攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
すっかりガチギレしている神谷さんに戦慄しながらも、明日の認定式における警護関係の配置や役割などの解説もされて会議が恙無く進行した。
ぶっちゃけこのへんはあまり、俺達には関係ない部分というか……要は各組織縄張りがあって、連携するのはもちろんだけどそれはそれとしてお互い勝手なことはやめようね、連絡しようねって話だからね。
元より独立遊撃が旨の個人探査者からすると、一応どこにどんな組織の部隊が置かれるのかは把握しておくけど、基本的には関係のない話なのは間違いなかった。
一通り話し終えて、島根さんが締めくくる。
『それでは会議を終わりたいと思います。これより後、各組織各員は予定通りの動きをお願いいたします……それでは解散!』
解散が促され、一斉に立ち上がるみなさん。警察、WSO、全探組の人達がさっさか部屋から出ていくのとは裏腹に、今すぐやることのない個人探査者達はまあまあのんびりしているね。
各組織の方々はもう現場に赴いては、すでに配置済みの現地スタッフさん達と合流。再編と再配置が行われるわけだけど……俺達の出番ってば基本、明日だし。
と、ヴァールが立ち上がり俺達全員に呼びかけてきた。
だもんで俺達は座ったまま、とりあえず忙しい人達が退室しきるまでは待っているわけだ。
「終わったか……よし、ここに残った個人探査者達は少し聞いてくれ」
今回、ここにいる探査者達の直属の上司というか指示役は彼女だからね。ここから先の予定についてはヴァールの指示に従うのは当然のことだ。
彼女を見る一同。個人探査者は俺の知り合いだけでなくもう10人ほどいる。新幹線での道中には見なかった顔ぶれだからおそらくは現地の探査者達なんだろうね。
チラ見すればどことなく都会チックな香りが漂うし、なんか自信ありげにみんな不敵な笑みを浮かべているし。陽キャ感も微妙にある、頼もしそうな人達だ。
そんな彼らに向けても、ヴァールは話しかけた。
「これより明朝8時までは自由時間とする。関西から来た者達は特に羽を休め、英気を養ってほしい。明日は朝からさっそく現地、認定式が行われる式典会館に行って間取りや現状の確認、そして各組織の配置箇所など一通り回って敵の襲撃に備えるのでそのつもりで。遅刻は厳禁だ、言うまでもないがな」
特に最後のは気をつけなくちゃ……遅刻お寝坊ダメ、絶対。
夏休み中ですっかりぐーたらモードだった俺ちゃんも、一応ここ数日はきっちりお仕事モードに切り替えているもののこのへんはマジで気が抜けない。
慣れない豪華ホテルでの宿泊、緊張や不安で眠れなくなっちゃうとかあり得なくもないからね。
まあその場合は即瞑想して気持ちをリセットして無理矢理快眠するけども。本当に瞑想効果の称号《正しき心はあなたの胸に》は便利だわ。俺のイチオシ称号だよ、紛れもなくオンリーワンだけど。
「個人協力者である諸君らには、ことが起きた場合には警備範囲のあらゆる箇所を迅速に、ワタシの指示に従って動いてもらうことになる。次第によってはタフな一日となるだろう、今のうちにしっかり休んでおいてくれ……以上だ。解散してよし」
明日の予定と一応の忠告だけ入れてくれて、ヴァールは速やかに解散を告げてくれた。
さて、ともかくここからは自由時間だ。今がえーっと夕方16時過ぎなので、まあ軽く散策してお夕飯食べてしばらく遊んで、夜になったら早めに寝るからそしたら朝って感じだろう。
そこまでタイトじゃないにせよ、浮かれ気分で外出て遊ぶぞーって感じの猶予があるわけでもない。
本当に疲れを癒やして明日に備えるための時間として、貴重なものと受け止めるべきだな、これは。
「そうと決まれば部屋に戻るかなー。あ、そうだリーベにシャーリヒッタ、部屋どうだった? 超ヤバくなかった? マジヤバじゃない?」
「急に語彙が死にましたけどどうしましたー? いえ何が言いたいかは分かりますけど。ヤバかったですー」
「ふかふかベッドにお風呂もデカくてすごかったですね公平サン! お昼もオレ、ステーキ食べちゃいました!」
「あ、俺も俺も。訪ねてきた神奈川さんと食べたけどあれすごかったな、生まれて初めてあんなの食べたよ」
せっかくなので山形家の子達とホテルの豪華さ、食事の旨さを感動のあまり終わってしまった語彙力でそれでも確認する。
リーベもシャーリヒッタも似たような想いは抱いていたようで、割り当てられた室内のゴージャスさにはふうと息を吐き三人、すげーヤベーマジパネーと言い合う。
ここまで豪華だと、室内やホテル内を探索するだけでもずいぶん楽しそうな気はするよね、正直。
遊び疲れない程度に収める必要はもちろんあるけど、空いた時間は三人でちょっとした散歩がてら探検とかを楽しんでも良いかも知れない。
そんなことを話していると、リンちゃんも瞳をキラキラさせて話に混ざってくる。
「ホテル、最高! 探検するなら私も行く、ぜひ行く絶対行く! こんなゴージャスめったにない、あちこち見て回って後で兄ちゃんに自慢する!」
「そ、そう……ちなみにええと、ハオランさんはどうしてる? お元気?」
「うん、元気。関西のゲームセンターとかアニメショップとか梯子して楽しんでる。見た目は良いからよくスカウトされてる。泣いて逃げてる」
「えぇ……?」
何それ怖ぁ……リンちゃんのお兄さん、シェン・ハオランさんのまさかの生活に慄く。
あの人すごいイケメンなんだけど中身は筋金入りの陰キャオタクさんで、俺ともちょくちょくアニメやゲームの話でチャットしてるんだけど、来日中の今ってそんなことしてたんだ。
スカウトされるのは見た目が良いから分かるけど、泣いて逃げるのか……
話によると星界拳士としての技術ならリンちゃんにも並ぶほどの天才って話なんだけど、なんだかとてもそう思えないエピソードだよ。
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