいなのは、放っておかないだろうさ」
「S級複数人に絡まれるとか生きた心地しないねえ……あそこにもサウダーデさんやらコーデリアさんやらいらっしゃるけど、見るからに気迫ヤバいし」
こんなところにも信者がいた……もうどこにでも一人はいるレベルだよね救世の光の侵食具合。怖ぁ……
そして過分なご評価というか、たしかにこの半年くらいは俺の周囲で妙ちきりんなビッグイベントが起きまくっているから時勢の中心にいると言われるとそう思われるよね〜とはなる。
ちなみにここにいる人達はあくまで"対サークル、対過激派用に動員された人達"であってS級探査者認定式に賓客として招かれているわけじゃない。
なので何人か来られるというS級の人ってのは実は、ここにはいないのだ。っていうかそんな人達まで呼んでたら主賓の香苗さんだってここにいたかも知れないしね。
そんなこんなで賛否両論の意見なんかも耳にしつつも。それでも俺のやることは変わらないからねと馬耳東風を決め込む内にヴァールが動いた。
立ち上がりホールの一番前、正面にプロジェクター用のスクリーンが垂らされている傍に設置された講壇の前に立ったのだ。
マイクを手に取り、いくらかテストを行い話し始める。
『あー、テスト、テスト……よし。時間になったのでこれより会議を開始する。ドア閉め、スタッフは防音スキルを発動するように』
「《防音結界》発動します」
拡大された彼女の声がホール中に響き、指示が飛ぶ。
すぐさまドアが閉められて、部屋の一番奥に立つ探査者がスキルを発動した。
《防音結界》……レア度はまあまあ高いスキルだな。結界系スキルの一つで、特定範囲内に外部からの音、また外部への音を行き来させない空間を張る効果がある。
かなり広いホール全体にこのスキルを適用するのはかなり骨だ、相当な高レベル探査者さんなんだろう。
ともあれこれでここでの話が外から盗み聞きされるおそれはなくなった。ヴァールも一つうなずいて話を続けていく。
会議の始まりだ。
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