攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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異世界の神の権能もS級モンスターも一緒よ

 なんか知らんけど俺とリーベは一旦、この式典館を受け持つことになっているみたいだった。

 ミュトスの権能に対応できるようにってヴァールは言うんだけど、たぶん香苗さんへの忖度大きいんだろうなーって。

 

 まあ俺としてもお会いしたいし、なんなら認定式に先駆けてお祝いを言いたい気持ちもある。だから渡りに船とはこのことなんだけど、他の人までなんとなし納得したふうなのはどうしてかな?

 救世主と伝道師だしなあ……的な目をするの止めてもらえますかね。怖ぁ……

 

「それとこの際だ、諸君らに言っておくとこちらの山形公平氏、リーベ・山形氏、シャーリヒッタ・山形氏の三名は敵組織、ダンジョン聖教過激派が用意していると思しきとあるS級相当のモンスターに対して特効効果を持つスキルを有している」

「え、S級相当の……!? しかもそんなのの特効を、公平達が!?」

「うむ。プライバシーの観点から詳細は言わんが、特に山形公平氏については連中の切札に対し、完全に優位な立ち位置にあるとだけは言っておこう」

 

 完全に現世外の事象である、ミュトスの権能やシステム領域についてはひた隠しにしつつヴァールが説明する。

 S級相当のモンスター。ミュトスに対しては失礼な表現になるものの、現世の大ダンジョン時代社会に併せた言い方をするならこの通りになってしまうのだろうね。

 特効云々は単なる辻褄合わせというかカバーストーリーみたいなものなんだけど、相手がS級相当ってのは疑いようもなく事実と言える。

 

 アンジェさんが驚きの声を上げるのに対して、ヴァールが続けて補足するんだけど……おう、俺のハードル上げるの止めてもろて。

 社会崩壊を目論む洒落になってない連中が頼りにする切札とやらに対して、完全に有利を取れるらしいどこぞの山形くんに好奇と疑念、仲間からは信頼と期待の視線が突き刺さる。

 

 シャイニング山形、また悪目立ちするってよ。

 内心でつぶやきながら瞑想して気分を落ち着かせる。心がスーッと平らになる感覚を味わいながら、俺はヴァールの言葉に耳を傾けた。

 

「なのでこの三人は基本的にワタシの直接指揮の下、そのモンスターが出張ってきた時に動く役目を担う」

「S級相当のモンスターについては仔細は不明ですが警察庁、全探組、WSO各員把握していることでもあります。何かしら不穏なモンスターが現れた際には、すぐさま連絡をお願いします」

「おそらくはソレを見た、いや……ソレが近づいてきた時点で悪寒や戦慄などが身体を駆け巡るだろう。過去、S級モンスターとは威力の大小はあれどそうした威圧感をまとっていた。今回も同じであればすぐに分かるはずだ」

 

 具体的にミュトスの権能がどんな姿で現れるのかは分からない。定形なのか不定形なのか、そもそもどうやって制御するのかも目下のところ不明だ。

 けれど実際に投入されるとなった場合、まず間違いなくソレはすさまじい違和感と威圧感を伴って現れることだろう。

 

 ただでさえ概念存在の権能がおそらく丸ごと現れる上に、そいつはそもそもこの世界の産物ですらない正真正銘の異世界存在ときてるんだからね。

 姿を見るまでもなく、気配が近くに来た時点で異様な感覚を覚えるはずだ……S級モンスターさえ超えかねないだろう、破滅の空気を纏っていてもおかしくない。

 

 下手するとその感覚だけで気を失ったり倒れたり、あるいは行動不能になりかねないかも知れない。

 そうなる前に対処すべく、俺はじめシステム領域側の存在はあらかじめ待機しておくというわけだった。

 

「またリーベ氏については医療スキルをもっており、大概の傷なら即座に完治させることもできる。式典館前の広場に医療ブースを設置しておくので、通常の医療班と併せて重傷者は診てもらうこととする。任せるぞ」

「分かりましたー! ええとー、私の《医療光粉》はたしかに大体の傷を癒せますけど治癒力が高すぎて、重ね掛けすると再生能力が暴走して逆に身体によくありませんー。なのでお一人様一回限りとさせてくださいー! つまりは基本、医療班? の人達の判断にお任せしますー!」

 

 リーベはリーベで自前のスキル《医療光粉》によるヒーラー的役割を期待されているみたいだ。いきなり話を振られたにも関わらず見事に応対している。さすがだぞアイドルマスコット!

 見れば幾人かの探査者さんがメロメロって感じだし。男の人だけかと思いきや女の人もいるあたり、リーベって割と女の人にも人気出そうなのかなーって感じはするよ。

 

「おおおリーベちゃん! かわいいかわいいリーベちゃんが喋ってる……!!」

「やっぱ思ってたけど生だともっと可愛い……! 尊い、死ねるぅ……!」

「医療スキルってまたレアだなあ、それも相当な回復量みたいだし。シャイニング山形もなんかすごい自己強化スキル持ってるって聞くけど、最近の若いのはヤバいなあー」

 

 何人かの人がミーハーな感じに反応したり、あるいは《医療光粉》に感心したりしてるし。

 医療系スキル、割と真面目にレア物なんだもんなあ。たしか《応急手当》とか《医術》が主でゲームの魔法みたいに一声かければ傷が消えるなんてのは《治療》や《他者再生》として用意されてるくらいだったか。

 

 これにしても今世界にどのくらい保持者がいるよ? ってくらいの希少度だし、リーベのスキルがいかに破格かがよく分かる話だよ。

 ファンの声援を受けてリーベははにかみつつ手を振り応えた。本当にアイドルみたいだ……実態はカルト宗教のアイドルなので、なかなか複雑なんだけどもね。




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